アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Female Sport/女子スポーツ

WNBAはアメスポ第5リーグに昇格したか

先週のWNBAの地上波放送でIndiana Fever@Chicago Skyの試合が19,496人を集めて盛況。普段の試合会場でなくNBA Chicago Bulls/NHL Chicago BlackhawksのホームであるUnited Centerを利用しての開催で、Chicago Skyにとってはチーム最多動員新記録の試合です。United Centerは巨大アリーナの走りのような古めの会場ですが、定期的に手を入れてあまり古さを感じさせない会場でもあります。

なかなか雰囲気もよく2万人近くを動員したわけですが、ファンのお目当てのFeverのCaitlin Clarkはここのところ腿のケガで欠場中。この日も出場せず(私服でベンチ)。Skyの方のスターであるAngel Reeseも不発でSkyも大敗。試合自体は大観衆の期待にこたえられず。でも売っちゃったチケットはそのままだし、Clarkが出場しないのは事前に報道が出ていたのですがチケット買った方々、こぞって律儀に入場してくれるんですね。動員記録も達成。ひょっとすると普段スポーツを見ない入場者が多くてClarkの不出場を知らなかったという可能性もあるのか。

WNBAは昨季Caitlin Clark効果で視聴率が3倍増。それで今季からはABCとCBSが地上波放送を開始。WNBAの新放映権契約は来季から発動ですが、旧放映権の改変で今季の地上波放送多発につながってます。来季からの放送はNBC系列、Amazon Prime Videoでも放映。11年契約$2.2 Billionというのですから、零細赤字リーグから一気に状況が変わってます。
2028年のLos Angelesでの夏の五輪は男子ではNBA選手は継続出場するであろうのに加えて、女子の方でClarkとその世代となるCameron BrinkやPaige Bueckersなどに一気に世代交代して華やかに注目を浴びるのも確実に見えます。五輪放映権を持つNBCがNBAとWNBAの放映権を手に入れたことで五輪に向けて女子の新世代のスーパースターチームをプロモートしていくのも確実に思えます。次々と波が来てる状態です。


それで表題の件になるのですがWNBAは四大メジャースポーツに次ぐ地位に恒常的に上がったのかという点。このWNBAの急激な地位向上の以前はNFL/MLB/NBA/NHLに次ぐアメスポのプロスポーツリーグは男子サッカーのMLSだと認識されていたと思います。上位、特に上3つとの差は様々な側面で大きいのでメジャースポーツか否かというとMLSを含めて5大メジャーという括りはほとんどありませんが、それでも一時期の危機的状況からは完全に脱しておりMLSは今後も存続していくことは疑いはありません。

ただ第4位のNHLに近づいて5大と呼ばれるようになるにはまだ課題が残っていた状態です。そこへ今のWNBAの急上昇です。
創設された時期も20世紀末でWNBAとMLSは近い。WNBAの方がMLSより人気があったと認識できる時期はなかったと思います。正直どっちも経営的に苦しい時期は長かったですが、MLSの方により展望はあったように私には見えました。

そこからMLSの方が先にリーグ拡張と大口新規オーナーの獲得に成功して先に安定経営に届いた。
その後もMLSは2023年にApple TV+との10年$2.2 Billionの放映権契約を結んで経営の安定感は増していました。そのカネでMessiの獲得にも成功しています。

ただその頃にも当ブログでは何度も書いたのですが、Messiが素晴らしいデビューをしてもApple TV+の囲い込み放送でそれが一般に届かないという問題を起こしました。それは当時のMessi熱が落ち着いた今も続いてます。
それと今の地上波でどんどん放送しているWNBAの様子と比較すると、MLSの囲い込み政策は蛸壺化していないかという危惧を感じます。Caitlin Clarkのレベルの知名度は望めないにしても(第4位ジャンルNHLにもそんな知名度の選手は存在しません)Messi以外の選手で名前が知られている選手はいないと言いきって良い。Messiは37歳、あと何年MLSに貢献してくれるのかわかりませんが、Messi後の展望があるかというと今は見えない。一方Clarkは23歳。同期や一年遅れで入ってきた知名度の高めの選手たちとともにたっぷり新放映権契約の11年を現役で過ごしてくれるでしょう。

