アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

College Sports

South Carolina全勝で二連覇達成 CWS

South Carolinaが連勝で優勝シリーズを制して二連覇達成です。ドラマチックな展開を期待したんですが、毎試合毎試合そうはいかず5-2で快勝。先発エースMichael Roth (先日のドラフトでCleveland Indians指名)が8回途中までGatorsをソロホームランの1失点に抑えて試合を作り、今季50試合目(チームは69試合目)登板のサブマリンJohn Taylor(Seattle Mariners指名)でつないで最後はMatt Price(Arizona Diamondbacks指名)が三試合連続で締めて快勝。Rothは交代時に残した三塁ランナーが生還したのでそれが自責点となってシーズン通算防御率が1.06となって史上二位となったようです。もしあの交代した時点では防御率0.9台で史上一位だったようですが。

MLB指名状況は書きましたがそれぞれさほど高い順位での指名というわけではなくプロの評価がさほど高いとは言えませんがCWS二連覇チームの誇りを胸にプロへ進むことが見込まれます。メジャー目指して夏過ぎからマイナーリーグで揉まれることになるのでしょう。プロの目は節穴ではなく下位で指名された過去のCWSのスター選手たちがメジャー昇格の壁に何年も阻まれているのも見かけますが。


ところで中継をみていておもしろかったのが、解説についていた往年のLos Angeles Dodgersの名投手Orel HershiserがESPNのサッカー女子W杯の番宣にからんで「今日、女子代表のサッカーの試合みてたよ」と言及していたところ。さすがにあまり代表チームに詳しくはなさそうな不案内な言及ぶりでしたがとにかく見ていた模様(もう一人の解説者は沈黙したから見てないんでしょう)。女子米代表の試合は火曜日の正午ごろ(CWS会場のネブラスカ州の時刻で)からキックオフの試合。そんな時刻の試合ですから見られるのは夏休み中の少年少女と、あとはHeshiser氏のように昼間暇という少数派の大人だけということになりますが、それでもHeshiserなんかでもサッカー見るんだなあと感心。なんだかんだとサッカー観戦者の裾野がじわじわ広がっているのは確かなようです。競技種目に偏見や縄張り意識が少ないのはアメリカのいいところだと思います。


South Carolinaの今季ポストシーズン全勝は2001年のMiami-FL以来。Miamiが全勝で駆け抜けたシーズンはよく覚えていますが、当時はぼんぼんホームランもでるし豪打で勝ちまくった記憶。あのときのMiamiはポストシーズン全勝だけでなくレギュラーシーズン終盤から18連勝でシーズンを終えるという圧勝劇だったのです。当時というのはMiami-FLはフットボールでも連勝記録中で2001年の終わりの段階で野球チームは18連勝、フットボールは二シーズン前から21連連勝中、そして普段弱いバスケットボールチームまでシーズン開幕から13連勝だか14連勝だったかで、三大スポーツあわせて50連勝以上とか大学スポーツの世界で大いばり状態だったのでよく覚えているのです。

CWS 絶叫の大接戦を制したのはまたもSouth Carilina

Florida Gatros x South Carolina GamecocksによるCollege World Series優勝シリーズ第1戦、とんでもない熱い試合になりました。

Florida先発P Hudson RandallはレギュラーシーズンでもSouth Carolinaをゼロ封勝利を収めている好投手。この日も絶好調、ポンポンとアウトを取り7回を終了して68球2被安打無失点。先日のSouth Carolina x Virginiaではクローザー同士がピンチに次ぐピンチをしのぐ100球を投げ合うとんでもない試合になったのとは好対称のスイスイと投げ進む試合。しかしGatorsも犠牲フライでの1点のみで1-0でのリード。そういった場面での8回表のSouth Carolinaの最初の打者にRandallがこの試合初の与四球。Randallは今シーズンの1試合当たりの四球率が0.9=1試合完投しても四球を一個出すか出さないかという投手が出した初めての四球、ここを逃さなかったのがSouth Carolina。ここまでRandallに完全に抑えられていたのにここぞというときに粘りがすごい。送りバントと犠牲フライで2アウト三塁。次の打者はまるでタイミングあってなかったんですが追い込まれてからの最後の低めのチェンジアップをなんとかとらえて投手の足下を抜けてタイムリーヒット、同点。なんとも渋いぎりぎりの攻撃で同点に追いつきました。


