アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Female Sport/女子スポーツ

政治抜きだとこんなにすっきり

今夜ESPNのプライムタイムでWNBAのNew York Liberty@Indiana Fever戦をやってました。クリーンな試合でホントほっとしますね。スポーツ観戦が左右双方の宣伝の場になってないとこんなにすっきりします。

Fever 106-92 Liberty。終始ホームのFeverがリードしての快勝。Kelsey Mitchellが17試合連続の20+得点、Caitalin Clarkが20-10のダブルダブル。

前の記事で書いた通りWNBA界隈はここのところ政治色の強い話題が満載、外部の参戦が多くて素直にスポーツ観戦を楽しめるような雰囲気ではないところでの全国放送かあ、どんな放送になるのかなと思って見てたんですが、純粋に良いバスケをやっていて良かったです。

アメスポはアメリカ社会での露出力が強いので政治利用すること・されることがしばしば起こります。それがWNBAで起こるようになったのはWNBAに一般への露出力や影響力が増したからなのは疑いがない。例のトランスジェンダーの参加問題だと女子プロサッカーのNWSLもWNBAと同じスタンスなのですが、そっちは露出力もないから政治宣伝がやりたい人もまったく寄り付かないですから。

ここでこういうことを書くと若干問題でしょうが、今日の試合がクリーンに進んだ理由の一つはLibertyの中心選手がBreanna StewartやSabrina Ionescuで白人選手というのがあるかな。ここのところモメていた人種間の軋轢の結果であろう荒い反則行為は見当たらなかった。試合中のインタビューでLibertyのエースBreanna Stewartも良い感じでリラックスしているのが感じられていたのも良かった。

WNBAのレギュラーシーズンは終盤。プレーオフは8チーム出場で、現在8位と9位の間が5.5ゲームも離れている。まだ安全とは言えませんが残り10試合前後での5.5ゲームは重く、ほぼ現在の上位8チームでのプレーオフが濃厚で、今日のLibertyもFeverも当確。

先週までに続けざまにFeverのSophie Cunningham関連でモメた相手のSeattle Storm、Portland Fire、Chicago Skyは全部プレーオフ落選見込み組の方なのでプレーオフでそれらのチームとの政治的混乱は尾を引かないのはスポーツとして、または巨額契約をしたスポンサー各社にとってもありがたいところでしょう。

インディアナ州副知事が参戦するWNBA人事

すごいことになってますね。女子プロバスケのWNBAの人気チームIndiana FeverのHCの試合後の記者会見の発言にインディアナ州の副知事が噛みつきクビ要求に至ってます。そんなことになるのか、という驚きがあります。WNBAですよ。
この副知事は将来の知事選への進出を考えてここは有権者に名前を売るチャンスだと見て発言したのだろうと思いますが、部外者から見てもWNBAの記者会見の内容が名前の売るチャンスに見えるぐらいFeverの一般州民への訴求力があるとみえるからこういう発言になるわけですよね。すごい話です。

この時期っていうのは先週末からNFLのプレシーズンが始まってる。インディアナ州にもNFL Indianapolis Coltsがあるのでその話題が通常ならスポーツの一番の話題でしょう。Coltsが優勝争いに関われないであろうという前評判でもです。または昨季突如全米制覇に成功したカレッジフットボールのIndiana Hoosiersの話題というのもありえたでしょう。
インディアナ州にはMLBチームもサッカーのMLSチームもない。MiLBのチームはありますけど、基本的に夏のメニューには乏しい土地柄だったはずですが、そこへ3シーズン前に女子バスケのIndiana Feverが人々の意識に登場し一気に全国区の人気チーム化。Caitalin Clark加入3シーズン目の今季はWNBAがビリオンダラービジネスになっての初年度。地元インディアナ州では全国区以上に盛り上がってそうです。

3年以上前にWNBAが赤字ビジネスから脱却という予測をしたら鼻で笑われたであろうに、今はビリオンダラービジネスかつ日々その試合どころか試合以外のことでもガンガン報道されてます。こんなことになるとは。

実は学校教育における男女平等を定めたTitle IX(タイトルナイン)が施行されて50年余であることの記事を下書き中なのですが、そっちが書くのが長くなっている間に女子スポーツの現実がどんどん進んでいて、そっちを先に書かないとということで今これを書いてます。
この事態もTitle IXの半世紀の成果の一つと言えるのでしょう。

ところでなぜ今モメてるかというと昨日行われたIndiana Fever@Chicago Sky戦でSkyのDiJonai Carringtonがファストブレイクで得点しようとしていたFeverのSophie Cunninghamの頭部を腕で横殴りしたとしてフレグラント2で一発退場を食ったプレーの余波が大きいためです。