いやサッカーには来年のFIFA World Cupの地元開催があるだろう、そこでアメリカでのサッカー人気が伸びるはずという議論につながっていくわけですが‥

$1 millionの移籍料のカレッジソフトボール投手

ソフトボールのWomen's College World Seriesが終了。Texas Longhornsが決着第3戦を制して優勝してます。WCWSは昨年まで大会開催地元のOklahomaが優勝。その常勝Oklahomaを破ってTexas Techが決勝に進出していました。出身校ということもあってNFL Kansas City ChiefsのQB Patrick Mahomesも現地応援に駆けつけてました。

結果はTexasが勝ったんですが、話題だったのがTexas Techの投手のNiJaree Canady。今季からTexas Techに加入したのですが、昨季まで在籍していたStanfordから$1 millionのNILで転校してきた選手です。競技として利益が出ていないはずのカレッジソフトボールで$1 millionという金額が1選手に出るんだというのがすごい。この決勝シリーズ登場とその話題性も相まってWCWS終了後に来季も$1 million超えの契約を新たに結んだと報じられています。
確かにTexas Techのような知名度が一枚二枚落ちる学校だと今回の決勝進出での露出を宣伝活動のコストと考えれば割が合ってる面もあるのでしょうが。

ちょうど数日前に新しい裁判所の判断が出てこれまでは選手に報酬=NILを支払うのはスポンサーからで、学校から選手には直接お金を払っていなかったのが、来季分からは直接の支払いが可能になります。Canadyの新契約はその新制度下での契約のようです。

この新しい選手の報酬制度はある種のサラリーキャップのように働く面もあるはずなのですが、まだ本当のところどうなるのかわかりません。NIL制度が見切り発車したところがあったため報酬の高騰と混乱となんでも有り状態を招いたのは事実。そして今回の学校からの報酬の直接支払い制度も先週判断が示されそのまま秋からの新シーズンにそのまま適用というのですから今度もまた走りながら考える状態になります。

それにしてもソフトボールでも卓越した選手には$1 million出るとなると他の群小のスポーツでもカネを突っ込む学校が出てくるのかも。例えば五輪でメダルクラスの選手たちもカレッジ所属の方が安定していて良いという状況が出てくるかもしれないんですね。
カレッジスポーツって一体なんなの、プロじゃないのそれ、という思想的なところからいろいろ疑問も湧く状況なんですが、でもなんだか得体のしれないカネをいくらでも集めることのできるカレッジスポーツという特殊なしくみをフル回転させたら様々なことがもっと起こり得るんでしょう。



Caitlin Clarkが男子NBAの3ポイントコンテスト出場を断る

NBAのオールスターウィークエンドの呼び物のひとつである3ポイントコンテストにNBAが女子WNBAのスターCaitlin Clarkを出場者として招待したんだそうです。Clark本人から辞退の意向が伝えられて出場はないということになってます。

NBAのオールスター戦は余興度が高くなり過ぎたせいもあってか近年視聴率で最低レベルを低迷中。放映権の移行が今季後にあるため今年のオールスター戦はTNTでの最後の放送になる予定です。場所はGolden State WarriorsのホームChase Centerで。TNTにとってもフィナーレに近い最後のオールスター戦放送。WarriorsのスーパースターStephen Curryにとっても現役最後に近い時期でのホームでのオールスター戦。TNTはビジネスですが、Stephにとっては自らが建てたと言っても良いChase Centerでのオールスターでホスト役を務めるオールスターウィークエンドになる。なので3ポイントコンテストにも出場してくるはず。

昨季はStephはWNBAの3ポイントシューターのSabrina Ionescu(New York Liberty)とサシで3ポイントシュート対決をやってます。Ionescuが勝てば武勇談、Stephが勝ってもなんの自慢にもならない企画にあっさり出場してくれるのがStephの人の良いところです。結果はSteph快勝。負けたIonescuはとっても悔しそうでした。

