アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Sports Business/ジャンル比較

アメスポの一番込み合う季節に、今年は外の話題も重なりまくり

10月初旬です。毎年のアメスポが最も混み合う時期となりました。今日は日曜日なのでNFLの試合開催日。その裏でMLBはALDSの第2戦が2試合行われる。今夜はNBAのプレシーズンゲームがESPNで放送されてNBAシーズンの開幕も遠くないのだというアピールもある。さらには2日後の火曜日にはホッケーNHLのシーズン開幕戦も行われることになってます。カレッジフットボールシーズンもたけなわ。

メジャージャンルからは漏れますが私の好みでNASCARのプレーオフも進行中で、今日のローバルのレースで12強から8強への足切りが入っていよいよNASCARシーズンも佳境です。あとは昨季から急激にジャンルとして上昇した女子バスケWNBAが現在Finalsが進行中。サッカーのMLS(男子)NWSL(女子)もシーズン中。重なり合うだけ重なり合ってる状態です。

この厚みがアメスポの魅力でもあると思います。数字で見るとNFLが一強のようにも見えるでしょうが、各ジャンルがそれぞれに力を持っていてメジャー、ミッドメジャーがそれぞれ利益が出てる(NWSLは出てない)と考えるとアメスポ産業全体の強さは世界に比肩するものがないでしょう。


スポーツそのもの以外でもいろいろ語りたいことが重なってます。例えば先週にNFLがSuper BowlのハーフタイムショーにBad Bunnyが出演と発表したのに対して、トランプ政権とその支持者が反感を表明、わざわざトランプに批判的なBad Bunnyの起用を決めたNFLが反政権的であるとかなんとかで早くも揉めてます。Super Bowlの会場となるカリフォルニア州Levi's StadiumにICEの取締部隊を送り込むとかなんとか息巻いてる。
Bad Bunny自身はプエルトリコ出身で、米国籍を持つ。プエルトリコで生まれた人には自動的に米国籍が与えられるのが現行の法律上はそうなんですけど、なにせ常識破りの政策を連発している政権なので今からSuper Bowl開催の来年2月までにルールを変えてしまう可能性だってゼロではないのかもしれないのです。

その少し前にもトランプ大統領が介入して来年開催されるFIFA W杯の試合のうちLevi's StadiumとSeattleで開催される分の試合の開催を阻止するとかなんとか言い出しており、内戦を煽るような言舌がスポーツの周りで飛び交ってます。
Super BowlへのICEの派遣ぐらいはありそうなことですが、何試合も予定されているW杯の試合を西海岸の2都市から取り上げるなんていうことが可能なのかどうか想像もつきません。FIFAはその決定権はFIFAにあって米政権にはない、と口を挟んでますが、実働部隊を持っているのは米政権の方なのでnational gurardを派遣して開催させないと実行に移されたら試合は行えない。想像のつかないことが起こり得るのが今のアメリカなので常識ではかってはいけないです。

他にもまったく関係ないところでWNBAの労働争議絡みで選手会からWNBAの女性コミッショナーの辞任要求が出ていて、そのいきさつがけっこうな時間をかけて各種のスポーツトークショーで取り上げられているのが驚きです。Caitlin Clarkが加入する前の1年4ヶ月前ぐらいまでは紛れもない赤字リーグで、ろくなマスコミでの露出力もなかったWNBAが、そのオフコートの話題でこんなに炎上して取り上げるのかというぐらいの騒ぎになる。この勢いはすごい。ここまで変わるんですね。

もうひとつ、ESPNとFOX Oneが系列を超えて組むんだそうです。ストリーミング業界では後発になったスポーツ放送の2強がスポーツファンの全取り込みに賭けて強力タッグを組んだわけ。系列が全然異なるのに組むのかとこれも驚きで、この話題だけでも一本長編記事が書けます。

他ではなぜかMark Sanchezが刃物傷害事件にまきこまれたり、ニュースの量とバラエティが大変な状態です。私の個人的な好みでカレッジフットボールとNASCARを優先に見てますが、それにMLB NLDS初戦もおもしろかったし、どれほど脳と目と画面があっても足りないです。

結局ESPNもWWEに手を出す

Summer Slamが終わったばかりのWWE。今年のSummer Slamは史上初の2日間開催でした。Premium Live Event(PLE、過去Pay-per-viewと言われていたもの)は通常放送とは別で現在はNBC系列のストリーミングサービスのPeacockでの放送です。それを来年2026年からESPNが強奪、5年間で$1.6 billion超という凄い金額で勝ち取ってます。年間$320 million。

