アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Sports Business/ジャンル比較

AppleTVとPeacockの弱者連合

少し前にストリーミングサービスとしてのESPNとFOX Oneがタッグを組んで両方をサブスクすることで割引になるサービスを発表したことを書きました。日々のアメスポの放映権の大半を持つESPN系列とFOX系列が系列の垣根を超えて組んだのは驚きでした。

大手の中ではFOXはストリーミングで大きく出遅れ。外部からTubiというストリーミングサービスを買収したりしましたがほとんど役に立っていない。ESPNの方はケーブル時代はアメスポ報道・放送のジャイアントの地位にあったため、ESPN+という形ではストリーミングもやってましたが、あくまでも本業はケーブル局という立ち位置もあってストリーミングに舵を切るのが遅れた。

それぞれの事情でストリーミングサービスへの本格参入が遅れたのですが、それぞれが地上波やケーブル局で放映していた各種スポーツの放映権の物量は大きい。今でもケーブル契約にとどまらざるを得ない理由のひとつはESPN(ESPN2、ESPNU、SEC Networkなどサブ局を含む)のすべての番組を見るにはケーブル契約するしか手がなかったからです。それはFOX系列のFS1でも同じで、FOX系列が持ってるコンテンツで地上波ではながれないのはFS1(およびFS2)で見るしかなかった。スポーツファンはもうケーブル契約をしていてもESPNとFS1ぐらいしか見てないのにケーブルをやめられないという不満があったと思います。

アメスポ放送で第3勢力といえるのはTNT/TBSですが、そちらは昨年ぐらいからはもうほぼ系列のストリーミングHBO MAXでもほとんどが見られるように契約が変わっている。その上TNTはNBA放送を昨季を最後に失ってしまったのでアメスポ放送での存在感を大きく損なってます。

そういう状況なのでESPNとFOXが二強共同でスポーツファンでまだケーブル契約をしている層をごっそりとりに行ったという大胆な系列を超えた協業となったわけです。

近い将来でいうとFOX系列は2026年3月のWorld Baseball Classicの放映権を持ってるし、2026年夏のFIFA World Cupの放映権も持ってる。ESPNは最大手でNFL、NBA、NHL、カレッジフットボール、カレッジバスケットボールなどメジャージャンルを網羅。それにさらにプロレスWWEのPLEもPeacockから強奪してさらにプログラムの充実を図ってる。FOX系列は上述のWBC、W杯があるしカレッジフットボール、MLBの放映権を維持してます。ESPNも例のぐだぐだの末、MLB放送に復帰する可能性もあるでしょう。

そういうわけでESPNとFOX Oneのストリーミングセットは強力なのですが、疑問もあります。系列として放映権を持っていてもそれを全部ストリーミングで見られるようにしてくれるのか、ケーブルの方も見ないと全試合見られないのか今の段階ではわからないことです。ケーブルを解約して良いなら結構なんですけど、どうなるかわからない。消費者としては舵取りが難しいです。


さて表題の件。ESPNとFOX Oneの後発タッグが発表になって一週間ぐらい後に急にNBC系列のPeacockとAppleTV(AppleTV+から改称)がやはり廉価でのセット契約を発表しました。これ、スポーツの視点でいうと弱者連合にしか見えない。お安く月額$15からなので何も考えずに加入する人もいるのかもしれませんが、見られるものが少なさそうです。
AppleTVの持つTVコンテンツは国内男子サッカーのMLSの独占にほど近い放映権です。MLS League Passといいます。それ以外だとFriday Night Baseballぐらい。MLSは今ちょうどプレーオフの時期なんですけどほぼ露出がない。
Peacockの方はNBC系列なので今季からNBCがNBA放送に復帰、Peacockでも見られるんですけど、無料の地上波NBCでやってる試合をPeacockで同時放映してわざわざPeacockで見るという行動は家にいない人しか意味のない行動に思えます。また上述の通りWWEの一軍PLEをESPNにこの夏強奪され、残ったのは二軍のNXTの選手が出場するPLEのみ。英サッカーPremier League、テニスで全仏、2年に一度夏季と冬季の五輪放送がありますが、Peacockに回ってくるのは地上波NBCで放送しない種目イベントばかりになります。それも4年に1度2週間だけ。
NBC系列は他にNASCARの放映権を持ってますがこれは地上波のNBCとケーブル局のUSAでまわしていてストリーミングのPeacockでは放送がないという契約になっており、Peacockを契約してないと見られないスポーツイベントの質も量も厳しいです。