Sophie Cunninghamはつい数日前にも西海岸の連戦でブーイングを食ったり相手選手に突き飛ばされて話題になった選手。「性転換した男子選手の女子スポーツへの参加に反対」という発言をして、その発言に反発する選手やファンから目の敵にされてクローズアップされた方です。一部ではMAGAバービーという呼び名もついたみたいでしたが、Cunningham本人はその呼ばれ方は本意ではないとMAGAとは距離を置いてます。
選手としての立場はFeverの中ではベンチスタートでこの一連の騒ぎが起こるまではFeverのファンは知っていても全国区の選手でもオールスターに出場するような選手でもなかったのが一気に知名度を挙げてしまったという結果になってます。

以前の記事でも書きましたがトランスジェンダー元男性の女子スポーツへの参加については世論調査で繰り返し7割から8割の人が反対しているのが確認されているので世間では決着はついているトピック。それでもWNBA内はどうも世間と風向きが異なっているようでわざわざCunninghamが多数派の意見を明瞭に発言しただけでブーイングとラフプレーでの報復が待っていた。

今年はアメリカは中間選挙の年で11月初旬の投票日まであと3ヶ月。政治的な季節に入ってきていてYouTubeでもTVでも候補者の宣伝が多くなってきている。民主・共和両党とも相手の失点は見逃さないみたいな時期でもあります。
しかしながらWNBA(過去から強固な民主党支持団体状態)の大半は世間の圧倒的な反対もものともせずトランスジェンダーの女子スポーツ参加をまだプッシュしているようです。世間が見えてない、ズレてると言われそうな反発ぶりで、そのせいでベンチ選手のSophie Cunninghamを全国区スターにしてしまった感もあります。

そういうタイミングで昨日も頭部反則攻撃をCunninghamに加えてまたそれがビデオ・クリップにしやすい形で披露。支持派からしたら負け戦の戦線を拡大したかのような行為。
この日のCunninghamは紹介したビデオでは映ってませんがこの反則時のショットは入っていて、中断後のand-1のフリースローを入れただけの3得点の試合。ベンチ選手の3得点の試合がSNS上で大量に拡散され語られる騒ぎ。

しかし騒ぎはそこで終わらず、ファールして退場になった側のDiJonai Carrington(黒人選手です)が試合後に自身のSNSで「白人特権」と一言投稿。ファールを受けたCunninghamは白人選手。私が退場にさせられたのは人種差別と言いたげな投稿です。いやいやいや、貴女明らかに故意のファールしたじゃん、人種関係ないだろと総ツッコミ状態となり、その後SNSを非公開にして撤退してますが、まだ尾を引きそう。意識のズレがすごいというイメージを一般に残してるかなと思います。

それとFeverのHCのクビ問題はもう一つ別で、FeverのHC Stephanie Whiteが試合後の記者会見でCarringtonのファールは意図的じゃなかったと思うと発言した。加害者擁護に聞こえる発言をしたと。これがFeverファンから批判・顰蹙をかった。その挙句副知事がその流れに乗って自軍の選手を守れないHCは要らないなどと言ってクビ要求とまで騒ぎは拡張してます。

なにがすごいって3年前まで常時赤字でニッチの群小アメスポ団体の一つに過ぎなかったWNBAがESPN始めスポーツマスコミの上位ネタに連日載ってしまうもすごいし、政治家まで口出しして乗っかってみようと思うぐらい影響力がアップしてるのがすごい。

今の時期は毎年当ブログでも書いてますがアメスポの夏枯れの時期で話題が薄い時期ではあります。アメスポメジャーでシーズン中なのはMLBだけで、MLBもトレード期限が無事過ぎてかつまだプレーオフの枠争いも煮詰まっていない通常運転時期。NFLのプレシーズンは始まってますが、ご存知の方はご存知の通りNFLのプレシーズンゲームはスターターはロクに出場しないのでおもしろいものではありません。そういう毎年のアメスポの夏枯れ期間にこれからはWNBAが上位ジャンルとして地位を築くんでしょうか。

ついでに付け加えると男子サッカーのMLSが夏場にシーズンを開催するのは今年が最後です。来年2027年から欧州に合わせて秋春制に移行するので夏場を明け渡すことになる。MLSとWNBAはファン層があまり重なるとも思いませんが、MLSもなくなれはさらに夏枯れ時期のメニューは減るわけで、そこへ勢いを増したWNBAが本格的にアメスポ第5位ジャンルとして根を張れる余地はより大きくなるのかもしれません。

それはマイノリティの不安感なのか

前回WNBAネタを書いたのが意外にも人気でたくさんコメントをいただきました。アクセスも多い。何が興味を呼ぶのかわからないものですね。
その後に起こった新事態にプラス、前回の記事のコメント欄に私もいくつか文章を書いたのでそれの回収を兼ねてまとめを書いてみたいと思います。