WWEのPLEのスケジュールは年々変わりますがざっとの話で近年は20試合ほど。但しそのうち7本は下部のNXTの選手が出場するものなので一軍選手が出場するPLEは月1。WWE年間スケジュールの最大のイベントであるWrestleManiaと、今年2日制になったばかりのSummer Slamを勘定に入れても14から15日程度のスケジュール。15日としたら一軍の1イベントあたりの単価は$21 millionという計算になります。

ESPNも相当に焦ってる感じがしますね。他にもフォロワー1400万人を持つ若い女性インフルエンサーにESPNネタを取り上げてもらう契約をしただの、NFLの手持ちの放送局だったNFL NetworkとRed Zoneを買い取ったとか、なりふりかまわず後発となる新ストリーミングサービスで勝負に行ってます。

アメスポ全体で言えばNFL NetworkやRed Zoneの買収の方が大きなニュースでしょうし、宣伝手法として若年層に訴求するためにジャンル違いのインフルエンサーを獲得という新しさも今後のアメスポビジネスのやり方の中で興味のあるところです。

ESPNが大きく動いたというのもそうですが、WWEのPLEを強奪される側のPeacockは死活問題かもしれません。ESPNで放送するPLEの中身の詳細がまだ出てないのでひょっとするとNXT分のPLEはPeacockに残るかもしれませんが、その程度では弱い。Peacockは大手のストリーミングサービスとしては最弱の部類(本当の最弱はFOX系列ですが)。それがWWEを失ったわけでこれがさらなる痛手となりそう。

NBCの方はバスケNBAの放映権を獲得してますから、その同時放送がPeacockに流れるかも知れませんがその程度では視聴者獲得や維持には弱いような気がします。NBAの放送は複数の局が週に何度も放映しているのでプレミア感は乏しいからです。

ESPNをたまにクッキー全消去してから見る

今は毎年のアメスポの夏枯れの季節です。やってるものと言えば春秋ジャンル各種でMLBやMLS、WNBA、NASCAR、ゴルフなどがあり、それらレギュラーシーズンの他に特にいまの時期というとNBAのSummer Leagueとテニスの全米オープン。ありていに言って見るものは少ない。他では地上波FOXは連日女子のEuroを放映していますが、これは夏休みの時期は昼からサッカーという癖付けを来年のW杯本番のためにやってるところがあるはず。
季節も良いから在宅率が低く何をやっても大した数字は出ないというそういう季節なのでアメスポ全体で諦めている季節とも言えます。

それで平均的なスポーツファンはこの時期に何を求めてるんだろうという疑問がわいたのでブラウザのクッキーを全削除して立ち上げ直してESPN.comを眺めてみました。VPNもかかってるので匿名性は高いはず。その結果はESPNをまっさらな状況で閲覧すると一番上はNFLの来季の予想その他の記事、続いてその時点でライブだったNBA Summer Leagueの試合。

そっかーこの時点、7月上旬のキャンプ入りもまだな今でもNFLのどうでも良いような記事がデフォルトのトップ記事かあ、とNFLの一強ぶりを思い出させてくれる結果でした。MLBの試合が上に来るわけでもなくNFLかと。
私の個人の需要としては7月にNFLの記事は要らないかなという気がしますけど、その辺は好みなので、現実として私個人が好む以上にマクロで見てはっきりNFL需要があるんだなあと再確認した次第です。

フロップはNBAを殺したか

Diego Lunaがサッカー米代表のGold Cup準決勝で素晴らしいプレーぶりだったことは書きました。その翌日にスポーツ報道最大手のESPNの平日のスポーツトークショーであるThe Pat McAfee ShowにLunaはリモートで出演。なかなか喋りがうまいのでこれは米代表サッカーの一方の顔としては良いのかもと思えました。

主演のPat McAfeeは元NFLのパンターで、かつプロレスオタクが高じてWWEのレギュラーTV解説をやったりたまには本人もリングに登場するなど、NFLとプロレスが本人の専門。かつNFLではIndianapolis Colts所属だったのを活かしてNBA Indiana Pacersや女子WNBA Indiana Feverにも絡んでます。Feverは例のCaitalin Clarkの所属先、Pacersはつい先日NBA Finalsに25年ぶりに進出などMcAfeeにはおいしい展開で専門ジャンル以外にもあちこち絡めて番組自体はかなり繁盛してます。