AppleTVはカネ持ってるのでもうちょっとうまく立ち回ればNBAの今季から始まった新放映権態勢に参入できたかもしれませんが、そちらはPrime Videoが参入に成功。NASCARも今年の夏の1ヶ月だけですがPrime Videoが放映してたり、スポーツコンテンツの取り合いでAppleTVはPrime Videoに負け続け。負け続けというより方針としてスポーツコンテンツを取りに行っていないようです。
いやその割にMessiを獲得してMLSにはカネ突っ込んだのが不可解。意思決定に非アメリカ人がサッカーに偏った判断をしてしまったとかでしょうか。昔っからAppleはコンテンツビジネスをやらせると全然駄目な会社ではあります。

そういう状態のAppleTVとPeacockのセットではスポーツファンにはアピールしえないだろうなあというものになってます。

Chiefsの序盤不振報道に似たもの

前項で書いたNFL Kansas City Chiefsの2勝3敗スタートが事件かのような報道がされている件。何かに似てるなあと思っていたのですが、思いつきました。その昔、私が日本に住んでいた頃のプロ野球報道に似てるのかと。日本でもアメリカでもそうですが野球シーズンは長い。4月や5月に5連敗ぐらいしても大勢には影響がある段階でもないのに「ドロ沼」とかなんとかおどろおどろしい表現で(紙の)新聞に書かれていたのに違和感があったのに似てるんだ、と。

当時日本はプロ野球がほぼ一強ジャンル。それに今のアメリカでのNFLへの一強化が似てきているのかもしれないなと。

少し前から私は昨今のNFLへの一強化の加速が異常ではないかという感想を当ブログで書いています。ただそれは私の感覚で、現実的にはNFL放送の視聴率や関連番組・関連報道は花盛りで加速が止まる様子はない。地上波全系列に加えて大手ストリーミングも含め大手の全てがNFL試合放送や関連報道をこぞってやってるわけで、NFLのあるところ宣伝効果あり、乗らないという手はないぐらいの勢いです。そういう流れの中でChiefsの2勝3敗スタートが最大のスポーツニュースみたいな扱いになっちゃうってことかなあと。

アメスポはそのジャンルの多彩さが魅力であるとして過去当ブログでは長年紹介してきていたのが、ここへ来てNFL一強になっちゃうのは個人的にはさみしいというかもったいないというか、すっきりしないのですが、現実は現実として受け入れなくてはいけないのかも。
どこかでスポーツファン全体でのNFL疲れみたいなのが出てくる将来もあるかもしれませんが今はそうではないということです。

アメスポの一番込み合う季節に、今年は外の話題も重なりまくり

10月初旬です。毎年のアメスポが最も混み合う時期となりました。今日は日曜日なのでNFLの試合開催日。その裏でMLBはALDSの第2戦が2試合行われる。今夜はNBAのプレシーズンゲームがESPNで放送されてNBAシーズンの開幕も遠くないのだというアピールもある。さらには2日後の火曜日にはホッケーNHLのシーズン開幕戦も行われることになってます。カレッジフットボールシーズンもたけなわ。

メジャージャンルからは漏れますが私の好みでNASCARのプレーオフも進行中で、今日のローバルのレースで12強から8強への足切りが入っていよいよNASCARシーズンも佳境です。あとは昨季から急激にジャンルとして上昇した女子バスケWNBAが現在Finalsが進行中。サッカーのMLS(男子)NWSL(女子)もシーズン中。重なり合うだけ重なり合ってる状態です。