これがネット上で拾ってきた2026年のWNBAオールスターの投票結果になっています。ガードは上位4名がオールスター先発選手として当選、フロントコートは6人が当選という仕組みです。

WNBA 2026 voting

前回にも書きましたがWNBAの経営を劇的に転換させたCaitalin Clarkがファン投票で2位、記者投票で3位、選手間投票で11位というギャップがすごいという話。

ClarkだけでなくClarkのチームメイトであるFever所属のKelsey Mitchellや事実上のClarkのボディガード役のAliyah Bostonもオールスタースターターに当選してますが、それぞれ選手間投票での順位が低い。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いみたいなものなのか投票結果の表で眺めてもFeverの選手の票が低く出てるように見えます。なにがそんなに嫌われているのはよくわからない。

公平を期して言うと今月はBostonはケガで欠場がちだったので得票が下がるべき理由は少しありました。Bostonは顔が少女っぽくておっとりしてる感じでYouTubeで露出してたりでファンへの露出は多めの選手です。Mitchellの方は実力派で、オールスター前までのスタッツで得点でリーグ2位。現在13試合連続20得点以上と得点力ではClarkを上回る1−2パンチ状態のバックコートでのコンビです。
なのでBostonは落選しても文句は言えなかったかもで、ClarkとMitchellは成績からすれば当選で順当のハズのところMitchellが7位、Clarkが11位と選手たちからの支持を得られてないということになります。

またガードのファン投票は1位Bueckers、2位Clark、3位Mitchellときて4位がAzzi Fudd。FuddはDallas WingsでBueckersのチームメイトでありUConn時代からのBueckersの交際相手でもあるという方です。つまりBueckersとClarkとそのコンビでファン票上位は固まっちゃったということです。ファンの意識はこの2人を中心に回ってるということになります。なんでもかんでもClark1人だけが人気の中心よりはBueckersと2分・分散している方が健康的とも言えるかなあとは思います。
ただしAzziは記者投票15位、選手間投票28位となっている。繰り返しになりますがWNBAは今季からの新チームも含めて全15チーム。各チームに2名先発ガードがいるとして30人のうちの28位ってことは最下位にほど近い。これだとWingsのチームメイトもAzziに投票してないのだろうという順位ですね。Paige人気のおこぼれ的な微妙な心理状態が感じられる結果と言えましょう。

ついでに言うとWNBAの選手間投票のファン投票からの乖離には前科もあります。
Sabrina Ionescu(白人・性的ストレート)が3ポイントシュートで突出して、NBAオールスターでStephen Curryと男女3ポイントシュート対決を企画されるぐらいに実力を発揮していた時期がありました。それが2023年のWNBAのオールスター投票でファン投票6位、メディア投票6位、選手間投票19位となってます。これはちょうどCaitalin Clark効果でWNBAの注目が上がり始めるまさにその前年の話です。
いろいろ見方はあって良いとは思いますから、性指向や人種は関係なくIonescuもClarkも選手間投票でたまたま評価されなかったという風に思う方もいても絶対に違うとは言い切れない。選手の心の中を確定的に言うことはできないのですけど、2度も同じ結果がでちゃう・やっちゃう。やっぱりソレが理由なんじゃないの?という疑問は沸く経歴だと思います。

IonescuのときはClarkがドラフトされる前年。まだWNBAの視聴者が一般大衆に開かれている時期ではなかったので今回のClarkの11位ほどの批判も起きなかった。ファン層自体が狭かった。零細の赤字のニッチリーグだったから。以前からのWNBAのファンと選手の意識でIonescuを当時12チームしかないのに19位まで落とせる選手間投票だったのです。ファン投票でも性的ストレートを表明していると不利だった可能性があります。

ちなみに最近になって性的ストレートを表明してNBA Miami HeatのBam Adebayoとの交際を公表したリーグMVPのA'ja Wilsonですけど、A’jaは今のストレートのスター選手が増えてきたトレンドになる前は個人的なことを語らず性指向も明らかにしていなかった。今の流れになってやっとBamとの交際を公表、ストレートなのをカミングアウトした形になってます。性的にストレートなのを隠さないといけないとしたらその環境はかなり倒錯していたと言えるのかもしれません。ちなみにA’jaとBamは五輪のときに知り合って交際し始めたそうです。


さてWNBAの新たなネタ投下。Seattle Stormの試合会場で、トランスジェンダーの選手の女子スポーツ参加に反対の意思表示ととられるシャツや、その趣旨に沿った「Sophie(Indiana Fever所属Sophie Cunninghamのこと)私たちのために声をあげてくれてありがとう」というサインボードを持っていた少女2名がいたところ、Stormの共同オーナーの方がその2人とところへ行ってFワードを含む強い言葉で非難したという案件がありました。
WNBAは速やかにその共同オーナーに罰金と5試合の出入り禁止を発表してます。WNBA本部側の動きとしては迅速で延焼を防ごうという意図での行動としてはほぼ正しいのでしょう。