あれから1年。WNBAの側の事情は大きく変わってルーキーだったCaitlin ClarkがWNBAの視聴率を3倍に跳ね上げ、会場への動員は50%増。Clarkの所属するIndiana Feverの試合はホームは常にソールドアウト。アウェイもソールドアウトにするだけでなく、通常の会場からFeverが来る試合だけ近隣の大会場に移動して開催して動員を増やすなど大騒ぎ。これは昨年の今頃にClarkがまだカレッジでプレーしていた時期からのことで、ホームは常に満席。アウェイでも各校の女子バスケの最高動員記録を塗り替えてプロになる前からスーパースター状態でした。
その後もパリ五輪の選考で落選したと言ってはニュースになり、つい最近もオフシーズンの新女子リーグに参加しないことがニュースになるなど、いてもいなくても話題になる人というそういう方です。

今週末にプロレスWWEの恒例のイベントRoyal RumbleがIndianapolisで開催されるんですけど、場所が場所だけにCaitlin ClarkおよびIndiana Feverのメンバーのサプライズ登場の可能性はかなり高いのではないかと想像できます。
IndianapolisはWWE解説者かつ元人気YouTuberかつESPN番組ホストで元NFL Indianapolis ColtsのパンターだったPat McAfeeがおいしい役で登場するのは確実です。

そういう方であるClarkを3ポイントコンテストに招待して視聴率が低空飛行で安定してしまったNBAオールスターウィークエンドの視聴率のテコ入れにしようという目論見だったんでしょうけど、断られてしまいました。

WNBAのオールスターを尊重したのだなどという解説をつける向きもありますが、どうですかね。例の3人制の新リーグUnrivaledには出場を断ったのにNBAのオールスターというところに出ちゃうとまた陰口も出そうでもあるし、お金はスポンサー料(Nikeからだけでも総額$20 million以上。他にCM出演多数)で十分あるしめんどくさいことは避ける方向が正しいと考えたかもしれません。
WWEに出演する場合はたぶんチームメイトも誘ってそちらにもWWEからお金が流れるようにするんじゃないかな。

Taylor SwiftがCaitlin Clarkを招待 新リーグはパス

先週末のKansas City ChiefsのホームでのDivisionalプレーオフの試合でいつも観戦に来ているTE Travis Kelceの恋人Taylor Swiftが、女子バスケのスターCaitlin Clarkを招待したとかで同じスイート席(隣じゃなかったですが)で2人が観戦しているのがTVで抜かれていました。

Clarkの方は先週創設初年度シーズンが始まったばかりの3人制女子バスケの新リーグ「Unrivaled」に参加せず、その代わりにNFL観戦の方に来ていたってことになります。

UnrivaledはWNBAのスターであるBreanna StewartとNapheesa Collierが創始者となって結成された3 on 3の新リーグ。WNBAはオフシーズンが長く、過去はオフに海外リーグで稼ぐことが常態となっていたんですが、メインの行き先だったロシアとの関係が悪化して出稼ぎに行けなくなったこともあり、オフシーズンにアメリカ国内で稼ぎ場所を作ろうという意味もあり作られたリーグです。

ちょうど昨年2024年はWNBAがCaitlin Clark効果で人気を急激にアップされた年。Clark効果で他の選手の知名度も上がったはずで、その恩恵を受けて新リーグが発進。企画自体は数年前から練られてたのがこのタイミングで実際に始動。事前の準備は大事です。米国内のプロ女子バスケシーズンの実質上の延長とも言える試みです。WNBAが面倒を見てくれないなら自分たちでという部分はアメリカの起業家精神の発露でもあり良いことなんじゃないでしょうか。
UnrivaledはClarkにも出場オファーをしていたんですがClarkは参加せず。他のWNBAのスターの多くは参戦しているんでClarkの不参加は目立ちます。

