アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

格闘技

ESPN.comにはCM Punkファンがいる?

AEWの英Londonでのビッグマッチのことは書きました。そのバックステージでCM PunkとJungle Boy Jack Perryが騒動を起こしたそうでAEWがCM Punkとの契約を解除したと発表したと報じられてます。報じてる媒体にはESPN.comも含まれています。

2年前にCM PunkがAEWに加入したときにESPNが上位でそれを報じていてびっくりしたということを書きました。そして今回のCM Punk解雇もESPN.comがトップニュースとして報じている。これってカレッジフットボール開幕週でネタは多い土曜日でも報ずるほどな事件なのか。ひょっとしてESPN.comの編集責任者がファンとかでしょうか。

AEWの新番組の今夜のAEW Collisionは冒頭でその説明があるのかも。気になるので普段見ない人までチャンネルを合わせてしまいそうで発表のタイミングは一種の炎上商法かもです。(それはWWEもよくやる手です)
それとはまったく別口で今夜のAEW Collisionには元NBA Dennis Rodmanが出演するという話もあります。場所はRodmanも所属したNBA Chicago BullsのホームアリーナUnited Center。

AEW Collisionというのは今年6月から始まったばかりのAEWにとっては3番目の定時番組。TNTで放送。
わざわざ3番目の定時放送を作ったのは問題行動の多かったCM Punkを新番組に隔離しながらCM Punkに活躍の場を与えるため。CM Punkを嫌うAEWの主力メンバーとの切り離しての活用が主目的だったはず。その当のPunkがクビではAEW Collisionという番組自体が成立しなくなりそうです。いまさらすぐに番組やめますとは言えないでしょうから新方向を模索することになりそうです。

今夜の開催場所はPunkの出身地元であるChicago。AEWはChicagoでよく試合を開催しており、Punkの地元人気に頼って動員も毎度よく入れているように見えました。それが今日は地元興行に急にPunkが出場しないのですからファンからの暴動もどきの罵声が飛び交ったりするんですかね。今日の観客が荒れたりするとAEWにとっては数少ないホームテリトリーとも言えたChicagoでの今後の興行に躊躇するかもです。

ネット上ではCM PunkはWWEに復帰するのかなどと書かれていますが、それはVince McMahoneの目の黒いうちにはありえないでしょう。それにCM Punkが連れてくるであろうこじらせたファン層はいまさらWWEは欲していないように思えます。
AEWでも記者会見での問題発言で出場停止処分&タイトル剥奪で一度クビになるかもという事件も起こしていた44歳。いまさらWWEに戻っても使いようもないし大人しく使われるような性格でもなさそうです。

PunkとPerryが騒動を起こしたのはWembley Stadiumでのショーの第1試合のCM Punkの試合が終わった後だったという話になってます。Jack Perryは26歳、AEWから見れば数少ない自前で育てたベビーフェイスの若手スターの一人ということになります。入場テーマ曲もAEWがPerryのために買い取っていたりと優遇してました。
AEW Collisionに隔離して彼を嫌うメンバーと揉め事を起こさないようにしていた。全員総出演となったWembley StadiumでのビッグショーではCM Punkが第1試合出場にしてたのもPunkにはさっさと試合を終えさせて会場から送り出したかったからかもですが、それでも騒動を起こしちゃうんですからもうかばいようもないってところか。

事態が急なせいでしょうTNTでの番宣のテロップにはクビにしたCM Punkの顔が乗ってる。来週までには消されるかな。

【追記】Collisionの冒頭でTonyが「このビジネスにたずさわって初めて身の危険を感じる事態だった」と述べてCM Punkの解雇について発表してました。収録の始めの部分でCM Punkチャントも少し聞こえていたようでしたがおおむね変哲もない放送だったようです。冒頭10分ぐらい見てあとは見てません。

AEW All In後の展望が見えにくい

プロレス業界第2位のAEWが先週末に英Wembley Stadiumで行ったビッグマッチ「All In」のPay Per View(PPV)購入数の数字が出てます。168,000件がPPVでの販売数。それに過去のイベントの例から類推される一部の国でのストリーミングからの視聴者数を加えると184,000人以上が視聴したということになるようです。英国現地会場での盛り上がりと比べて渋い数字かなという気がします。