South Carolinaの方は金曜日のVirigia戦でクローザーのMatt Priceに95球を投げさせているので同点ではPriceを出せず、他の投手で繋ぐのですがまたまたピンチの連続。そしてそのピンチをギリギリの守備で凌ぎまくる大変な粘りぶり。9回裏、Floridaの無死満塁のサヨナラ機にセカンドゴロ→本塁フォースアウト、次打者でセカンドゴロから4-2-3ダブルプレーでFloridaのサヨナラのチャンスを紙一重で凌いで延長戦へ。10回裏、今度はFloridaが2アウト1塁2塁。そこからGatorsレフト前ヒット、さすがに決まったかに見えたのですが、しかしレフトから矢の返球が入って本塁直前憤死でまたもサヨナラを正に数十センチ差で阻止。この前のVirginiaの試合からSouth Carolinaのギリギリになってからの守備が神がかってます。

そして11回表、South Carolina1死1塁から盗塁を試みたところ、キャッチャーの送球が高く悪送球でセンターへ抜けて、バックアップしたセンターも三塁にショートホップで三塁手後逸でボールベンチへ=決勝点に。Gatorsの方も好ディフェンスでここまで来ていたのに1プレーの中でまさかの2つのエラーで決勝点献上。金曜日の延長13回の死闘のときもNo. 1シードVirginaもSouth Carolinaも譲らない好守備の連続だったのが、最後の最後にVirginiaが投手のバント処理の連続悪送球で決勝点を与えたのと写し鏡のような決勝点献上シーン。

そしてその裏=11回裏には金曜日に95球を投げきったクローザーMatt Priceが登板して最後を締めてSouth Carolina2-1で劣勢だった第1戦をモノにしました。とにかくSouth Carolinaの勝ち方は粘りがすごい。しぶとい。とてつもなくしぶといです。

これでSouth CarolinaはCWSは昨年から10連勝、ポストシーズンでは15連勝でいずれも大学野球の最長タイ記録。もし次戦第2戦でそのまま二連覇を決めれば連勝記録は全て新記録。今季のポストシーズン全勝ならこれは2001年のMiami-FL以来となります。尚、第1戦の動員は25,851人、今季からプレーされている新設のTD Ameritrade Parkの収容人員24,500席を越えて立ち見も入れたとのことです。盛況ですね。

CWS クローザー対決 延長13回を制してSouth Carolina決勝シリーズ進出へ

いやいやおもしろい試合を見てしまいました。終盤2-2となったところで両チームともにクローザーにバトンタッチ。そこからが大変。全米No. 1シードVirginiaの二年生クローザーBranden Klineが107球、South CarolinaのクローザーMatt Priceが97球を投げ抜くという展開へ。両校ともピンチに次ぐピンチをくぐりぬけて双方がクローザーにすべて託しての真っ向勝負。何度も満塁など得点機をダブルプレーで切り抜けたり連続三振で切って落としたり緊張の場面の連続。この手の展開が好きな私にはこたえられない試合に。

結果は先にあきらめて次の投手を繰り出したVirginia、そのリリーフ投手が二本連続バント処理暴投してサヨナラ決勝点を献上、South Carolinaが無傷で決勝シリーズ進出を決定しました。5イニング100球超えてますから交代はしかたないところでしょう。先発投手の100球と最初から飛ばしまくるクローザーの100球では意味が違いますから。

South CarolinaはこれでCWSでは昨年から14連勝。ダブルエリミネーションという仕組み上、最大二敗(トーナメント全体なら最大四敗)しても全米制覇できるんですが今季のトーナメントを見事ここまで無傷で駆け抜けました。とにかく粘り強いチームで見ていて楽しいです。


これでSEC同士の決勝シリーズに。昨年の全米チャンピオンSouth Carolina Gamecocks 対 全米No. 2シード・SECチャンピオンFlorid Gatorsのカード。