McAfee自身がそういう意図がなくても、ESPNの場合もう一つの朝の毎日のショーがStepen A Smithが幅を利かせていて、Stepen Aは好き嫌いが分かれる人なのでそっちが嫌な方はThe Pat McAfee Showを好むかもなとも思います。出演スタッフもほぼ全員白人。

そこへDiego Lunaが出演して、The Pat McAfee Showは普段サッカーの話なんてしないし、この日の途中でも言ってましたがスタッフの何人かはサッカーを嫌いと言って憚らない人たち。でもそういうところが(番組ではなくESPNの上層部の判断もあるでしょうが)Lunaを歓迎してゲストに、試合内容についても(たぶん後付でダイジェストを見ただけでしょうが)絶賛してました。

Diego Lunaは親がメキシコ国籍で米国生まれ。なので親の入国時の合法性いかんではDiegoの米国籍も揺らぐ可能性がある。それが今トランプ政権が推し進めている政策なので。

表題の件です。そのLunaの出演部分でMcAfeeが言い出したのですが、今のサッカー米代表はフロップをしない。これは意図して避けてるのか?ということを言い出しました。さらにはサッカーがアメリカ国内でサッカーの露出が上がった頃はスポーツファンは皆フロップばっかりでうんざりした、それがNBAに伝染してからNBAの人気が落ちた、ということを言ってました。

サッカー由来のフロップがNBAに伝染したというのは当ブログでもかなり昔に書いたことがあります。タイミングは確かにそのとおりでしたし、私も同じ感想を持ちました。サッカーが米国内でよく見られるようになった時期のフロップは目に余るひどさだったし、それが徐々にNBAに伝染していったのはその後でした。当時初めてサッカーをまともに見た人が一番拒否反応を示したのもそれでした。
その頃だとLandon Donovanが米代表の顔だったんですが、彼が全国放送の非スポーツのトークショーに出るとよく司会者から「なぜサッカー選手はあんなにバレバレでも派手に倒れるの?」と身振りを交えて振って観客の笑いを取るのが見られました。当時のアメリカ人にとってのサッカーの特色とはフロップであり、失笑の対象だった。

フロップがNBAに伝染したのはタイミング的にはまさにその時期を経てからのこと。最初は手が顔にあたったかのようなリアクション、その後倒れ方も大げさになっていきました。昨今のNBAの人気の停滞がフロップが原因かというとその点には異議がありますが、フロップなんてしたら爪弾きにされるであろう文化のNFLの出身者のMcAfee視点だとそういう感想もあるのかなという感じです。男らしさを強調するNHLでもフロップには強い拒否反応があったのも書いたことがあります。

この日のMcAfeeの言い方からするとサッカーをあまり見ないスポーツファンからするとサッカー=フロップという固定観念はいまもかなり強くこびりついているのかもなということを思わせられました。以前から何度も書いてますがアメリカにおけるサッカー人気というのは裾野が狭い。見てる人と見ていない人との間の意識の乖離が大きい。それゆえ今の米代表の試合を急に観ることになって、お、今の米代表はコロコロころがらないじゃないかという意外さになるってことなんでしょう。

実際Lunaは球際に強い。そう簡単に倒されないしその意図が見える。無理な態勢からも立て直して次のプレーにつなげている。他でもMalik Tillman(PSV)も特にCONCACAFの国相手の試合だとフィジカルの優位が目立ちます。

それに加えて今のサッカー界でのトレンドであるハイプレスはテクニックは劣ってもコンディションが良く走行距離には自信のあるアメリカのようなチームには向いてる面があります。この日のThe Pat McAfee Showでの出演でLunaは代表監督のMauricio Pochettinoの戦術(ハイプレスには特には触れず)のチームへの浸透と信頼感について語っていたりもしました。このGold Cupの5試合、その直前の親善試合2試合を含めて同じメンバーで7試合をこなしたことでPochettinoのやりたかったことが形になってきたという評価も可能なのでしょう。

夏場のクソ暑い中、ノックアウトラウンドでの連戦でハイプレスなんて息が続かないのも事実でしょう。準決勝のときも書きましたが90分もたずに運動量がはっきり落ちる選手が続出した。90分以内でこれでは延長戦を戦わされたら無惨な結果もありうる。