大会場であるWembley Stadiumは盛況で現地動員は81,035人と発表されていました。最初に大箱のWembley Stadiumでの開催が発表されたときにはそんな大スタジアムで大丈夫か埋められるのかと思ったのですが立派な動員を達成してます。一方ざっとあそこに集結した人たちの倍程度がPPVで見たということになります。アメリカを含む全世界であの倍程度しか視聴していないと表現した方がより現実か。

AEWは2019年の設立。過去のPPV販売の最多記録は2021年の「All Out」が215,000件、2022年の「Revolution」が175,000件で過去2位の実績。ストリーミングからの数をカウントするのかどうか次第ですが前年の同団体2位実績のイベントから減ないしは横ばい程度と評価すべきでしょう。伸びているとは絶対に言えない。
これはここ1〜2年のAEWの定時放送の視聴者数の推移とほぼ同じ傾向と言えます。2021年頃には多くの週で110万人を超える視聴者を持っていたのが2023年にはいってからは100万人超は2度だけ、90万人台70万人台の週もありますが概ね80万人台の狭いレンジで推移してます。昨今のスポーツ番組と比較すれば80万人台でも合格な数字でしょうが伸びははっきり止まっている。2年前からはおよそ2割減での安定。
ついでに言うとプロレス放送の視聴者って裾野が狭い。好きな人は好きですがそうでない人には完全にスルーされるし避けられる。同じ80万人でもクセのある層になってしまうので評価が分かれる視聴者数・層ではあります。数字も安定しているしファン層が狭いのも手伝っていつも同じ人が見ている可能性が高そうなのがスポンサー的にはおいしくないかも。

さて2021年から2022年頃はAEWには勢いがあって業界トップのWWEのMonday Night RAWを視聴者数で瞬間的にでも抜ける週があるかもという期待がAEW支持者にはあったかと思います。WWEのMonday Night RAWはその名の通り月曜夜の放送で、毎年9月にNFLシーズンが始まるとMonday Night Footballの真裏の放送となってしまうため毎年その時期は視聴率が2割前後がっくり落ちる。そこをめがけてAEW Dynamite(毎週水曜日放送なのでフットボールシーズンの影響小)が全力でピークを持って行って一週だけでも抜くことができればスポンサー向けやファン向けにWWE超えと大きなアピールとなったはずでした。WWE一強を崩せるかもという期待感が膨らんだはず。しかし老舗WWEはしぶとく結局一度も抜くことができないまま。そして2023年はAEWの方が退潮停滞期に入ったという流れになってます。

AEWの今回の英国でのビッグマッチが8月末に企画されたのもきっと昨年と同じくNFLシーズン開幕=Monday Night RAWの年間でWWEが一番弱い時期に挑戦する意図もあってその時期にしたんじゃないかと思うんですがいかんせん前年前々年までと違って米国側で視聴率競争を挑めるような状況ではない。最近はRAWとAEW Dynamiteはほぼダブルスコアの視聴率の差になってますからここからRAWがNFLシーズン開幕で2割落としてさらにAll Inからの波及効果ブーストがあっても迫ることはできない差に見えます。そして今回発表されたAll InのPPV数も伸びていないので波及効果は限定的になることが予想できます。


AEWの停滞の理由はいろいろ指摘できます。2022年まではWWEが自陣営のリストラを敢行、大量解雇したレスラーがAEWに移籍。それがAEWの勢力拡大に見えた時期がありました。WWEから放出された選手の大半はAEWが収容したんですけどあとから眺めてみるとWWE側のリストラ選別の目は正しかったのだろうと思えます。AEW移籍デビューを大ニュースのようにAEWファンは歓迎していましたけれど結局のところ移籍そのものが最大のイベントでその後は尻すぼみの展開がほとんど。落ち着いた今から眺めればWWEの選別で落とされた選手ばかりを大量に抱えた状態になってしまってます。深読みすればWWEに抱えさせられた状態とすら言えそう。

先週亡くなったBray Wyattも一時点でフリーエージェントだったんですがAEWは獲得できませんでした。ちなみに先週末のAll InでBray Wyattの定番小道具だったランターンを入場のときに持ち込んでいるシーンがありました。他団体選手からの追悼の表現だったと思います。
他のフリーエージェントの大物では女子のSasha BanksもAEW入りを渋っていてAEWは獲得に至っていない。今もフリーランスのまま。この夏前から英国出身のDrew McIntyreがWWEとの契約更改がうまく進んでおらずTVマッチへの登場が激減。AEWの引き抜きと出身地元英国のシンボル的会場であるWembley Stadiumでのビッグマッチにサプライズ登場という可能性が考えられました。しかし結局はそれも実現せずWWEと契約更新。SashaやBrayがAEWに加入していたらもう少し状況は異なっていたかもなぁと思いますがどういう事情だかそうなっていない。McIntyreの引き抜き失敗も含めなにかAEW加入を躊躇させる裏事情がありそうです。