ただこれはファンといさかいを起こしたことへのペナルティです。元々の摩擦はWNBAが長年強くトランスジェンダーアスリートを支持していることがWNBAコミュニティの常識となっていたことにあるように見えます。現在WNBAには自身がトランスジェンダーであることを表明している選手はいない。但しSophie Cunninghamがああいう言い方をしたということは内々にはそういう選手がいるのを示唆しているようにも聞こえます。

WNBA自体は抱合性を理由にトランスジェンダーアスリートの女性スポーツ参加には賛成の立場を変えていない。但しアメリカの世論調査だとほぼ8割が明確に反対しているので、以前はWNBAと歩調を合わせていたNikeなんかも数年前にもうその件については目立つところでは語らなくなってます。それ以前はNikeはトランスジェンダーアスリートの女子スポーツへの参加の支持と支援のTVコマーシャルを大量に打っていたものでしたが、世論調査からしてまったく逆転や拮抗の見込みがない圧倒的に不人気な案件とわかった時点で企業としてのダメージを避けるためにその問題から距離を置き始めました。Nikeの公式サイトを見るとまだ支持のページは残っていたはずですが、あの大々的にコマーシャルを打っていた時期からは関与は大幅に後退してます。

最近は既に高校や大学では明文規定で男性として生まれたトランスジェンダーアスリートの女子スポーツへの参加は禁止されている場合が大半となっており、完全に潮目は変わっています。

WNBAがマイノリティをサポートするのは思想の自由だしそれを語るのは言論の自由です。だからいまでもそれを支持するのは構わないのですが、問題はClarkやIonescuへの選手間投票でのイジメ行為とか、今回のSophie Cunninghamへの猛烈なブーイングが全国放送の試合中継で流れてしまうのはいかがなものかなというその辺ですよね。そこにSeattle Stormのオーナーが参戦してFワード込でストレート支持(米国の圧倒多数の意見)のファンに詰め寄るとなると、それは言論の自由とか、WNBAが長年言ってる抱合性、性指向や人種に関わらず皆を含めて社会正義を実現しようという物言いとは逆のことをして排除志向になってないかという問題があるんですよね。

WNBAは創設以来常時赤字リーグで男子NBA側が稼ぐお金を補助金として経営危機を招かず存続してここまで来た。ここ数年で予想外のビッグウェーブが来て急に黒字リーグにのし上がったわけですけど、それ以前は様々なニッチ需要を取り込むことでなんとか支持を維持していた。泡沫スポーツリーグだった時代の狭いニッチなところを取り込む傾向が大きくなった今も残ってるから今の状態になっていそうです。

Caitalin Clark効果で突然WNBAがビリオンダラー規模の放映権契約を結びビッグ・ビジネス化してしまうとニッチとマイノリティを相手に商売をしていた時代と話が変わってきてしまう。会場は少女ファン、女性ファンで溢れ満員。以前のようにレインボー旗がスタンドのそこかしこに見えLGBTQのサンクチュアリ的な空間だったのは大半の試合でもう消し飛んでいる。観衆がマイノリティ中心から一般大衆に開かれたものになればファン層のトランスアスリートへの意見も世論調査のそれにほど近くなるのは当然でつまり80%の不支持にどんどん近づいていっているはずです。

WNBAは成長してファン層も変化したのにたぶんStormの共同オーナー氏はまだニッチだった頃の気分のままでいるからこういう騒動が起こっちゃうんだろうなあという風に見えます。Sophie Cunninghamにブーイングを飛ばしたのも@Portlandでの試合で、Portlandは全米でも特に進歩的(という表現が適当かはともかく)な思想で知られる都市で、レインボー旗が揺れる観客席はCaitalin Clarkを見たくて満員が続く他都市とはかなり状況が異なっていたように見えます。

Clark、選手間投票で11位に

今日女子バスケWNBAのオールスター戦が行われていました。私は見てなかったんですがお祭り試合なのもあってCaitalin Clarkがサービスでロゴ3をたくさん打ったのがハイライトとして流れてきてます。