これでSEC校(三校出場、もう一校はVanderbilt)のCWSでの全勝も確定(SEC校同士の対戦除く)。SECがフットボールの世界で五連覇中で全米最強の名を欲しいままにしてますが、ここに来て野球でもSECが覇を唱えようということに。


金曜夜の放送だったんですが、他にめぼしいイベント・番組がなかったこともあってこの好試合はCWSにとっては格好の宣伝になる試合になったんじゃないでしょうか。

NBA/NHLがシーズン終了して本命なしの週末

日本の知人から「ここのところ北米のスポーツはビッグイベント続きだね」というようなことを言われました。

私のイメージでアメスポのビッグイベントというとSuper Bowlを筆頭にBCS優勝戦、March Madness、NBA FinalsやWorld SeriesやIndy500、ゴルフマスターズあたり、テニスUSオープン、NHL Stanley Cup Finalsだともう一段落ちるというイメージがあったので、ビッグイベント続きという指摘に若干面食らったのです。NBA FinalsはともかくNHLなんか日本の人が普通に意識しているのもなのかなと。よく聞くとゴルフのUSオープン(いま開催中)や先週末のF1カナディアングランプリを念頭に於いての発言だったようです。F1、全米オープンゴルフ、共に期待の日本人選手が出場ということで日本での露出が大きいのでしょうね。残念ながらF1はアメリカでは人気さっぱりですし、ゴルフは私が個人的にあまり見ないものですからちょっと意識がズレていて会話がうまく成立しなかったです。今年はTiger Woods欠場もあってUSオープンゴルフの視聴率的には期待は低いようでもあります。Tigerの欠場が最大のニュースでそれはもう終わってます。

今週末は観戦スポーツイベントの本命がないのは誰しも思うことのようで、ESPN Sports Nationのアンケート投票で今週末のスポーツイベントであなたが一番興味あるのは?という五択質問が出ていました。College World Series (CWS=大学野球の決勝シリーズ・8校出場)、Gold Cup準々決勝 米代表 x Jamaica、MLBインターリーグ交流戦、NASCAR@Michigan、USオープンゴルフの五択。私が見た時点ではゴルフ36%, MLB27%, 大学野球17%, サッカー15%, NASCAR 6%の順になってました。

これはアンケート投票であって統計ではないですから数字に大きな意味を求めるのは間違いですが、それでもCollege World Seriesの人気の定着ぶりが目立つように思います。有力メジャー校が8校出場、昨年のチャンピオンSouth Carolinaも地区を勝ち抜いてCWSに戻ってきています。CWSの人気の盛り上がりのおかげで開催地のネブラスカ州オマハにCWS用の新スタジアムが建設され今年完成、今日のCWSの初戦がこけら落としの試合になります。MLBと大学野球の合計で44%と地味ながら野球の人気のしぶとさを感じさせる数字でもありますね。

サッカーGold Cupの米代表 x Jamaicaは数字こそCWSを下回っていますが、この五択に登場できるというだけでも10年前と比較しても長足の露出度進歩と言えます。ESPNの投票はだいたいサッカー系に大きめに数字が出る傾向があるんですが(ときどきSports Centerでも指摘されてます)それでも15%は立派なものでしょう。問題は勝てるかどうか。今年のJamaicaはスピードが乗ったなかなかの難敵のようですから、Panamaにやられたようなスロースタートだと楽観できません。試合は日曜日午後、放映は今回もサッカー専門局FOX Soccer Channel、どれほどの視聴者を集めるものかも気になるところです。  

MLBドラフトでUCLAの二枚エースが1位と3位で指名

ネット化社会やTVの多チャンネル化が従来発信力の弱かったマイナースポーツに恩恵をもたらしているのをよく指摘されますが、老舗アメスポのMLBでもその恩恵が及んでいます。特に目立つのはドラフトでしょう。