一方AEWの創始者だったCody RhodesがAEWから離脱、American NightmareのままWWEでベビーフェイス復帰で成功している。タマ数ではWWEからAEWに行った選手の方がずっと多いけれどCody一人だけがAEWからWWE移籍しただけでWWEの方が得をしてるように見えます。CodyはAEWの創始者なのに明確なストーリー上の理由もなくAEWファンから意味不明なブーイングを食っていたりよくわからないAEW離脱経過だったように見えました。あれってCodyの奥さんが黒人女性だからだったんですかね。それとも夫婦で仲良くリアリティTV番組に出ていたのがチャラいとコアなAEWファンからみなされたか。
Codyは最近制作された「American Nightmare - Becoming Cody Rhodes」という本人が半生を語りまくるドキュメンタリー番組でもAEW離脱についてだけは「それについては話せない」ときっぱり断っていました。他の話題はたっぷり語っていたのでその拒否が目立ってました。


AEWは資金のバックがNFL Jacksonville Jaguarsのオーナー家から出ていて資金は潤沢。よって過去のプロレス新興団体のように資金切れで息切れすることは近い将来はないはず。AEWの代表はJaguarsのオーナーの息子Tony Khanでありまだ40歳と若い。Tonyはプロレスオタクだったそうで、その昔Ted Turnerが率いたWCWが退潮になったらあっさりWWEの軍門に下ったような早急な精算での幕引きはまだしばらくはないはず。あるとすればJaguarsのオーナーであり父親であるShahid Khan73歳が退任してTonyがJaguarsの経営を引き継ぐなどでAEWへの熱意や時間が失われたときでしょうか。

資金は潤沢とは言え業界トップから離された万年2位が固定してしまった場合にAEWにつぎ込むエネルギーや資金がどう経営判断されるかはわからない。
今回のAll Inでの英国での成功は今後の展開への期待感をつなぐ成功とは言えるのでしょう。特に海外展開でしょうか。Khan家はパキスタン系。イスラムには親和性はあるということになるので昨今目立つ中東からのスポーツ産業への投資呼び込みや進出という展開もあるのかないのか。ただあの中東マネーってはっきりと一流好みですからマイナー臭がついてしまうとつきあってくれなくなるかもしれないというおそれはあります。マイナー臭がつかないようにAEWをどう迅速に展開発展できるものか。WWEをサウジ資本が買収しようとして失敗したという顛末もあったので方向を変えてAEWを買収、資金投入でWWEから大量の大物引き抜きというようなことがあるのかどうか。そこまでやろうと思うほどの投資の魅力をAEWが出せるかどうか。

NFLとWWEがチャンピオンベルト売出し

Terry Funkさんが79歳で亡くなってたのもあとから知りました。既にに書いたBray Wyattの36歳とは違って大往生なのだろうなという感じがします。

WWEのアメスポ市場での特殊な立ち位置と存在感は他に比較するものがないわけですが、その新たな展開がNFLとのコラボとなってます。WWEとNFLの合同で「NFL legacy title belts」が企画発売されています。WWE Shopでの現時点での価格は$549.99。日本円だと8万円。なかなか高額です。お値段は良いとして私の好みではデザインがとってもダサいように感じるのですが大丈夫なのか。NFLとWWEが利益を分けるので高額なのは仕方ないのでしょう。限定数があるのか一部のチームのベルトは早くも残数わずかと表示されてますね。

過去WWEがアメスポ各ジャンルの優勝チームにWWE王者のレプリカベルトを進呈してきているのはアメスポファンにはおなじみかと思います。今年2月にKansas City Chiefsが優勝したときにはQB Patrick Mahomesがよほど気に入ったのか当日も祝勝パレードの日もそのベルトをずっと締めていたのをWWEが放映したりもしてました。あの辺でWWEとNFLの偉い人がカネになると思った感じですか。
だとすると今は各チームのベルトを売ってますが来年のSuper Bowlが終わると優勝チームのスペシャルベルトのレプリカがもっとお高いお値段で売り出されそう。それも限定数だったりすると優勝チームのファンは殺到しそうですし転売市場で高騰したりもしそうです。