今季はWNBAが全選手のサラリーを4倍増5倍増させて臨んだシーズン初年度。
Caitalin Clarkがカレッジで各種記録を塗り替えまくって注目されてWNBAに加入してきた頃は当時のスター選手のDiana Taurasiが「WNBAはレベルが違う」と苦い顔でコメントしてこの新人スター候補を歓迎しないのを露骨に顔に出してみたり、オフザボールでショルダータックル食わされたりとイジメにほど近い空気の中でClarkはプレーしていた。実際はClarkは初年度に得点・アシストその他のWNBAの新人記録各種を書き換える活躍となりました。
それでもさらに五輪代表からも漏れるなど選手だけでなく代表監督からも無視を喰うという環境。世間一般の歓迎ぶり=Caitalin Clark効果と、WNBA内部の視線がまるで異なってることが露呈していたことは何度か当ブログで書きました。

Clarkの翌年にはUConnからドラフト全体1位でPaige BueckersがDallas Wingsに加入。2年連続で白人選手が全体1位指名で入ってきて2人ともちゃんと活躍してる。Diana TaurasiさんなんかはWNBAが苦しい時代の長年の功労者だったろうに、あの意地悪姑みたいな態度のせいで現在のWNBAの流れの中では使われなくなってしまっています。Caitalin Clark効果で入ってきたスポンサーや新規のファンにとっては20年のWNBAでのプレーは存在せず、残ったのはあの苦り切ったコメントのビデオだけになっちゃったわけです。

それで表題の件です。今日のオールスター戦の前にファン投票などがあってCaitalin Clarkは先発選手となるべく当選はしました。守備位置ごとで投票は行われ、ガードで上位4名がオールスター先発選手として当選する仕組み。ファン投票が50%、メディア投票が25%、選手間投票が25%の比重で順位を決める。その選手間投票でClarkが11位になったのが悪目立ちしています。

ファン投票ではClarkはPaige Bueckersに次いで2位。メディア投票では3位。それが選手間投票では11位ってどんだけの選手がClarkに投票しなかったんだよって話です。
成績の方はClarkはオールスター前の段階で得点でリーグ4位、アシスト数でリーグ2位と好成績。成績でケチの付く数字ではありません。そもそもWNBAは15チームしかないので各チームに2名先発ガードがいるとして30人。その中で11位まで落とせるって一体どれだけの選手たちがClarkへの投票を回避するとそこまで落ちるんだってぐらい避けられている。

Clark本人はその手の人種逆差別などには慣れてるようで素知らぬ顔でプレーしていて、余計なことも何も言わないんですが、ヘイトは続いている様子。いやー女の嫉妬って怖い、という感想になってしまいます。嫉妬なのか人種差別なのかなんなのか存じませんが、投票者が明かされない投票だと平気でそこまで極端な行動をしてしまえるメンタリティが怖い。
男子スポーツのNBAやMLBでもその手の選手間投票で嫉妬や人種、出身国、またはスポンサーの意向の反映などその他の感情・事情が投票行動に影響したのが垣間見えるときがありますが、ここまで露骨にファンの視線を無視してヘイトをむき出しにしてるように見えてしまう投票行動は今回が初のような。

こわ。女性全般の社会行動傾向から今回の投票結果を解釈できる面もありますが、それにしてもやりすぎだろという気がしますね。その投票者たち全員がCaitalin Clark効果でサラリーが4倍5倍になったのにそれかよ、という。

WNBAもシーズン中 アメスポの厚み

W杯の試合もない金曜日。オールスター明けのMLBが本格再始動した日でしたが、スポーツ報道最大手のトップ記事は女子バスケのWNBAの試合になってました。Caitalin Clark効果の張本人Clarkが45得点10アシストのダブルダブルを記録。45得点以上でのダブルダブルはWNBA史上初とか。

前項でMLB、MLS、NASCARなどを名前を挙げてW杯の裏で独自の戦いを続けていたジャンルをさらっと紹介したのですが、女子WNBAは書き落とし。そのWNBAからそこのスーパースター選手の突出したスコアがニュースとなっていて、アメスポってほんとに厚みが凄いなと今更ながらに思い知らされた気がします。

Clarkの過去の実績からしたら調子の良い日にはこういう40点超えの日もままあろうとは思いますがこのタイミングでWNBAここにありとアメスポファン一般に示せてしまうタイミングの良さがなんとも持ってる感じがします。

WNBAがアメスポ第5位に浮上したかもという話は何度か当ブログでは書いてます。Caitalin Clarkのカレッジ時代からの抜群の露出力でWNBAへのスポンサーシップが激増。今季から全選手のサラリーが一律4倍5倍に跳ね上がり。Clark本人はコート外で余計なことは口に出さず静かにその労使交渉の推移には絡まず。実質的にはCaitalin Clark効果で全選手が恩恵を受けたことにも余計なことは言わずにシーズン入り。
それがアメスポの通常リズムに戻ろうかというこの時点になって突如45得点ダブルダブルとか、狙ってできるものではないのに、それでもやれてしまう。主たるコート上のパートナーのCのAliyah Bostonがケガで欠場中なのに。口を出さずにプレーで一面記事を取ってしまう実力とタイミングの良さにすごいなと。