Clarkからすれば$1millionとされるUnrivaledのオファーの出場給はあまり魅力がない。Clarkはサラリーの安いWNBAからの収入よりも副収入が突出しているだけに$1 millionほど貰って拘束されるのに魅力を感じなくても当然。自由時間の方が大事だと考えても不思議ではないでしょう。その自由時間でTaylor Swiftともお友達になれてるってことですよね。

それ以外の部分でもClarkはWNBAシーズン中や五輪選考などでなにかと他の選手の攻撃の標的になりがちだったこともあるんで、新リーグに出場して他の選手からスポットライトを奪うとまたやっかみの対象になりかねなかったし楽しくなさそうと考えても不思議ではない。今年参加せずとも1年遅れで参加しても価値がさほど下がるわけでもないでしょうし。UnrivaledにしてもClark人気に頼らずに数字を出せるならそれはそれで良いことなんではないでしょうか。

WNBAがストをするかもという話

Dodgers関連でチャーター機の話が出たときに思い出したのですが、女子バスケのWNBAが先日終了したばかりのシーズンの途中から全チームがチャーター機で移動することになったという話がありました。選手たちがチャーター機内でご満悦みたいな写真も多数ネット上に流れていました。

ということはそれ以前、今季序盤までは一般客と同じように移動していたってことですよね。直行便がある都市間ならともかく全ての移動が直行便でまかなえていなかったとしたらビジターチームは相当に不利な気がします。そういう接続の悪い移動だけはチャーターがあったかもしれませんが。バスケは少人数なのでチャーター機と言っても小型機。カレッジバスケでも有力校はどこもチャーター機で移動している。WNBAも例のCaitlin Clark効果で潤ってカレッジ上位に追いついて全チームが快適な移動ができるようになったってことです。

シーズン中にも何回か触れましたが今年のルーキークラス、特にCaitlin Clarkに対しての嫉妬らしきごちゃごちゃした状況が何度か発生したりもしましたが、とにかくWNBAとしては過去27シーズンで売上TV視聴者数その他で最高のシーズンになったことは間違いないわけです。それで移動の待遇が向上したって話なわけですが、それだけでは満足せずWNBA選手会が現行の労使協定から離脱を画策、サラリーアップを目指して来季ストライキをするかもという話が出てます。
WNBAのシーズンは基本的に男子NBAのシーズンの行われていない5月から9月がシーズンとなります。

コート上では目立ったルーキー選手たちに嫉妬丸出しのような行動も多かったのにそのルーキーたちの露出力で儲かったとなったらそれを皆に回せとストを企画、という風に表現するとちゃっかりしてんなとか負のイメージにもなりかねない。

以前にも解説してますがWNBAのサラリーは安い。ルーキーは最高額が$64,154、3年目以降だと$76,535が最低保証額。普通にオフィスワークしていても稼げる金額です。シーズンは短いので多くの選手はオフシーズンに海外リーグでプレーしたりしてますがその席も限られるので関係ない仕事をオフシーズンにしている末端の選手も多いんでしょう。カレッジではNIL制度が開始されたためカレッジのスター選手の方がWNBA選手のサラリーより稼げているはずです。

WNBAが過去単体赤字(詳細非公表ですが)潰れずに存続できたのは経営母体を同じとする男子NBA側が稼ぐカネからの補填があったからなのは事実。2024年のリーグ創設四半世紀を経てのブレイクで収入増だからと言ってそれを即選手への分配に回せるのかというのは経営側も言いたいことはあるはずです。


前例としては男子サッカーのMLSが創設以来赤字続きでもオーナーが赤字をかぶりリーグ活動を継続してほぼ20年を経てやっと単年赤字から脱出したと推定されています。しかし長年多額の累積赤字があることを理由にMLSは経営環境が改善した時期の選手会からの大幅な賃上げ要求を突っぱねたということがありました。MLS選手会も労働争議には踏み切れず。