NFLチャンプやNBAの王者がWWEベルトで喜んでいるのは過去に何度も見た記憶があるんですけどネットで写真を探してみるとMLBやNHL、さらには女子バスケのWNBA優勝チームにも提供しているみたいです。MLSの写真は見つからないですが提供してないんですかね。
この検索をしてる中でWWEとMLBも似たコラボ契約をしたという話を見つけましたのでMLBの今季World Series後にWWE型チャンピオンベルトが売り出されるのかも。

Bray Wyatt死去

Bray Wyattが今週死去していたようです。遅れて気づきました。追悼ビデオというのにたまたまぶちあたって、えっという。しばらく見かけないなとは思っていましたが彼が以前からメンタルヘルスに問題を抱えていたのも知っていたし昨年のWWE復帰後の自己プロデュースとされるストーリーもうまく回っておらずまた長期休養か社の制作側との諍いで半離脱中かかなと思っていたんですが、実は2月から健康を崩していたというのは最近になって出てきた情報となってます。そこからの復帰が近いという情報が流れたその矢先の心筋梗塞での死去。36歳。

異能で演技力が高い。ボキャブラリー選択の絶妙さや表情の作りのホントに狂ってるかもなと思わせるところがあった。サイコな怪奇派でほとんど試合らしい試合はしないのに実際に動いたら動ける。有名レスラーを多数親族にもつレスリングファミリー出身者でもある。メンタルの問題もあったし復帰が近いとなってからの急死なのでいろいろ憶測は飛ぶでしょう。The FiendもFirefly Fun Houseもこれでもう二度と見られないってことになります。Firefly Fun House好きだったですが。


全然違う話をつなげてしまうんですけど昨日のNASCARで大変な事故が発生してます。見ていてこれはマズいのかもという吹っ飛び方。数えた方がいて空中で12回転ぐらいしてるそうです。でもドライバーRyan Preeceは自力で車から出て生存、大きなケガもしてません。スーパースピードウェイと呼ばれる超高速サーキットでの事故で近年では数少なくなった飛びかたでした。
でこれでも生き残れるって現行のNASCARの車体の安全性の高さに感心します。

ドライバーの命を守れたNASCAR。特殊な才能Bray Wyattを守れなかったWWE。全然関係なくて申し訳ないんですけど人の死と隣り合わせの心身を削って戦うスポーツもそれぞれか‥と。

優良コンテンツも押しのける女子サッカー

地上波FOXの金曜日の夜のゴールデンタイムはプロレスWWEのSmackdownの2時間の定時放送枠。年間に何度かその枠が削られて同系列のスポーツ専門チャンネルのFS1にSmackdownが移動します。毎年MLBのポストシーズンの時期にはWWEのFS1送りが発生するのは定例。定時放送枠が移動すると視聴率がガタ落ちになるのもお決まりでWWEからすれば嬉しくはないでしょうが契約で優先権は決まってるはず。平均で230−240万人近辺を毎週叩き出すFOXにとっては優良コンテンツのSmackdownを押しのけてまで次週放送するのは何か。

何かあったっけ?と思ったら7PMから女子のサッカーW杯の放送だと放送予定に書いてあります。女子W杯が始まるのはもちろん知ってましたがアメリカのゴールデンタイムが試合時刻とは知りませんでした。生?それとも録画?といぶかしく思いました。
今回のW杯はニュージーランドとオーストラリアの共催。時差は日本からだとないのでしょうがアメリカからすれば現地の昼間や夜はあまり都合の良い時間帯ではないはずですがそれを放送するのが金曜日の夜?現地土曜日の午前ですか?換算したら現地1PMかな?(夏時間もあるので1時間ぐらいずれているかもしれません)。

アメリカのTVの都合に合わせて試合開始時刻をその枠にしたってことなんでしょうね。アメリカ的には年少者の視聴者が多いと想像されるため東部時間で9PMキックオフ11PM頃終了は若干遅いが許容範囲ってとこですか。アメリカ西海岸だと6PMキックオフですからそちらにも目配りするとこの時刻が最良とFOXは判断したかも。現地としてはそれよりは早くはしにくいということでこの枠か。FIFAの試合予定を見ると米代表の試合と同じ時刻の試合開始の試合は他にないので米代表のみの特別待遇のようです。