この厚みがアメスポの魅力でもあると思います。数字で見るとNFLが一強のようにも見えるでしょうが、各ジャンルがそれぞれに力を持っていてメジャー、ミッドメジャーがそれぞれ利益が出てる(NWSLは出てない)と考えるとアメスポ産業全体の強さは世界に比肩するものがないでしょう。


スポーツそのもの以外でもいろいろ語りたいことが重なってます。例えば先週にNFLがSuper BowlのハーフタイムショーにBad Bunnyが出演と発表したのに対して、トランプ政権とその支持者が反感を表明、わざわざトランプに批判的なBad Bunnyの起用を決めたNFLが反政権的であるとかなんとかで早くも揉めてます。Super Bowlの会場となるカリフォルニア州Levi's StadiumにICEの取締部隊を送り込むとかなんとか息巻いてる。
Bad Bunny自身はプエルトリコ出身で、米国籍を持つ。プエルトリコで生まれた人には自動的に米国籍が与えられるのが現行の法律上はそうなんですけど、なにせ常識破りの政策を連発している政権なので今からSuper Bowl開催の来年2月までにルールを変えてしまう可能性だってゼロではないのかもしれないのです。

その少し前にもトランプ大統領が介入して来年開催されるFIFA W杯の試合のうちLevi's StadiumとSeattleで開催される分の試合の開催を阻止するとかなんとか言い出しており、内戦を煽るような言舌がスポーツの周りで飛び交ってます。
Super BowlへのICEの派遣ぐらいはありそうなことですが、何試合も予定されているW杯の試合を西海岸の2都市から取り上げるなんていうことが可能なのかどうか想像もつきません。FIFAはその決定権はFIFAにあって米政権にはない、と口を挟んでますが、実働部隊を持っているのは米政権の方なのでnational gurardを派遣して開催させないと実行に移されたら試合は行えない。想像のつかないことが起こり得るのが今のアメリカなので常識ではかってはいけないです。

他にもまったく関係ないところでWNBAの労働争議絡みで選手会からWNBAの女性コミッショナーの辞任要求が出ていて、そのいきさつがけっこうな時間をかけて各種のスポーツトークショーで取り上げられているのが驚きです。Caitlin Clarkが加入する前の1年4ヶ月前ぐらいまでは紛れもない赤字リーグで、ろくなマスコミでの露出力もなかったWNBAが、そのオフコートの話題でこんなに炎上して取り上げるのかというぐらいの騒ぎになる。この勢いはすごい。ここまで変わるんですね。

もうひとつ、ESPNとFOX Oneが系列を超えて組むんだそうです。ストリーミング業界では後発になったスポーツ放送の2強がスポーツファンの全取り込みに賭けて強力タッグを組んだわけ。系列が全然異なるのに組むのかとこれも驚きで、この話題だけでも一本長編記事が書けます。

他ではなぜかMark Sanchezが刃物傷害事件にまきこまれたり、ニュースの量とバラエティが大変な状態です。私の個人的な好みでカレッジフットボールとNASCARを優先に見てますが、それにMLB NLDS初戦もおもしろかったし、どれほど脳と目と画面があっても足りないです。

結局ESPNもWWEに手を出す

Summer Slamが終わったばかりのWWE。今年のSummer Slamは史上初の2日間開催でした。Premium Live Event(PLE、過去Pay-per-viewと言われていたもの)は通常放送とは別で現在はNBC系列のストリーミングサービスのPeacockでの放送です。それを来年2026年からESPNが強奪、5年間で$1.6 billion超という凄い金額で勝ち取ってます。年間$320 million。

WWEのPLEのスケジュールは年々変わりますがざっとの話で近年は20試合ほど。但しそのうち7本は下部のNXTの選手が出場するものなので一軍選手が出場するPLEは月1。WWE年間スケジュールの最大のイベントであるWrestleManiaと、今年2日制になったばかりのSummer Slamを勘定に入れても14から15日程度のスケジュール。15日としたら一軍の1イベントあたりの単価は$21 millionという計算になります。