MLSの場合は経営環境が大きく好転したのはリーグ拡張がブームとなり後から参入したオーナー(及びそれを後援した都市)が支払った加盟金が高騰したことが大きい。なのでそれでMLS全体は潤ったのは確かですが一時的な収入であることも事実。現行29チーム、2025年にSan Diegoが参入して30チーム化予定。拡張は限界にそろそろ近くなってきています。

その後AppleTV+が後発で放映に参入したのでこれも収入増としては大きかったですが、加盟金もAppleTV+の放映権料もビジネス主導、ファンが増加しているかとかTV視聴者が増えているかという部分だとあまり増えていないのが特徴となります。つまり消費者主導での黒字転換ではないという脆弱さがあります。
そんなこんながあってMLSの若手の最低保証額は今も$89,716。25歳以上なら$71,401。年齢が行くと最低保証額が低くなるというのはなかなかエグいです。MLSはレギュラーシーズンが2月から10月、プレーオフは12月まで。拘束期間がレギュラーシーズンだけで9ヶ月以上と長い(アメスポ最長)ことを勘案すると安い安いと言われる女子バスケWNBAより安いとも言えます。

バスケはチームの人数が少ないので経営効率が良くサラリーを上げやすいという構造上の差はあり、男子でもNBA選手のサラリーは他のメジャースポーツより高くなりがち。ほぼ30人を抱えるサッカーMLS。サラリーキャップもあり、MLS自体が1つの会社という仕組みもあってオーナー側の結束は構造上これ以上ないほど固くMLSの選手会は賃上げ闘争で強気に出られないままになっていると言えます。

そういう先例があるところで出てきたWNBAの待遇改善要求問題。風向きはどうでしょうか。外部環境で言うとまた女性大統領候補が敗退するという事態が発生して女性の権利向上という面では風向きは良くない時期でもあります。たった1年のブレイクでいきなりストかよというのは2024年に急にWNBAを見るようになった層には興ざめでもありましょう。ただでさえシーズンが短いWNBAがストなんてやっていて良いのかという事情もあります。

MLSの先例に倣うなら労働争議でごちゃごちゃやってるよりも今の勢いをWNBAのリーグ拡張の好機と捉えてより強固なネットワークを築いたほうが得には見えますがどうなりますか。

政治の季節故の問題が女子バレーボールで発生

カレッジ女子バレーでトランプ大統領候補の発言を期に試合のボイコットが起こっているようです。報道はそうとは明確に言ってませんがSan Jose Stateの女子バレーボール部に性転換した元男性の選手がいるようで、その選手が対San Diego State戦で打ったボールがSan Diego Stateの選手に顔に当たった。これはトランプ候補が主張するところによれば危険行為で敵対する民主党の極左政策のせいで女子バレーボール選手たちが危険にさらされているということを最近の遊説で言ったようです。

性転換元男子の女子スポーツへの参加問題は党派を問わず否定的な意見が圧倒的に多いことが世論調査で明らかになっているので共和党から見ると民主党の支持者の切り崩しには使える札ということで、接戦の大統領選挙戦の最終盤で再び持ち出したということなのでしょう。
San Jose Stateからは「当たったのは顔ではなく肩」「当該選手はその後も1プレーも退場せずプレーし続けて重大なケガがあった危険な状態にさらされたというのは事実ではない」という、弱々しい反論コメントが出てます。

それを受けてBoise State、Utah State、Southern Utah、Wyomingの4校が「選手主導で」San Jose Stateとの対戦を拒否。Boise State、Utah State、Wyomingは今季はMountain West所属の学校でルール上対戦拒否は試合放棄でリーグ戦での敗戦扱いとなります。San Jose Stateはその名の通りカリフォルニア州San Joseにある学校でトランプ支持者からは悪の巣窟のように言われるリベラル色の強いSan Francisco Bay Area内の学校です。対戦拒否を表明した4校の地元アイダホ州ユタ州ワイオミング州は共和党の鉄板州ばかり。