がそんな先のことではなく今のメンバーでとにかくこういうサッカーをやるんだというのが形になって勝てたことや、その中からLunaやTillmanやPatrick Agyemang(Charlotte FC)が底上げとして出てきたし、今ケガで欠場になってますがJohnny Cardosoもフル代表で使えそうな手応えをPochettinoは感じてるんじゃないか。やりたかったプレースタイルを机上ではなく現場で出せた、それを体現・体験した選手が手元に残ったのはGold Cupでの収穫になりそう。

他方キャプテンだったTyler Adamsは戸惑ってるんでしょうか。それともGold Cup前に欠場していたケガがまだ癒えてないということか、出場後もあまり良いところでの起点の役割が発揮できてないようにも見えます。
Gold Cupの決勝は明日、対メキシコ戦です。

MLSの強みとそれにくっっついてくる制限

女子バスケWNBAと男子サッカーMLSのアメスポチーム競技第5位争いのことを書きました。MLS側に辛めの内容であとから自分で読んでみて少しMLS側のメリットについて書き足したほうが良いかと思いこの項を書きます。

MLSのリーグ拡張の歴史で最大のメリットとなっていたのはサッカー専用スタジアムの建設を参入の条件にしたことです。リーグ創設時にはNFLやカレッジフットボールのスタジアムを間借りしてガラガラで開催していたのを変えたのがColumbus Crewという全国的には地味な都市でオープンしたサッカー専用スタジアムでした。
これが当たってColumbus CrewはMLSで初めてチーム単体・単年で黒字化したとされます。公式の財務公表はなかったのですが少なくとも地元で好評で動員で大きく伸ばしたし、2万人以下の収容の小型スタジアムで多くの試合で席が埋まり雰囲気の向上に貢献しました。
これが雛形となりその後MLS各チームのサッカー専用スタジアムの建設が続き、新規参入チームはサッカー専用スタジアムの建設が基本的に義務化されています。

この施策がうまく行ったのはアメリカの大都市はほぼ漏れなく都心部の荒廃が進んでいたためその再開発プロジェクトとセットでフットプリントの大きいスタジアム建設が好感されたことが大きい。特に初期はコストを抑えた構造で維持費も低い形態での建設だったので地元自治体の協力も得やすかった。雇用創出というキャッチフレーズは地元民の承認も得やすかった


これを比較対象の女子バスケWNBAと比較するとWNBAは既存のアリーナ利用なので都市再開発とはほとんど関係ないです。アリーナの稼働日数が安定的に増えるので地元経済へのプラスはありますが、MLSのような大きな財政出動とは比較にならない微々たるものです。

初期のWNBAのアイデアでは男子NBAと同じ会場を使って姉妹チームとしてというのがあったんですが、現実は厳しく、NBAアリーナでは観客席も埋まらず会場使用料も満足に捻出できずに多くのチームがNBAとは別の小会場を使用することに。NBAのアリーナならおおむね観客のユーザーエクスペリエンスは高いですが、小会場利用(現実的には古い会場でもある)ではユーザーエクスペリエンスは低くなっていてマイナー感が溢れる状態になってるはずです。
対するMLSはそのほとんどが21世紀に建てられたサッカー専用スタジアムで清潔感の高い良好なユーザーエクスペリエンスとなっている。NFLスタジアムを利用しているチームもありますがそちらも施設は美麗です。
なので発足当時はWNBAの方がNBAと同じアリーナで美麗会場、MLSは間借りでマイナー感が高かったのが途中で逆転して新しいスタジアムをメインテナントとして持つMLSの方はユーザーエクスペリエンスが向上、WNBAの方は停滞か後退となっていたわけです。
いまのビッグウェーブでWNBA各チームはNBAと同居のアリーナに再移転して顧客満足度を上げることも想像できますからMLSとの差は縮められるかもですが。


サッカー専用スタジアムという施策が成功できたのはアメリカ国内に収容2万人前後のサッカー&フットボールを開催できる施設がなかったから。フットボールがプロ・カレッジとも人気が高過ぎて大都市のスタジアムが5万人6万人収容、ところによっては9万人10万人というカレッジスタジアムもまれではない。よって2万人の小スタジアムはニッチとして空いていたことがMLSの勝機・商機になったということです。

細かいことを言うとサッカー専用スタジアムと称してますがほぼすべてがどちらか一方のゴール側は可動式の観客席になっていてサッカーよりもフィールドの全長が長いフットボールのフィールドが入るように設計されてます。なので地元の高校のフットボールのプレーオフの会場にもってこいの大きさ。また後発となった春夏シーズンのマイナープロフットボールUFL/XFLでもMLSのスタジアムが使われており、MLS以外の部分で稼働率が上がるということも起こってます。他にも女子サッカーもここを使えて過去の女子リーグよりもずっと優良なユーザーエクスペリエンスを提供できてます。
これは逆も言えて、女子サッカーやUFLが市場参入してみようと思ったのはこういう収容も適当で環境も良好なスタジアムがあったからということでもあります。