三大スポーツのうちNFLやNBAのドラフトの上位選手がそのまま即戦力、それも高いレベルの即戦力となるのに対してMLBのドラフトは将来への種蒔き・青田刈りが主だったこともありつい最近までMLBドラフトが大きなスポーツニュースや話題となることはなかったのですが、ここ数年は一気に注目を集める中イベントに成長しています。一昨年のトップ指名だったStephen Strasburgが昨年とてつもないインパクトでメジャーデビューしたこともありMLBドラフトへの興味は高まるばかり。またMLBの指名の方向性もカレッジのトッププレーヤーを指名するようになったため一昔前よりもずっと早い段階でメジャーに上がってくるようになったのもMLBドラフトへの興味を高めている要素です。


今日あった今年のMLBドラフトでも大学生が優先。UCLAの二枚の右腕WエースのGerrit Cole (Pittsburgh Pirates)が全体1位で、Trevor Bauer (Arizona Diamondbacks)が全体3位で指名。一部では1位2位で指名されるかもとも言われていたんですが2位指名権を持っていたSeattle Marinersは左腕Danny Hultzen (Virginia大)に行ったため1-2はなし。

1位のColeの方はStrasburgに迫る時速100マイル超(100 miles/hは161km/h以上)と剛球派。しかし3位のBauerの方がまとまっているとのことでMLB昇格レースでは同僚1位のColeや2位Hultzenよりも早いだろうと言われている好投手です。


ただ現在進行中のNCAA Baseball Championshipの地区大会では1位指名のColeは大学での最終登板を飾ることができず初戦に地区最下位シード校相手に自責点3で敗戦。3位Bauerの方は大学最終登板を勝ちましたが、その後UCLA自体は勝ち進むことができず既にトーナメントから消えています。

対してドラフト2位指名となったHultzenのVirginaは全米ナンバーワンシードとしてトーナメント進出、全勝で次ラウンドに進出しています。実はもしUCLAが勝ち進んでいたら次ラウンド(Super Regionalと呼ばれます)はUCLA@Virginiaの二戦先勝制(=最大三連戦)のカードになっていたはずなのです。つまりMLBドラフトの1~3位がずらり顔を揃える豪華なSuper Regionalになったはずだったんですが、残念ながらそれは実現せずです。

なぜ大学の移籍がそんなに大事なのか

当ブログの読者はアメリカサッカーに興味のある方と、アメスポ全般がお好きな方、特にカレッジスポーツの好きな方と、傾向が別れているので、大学スポーツに興味のない方にとってはなぜそんなに今回の大学のリーグ移籍が大問題なのか、それがW杯報道をふっとばしてしまうのか理解に苦しむ向きもあるかと思うので、少々解説をいれさせていただきます。

今回の南アサッカーW杯はスポーツ放送最大手のESPN系が過去に例をみない態勢で全試合生中継、解説番組も宣伝も手厚く行っておりメジャーイベント級の扱いになっています。ESPNほどアメスポ一般ファンに影響力のあるメディアは存在せず、そのESPNの全面バックアップでの放送体制。そして土曜日の午後2時半(人口の一番多い東部時間)キックオフ。対する相手はアメリカ人の多くにとってカナダと並んで最も近しい国と認識されているイングランド相手。かなりの好条件です。人気スポーツに対抗してメジャースポーツにのし上がろうというアメリカサッカーにとっては絶好の舞台。

通常ならばこの時期、アメスポで競合するのは野球のみのはず。MLBは今週はインターリーグ(AL/NL交流戦)、また大学野球は本番College World Seriesを次週に控えて、その出場8校を決めるSuper Regionalが行われています。Super Regional、土曜日は熱戦、どんでん返しだらけのすごい試合の連続(これは本当におもしろかったのですが話題が多すぎるので語りません)ではあったものの、大学野球は人気規模は知れているので、実質MLBだけが相手。サッカーW杯にも十分スポーツニュース全体の話題をかっさらうチャンスはあったはずなのです。

 

ところがそこへ降ってわいたBigXII所属大学の移籍騒ぎ。アメスポの人気序列というのはフットボール=アメリカンフットボールが人気最高です。通常プロのNFLがそれを代表するわけですが、大学フットボールの人気もすごいものがあります。人気校は8万人とか10万人とか収容の専用スタジアムを持ち、毎年各カンファレンス(日本風に言えばリーグ)の勝者は出場賞金10億円のビッグゲームに出場する。放映権料も何十億円単位が動く。選手たちは大学の学生=アマチュアとは言え、他のプロスポーツを凌駕しようという巨大ビジネスなのです。