ああ政治の季節だからなぁという感じですが、こういう局地戦をMountain Westを舞台にして展開するのは戦略的な感じもします。例えばもしBig Tenでこんなことをやったら問題が大きくなりますがマイナーカンファレンスのMountain Westならまあいいや的な。

Mountain Westは今季後にはメンバー校が大量にPac-12(今季2校のみ所属)に移籍の模様で半壊となる予定です。現時点ではBoise State、Fresno State、Colorado State、Utah State、San Diego StateはPac-12行きの方向。この5校を加えてもPac-12は7校、FBSカンファレンスとしての地位を維持できないためさらにMemphis、Southern Florida, Texas San Antonio、Tulaneをフットボールのみのメンバーとして加えるべく動いているとか。超遠隔地となるSouthern FloridaにPac-12に加入するメリットなんてあるんでしょうか。

Pac-12-Mountain Westの間でごたごたしているのは知っていましたがどこを加えてもいまさらPac-12がFBSの上位の地位を維持することはほぼ困難であろうと思えたため細かくどこが移籍予定か気にしていなかったのですが、いまこうやって見直すと今回対戦拒否に遭ったSan Jose StateはPac-12移籍の予定がないんですね。なのでBoise State辺りから見ると別離直前、リベラルの巣窟の学校をこの問題でバッシングするのに気兼ねがいらないタイミングだったとも言えそうです。
そういう政治的に意図された炎上状態なのでよしんば現在対戦を拒否している学校が試合を受け入れてもアウェイだとSan Jose Stateは罵声その他大変な混乱の中で試合をせざるを得ない可能性があります。警備も厳重にすることになる。よってここまで炎上したなら対戦拒否は受け入れて選手の安全を確保、それらの学校の地元へは乗り込まない方が良いだろうなあと思えます。対戦拒否が続くならMountain Westのカンファレンストーナメント(6校出場)でも不戦敗が発生するかも。

Mountain West側から見ると現時点で今季のメンバー校で来季もMountain Westに残るのはSan Jose State、Wyomingという今回の騒動の当事者校以外にはAir Force、UNLV、New Mexico、Nevadaの6校。これにHawaiiとUTEPが加入予定で計8校というのが現時点での見込みです。


性転換元男子の女子スポーツへの参加問題は五輪でもモメていたりしましたしその是非はここでは問いません。例えば競泳や陸上といった種目で元男子選手が上回ってしまうのは記録の問題で参加女子選手に大きな被害は及ばない。事後的にも記録除外で済む部分もある。
それがコンタクトスポーツとなると話が大きく異なる。危険だと考える人が多く慎重な対応がとられているのだと理解しています。で今回は大統領選挙のタイミングを考えて現在シーズンが進行中のカレッジの秋スポーツである女子バレーボールをコンタクトスポーツだと再定義して炎上化させたというそういう話であろうということですね。

日曜日に女子バレー→女子バスケの地上波放送

NFLの第3週となる今日の日曜日。あまり好カードが多くない。特に1PMキックオフのカードがひどい。4PMからのBaltimore Ravens@Dallas Cowboys戦がFOXのGame of the Weekで事前の予定として今週の看板カードだったんだと思うんですがRavensが開幕2戦2敗、Cowboysが1勝1敗で迎えているので最初にスケジュールが発表されたときの期待感はない。
また今週末はMonday Night Footballに2試合が振り分けられているので今日日曜日に登場する人気チームの数が足りていない感じでもあります。

そんなイマイチ週となっているNFL放送の裏で女子バスケのWNBAのプレーオフが今日から開始。8チーム進出で4試合すべてがこの日に初戦。でCaitlin ClarkのIndian Feverの登場するFever@Connecticut Sunだけが地上波ABCで、あとの3試合はESPNでの放送となってます。注目度からして放映枠の配分はそれで妥当なのでしょうが、NFLの真裏の地上波放送でどれぐらい視聴率が取れるものなのか。女子スポーツファンっていうのは特殊枠で最強NFLの裏でも良い数が集まるのか。イマイチカードであってもNFLとの格差はたっぷりあるのでニッチな層にアピールするしかないんですけど。