ではMLS側における制限はなにか。2万人前後のサッカー専用スタジアムの収容がそのまま制限となります。NFLスタジアムをホームにしているMLSチームは良いのですが、そうでないところは自前のサッカー専用スタジアムの収容を超えて動員することは基本的にはできない。後発のNashvilleなんかだとサッカー専用スタジアムでも大型で3万人収容なんですが、この辺がサッカー専用スタジアムの上限に近いかもしれない。これ以上の大きさになるとNFLスタジアムと競合することになる。5万人近くをコンスタントに動員できるだけの実力がMLSにあれば良いのですがそういう展望は現時点ではないし、現存の2万人クラスのスタジアムのリース契約も残ってるので早急に動員を増やすオプションは乏しいです。
シーズンは伸ばせるだけ伸ばしたあとなので試合数の増加も望みが薄いとすると、売上を伸ばすにはあとはチケット単価のアップになる。MLSのチケットは四大スポーツと比較するとまだ安く、値上げ余地はあるとは言えますがどうか。

なにが、どうか、かというと当ブログでも何度か書いてますがサッカーファンは割と値段にシビアなのです。男子代表チームが特にそうですが大会場で良いお値段で試合をやったりするとはっきりと動員が落ちてTVで見ていても寒々しい入りの試合が多くある。昨年のCopa America北米大会も大風呂敷を広げてNFLの大スタジアムで強気の価格設定にしたら全然売れなくて試合数日前から地元でタダ券を配ってそれでもスタジアム半分というひどい試合をやっていた。
いまの段階って2026年のW杯本番があり、そちらもきっと強気の価格設定になると思えるので毎年散財したくないと考えると買い控えしちゃうのかな、とも思いますが、サッカーファンの財布の紐は堅いという風に考えたほうが現実に近いように思います。またはそれほどサッカーにいくらでも散財するぞという気合の人の数は足りていないという表現でも良いでしょう。
あと今進行中のFIFA Club World Cupでもそうですが、その価格にシビアな層は前売りを買わずに現地で値段が下がってから買うという行動をしてる可能性もあるよなあとも思います。見てると試合開始30分ごろから観客が増えるからです。

そんな現実を見てると今の2万人規模のサッカー専用スタジアムという環境はとても適切だと思う反面、これ以上キャパを増やすのはかなりの冒険なのかもしれないとも思いますし、チケット価格のアップで売上アップというのはなかなか難しく、大幅な売上アップは可能なのだろうかというのは思います。

各種ジャンルがきめ細かくアップグレードしている

MLBが唯一のメジャースポーツとしてシーズン中です。その裏でミッドメジャーとも言うべき他のジャンルはシーズン中。アメスポ内ならざっとで大きい方からゴルフPGA、NASCAR、女子バスケWNBA、男子サッカーMLS辺りまでがミッドメジャーの範囲内。アメスポ範疇からはじゃっかんはみ出るのですがテニスの全英オープンがもうじき始まります。それ以外には先日から何度も触れているサッカーのFIFA Club World CupとCONCACAF Gold Cupが米国内で開催中でノックアウトラウンドがこの週末から始まります。

NASCARはインシーズントーナメントが今週末から開催。サッカーはまた触れる機会があると思うのですがテニスで少し横道に。
四大トーナメントのトリとなる全米オープンで今季から男女混合ダブルスが本大会前に1週間前倒しで開催されます。新たに賞金額もアップしている。そしてこれまでならダブルス専門チームがしこしこやっていたのがシングルスで本大会に出場するような選手たちが急造チームを組んで登場することになってます。全仏男子単優勝者Carlos AlcarazがEmma Raducanuと組んで出場。Alcarazはダブルスではランク最高位がNo. 519。500位台でも全米オープン出場可ということです。

若いピチピチの10代なんかだと複単両方に出場して四大大会の高い出場料をダブルで稼ぐという行為は昔からありますが、少し年齢が行ってプレステージの高いシングルスで優勝や上位を狙えるポジションに来ると大抵はシングルスに絞る。疲労のマネジメントの方が優先する。
それがこの混合ダブルスを本大会の前にすること、それもエントリ数を絞って4勝で優勝できる、出場ギャラも高いということで単複両方に出てみようと思うシングルスのトップ選手を増やしてある種のオールスター戦的なものにして全米オープンの前煽りイベント化しちゃおうというそういう企画です。なかなか頭良いな、という。