ESPNも相当に焦ってる感じがしますね。他にもフォロワー1400万人を持つ若い女性インフルエンサーにESPNネタを取り上げてもらう契約をしただの、NFLの手持ちの放送局だったNFL NetworkとRed Zoneを買い取ったとか、なりふりかまわず後発となる新ストリーミングサービスで勝負に行ってます。

アメスポ全体で言えばNFL NetworkやRed Zoneの買収の方が大きなニュースでしょうし、宣伝手法として若年層に訴求するためにジャンル違いのインフルエンサーを獲得という新しさも今後のアメスポビジネスのやり方の中で興味のあるところです。

ESPNが大きく動いたというのもそうですが、WWEのPLEを強奪される側のPeacockは死活問題かもしれません。ESPNで放送するPLEの中身の詳細がまだ出てないのでひょっとするとNXT分のPLEはPeacockに残るかもしれませんが、その程度では弱い。Peacockは大手のストリーミングサービスとしては最弱の部類(本当の最弱はFOX系列ですが)。それがWWEを失ったわけでこれがさらなる痛手となりそう。

NBCの方はバスケNBAの放映権を獲得してますから、その同時放送がPeacockに流れるかも知れませんがその程度では視聴者獲得や維持には弱いような気がします。NBAの放送は複数の局が週に何度も放映しているのでプレミア感は乏しいからです。

ESPNをたまにクッキー全消去してから見る

今は毎年のアメスポの夏枯れの季節です。やってるものと言えば春秋ジャンル各種でMLBやMLS、WNBA、NASCAR、ゴルフなどがあり、それらレギュラーシーズンの他に特にいまの時期というとNBAのSummer Leagueとテニスの全米オープン。ありていに言って見るものは少ない。他では地上波FOXは連日女子のEuroを放映していますが、これは夏休みの時期は昼からサッカーという癖付けを来年のW杯本番のためにやってるところがあるはず。
季節も良いから在宅率が低く何をやっても大した数字は出ないというそういう季節なのでアメスポ全体で諦めている季節とも言えます。

それで平均的なスポーツファンはこの時期に何を求めてるんだろうという疑問がわいたのでブラウザのクッキーを全削除して立ち上げ直してESPN.comを眺めてみました。VPNもかかってるので匿名性は高いはず。その結果はESPNをまっさらな状況で閲覧すると一番上はNFLの来季の予想その他の記事、続いてその時点でライブだったNBA Summer Leagueの試合。

そっかーこの時点、7月上旬のキャンプ入りもまだな今でもNFLのどうでも良いような記事がデフォルトのトップ記事かあ、とNFLの一強ぶりを思い出させてくれる結果でした。MLBの試合が上に来るわけでもなくNFLかと。
私の個人の需要としては7月にNFLの記事は要らないかなという気がしますけど、その辺は好みなので、現実として私個人が好む以上にマクロで見てはっきりNFL需要があるんだなあと再確認した次第です。

フロップはNBAを殺したか

Diego Lunaがサッカー米代表のGold Cup準決勝で素晴らしいプレーぶりだったことは書きました。その翌日にスポーツ報道最大手のESPNの平日のスポーツトークショーであるThe Pat McAfee ShowにLunaはリモートで出演。なかなか喋りがうまいのでこれは米代表サッカーの一方の顔としては良いのかもと思えました。

主演のPat McAfeeは元NFLのパンターで、かつプロレスオタクが高じてWWEのレギュラーTV解説をやったりたまには本人もリングに登場するなど、NFLとプロレスが本人の専門。かつNFLではIndianapolis Colts所属だったのを活かしてNBA Indiana Pacersや女子WNBA Indiana Feverにも絡んでます。Feverは例のCaitalin Clarkの所属先、Pacersはつい先日NBA Finalsに25年ぶりに進出などMcAfeeにはおいしい展開で専門ジャンル以外にもあちこち絡めて番組自体はかなり繁盛してます。