Clarkとその前後の世代は2028年のロス五輪でオールスター級のメンバーを揃えて登場するはず。上の世代からはMVP Aja Wilson(NBA Miami Heatの83得点男Bam Adebayoの交際相手)なども加わるはず。ロス五輪では女子バスケだけでなく男子バスケ、新競技フラッグフットボールにはNFL選手が、野球競技にもMLB選手が出場する可能性が高い。アメスポ総出で五輪をアメスポが席巻するとアメリカ視線では見えるはずの大会になります。他国から見ればフラッグフットボール、なにそれ、NFLのスター誰ソレ?的な冷たい視線もありかもですが。
その中でもCaitalin Clarkは異彩を放って男子メジャースポーツの面々に負けない露出度になるのは疑いがないです。

そういえばロス五輪にはサッカー男女も出場するわけですが、どうなるんですかね。アメスポメジャーがこぞって参加するであろう中、男子はU-23で今開催中のFIFA W杯で作ったサッカーの波を受け継げるのかどうか。普段オーバーエイジ枠であまり良い選手が出ませんが、W杯で良いところを出せなかったChristian Pulisicの逆襲出場ぐらいないと埋没してしまいかねません。女子の方は五輪本番前に来年の女子W杯で個々の選手の知名度アップと期待感の構築という機会があります。

サラリー5倍増となったWNBA新シーズン開幕

Caitalin Clark効果でアメスポ内での地位を急上昇させた女子プロバスケWNBAが今週から開幕。このオフの労使交渉で選手のサラリーが4倍から5倍程度アップ(年数による)。サラリーが安くて選手たちはオフシーズンに副業をしたり開催時期のずれる海外リーグでプレーしていた。母体が同じ男子NBAの利益で生き延びてきてた零細の歴史に一区切りがつき、ミリオンダラー選手も30人も誕生したとか。

シーズンは前夜金曜日の夜から開幕していましたが、実際の全国区向けの開幕戦となったのが今日土曜日昼間のDallas Wings@Indiana Fever戦。2025年ドラフト全体1位指名だったDallasのPaige Bueckers(UConn)と2024年ドラフト全体1位指名にしてアメスポ地図を塗り替えた張本人であるCaitlin ClarkのFeverの試合。会場は17,274人動員。昨季はケガでClarkは後半戦を出場せずの復帰戦でもありました。

結果はWings 107-104 Fever。最後にClarkのロング3ポインターで同点を狙いましたがハズレて決着。Clarkの3ポインターの成功率は昨年から既にかなり落ちてきているので復帰して一世風靡したカレッジ時代やルーキーシーズンのようにドカドカと決められないと人気や知名度(CM出まくり中)と実力が乖離しちゃってまずいっていう未来もあるかもと心配な9本中2本成功という初戦のスタッツになってます。

Feverは今年のドラフトでPGを指名。Clarkがほぼまる一試合ボールハンドラー役をやっていた負担を減らせてシューティングガードに移行して行く路線を狙ってるみたいですが、初戦はそうはならず。

女子スポーツがアメスポ第5位まで上がるという未来は20世紀には想像しがたかったし、もしあったとしてもそれは女子サッカーが想像されたかと思うんですが、21世紀も四半世紀経って現実はWNBAの方が上に来ちゃったんですね。それもたったの5か月に満たない短いシーズン構成で。そしてまだリーグの拡張余地がある

女子サッカー代表が政治絡みでトランプ支持者に目の敵にされて、代表の試合ができる都市が減ってるという、こちらも予想外の展開で、こちらは負の人気の頭打ちに直面してます。女子サッカー代表が「男女同額サラリーを」と賃上げ闘争をしたのと、WNBAがCaitalin Clark効果のおかげで声高に闘争なんてしなくても勝手にスポンサーや放映権料がWNBAに流れ込んできてその分配で5倍増賃上げを得たのの差はどうでしょう。Clarkは賢くマスコミからの政治的な色のつきそうな質問には一切乗ってこないし。

WNBAはアメスポ第5リーグに昇格したか

先週のWNBAの地上波放送でIndiana Fever@Chicago Skyの試合が19,496人を集めて盛況。普段の試合会場でなくNBA Chicago Bulls/NHL Chicago BlackhawksのホームであるUnited Centerを利用しての開催で、Chicago Skyにとってはチーム最多動員新記録の試合です。United Centerは巨大アリーナの走りのような古めの会場ですが、定期的に手を入れてあまり古さを感じさせない会場でもあります。