エントリの全貌はまだですが主催者によると男女の単トップ10選手(総計20名ってことです)のうち9名が出場をするとしてます。ということはまだ他にもおなじみの上位選手の出場があると。未確認ですがNaomi OsakaがNick Kyrgiosと組んで出場するという話もあります。彼らはトップ10選手のうちじゃないけど知名度は高い。

他方過去ダブルス専門でしこしこと人知れず賞金を稼いでいた選手たちからは自分たちの職場が荒らされ出場枠激減、収入激減という苦情も出てますが、とは言ってもよほどテニスオタクでもないと混合ダブルスの選手の声なんて届かないし、そもそも名前も知らない。華やかなシングルスのトップ選手たちの輝きと露出にはかなわないでしょう。

NASCARのインシーズントーナメントが今季から始まっているのも同様に細かな各ジャンルの努力で、書こうと思ってたんですが別項にします。

MLBの話題が増えているのは

毎年のアメスポ年間スケジュールのサイクルで、NBAシーズンとNHLシーズンがほぼ同時に終了する6月中旬以降はMLBのみがメジャースポーツになるわけです。それは過去半世紀以上同じスケジュールです。ただその中でMLBの地位の上げ下げの具合があります。昔はNBAとかNHL関係なくMLBの毎日の試合がトップニュースだったのが、近年はNBAが終わっちゃうと、あー、とロス気味になっていたアメスポファンは多いのではないかと想像します。

昔なら日刊新聞、一昔前ならESPNの本丸だったSports Centerは毎日なんらかのスポーツの話題を投下しないと仕事にならない。今ならそれがスポーツトークショーやらYouTubeチャンネルやらなわけです。そのスポーツトークショーにおけるMLBネタが増えているような気がします。あくまで私の感触なので正しいと言い切れないのですが、私が頻度高く視聴している範囲でそう感じる。あれ、今日もMLBの話題か、と思うことが何度かあって、それからはちょっと頻度を気にして視聴していると確かに多いような気がします。

その前段としてMLBの話題がスポーツトークショーでまったく扱われない時期がかなりの期間あったということを過去に何度か当ブログでも書いたことがありました。一時期MLBのコミッショナーがアメスポメディアがMLBを取り上げてくれないということをぶつくさ言っていた時期があるのでたぶん私の感覚は正しかったはず。ESPNで言うとStepen A Smithが出るような番組でMLBの話題はまずなかったのが、たまにはあの方すら野球の話題にくちばし挟んでるなあという場面に出くわしてふーんと思ったりするわけです。

今はポッドキャストやYouTubeで再生回数という確固たる数字が出るのでMLBに対して需要があるのかないのかははっきりわかる。ポッドキャストなんかだと、何の話題だと途中で視聴者が離脱しちゃったかというところまで発信者はわかるというような話も聞きました。本当かどうかは知りませんが。なので人気総合スポーツポッドキャストで連日MLBの話題をやってるなら、なんらか根拠と確信があってやってるんだろうなと想像するわけです。
またはMLBが発注しているから増えているという可能性も否定できませんが。ただそれは実需がなければ長く続かないのでしょうから、もう少し様子を見て判断してみたいです。

ところでポッドキャストって儲かるんでしょうか。なにを言いたいかというと昨年ぐらいからTVのコマーシャルでポッドキャストの宣伝をしているのにたまに出くわすんですよね。スマホのゲームとかのTVコマーシャルはもう少し早くからちらちら見かけましたが、ポッドキャストなんて全国放送のTVで宣伝打つような予算をかけて儲かるもんなの?という疑問が大いに湧きます。スマホのゲームは宣伝まみれでまともにプレイできないようなものが多いという事で、強制的に宣伝を見せる仕組みとして成立するような気がしますが、ポッドキャストなんてCM部分はあっさりスキップされてしまうので宣伝媒体としてゲームのように機能しないような。

