アメスポ業界は忙しいです。日本では日本人MVPも出てドラマチックなフィニッシュとなったMLB World Seriesネタでたっぷり数日楽しめるでしょうが、アメリカではこの時期、多数のスポーツが重なり合って興行をしてます。World Seriesが土曜夜に終了。明けて日曜日なので一般にはもちろんNFLが話題の中心なのですが、私個人の好みではNASCARの最終レースの方が注目です。
NASCARの現行の仕組みはプレーオフを勝ち残った4名のドライバーが最終レースで一発勝負、4人のうち最上位でフィニッシュをしたドライバーが年間優勝者となります。そして今日がその最終レース=Championship 4。
20年目通算60勝の44歳 Denny Hamlin(11番車体)が初の年間チャンピオンに届くかが焦点。60勝は年間優勝のない選手では最多勝。
4人残った中で過去に年間チャンピオンになっているのは2021年に完勝したKyle Larson(5)だけ。あと2名はToyota = Joe Gibbs RacingのHamlinのチームメイトのChase Briscoe(19)と、LarsonのHendrick MotorsportsのチームメイトWilliam Byron(24)。
レースはポールポジションを獲ったHamlinがレースの大半をリード。それも車の調子は最高。はっきりと他車より早く、リスタートするたびにライバル車にあっさりと2秒3秒の差をつけていく好調さ。但しHamlin陣営の会話ではクラッチに異常ありとのこと。
クラッシュのおこりにくいコースといえるPhonenixでのレースなんで比較的実力で勝負が決まりやすい、一発勝負の決勝戦にはふさわしいコースです。(来季の決勝レースはHomestead–Miami Speedwayに復帰します)
クラッシュはほとんどなかったんですが、コンテンダーも含めて各車のタイヤのバーストが多発する異常なレース展開に。と言ってレッドが出るわけでもないので、タイヤのデブリもコース上に大量に散らばってるのは確実。LarsonやBriscoeもこれにやられて順位を大きく下げた。
残り60周辺りのイエローで、これだとトップ快走のHamlinと秒差はあれど上位に居残ってるByronのどっちのタイヤが次に破裂するかの勝負というような異様なムードに。ここから先はもうシーズン最後のピットストップになる可能性がありますが、通常のタイヤ圧で臨むのか、安全を重視して圧を落とす(当然スピードも落ちる)かの判断を迫られるなど、普段とは異なる緊張感がみなぎってきました。
残り30周を切ったたぶん今季最後のピットストップになろうかというストップ後のリスタートもHamlinが大きくリード。またもあっさり2位以下を引き離し3秒以上のリード。そのままあと3周でHamlinの初優勝というところで、距離はありながら追従していたByronのタイヤが破裂、イエローが出て仕切り直し。Byronはこの時点で完全に脱落。
NASCARの仕組みは残り3周以下でリスタートとなった場合は、リスタート後3周でフィニッシュというルール。イエローのままで流してレースが終了することはありません。
このイエローのピットでHamlinはタイヤ4本を交換を選択。これが結果的には致命的な失敗策に。他陣営はコンテンダーも非コンテンダーもほとんど2本交換で飛び出す。これでHamlinはなんと10位に後退。コンテンダーのLarsonも2本交換でHamlinより先にピットを出ることに成功、5位リスタートすることに。
状態は車もタイヤもHamlinの方が速いのでしょうが、Larsonとの間に4台も2本交換でHamlinに先行した他車が挟まった。リスタート後はLarsonとのサシのスピード勝負まで迫れず、Larsonが先にフィニッシュで年間優勝者に。
敗戦したHamlinは呆然。それはそうでしょう。初優勝まであと僅か、車は文句なく最速。4本交換戦術への不平はHamlinは口をつぐみましたが失敗は明らか。Phoenixのコースは短いので3周で5台を抜くのは無理筋。「あんなに2タイヤを選ぶチームが多いとは思わなかった」とぽつり。シーズン優勝と関係のない他陣営の多くが2タイヤに行かない、4タイヤ交換だと想定した陣営の判断ミスがHamlinの初優勝を消してしまった。
この短めのコースでの約4−5秒をかけて4タイヤとしてグリップを上げることの意義の薄さは冷静に考えればわかることのように思えます。素の状態でHamlinの方がLarsonよりも、誰よりも速いんですから、Larsonと同じ2タイヤでLarsonより先にピットレーンを出ればほぼ勝ちだったのです。それができなかった。痛恨の逆転負け。
年間優勝なしで史上最多勝=60勝。Byronの土壇場でのタイヤが破裂しなければぶっちぎりの61勝目を挙げて初年間優勝、歓喜、のはずだったのが4タイヤの判断ですべて消えた。44歳。引退までのあと何年あるかわからない。なんでも父親が重篤な病気だそうでHamlinが父親に優勝を見せられるチャンスは今回が最後とも。それが独走リードから、ピットレーン逆転で優勝が消えた。しばらく気持ちが立ち直れないでしょうね。
逆転優勝となったLarsonは2度目の年間優勝。最初の年間優勝のときはレギュラーシーズンも勝ちまくったシーズンで、これでLarsonが優勝をしなかったらプレーオフ制度が弊害と文句も言いたくなったであろう圧勝シーズン。
一方今季はHamlinがシーズン6勝で勝利数トップ。プレーオフに入ってからも8強ラウンドでも初戦にあっさり快勝して決勝レース進出を決めたし、今日の決勝レースも圧倒的に速く大多数のラップもトップだったのに。それをLarson陣営のヘイルメリーと言える2度の2タイヤ交換が全部を変えてしまった。1度目で差を詰め全然届かない位置から順位を上げ、ひょっとしたら起こるかもしれないと願った2度目のイエローでも2タイヤで逆転。コース上ではなくピットレーンで大逆転しての年間優勝。正直Larsonが勝ったというより、Hamlinの敗戦、その負け方のつらさがショッキングなシーズンエンドとなりました。残酷な結末でした。