なかなか雰囲気もよく2万人近くを動員したわけですが、ファンのお目当てのFeverのCaitlin Clarkはここのところ腿のケガで欠場中。この日も出場せず(私服でベンチ)。Skyの方のスターであるAngel Reeseも不発でSkyも大敗。試合自体は大観衆の期待にこたえられず。でも売っちゃったチケットはそのままだし、Clarkが出場しないのは事前に報道が出ていたのですがチケット買った方々、こぞって律儀に入場してくれるんですね。動員記録も達成。ひょっとすると普段スポーツを見ない入場者が多くてClarkの不出場を知らなかったという可能性もあるのか。

WNBAは昨季Caitlin Clark効果で視聴率が3倍増。それで今季からはABCとCBSが地上波放送を開始。WNBAの新放映権契約は来季から発動ですが、旧放映権の改変で今季の地上波放送多発につながってます。来季からの放送はNBC系列、Amazon Prime Videoでも放映。11年契約$2.2 Billionというのですから、零細赤字リーグから一気に状況が変わってます。
2028年のLos Angelesでの夏の五輪は男子ではNBA選手は継続出場するであろうのに加えて、女子の方でClarkとその世代となるCameron BrinkやPaige Bueckersなどに一気に世代交代して華やかに注目を浴びるのも確実に見えます。五輪放映権を持つNBCがNBAとWNBAの放映権を手に入れたことで五輪に向けて女子の新世代のスーパースターチームをプロモートしていくのも確実に思えます。次々と波が来てる状態です。


それで表題の件になるのですがWNBAは四大メジャースポーツに次ぐ地位に恒常的に上がったのかという点。このWNBAの急激な地位向上の以前はNFL/MLB/NBA/NHLに次ぐアメスポのプロスポーツリーグは男子サッカーのMLSだと認識されていたと思います。上位、特に上3つとの差は様々な側面で大きいのでメジャースポーツか否かというとMLSを含めて5大メジャーという括りはほとんどありませんが、それでも一時期の危機的状況からは完全に脱しておりMLSは今後も存続していくことは疑いはありません。

ただ第4位のNHLに近づいて5大と呼ばれるようになるにはまだ課題が残っていた状態です。そこへ今のWNBAの急上昇です。
創設された時期も20世紀末でWNBAとMLSは近い。WNBAの方がMLSより人気があったと認識できる時期はなかったと思います。正直どっちも経営的に苦しい時期は長かったですが、MLSの方により展望はあったように私には見えました。

そこからMLSの方が先にリーグ拡張と大口新規オーナーの獲得に成功して先に安定経営に届いた。
その後もMLSは2023年にApple TV+との10年$2.2 Billionの放映権契約を結んで経営の安定感は増していました。そのカネでMessiの獲得にも成功しています。

ただその頃にも当ブログでは何度も書いたのですが、Messiが素晴らしいデビューをしてもApple TV+の囲い込み放送でそれが一般に届かないという問題を起こしました。それは当時のMessi熱が落ち着いた今も続いてます。
それと今の地上波でどんどん放送しているWNBAの様子と比較すると、MLSの囲い込み政策は蛸壺化していないかという危惧を感じます。Caitlin Clarkのレベルの知名度は望めないにしても(第4位ジャンルNHLにもそんな知名度の選手は存在しません)Messi以外の選手で名前が知られている選手はいないと言いきって良い。Messiは37歳、あと何年MLSに貢献してくれるのかわかりませんが、Messi後の展望があるかというと今は見えない。一方Clarkは23歳。同期や一年遅れで入ってきた知名度の高めの選手たちとともにたっぷり新放映権契約の11年を現役で過ごしてくれるでしょう。

いやサッカーには来年のFIFA World Cupの地元開催があるだろう、そこでアメリカでのサッカー人気が伸びるはずという議論につながっていくわけですが‥

$1 millionの移籍料のカレッジソフトボール投手

ソフトボールのWomen's College World Seriesが終了。Texas Longhornsが決着第3戦を制して優勝してます。WCWSは昨年まで大会開催地元のOklahomaが優勝。その常勝Oklahomaを破ってTexas Techが決勝に進出していました。出身校ということもあってNFL Kansas City ChiefsのQB Patrick Mahomesも現地応援に駆けつけてました。

結果はTexasが勝ったんですが、話題だったのがTexas Techの投手のNiJaree Canady。今季からTexas Techに加入したのですが、昨季まで在籍していたStanfordから$1 millionのNILで転校してきた選手です。競技として利益が出ていないはずのカレッジソフトボールで$1 millionという金額が1選手に出るんだというのがすごい。この決勝シリーズ登場とその話題性も相まってWCWS終了後に来季も$1 million超えの契約を新たに結んだと報じられています。
確かにTexas Techのような知名度が一枚二枚落ちる学校だと今回の決勝進出での露出を宣伝活動のコストと考えれば割が合ってる面もあるのでしょうが。