話を戻してスポーツトークショーはネタ切れなら他にないのか。NBAは今夜もドラフト2巡目の放送をしてたりしてドラフトネタ、トレード関連でそれなりに話題を提供してますが、NBAの勢いも今落ち気味停滞気味というのが私の感触で(今回感触の話ばっかりですみません)、そうなるとMLBネタの方が良いのか、と。Aaron JudgeのすごいシーズンだとかShohei Ohtaniの投手復帰とか、以前ならトークショーでスルーされていたような話もけっこう細かくやってるなという気がします。
ネタ枯れだったらいまアメリカ国内で進行しているサッカーのFIFA Club World Cupの話題でもやれば、と思いますがそれこそそちらはまったくスルー。その辺はサッカー専門ポッドキャストに隔離されている。放映自体がTNTとDAZNなので、ステークホルダーが限られていてアメスポ報道大手のESPN系列やFOX系列などでは取り上げる動機が薄い。動機が薄くてもSNSその他での動きが活発なら他系列も無視できないでしょうが、それが無視しているってことは大した数字になっていないということなんでしょう。

カレッジベースボールで移籍違反問題

カレッジベースボールでWisconsin大が所属する選手に対して違反行為で転校を勧めたとしてMiami-FLを訴えてます。大学が学生アスリートに直接報酬を払って良くなったのがつい最近。早くもその仕組みを使っての選手の取り合いが始まったってことでしょうか。
カネを生むスポーツであるフットボールや男子バスケならともかく、少なくとも現在では大きな利益を生んでいるわけではないカレッジベースボールでもこれをやってるのかという意味でこのニュースにはおもしろみがあります。

女子のソフトボールでNILで$1 Millionを支払ってるという話を先日書きました。ソフトボールでそんなカネが動くのかという驚きはありましたが、ベースボールとは事情が異なる。ベースボールではカレッジでもプロ風に先発投手はローテを組んで出場するので、ざっとの話週1でしか先発しません。ソフトボールではエース投手は週2ぐらいは楽に投げます。トーナメントになれば連投も厭わない。つまり1人の圧倒的なエース投手の戦力としての割合がベースボールのエース投手より2倍3倍の戦力であるからその1人に大きな金額を投入できるわけです。

ベースボールはそうではない。カレッジの強豪校のエースならMLBを目指している選手たちで、カレッジが最大の舞台であるスポーツとは意味が異なります。MLBへ到達する可能性を考えてプロ風のトレーニングもしたいし、プロのスカウトの目で見られて評価される投球がしたい。それに加えて目立つステージにも出場したいという意欲もあるので強豪校に移籍できるならしたいという意欲もあるでしょう。だいたいそういう学校は練習施設も整っている。

カレッジベースボールはビジネスとして伸びる余地はある競技ではあるのでしょう。フットボールやバスケは既にビッグビジネスですが、カレッジベースボールは一部の学校のみ黒字。プロMLBという巨額の収入が望める「その先」があるカレッジスポーツにしては地味です。
ざっとの話ですがWisconsinの所属するBig Tenはベースボールは弱い。いまはBig TenにUCLAとかUSCという温暖な土地の学校も加わったのですが根本的にはBig Ten校のある土地はカレッジベースボールシーズンには寒すぎるのです。カレッジベースボールシーズンは1月から5月(College World Seriesを勝ち進めば6月まで)。
なので伝統的に南部や西海岸の学校がベースボールは強い。よってカンファレンスで言うとSEC、ACC、過去のPac-12などがBig Tenよりも進学先として優先されたし、いわゆるマイナーカンファレンス校でも温暖地の方がBig Ten校より優位でもあった。それが近年のカンファレンス再編でSECとBig Tenの二強化が進んでベースボールでもBig Tenが徐々に盛り返してきていたという流れがありました。

一方Miami-FLはここ最近戦力が低下してベースボールのエリート校とは言えなくなったのですが、10年ぐらい前までは全米でも有数のベースボール校でした。そういう経緯があるので、今回のニュースを聞いてああMiami-FLが復興に向けて活発に動いているのかなという感想を持ちました。一昔前に読んだマスコミ記事だとカレッジベースボールで恒常的に黒字なのは最多動員のLSU(Paul Skenesの出身校)を筆頭に10に満たないとされMiami-FLはその数少ない黒字校でした。

今年のカレッジベースボールシーズンを見てると雰囲気が変わってきていて、例のSavannah Bananasまで行かないもののベンチの選手たちが楽しそうにしてる様子がうかがえる。Bananasの影響が感じられて以前よりも非ストイックになってきてるのを感じます。あの方向性でカレッジベースボールがよりエンタメ寄りになって地域のファンを築いていくのかなという可能性を感じました。カネを払ってプロ向きのプロスペクトを集め、雰囲気も良くしてベースボールのエリート校復活を目指しているってところでしょうか。