ちなみにこれは今週ニュースで言っていたんですがニュージーランド現地でのチケット販売がふるわず大会直前になってかなりの数のタダ券を配ることになったとのこと。共催のオーストラリアの方は代表通称Matildasが現実的な優勝候補であるという認識で地元の期待は盛り上がっているとされますがニュージーランドはそうでもないらしい。米代表はグループリーグをニュージーランドで戦います。

放映スケジュールの詳細をFOXの公式で読むと東部時間7PMから「FIFA Women’s World Cup Live」というプレゲームショーを2時間放送、9PMから米代表の開幕戦対ベトナム戦を放送、試合後に「FIFA Women’s World Cup Tonight」という名のポストショーも30分予定。さすが女子代表サッカー、人気の高さで地上波トータル4時間半占拠ですか。感心するような分厚い放映態勢です。
その後米代表の第2戦となる7/26水曜日対オランダ戦も同じ態勢のプレ&ポストゲームショーで4時間半地上波ゴールデンタイムを占拠予定。2戦目もプレゲームショー2時間かよという。初戦はW杯開幕を関心の薄い一般非スポーツファンにも告知目的もあり話すべきこともいっぱいあるのかも知れないからともかく2戦目で平日のゴールデンタイムでも2時間も前振り番組をやって良いというのがすごいです。

ベトナムもオランダも強敵ではないはずで米女子代表ファン一般が期待するような爽快圧勝試合になる可能性はあります。一方先日の壮行試合でW杯に出場できないウェールズ女子を相手にゴールを割るのに苦労した例もありFOXや善良なサッカー少女たちが期待するような大量ゴールでの圧勝劇になるかどうか。

Mercedes MoneがAEW新番組で言及される事件

プロレスネタなのでプロレスはスポーツじゃないと思われる読者の方は無視してください。
これは事件なのではないでしょうか。プロレスAEWの新番組AEW Collisionの初放映の中でWillow Nightingaleという女子選手の入場の際に「NightingaleはMercedes Moneに勝った」とさらっと紹介されていてちょっとびっくりしました。これは手の込んだ変化球を使ってAEWがMercedes Moneの名を使ったということなんじゃないでしょうか。

全然事情がわからないかと思いますので説明します。
Mercedes MoneというのはWWE所属時代にはSasha Banksの名で活躍していた人気女子選手です。WWEで試合への出場拒否をしてWWEから試合出場停止の処分を受けたのが昨年の話。出場停止処分がとけないままで契約期間を満了してフリーランスへ。Sasha BanksのリングネームはWWEに権利があるのでフリーランスで他のリングに上がるためには別のリングネームが必要でそれで選んだ現在のリングネームがMercedes Mone。本名がMercedes Varnadoなので半分本名ってことですね。

フリーランスになってからのSasha動きを見てるとSashaはフリーのうちに好きなことをする一方最終的にはWWEに帰還するんだろうなというふうに思えます。WWEから離脱すれば業界二位のAEWは絶対に欲しい人気選手なはずで確実に声はかけているし金額も相当に弾んでも欲しい選手のはず。でもSashaはAEWには登場していない。ということは避けている。

Mercedes Mone化したあとの最初のリングは日本で今年の1月の新日本プロレス主催のWrestle Kingdom 17。その後Mercedes Mone名義での米国デビュー戦はカリフォルニアでの2月の試合。これは新日本プロレスの興行で元WWEの日本人レスラーでIWGP女子横斜のKairi Saneとの王座戦で勝利。ある意味WWE時代からの古馴染みの相手だしKairiはWWEを円満退社している選手でWWE視点で許容できる相手。つまりはSashaは国外での再デビュー、米国内の試合もWWEと敵対に至らない小規模プロモーションでの元WWE選手との試合にとどめてWWEに唯一対抗しうる規模を持つAEWには関わらないようにして自身のWWE復帰の芽を摘まないようにしながら自由を謳歌していたわけです。