ちょうど数日前に新しい裁判所の判断が出てこれまでは選手に報酬=NILを支払うのはスポンサーからで、学校から選手には直接お金を払っていなかったのが、来季分からは直接の支払いが可能になります。Canadyの新契約はその新制度下での契約のようです。

この新しい選手の報酬制度はある種のサラリーキャップのように働く面もあるはずなのですが、まだ本当のところどうなるのかわかりません。NIL制度が見切り発車したところがあったため報酬の高騰と混乱となんでも有り状態を招いたのは事実。そして今回の学校からの報酬の直接支払い制度も先週判断が示されそのまま秋からの新シーズンにそのまま適用というのですから今度もまた走りながら考える状態になります。

それにしてもソフトボールでも卓越した選手には$1 million出るとなると他の群小のスポーツでもカネを突っ込む学校が出てくるのかも。例えば五輪でメダルクラスの選手たちもカレッジ所属の方が安定していて良いという状況が出てくるかもしれないんですね。
カレッジスポーツって一体なんなの、プロじゃないのそれ、という思想的なところからいろいろ疑問も湧く状況なんですが、でもなんだか得体のしれないカネをいくらでも集めることのできるカレッジスポーツという特殊なしくみをフル回転させたら様々なことがもっと起こり得るんでしょう。



Caitlin Clarkが男子NBAの3ポイントコンテスト出場を断る

NBAのオールスターウィークエンドの呼び物のひとつである3ポイントコンテストにNBAが女子WNBAのスターCaitlin Clarkを出場者として招待したんだそうです。Clark本人から辞退の意向が伝えられて出場はないということになってます。

NBAのオールスター戦は余興度が高くなり過ぎたせいもあってか近年視聴率で最低レベルを低迷中。放映権の移行が今季後にあるため今年のオールスター戦はTNTでの最後の放送になる予定です。場所はGolden State WarriorsのホームChase Centerで。TNTにとってもフィナーレに近い最後のオールスター戦放送。WarriorsのスーパースターStephen Curryにとっても現役最後に近い時期でのホームでのオールスター戦。TNTはビジネスですが、Stephにとっては自らが建てたと言っても良いChase Centerでのオールスターでホスト役を務めるオールスターウィークエンドになる。なので3ポイントコンテストにも出場してくるはず。

昨季はStephはWNBAの3ポイントシューターのSabrina Ionescu(New York Liberty)とサシで3ポイントシュート対決をやってます。Ionescuが勝てば武勇談、Stephが勝ってもなんの自慢にもならない企画にあっさり出場してくれるのがStephの人の良いところです。結果はSteph快勝。負けたIonescuはとっても悔しそうでした。

あれから1年。WNBAの側の事情は大きく変わってルーキーだったCaitlin ClarkがWNBAの視聴率を3倍に跳ね上げ、会場への動員は50%増。Clarkの所属するIndiana Feverの試合はホームは常にソールドアウト。アウェイもソールドアウトにするだけでなく、通常の会場からFeverが来る試合だけ近隣の大会場に移動して開催して動員を増やすなど大騒ぎ。これは昨年の今頃にClarkがまだカレッジでプレーしていた時期からのことで、ホームは常に満席。アウェイでも各校の女子バスケの最高動員記録を塗り替えてプロになる前からスーパースター状態でした。
その後もパリ五輪の選考で落選したと言ってはニュースになり、つい最近もオフシーズンの新女子リーグに参加しないことがニュースになるなど、いてもいなくても話題になる人というそういう方です。

今週末にプロレスWWEの恒例のイベントRoyal RumbleがIndianapolisで開催されるんですけど、場所が場所だけにCaitlin ClarkおよびIndiana Feverのメンバーのサプライズ登場の可能性はかなり高いのではないかと想像できます。
IndianapolisはWWE解説者かつ元人気YouTuberかつESPN番組ホストで元NFL Indianapolis ColtsのパンターだったPat McAfeeがおいしい役で登場するのは確実です。

そういう方であるClarkを3ポイントコンテストに招待して視聴率が低空飛行で安定してしまったNBAオールスターウィークエンドの視聴率のテコ入れにしようという目論見だったんでしょうけど、断られてしまいました。

WNBAのオールスターを尊重したのだなどという解説をつける向きもありますが、どうですかね。例の3人制の新リーグUnrivaledには出場を断ったのにNBAのオールスターというところに出ちゃうとまた陰口も出そうでもあるし、お金はスポンサー料(Nikeからだけでも総額$20 million以上。他にCM出演多数)で十分あるしめんどくさいことは避ける方向が正しいと考えたかもしれません。
WWEに出演する場合はたぶんチームメイトも誘ってそちらにもWWEからお金が流れるようにするんじゃないかな。
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