NASCARの現行の仕組みはプレーオフを勝ち残った4名のドライバーが最終レースで一発勝負、4人のうち最上位でフィニッシュをしたドライバーが年間優勝者となります。そして今日がその最終レース=Championship 4。
20年目通算60勝の44歳 Denny Hamlin(11番車体)が初の年間チャンピオンに届くかが焦点。60勝は年間優勝のない選手では最多勝。
4人残った中で過去に年間チャンピオンになっているのは2021年に完勝したKyle Larson(5)だけ。あと2名はToyota = Joe Gibbs RacingのHamlinのチームメイトのChase Briscoe(19)と、LarsonのHendrick MotorsportsのチームメイトWilliam Byron(24)。
レースはポールポジションを獲ったHamlinがレースの大半をリード。それも車の調子は最高。はっきりと他車より早く、リスタートするたびにライバル車にあっさりと2秒3秒の差をつけていく好調さ。但しHamlin陣営の会話ではクラッチに異常ありとのこと。
クラッシュのおこりにくいコースといえるPhonenixでのレースなんで比較的実力で勝負が決まりやすい、一発勝負の決勝戦にはふさわしいコースです。(来季の決勝レースはHomestead–Miami Speedwayに復帰します)
クラッシュはほとんどなかったんですが、コンテンダーも含めて各車のタイヤのバーストが多発する異常なレース展開に。と言ってレッドが出るわけでもないので、タイヤのデブリもコース上に大量に散らばってるのは確実。LarsonやBriscoeもこれにやられて順位を大きく下げた。
残り60周辺りのイエローで、これだとトップ快走のHamlinと秒差はあれど上位に居残ってるByronのどっちのタイヤが次に破裂するかの勝負というような異様なムードに。ここから先はもうシーズン最後のピットストップになる可能性がありますが、通常のタイヤ圧で臨むのか、安全を重視して圧を落とす(当然スピードも落ちる)かの判断を迫られるなど、普段とは異なる緊張感がみなぎってきました。
残り30周を切ったたぶん今季最後のピットストップになろうかというストップ後のリスタートもHamlinが大きくリード。またもあっさり2位以下を引き離し3秒以上のリード。そのままあと3周でHamlinの初優勝というところで、距離はありながら追従していたByronのタイヤが破裂、イエローが出て仕切り直し。Byronはこの時点で完全に脱落。
NASCARの仕組みは残り3周以下でリスタートとなった場合は、リスタート後3周でフィニッシュというルール。イエローのままで流してレースが終了することはありません。
このイエローのピットでHamlinはタイヤ4本を交換を選択。これが結果的には致命的な失敗策に。他陣営はコンテンダーも非コンテンダーもほとんど2本交換で飛び出す。これでHamlinはなんと10位に後退。コンテンダーのLarsonも2本交換でHamlinより先にピットを出ることに成功、5位リスタートすることに。
状態は車もタイヤもHamlinの方が速いのでしょうが、Larsonとの間に4台も2本交換でHamlinに先行した他車が挟まった。リスタート後はLarsonとのサシのスピード勝負まで迫れず、Larsonが先にフィニッシュで年間優勝者に。
敗戦したHamlinは呆然。それはそうでしょう。初優勝まであと僅か、車は文句なく最速。4本交換戦術への不平はHamlinは口をつぐみましたが失敗は明らか。Phoenixのコースは短いので3周で5台を抜くのは無理筋。「あんなに2タイヤを選ぶチームが多いとは思わなかった」とぽつり。シーズン優勝と関係のない他陣営の多くが2タイヤに行かない、4タイヤ交換だと想定した陣営の判断ミスがHamlinの初優勝を消してしまった。
この短めのコースでの約4−5秒をかけて4タイヤとしてグリップを上げることの意義の薄さは冷静に考えればわかることのように思えます。素の状態でHamlinの方がLarsonよりも、誰よりも速いんですから、Larsonと同じ2タイヤでLarsonより先にピットレーンを出ればほぼ勝ちだったのです。それができなかった。痛恨の逆転負け。
年間優勝なしで史上最多勝=60勝。Byronの土壇場でのタイヤが破裂しなければぶっちぎりの61勝目を挙げて初年間優勝、歓喜、のはずだったのが4タイヤの判断ですべて消えた。44歳。引退までのあと何年あるかわからない。なんでも父親が重篤な病気だそうでHamlinが父親に優勝を見せられるチャンスは今回が最後とも。それが独走リードから、ピットレーン逆転で優勝が消えた。しばらく気持ちが立ち直れないでしょうね。
逆転優勝となったLarsonは2度目の年間優勝。最初の年間優勝のときはレギュラーシーズンも勝ちまくったシーズンで、これでLarsonが優勝をしなかったらプレーオフ制度が弊害と文句も言いたくなったであろう圧勝シーズン。
一方今季はHamlinがシーズン6勝で勝利数トップ。プレーオフに入ってからも8強ラウンドでも初戦にあっさり快勝して決勝レース進出を決めたし、今日の決勝レースも圧倒的に速く大多数のラップもトップだったのに。それをLarson陣営のヘイルメリーと言える2度の2タイヤ交換が全部を変えてしまった。1度目で差を詰め全然届かない位置から順位を上げ、ひょっとしたら起こるかもしれないと願った2度目のイエローでも2タイヤで逆転。コース上ではなくピットレーンで大逆転しての年間優勝。正直Larsonが勝ったというより、Hamlinの敗戦、その負け方のつらさがショッキングなシーズンエンドとなりました。残酷な結末でした。