そのFever@Sunのプレーオフ第1戦の前のABCの時間に放送していたのがカレッジ女子バレーボールでした。No. 5 Nebraska@No. 4 Louisvilleというカード。Nebraska女子バレーの特殊な人気については当ブログでは何度か触れてます。
今季のNebraskaは9勝1敗で例年通りコンテンダー。Louisvilleのアリーナは人気チームが来るという理由なのかけっこう入ってます。結果はNebraskaの3−0でしたがLouisvilleのお客さんも第3セットまでけっこう声が出ていてなかなか楽しそうな会場でした。先日来書いてますが今季になって急に女子バレーボールの露出があがっている。

これ、女子スポーツファンをFever@Sunに導入するのにNebraskaバレーボールの人気を使ったってことですよね。WNBAの他のプレーオフの試合も同じ時刻にはやっていたわけですからWNBAの試合を2試合並べても良かったのにそうはせずバレーボールをCaitlin Clarkの前座に使うのが幅を広げるのに効果的だと考えたか、または今後の女子バレーボールのプロモーションを考えてここはWNBAとのカップリングを優先したか。

いずれにせよ私個人的には以前から注目しているNebraskaバレーボールが見られてイマイチ週のNFLの1PM枠の退屈から救って貰って大変結構な状態です。普段、私はNFLがあまりおもしろくない展開のときはNASCARを見るんですが、今週末はNASCARのトップカテゴリのCup Seriesが昨日土曜日の開催だったので今日はない。
WNBAの試合の方はずいぶんと当たりの激しくその面では良かったのでしょうが中盤から大差がついて、その頃にはNFLの4PMの部のキックオフ時刻になったのでそちらへ。

女子バレーを推す機運

ちょっと前にも書いたのですがどうも女子の室内バレー=6人制バレーを推す機運が高まっているようです。ESPNがカレッジ女子バレーボールを今夜水曜夜に放送している。カレッジでは女子バレーは秋スポーツで従来から水曜日によく試合が開催されていました。週末にも試合があるんですけど秋シーズンの週末はカレッジフットボールというアメスポ全体でNFLに次ぐNo. 2の人気ジャンルがあるためバレーボールどころではない。よってバレーボールにとっては水曜日がある意味本番と言えます。

以前私がよく見ていた頃はESPNUというカレッジスポーツ専門局での水曜夜の定時放送がされていました。当時はケーブルTVの全盛期で各プロバイダーが契約に含まれるチャンネル数を競っていて、そのせいもあって大手のESPNも多チャンネル化に邁進。その中でESPNUも同系列内3位か4位ぐらいの地位でちょっと高めのケーブル契約以上だと見られるような状態でした。

それが時代が動いてcable cuttingでその手の150チャンネルだ180チャンネルだだのいう契約がムダとみなされて一気に衰退。チャンネル数の多さで競争していたプロバイダーから消費者が実際に見る少数の有力チャンネルのみの映る契約にどんどん移行。その過程でマイナーチャンネルが次々と切り落とされていきました。スポーツ放送最大手のESPNとてその波に抗えず、ESPNとESPN2はさすがにチャンネル数の少ないプロバイダでも含まれていることが多いと思いますが、それ以下のESPNU辺りはざっくり配信家庭数が減ってるのではないかと想像できます。

そんなことで秋の水曜日の女子バレーっていうのが見られるご家庭が減っていたのではないか。それがなんとESPN系列の本局であるESPNでの放送に昇格しています。
シーズン冒頭に地上波FOXが女子バレーの放送をしていたことは先日書きました。FOXとESPNが連携したわけでもないとは思いますが現実としては女子バレーが推される状態になっているのが今季ということになります。長年観戦スポーツとしては不遇だった室内6人制バレーボールにとっては事件と言える事態です。