その上にフットボール、野球に続くアメスポ第三の大人気スポーツ、バスケットボールでも大学チームの人気はすさまじい。毎年春開催のMarch Madness=大学バスケットボール選手権トーナメントの人気はアメスポの年間スポーツビッグイベントトップ3を外れることはないでしょう。普段スポーツを見ない人も見てしまうアメスポイベントです。

今回、突発的に発生しているこの大学の移籍問題は、大学フットボールと大学バスケットボールという二つの人気スポーツジャンルが二つともに大きな影響を受ける問題なためバスケファン、フットボールファン共に興味津々というわけなのです。これはサッカーにとってはちょっと相手が悪い。それも予想もされなかった突発事態な上、リアリティTVを見るような、毎時事情の変わる情報で目が離せない事態に発展してる。

ESPNの思惑としてはサッカーW杯報道はシーズン半ばの野球と棲み分けて十分一般スポーツファン(=あまり普段サッカーを見ないカジュアルなスポーツファン)に露出できるだろうと思っていたのでしょうが、間が悪く野球より人気が高いとも言える大学バスケ・大学フットの話題に押し流されてしまっている感じですね。

College World Series決勝戦

間が開きました。

NHL Stanley Cup Finalsが希に見る好シリーズで最終戦までもつれこみ36年ぶりにホッケーの試合としての最高視聴率を更新したのがほぼ二週間前。
オーバーラップして行われていたNBAのFinalsの方はあっさり風味でLakersが優勝をさらってこちらは早々に終了。

NHL、NBAとシーズン終了してしまうと、いわゆるアメスポ四大スポーツでこの時期残るのはMLBだけ。インターリーグ(日本風に言えば交流戦)はあるもののまだまだシーズンの先は長い時期で優勝争いが白熱することもなく、まずアメスポの夏枯れの季節となるのがこの時期。


それがここ10年以内ちょっと様相が変わって、中イベントとして定着してきてるのがこのCollege World Series (CWS)と、来月に行われるLittle League World Series (LLWS)のアマチュア野球です。

CWSの方は現在決勝シリーズが進行中。
今期の全米1位シードのTexas Longhornsと3位シードLSU Tigersが1勝1敗、明日の第三戦で雌雄を決することになってます。
両チームとも学校のナンバーワンスポーツはフットボールですが、野球でも強豪校。それぞれの州の巨大校でもあり州民の大きな支持を受けている学校です。

CWSがアメスポイベントとして伸張してきた経緯は過去にも何度か書いてるのですが、大学スポーツファンという特殊なファン層がアメリカには厚く存在するのがひとつ強い。そしてなんのかんのと言ってもアメリカ人は野球好きなんですね。LLWSもそうですが野球を見せられればなんとなく見ちゃうんですね。
そしてもう一つ、スポーツチャンネル最大手のESPNが独占的に放映権を握ってることでESPNがその影響力を駆使してコンテンツの価値を高めてしまったという面もあるわけです。


前述した通り今年のNHLの最終戦は大盛り上がりではあったわけですが、例年はStanley Cup Finalsよりも、このCWSが視聴率高いんです。四大プロスポーツの一角であるNHLの最大のイベントよりも、大学野球以下。ご存じの通りアメリカには厚い厚いマイナーリーグ野球の組織が存在し、そこへ入れなかった・入らなかった選手だけで行われてる大学野球のレベルは決して高いものではない。いくら最大手のESPNが肩入れしてるとはいえその大学野球があっさりとNHLに勝ってしまう。やはりアメリカでは四大スポーツというよりは三大スポーツが飛び抜けてるというのが正しい観察ではないかと思うわけですね。

Strasburg終戦 昨秋の五輪以来の敗戦

10日後に迫ったMLBドラフトで指名一位確定・新人への史上最高額での契約が見込まれる大学球界のナンバーワンP Stephen Strasburghがアマチュアとして最終登板。