McAfee自身がそういう意図がなくても、ESPNの場合もう一つの朝の毎日のショーがStepen A Smithが幅を利かせていて、Stepen Aは好き嫌いが分かれる人なのでそっちが嫌な方はThe Pat McAfee Showを好むかもなとも思います。出演スタッフもほぼ全員白人。

そこへDiego Lunaが出演して、The Pat McAfee Showは普段サッカーの話なんてしないし、この日の途中でも言ってましたがスタッフの何人かはサッカーを嫌いと言って憚らない人たち。でもそういうところが(番組ではなくESPNの上層部の判断もあるでしょうが)Lunaを歓迎してゲストに、試合内容についても(たぶん後付でダイジェストを見ただけでしょうが)絶賛してました。

Diego Lunaは親がメキシコ国籍で米国生まれ。なので親の入国時の合法性いかんではDiegoの米国籍も揺らぐ可能性がある。それが今トランプ政権が推し進めている政策なので。

表題の件です。そのLunaの出演部分でMcAfeeが言い出したのですが、今のサッカー米代表はフロップをしない。これは意図して避けてるのか?ということを言い出しました。さらにはサッカーがアメリカ国内でサッカーの露出が上がった頃はスポーツファンは皆フロップばっかりでうんざりした、それがNBAに伝染してからNBAの人気が落ちた、ということを言ってました。

サッカー由来のフロップがNBAに伝染したというのは当ブログでもかなり昔に書いたことがあります。タイミングは確かにそのとおりでしたし、私も同じ感想を持ちました。サッカーが米国内でよく見られるようになった時期のフロップは目に余るひどさだったし、それが徐々にNBAに伝染していったのはその後でした。当時初めてサッカーをまともに見た人が一番拒否反応を示したのもそれでした。
その頃だとLandon Donovanが米代表の顔だったんですが、彼が全国放送の非スポーツのトークショーに出るとよく司会者から「なぜサッカー選手はあんなにバレバレでも派手に倒れるの?」と身振りを交えて振って観客の笑いを取るのが見られました。当時のアメリカ人にとってのサッカーの特色とはフロップであり、失笑の対象だった。

フロップがNBAに伝染したのはタイミング的にはまさにその時期を経てからのこと。最初は手が顔にあたったかのようなリアクション、その後倒れ方も大げさになっていきました。昨今のNBAの人気の停滞がフロップが原因かというとその点には異議がありますが、フロップなんてしたら爪弾きにされるであろう文化のNFLの出身者のMcAfee視点だとそういう感想もあるのかなという感じです。男らしさを強調するNHLでもフロップには強い拒否反応があったのも書いたことがあります。

この日のMcAfeeの言い方からするとサッカーをあまり見ないスポーツファンからするとサッカー=フロップという固定観念はいまもかなり強くこびりついているのかもなということを思わせられました。以前から何度も書いてますがアメリカにおけるサッカー人気というのは裾野が狭い。見てる人と見ていない人との間の意識の乖離が大きい。それゆえ今の米代表の試合を急に観ることになって、お、今の米代表はコロコロころがらないじゃないかという意外さになるってことなんでしょう。

実際Lunaは球際に強い。そう簡単に倒されないしその意図が見える。無理な態勢からも立て直して次のプレーにつなげている。他でもMalik Tillman(PSV)も特にCONCACAFの国相手の試合だとフィジカルの優位が目立ちます。

それに加えて今のサッカー界でのトレンドであるハイプレスはテクニックは劣ってもコンディションが良く走行距離には自信のあるアメリカのようなチームには向いてる面があります。この日のThe Pat McAfee Showでの出演でLunaは代表監督のMauricio Pochettinoの戦術(ハイプレスには特には触れず)のチームへの浸透と信頼感について語っていたりもしました。このGold Cupの5試合、その直前の親善試合2試合を含めて同じメンバーで7試合をこなしたことでPochettinoのやりたかったことが形になってきたという評価も可能なのでしょう。