Sashaは本人がプロレスオタクなところがありスターなのに一人でふらっと日本の女子プロレス地方団体に修行練習に来てみたりしてなかなか熱心。WWEではできない日本のスポーツ寄りな激しいプロレスをフリーのうちにやってみたいんだろうなという感じがあり熱心なプロレスファンにはまず好評。それでしばらく回遊して本人が納得したらWWE復帰かなと。WWEは所属選手に外での試合を許さないのが基本ルールなのでフリーのうちにプロレスオタクらしい試合をやれるだけやってる。でもWWEに敵対行為はしていないと。その印にAEWには寄り付いていない。きっとAEWに関わっちゃうとWWE帰還の支障になる可能性があるんだろうなと推測できたわけです。

そういう前段の知識があったので今日のAEWの新番組でいきなりAEW所属のWillow Nightingaleの入場時にMercedes Moneの名前が出てきて驚いたわけです。これじゃ間接的なAEW登場ではないかと。

そのNightingaleに負けたという5月の試合は見てないんですけどMercedes MoneとWillow Nightingaleの試合は元々はMoneの勝ちブックだったのが、試合中にMoneが足首をケガしたとかで試合中にMoneの意思でアドリブで自身の負けに変更した、という話になっていました。私は試合も見ていないしケガの程度というのもわからないのでそんなこともあるのかなというぐらいに思っていたのですが、今日AEWがMercedes Moneの名前を持ち出したところで見方がガラッと変わりました。

新日本の興行で、参戦していたAEWの選手にケガをしたという名目でMoneが敗戦するという裏のブックが事前にあったのではないのかという疑惑です。そしてMoneの敗戦の事実をAEW側が放送で述べることでMercedes Moneの名前をAEWの番組内に持ち込むのはOKというところまでが裏の全体シナリオなのではないかということです。ケガを理由にしてAEWの選手に負けてあげることでAEW側から相当のギャラが出ているのではないかということですね。但しあくまでもアクシデントであるという名目で。試合後に病院にも直行したとか報道があったけれどその後ケガの容態の続報があったとは承知してません。アクシデントのケガで続けられなくなってアドリブで星をAEWの選手に渡したけれどAEWに間接的に参加したわけじゃないんだよとWWEマネジメント向けには言い訳できる形にしたんじゃないのかなという憶測です。
今日びっくりしたあとに調べたところではNightingaleはMoneとの再戦を受ける意欲があるとかなんとかに言ってることになっていて、それも星を返す予定通りって感じにも読めます。

私ごときプロレスに不熱心な人間でもこの程度の憶測はできるわけですからプロであるWWEのマネジメントも今日の放送を見たらその可能性はすぐに思いつくでしょう。明日になればプロレスオタクのYouTuberやプロレスマスコミなんかでもこの点を指摘するような人が出てくるんじゃないかと思えます。プロレスの仕込みはなんでもアリですからね。逆にAEW寄りのプロレスマスコミはこの繊細な部分には触れないようなするかもしれません。

AEWに積極的に出演をしてWWEへの復帰の道を険しくする気はないけど、こういう手の込んだ仕込みでAEWの選手とも絡む、名前を間接参加させて報酬も貰う、プロレスオタクSashaの履歴的にも楽しいというところがSasha側の動機かも。AEWは特に女子の方は手薄かつスター性のある選手がいなくて苦労しています。どういう形でも人気者のMoneとつながりを持っておきたいというのはありそうな話に思えます。どうでしょうか。

それともMercedes MoneのAEW登場というのがあるのか。AEW Collisionを放送する放送局のTNTはNBAシーズンNHLシーズンが始まる時期まで手持ちのスポーツ番組がなくて夏場は視聴者にチャンネルを合わせて貰う機会がしんどい時期なので起爆剤でCollisionにMone登場ならTNTの事情にタイミングは合ってるとは言えます。ただ相手になるAEWには女子選手にろくなのがいないので参戦で盛り上がっても間もなく沈静化するのも目に見えてるようにも思えます。
個人的にはSashaのWWEでのお馴染みの入場テーマを聞きたいしあのキメもポーズもまた見たいのでWWEに帰ってきてくれる方が良いんですけど。

LIV Golfが新組織にカネを出せるのは

ちょっとひねった見方ですがLIV GolfとPGAが和解合併、欧州ツアーも加えて世界のゴルフ界を傘下に収める新組織ができるのはサウジがWWE買収に失敗したのも要素っていうのもありえない見方ではないかなと思いこの項を書いてみます。