結果は七回まで投げて自責点2、三振15、四球0、暴投2、1被本塁打の内容。100マイル=161km/hの剛速球が看板なのですが(実際は最高測103マイルまででたことがある)、この日は99マイルが最高(1球のみ)という内容。最高ではないもののまずまずですが、チームは敗戦で、Strusburg自身も今季15回目の先発で初の敗戦。Strasburgが負け投手になるのは昨夏の北京五輪でキューバ相手の先発の時以来。

トーナメントはダブルエリミネーション方式なので、初戦敗退後もしチームが今後勝ち続ければもう一度登板あるかもですが、Strasburg抜きで勝ち抜けるほどチーム力は厚くないと思われますので、ほぼこれがアマチュアとして最終登板。
今シーズン最終成績は13勝1敗、防御率1.24、102回を投げて180奪三振。

ドラフト1位指名権を持つWashington Nationalsに入団、早ければこの秋のベンチ入枠拡大の時期に上がってくるか、それともNationalsとしてはじっくり育ててくるか。


最近の大学からの上位指名投手だとJared Weaver (Los Angeles Angels)が大学で圧倒的な成績を残して入ってきましたがドラフトの当年と翌年はマイナー暮らし、入団三年目の2006年途中メジャー昇格、先発で11勝2敗と上々のスタートを切ってその後も活躍中。

このWeaverも大学当時はすごくて、現在のStrasburgと似通った部分があります。
大学最終年の成績は15勝1敗、防御率1.62、144回投げて213奪三振、21与四球。Strasburgほど剛球派ではなく奪三振率も劣りますがコントロールの良さは大学当時はWeaverの方が上だったと記憶します。Strasburgは明らかにボールという球(特に変化球)が多い。
この大学最終登板でも対戦が決まってから早いカウントでの速球に的を絞って練習してきたVirginiaチームに立ち上がり打たれたり、プロ相手にはまだまだなすべきことがあるのかなと思われるふしはあります。

指名確実なNationalsは昨年MLB最低成績、今年も早くもダントツ最下位を走っております。ワシントンに移転して間もない=ファンも定着してるとは言えない状態のフランチャイズでもあり、StrasburgはNationals関係者+ファンにとっては期待の星となるのもわかりますが、このままのチーム力ではStrasburgをメジャーに上げてもすぐに成績が上がるとも思えず、ここはじっくり来季、再来季を見込んで育てていくことになりますか。

CWS 勝ってしまったFresno State初優勝

いやあ。勝ってしまった、まさに勝ってしまったという感じ。地区大会最下位シードで64校のトーナメントに突入したFresno State Bulldogsが、しかしながら試合内容はまたも堂々たる内容でBest-of-three(=二戦先勝)の最終第三戦を制して全米制覇。

しかしまあ。気合いだけでこれほど何試合も勝てるものではありえませんが、気合いが乗り切っていたのは間違いないところ。ほぼ全員がレギュラーシーズンの成績を大きく上回る成績で勝ち切り。
特にFresnoの場合、所属が野球が強いとは言えないWAC所属。WAC内でかなり痛打されていたはずのスタッツの投手陣が、全米のエリート強豪校を相手に快投完勝出来過ぎの連続。この最終戦もエースが八回を八回裏のソロ本塁打一本きりにGeorgia打線を完全沈黙させての圧勝。

昨年、一昨年と全米連覇したOregon State Beaversも一年目は無印、二年目も不成績でギリギリ選考を通過してトーナメント進出したところから連覇、と二年に渡って意外な優勝校ではありました。
野球で名声の高い学校ではなかったものの、そこは全米有数の野球の強豪カンファレンス Pac-10所属。驚いた反面、そういうものか、という程度の驚き方ではあったわけです。

今年の驚きはそれを大きく上回る意外さ。地区最下位シード校が全米制覇。弱いカンファレンスで優勝しての自動トーナメント出場枠ゲット以外では全米トーナメント出場不可能な成績の学校が全米制覇。それはつまり、今年出場した64校のすべてにチャンスがあったというのと同義語ではないですか。
そこまで荒れるNCAAスポーツはないです。


それにしても大学スポーツの一年の最後の最後に来てESPY Award(=ESPN主催の年間スポーツ大賞みたいなもの、毎年七月開催)に誰もが予想外の殴り込みか?
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