WNBAはアメスポ第5リーグに昇格したか

先週のWNBAの地上波放送でIndiana Fever@Chicago Skyの試合が19,496人を集めて盛況。普段の試合会場でなくNBA Chicago Bulls/NHL Chicago BlackhawksのホームであるUnited Centerを利用しての開催で、Chicago Skyにとってはチーム最多動員新記録の試合です。United Centerは巨大アリーナの走りのような古めの会場ですが、定期的に手を入れてあまり古さを感じさせない会場でもあります。

なかなか雰囲気もよく2万人近くを動員したわけですが、ファンのお目当てのFeverのCaitlin Clarkはここのところ腿のケガで欠場中。この日も出場せず(私服でベンチ)。Skyの方のスターであるAngel Reeseも不発でSkyも大敗。試合自体は大観衆の期待にこたえられず。でも売っちゃったチケットはそのままだし、Clarkが出場しないのは事前に報道が出ていたのですがチケット買った方々、こぞって律儀に入場してくれるんですね。動員記録も達成。ひょっとすると普段スポーツを見ない入場者が多くてClarkの不出場を知らなかったという可能性もあるのか。

WNBAは昨季Caitlin Clark効果で視聴率が3倍増。それで今季からはABCとCBSが地上波放送を開始。WNBAの新放映権契約は来季から発動ですが、旧放映権の改変で今季の地上波放送多発につながってます。来季からの放送はNBC系列、Amazon Prime Videoでも放映。11年契約$2.2 Billionというのですから、零細赤字リーグから一気に状況が変わってます。
2028年のLos Angelesでの夏の五輪は男子ではNBA選手は継続出場するであろうのに加えて、女子の方でClarkとその世代となるCameron BrinkやPaige Bueckersなどに一気に世代交代して華やかに注目を浴びるのも確実に見えます。五輪放映権を持つNBCがNBAとWNBAの放映権を手に入れたことで五輪に向けて女子の新世代のスーパースターチームをプロモートしていくのも確実に思えます。次々と波が来てる状態です。


それで表題の件になるのですがWNBAは四大メジャースポーツに次ぐ地位に恒常的に上がったのかという点。このWNBAの急激な地位向上の以前はNFL/MLB/NBA/NHLに次ぐアメスポのプロスポーツリーグは男子サッカーのMLSだと認識されていたと思います。上位、特に上3つとの差は様々な側面で大きいのでメジャースポーツか否かというとMLSを含めて5大メジャーという括りはほとんどありませんが、それでも一時期の危機的状況からは完全に脱しておりMLSは今後も存続していくことは疑いはありません。

ただ第4位のNHLに近づいて5大と呼ばれるようになるにはまだ課題が残っていた状態です。そこへ今のWNBAの急上昇です。
創設された時期も20世紀末でWNBAとMLSは近い。WNBAの方がMLSより人気があったと認識できる時期はなかったと思います。正直どっちも経営的に苦しい時期は長かったですが、MLSの方により展望はあったように私には見えました。

そこからMLSの方が先にリーグ拡張と大口新規オーナーの獲得に成功して先に安定経営に届いた。
その後もMLSは2023年にApple TV+との10年$2.2 Billionの放映権契約を結んで経営の安定感は増していました。そのカネでMessiの獲得にも成功しています。

ただその頃にも当ブログでは何度も書いたのですが、Messiが素晴らしいデビューをしてもApple TV+の囲い込み放送でそれが一般に届かないという問題を起こしました。それは当時のMessi熱が落ち着いた今も続いてます。
それと今の地上波でどんどん放送しているWNBAの様子と比較すると、MLSの囲い込み政策は蛸壺化していないかという危惧を感じます。Caitlin Clarkのレベルの知名度は望めないにしても(第4位ジャンルNHLにもそんな知名度の選手は存在しません)Messi以外の選手で名前が知られている選手はいないと言いきって良い。Messiは37歳、あと何年MLSに貢献してくれるのかわかりませんが、Messi後の展望があるかというと今は見えない。一方Clarkは23歳。同期や一年遅れで入ってきた知名度の高めの選手たちとともにたっぷり新放映権契約の11年を現役で過ごしてくれるでしょう。

いやサッカーには来年のFIFA World Cupの地元開催があるだろう、そこでアメリカでのサッカー人気が伸びるはずという議論につながっていくわけですが‥
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