とどのつまりはLIV Golfのバックにあったサウジアラビア資本が世界のゴルフを牛耳る立場になることをPGAがカネを得ることと交換で受け入れたというのがこの動きの最大の真相であるのだと思います。まだ早い段階ですがこの新統合組織にサウジからは桁違いのカネが投下される模様。その金額は現時点では憶測の域を出ませんが。新会長はサウジ側から。一方取締役会ではPGA側が多数を維持するとも報じられていますが、新組織のオーナー構成次第定款次第では取締役会の椅子取りなんて変えられるのかも知れないですしわかったものではないです。

サウジの資金は無尽蔵なのかもしれずそうであればWWE買収に用意していたとされる$10 billion以上がWWE買収失敗で浮いたことは関係ないかもしれません。がいくらサウジファンドが巨大といえ$10 billionは彼らにとってもはした金ではない。WWEの売却問題はUFCとの合併で4月に決着しています。これでサウジが敗戦、浮いたカネがあるところですぐにプロレス団体買収よりもステータスの遥かに高いPGAやDP World Tourをまとめて影響力を駆使できる立場が手に入る機会となったわけでWWE買収資金の$10 billionぐらい喜んでツッコむってことなのではないかと。

タイミング的にはWWEのUFCとの合併が発表になったのがちょうどMastersの前でした。Mastersのときの報道を見ていて「Masters主催者からの事前の牽制があったかもなというぐらいLIV Golf対PGAという切り口は数少なく静か」だったしやはりちょうどあの辺りが潮目だったのではないでしょうか。

WWEとUFC親会社が合併

昨夜のWresteManiaの終了後の記者会見でも質問が飛んでいたWWEとUFCとの資本提携の件が発表になっています。噂されていたWWEの身売り=大株主であるVince McMahonの株式売却ではなく、UFCの親会社であるEndeavor GroupとWWEとが新たに新会社を設立するという形となると報道されています。新会社の51%の株式をEndeavor Groupが、49%をWWEが所有。形上はWWEがマイナーオーナーとしてUFCを所有する形になるようです。プロレス最大手WWEと総合格闘技最大手UFCとが同一の資本下に収まることに。

土日に行われたWresteMania 39はSoFi Stadiumで連日8万人以上を動員で盛況。詳細な数字は事後に発表すると言ってましたが入場料収入、グッズ販売収入、視聴者数でも間違いなく過去最高だと言明されていました。
WWEはWresteManiaの前日の金曜日にもSmackdownの生放映で同市内のCrypto.com Arenaで満員興行。Crypto.com ArenaはNBA Los Angeles Lakers/Clippersのホームアリーナですが、ここを金曜Smackdown、土曜NXTブランドの興行、そして今夜月曜のMonday Night RAWの生放映まで4日間で3興行。並行して土日はWresteManiaで2日合計16万人超の動員。LAで4日間で5興行。今夜のRAWも満員確実で動員力の凄さを示しています。4日間同市内で5興行とか狂ってるんですけどすべて埋めてしまうんですね。Crypto.com Arenaはバスケのときの収容が2万人の大型アリーナ(プロレスでは収容人員が異なりますが)ですから4日間5興行ののべ動員だとゆうに20万人以上を動員しているはず。

今回のWresteManiaの中身はサプライズ要素は少なめ。アクシデントのケガもいくつか発生したりしながら現場の即応力もなかなかで破綻を見せず無事終了。絶対王者のRoman Reignsが防衛を果たして長期政権は継続。在位1000日超えが見えてきてます。絶対王者の失冠という大イベントは身売り先への売る値段のうちかと昨夜の段階では思ってました。

試合後の記者会見に登場したReignsは長期政権について問われて「まだ野球で言うなら3イニング終わったところだ。まだいくらでも物語は続けられる」と超長期政権に言及。野球に例えるのかというのも意外でしたが、現在在位900日を超えてます。これが3イニングだとすると9イニングだと2800日ぐらいの話になります。実はWWE(WWFおよびWWWF時代含む)の歴代最長政権はBruno Sammartinoの2803日というのが最長なので、昨日のReignsの3イニング発言は史上最長政権も視野という意味にもとれます。それって7年半以上なのでさすがにReigns自身が耐えきれないのでは。
プロレスなので記者会見と言ってもギミックのうちでもあり真意はあまり追求するほどのことはないですが、ご本人はまだ続ける気力は十分にあるってことですね。当面は1000日超えを目標、その先はPedro Moralesの1027日超え、Hulk Hoganの1474日超え辺りまでは可能性アリってとこか。上述の通りReignsの失冠は新会社にとって手持ちの最大の興行カードと言えますから1年後のWresteMania 40まで引っ張る可能性もあります。そうだとするとReigns政権が1300日ぐらいまで続くっていうのが現実的になったのかもしれません。Hoganの1474日には来年のWresteManiaでは届きません。