それとは微妙に関係ないですが昨日のニュースで女子プロバスケのWNBAが2026年から参入するPortlandのチームを承認したというのがありました。Caitlin Clark効果で視聴率3倍増で爆上げのこのタイミングで来季から向こう3シーズン毎年新チームが増えて今季の12チームから15チームまで増えるんだとか。好機を逃さず一気にリーグ拡張に走るんですね。こういうビジネス機会に動きが早いのはアメリカの良いところでしょう。

長年赤字だったWNBAが突如11年$2.2 Billionという巨大TV契約を結んでいる。今季途中から全チームがアウェイへの移動はチャーター機になったとか。つまり今までは一般客と同じように移動していたってことです。カレッジ以下。それが大型契約が付いて黒字化の目処がついた。
それで次の女子スポーツを探すという方向に目が行っているって感じかなあと。


カレッジバレーボールを地上波FOXが放送

先週末Labor Day Weekendのスポーツ放送でこんなことがありました。

アメリカNCAAではバレーボールは女子は秋シーズン、男子は春シーズンと決まっています。NCAAの秋シーズンはフットボールを中心に回るのですが、その裏でほそぼそと女子バレーボールもやっている。マイナースポーツ専門局で週中(主に水曜日)に女子バレーボールは放送されてきていました。昨今はcable cuttingが進んだせいもあってマイナースポーツ局という存在自体が淘汰の波に飲み込まれているせいもあってカレッジ女子バレーを見られる契約になっている家庭数はかなり落ちているのではないかと想像できます。

そういう中、大手保険会社のState Farmがイベントスポンサーとなって「State Farm Women's College Volleyball Showcase」と称される2日間のカレッジバレーシーズンの開幕イベントがありました。これが地上波FOXで放送になってます。FOXでの放映カードは全米ランクNo. 1のTexasがNo. 3 Wisconsinと9月1日日曜日に。イベント自体はTexas, Stanford, Wisconsin, Minnesotaの4校が登場。Texasは過去2シーズン連覇してます。場所がウィスコンシン州MilwaukeeなのでWisconsinが地元。ディフェンディングチャンピオンのTexas対地元のWisconsinということです。隣州のMinnesotaも車でファンが行ける範囲内。地上波では上記の1試合が、残りは同系列のFS1で放送されています。
Texasは翌9月2日祝日はMinnesotaと対戦。StanfordはMinnesotaとWisconsinの順で対戦。バレーボールは連戦が効くのでこういう形での2日連続興行が可能。

Texas x Wisconsin戦は前半のみですが視聴。激戦の第1セットを逆転で獲ったNo. 1 Texasが3−1で勝利。しかし翌日はNo. 18 Minnesotaが3-2フルセットでディフェンディングチャンピオンTexasを下すアップセットという結果だったようです。Minnesotaから遠来のファンにはたまらない結果だったでしょう。

どうなんでしょうか。カレッジ女子バレーが地上波放送というのは私は過去気付いたことがありません。初の試みなんでしょうか。バレーボール自体の観戦スポーツとしての人気は高いとは言えないアメリカですが、次のコンテンツとして女子バレーはアリなのかどうかの観測気球的な放送なのか。

昨今のアメスポはストリーミングサービスの間でのコンテンツの取り合いで従来一定以上の人気のあるジャンルはどこも契約で縛られている。一昔前ならスポーツ放送はケーブル局間での取り合いだったのですがそれに加えてストリーミングの大手が次々とスポーツコンテンツに手を出してきているため争奪戦の参加者が増えて需要が高い。さらに女子スポーツへの投資はある種の社会的要請があるという面も無視できない。それで女子バレーなのかなと。
私個人としては歓迎です。バレーボールおもしろいので。

昨年報告済みのバレーボールの動員最強のNebraska女子が9万人以上を集めた特別試合で注目を浴びたおかげかバレーボールのNCAAトーナメントの視聴率も過去最高だったというのも今回の開幕イベントにつながってるのであろうと思います。
元々高校レベルでの競技者数ではバレーボールは多いので諸々の環境が重なって遂にバレーボールをプッシュしようという機運が出てきたってことなのか。
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