WWEとUFCが同系列の会社になったことでなんらかのシナジーを模索する動きは当然出るのでしょう。UFCの人気選手の引退後の進路としてWWEが受け皿になるのは確実ですが、実質同会社となることで契約上の制約がなくなり現役のUFCファイターがWWE側と絡むのも容易になるはずです。WWEという引退後の進路オプションがあるというのは現役の短いMMA選手たちにとっては魅力に見えるはずでもあります。また一時期のようにWWEの所属選手がガチファイトに臨むという機会も発生するかも。


噂されていたサウジアラビアの金満王子によるWWE買収とか、後発プロレス団体であるAEW(NFL Jacksonville Jaguarsオーナーから資金が出ている)がWWE買収に興味を持っているとかはVinceが嫌ったかもです。49%の株式を確保して議決権では譲るものの現場の指揮系統は現状維持になることが予想できます。UFCが身売りをしたときに代表だったDana Whiteは身売りでカネを得て、さらにUFCの顔としてのポジションは維持したということがありました。あの姿をVinceは理想としたのかなとも想像します。

ESPN.comのトップ記事は宣伝か報道か

この辺になってくるともう報道と宣伝の境目がわからないです。アメスポ報道の最大手のESPN.comのトップ記事がプロレス最大手WWEの過去2年の主役だったRoman ReignsとBloodlineの歴史をたどる記事になってます。最初に見てびっくり。クッキーなしのまっさらなブラウザでVPNを使って米国外からアクセスしている形にして見ても間違いなくトップ記事として出てきます。

WMESPN


つい先日WWEが他系列の老舗定番クイズショーを丸一週間分買い取って(だと思います)ジャック、所属のレスラーを毎日登場させていたことは書きました。それに続いてESPN.comのトップ記事も買い取ったってことなんでしょう。ESPNは系列でいうとABC系列でここも普段はWWEの放送には関わっておらず通常はWWEの宣伝が載る系列ではないです。
今週末はWWEにとっては年間最大のイベントWresteManiaがあるのでそれに向けてのプロモーションなんですがやけの手が込んでいる印象です。過去にこんなに全方位に宣伝を出した例はあるのか。

WresteManiaの宣伝というだけでは手が込み過ぎている気もするのでひょっとすると意図は別のところにあるのかもしれません。今年の1月に元会長のVince McMahonが復帰。スキャンダルで失脚から間もない時期の復帰の意図はWWEの身売りとその価値の最大化にあると説明されていました。

とするとタイミングこそWresteMania直前ですがプロモーションしたかったのはWresteManiaではなくてWWEそのものなのかもしれません。それが目的ならWWEというブランドの認知度を上げれば良いのであって、そうであれば畑違いで親和性も疑わしいCBSの老舗ゲームショーを1週間丸々買い上げてWWEのロゴを延々毎日地上波に載せたのも意味がわかる。

また2024年に切れる予定のWWEの現行の放映権契約(NBC系列+FOX系列)の次の契約を睨んで次期契約先として可能性のある他系列にも人脈金脈を形成するために積極的に普段付き合いのなかったABCやCBSといった他系列に積極アプローチしたという可能性もありそうです。

WWE側の意図はそれで良いとして、ESPN.comはこれで報道として成り立ってるんですかね。それとも我々が気づかないだけで例えばMLBの記事がESPNのトップ記事になるときにMLBがトップ記事の位置を買い取っていたりするんでしょうか。
例えば「コミッショナー、あなたは野球が嫌いなのですか?」というMLBコミッショナー擁護の長文記事が昨年夏に出たときにも私は少なからず違和感を抱いたのですが、あれも今回のWWEのBloodlineの歴史の記事と同じ類、半宣伝のMLBの発注記事だったのかもしれません。
報道としての体裁はなんとか保ちつつ実態は宣伝。今の時代、ぼやっとしてると報道という名のよくわからない情報にさらされて影響を受けちゃったりするんでしょうね。
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