夏場のクソ暑い中、ノックアウトラウンドでの連戦でハイプレスなんて息が続かないのも事実でしょう。準決勝のときも書きましたが90分もたずに運動量がはっきり落ちる選手が続出した。90分以内でこれでは延長戦を戦わされたら無惨な結果もありうる。

がそんな先のことではなく今のメンバーでとにかくこういうサッカーをやるんだというのが形になって勝てたことや、その中からLunaやTillmanやPatrick Agyemang(Charlotte FC)が底上げとして出てきたし、今ケガで欠場になってますがJohnny Cardosoもフル代表で使えそうな手応えをPochettinoは感じてるんじゃないか。やりたかったプレースタイルを机上ではなく現場で出せた、それを体現・体験した選手が手元に残ったのはGold Cupでの収穫になりそう。

他方キャプテンだったTyler Adamsは戸惑ってるんでしょうか。それともGold Cup前に欠場していたケガがまだ癒えてないということか、出場後もあまり良いところでの起点の役割が発揮できてないようにも見えます。
Gold Cupの決勝は明日、対メキシコ戦です。

MLSの強みとそれにくっっついてくる制限

女子バスケWNBAと男子サッカーMLSのアメスポチーム競技第5位争いのことを書きました。MLS側に辛めの内容であとから自分で読んでみて少しMLS側のメリットについて書き足したほうが良いかと思いこの項を書きます。

MLSのリーグ拡張の歴史で最大のメリットとなっていたのはサッカー専用スタジアムの建設を参入の条件にしたことです。リーグ創設時にはNFLやカレッジフットボールのスタジアムを間借りしてガラガラで開催していたのを変えたのがColumbus Crewという全国的には地味な都市でオープンしたサッカー専用スタジアムでした。
これが当たってColumbus CrewはMLSで初めてチーム単体・単年で黒字化したとされます。公式の財務公表はなかったのですが少なくとも地元で好評で動員で大きく伸ばしたし、2万人以下の収容の小型スタジアムで多くの試合で席が埋まり雰囲気の向上に貢献しました。
これが雛形となりその後MLS各チームのサッカー専用スタジアムの建設が続き、新規参入チームはサッカー専用スタジアムの建設が基本的に義務化されています。

この施策がうまく行ったのはアメリカの大都市はほぼ漏れなく都心部の荒廃が進んでいたためその再開発プロジェクトとセットでフットプリントの大きいスタジアム建設が好感されたことが大きい。特に初期はコストを抑えた構造で維持費も低い形態での建設だったので地元自治体の協力も得やすかった。雇用創出というキャッチフレーズは地元民の承認も得やすかった


これを比較対象の女子バスケWNBAと比較するとWNBAは既存のアリーナ利用なので都市再開発とはほとんど関係ないです。アリーナの稼働日数が安定的に増えるので地元経済へのプラスはありますが、MLSのような大きな財政出動とは比較にならない微々たるものです。

初期のWNBAのアイデアでは男子NBAと同じ会場を使って姉妹チームとしてというのがあったんですが、現実は厳しく、NBAアリーナでは観客席も埋まらず会場使用料も満足に捻出できずに多くのチームがNBAとは別の小会場を使用することに。NBAのアリーナならおおむね観客のユーザーエクスペリエンスは高いですが、小会場利用(現実的には古い会場でもある)ではユーザーエクスペリエンスは低くなっていてマイナー感が溢れる状態になってるはずです。
対するMLSはそのほとんどが21世紀に建てられたサッカー専用スタジアムで清潔感の高い良好なユーザーエクスペリエンスとなっている。NFLスタジアムを利用しているチームもありますがそちらも施設は美麗です。
なので発足当時はWNBAの方がNBAと同じアリーナで美麗会場、MLSは間借りでマイナー感が高かったのが途中で逆転して新しいスタジアムをメインテナントとして持つMLSの方はユーザーエクスペリエンスが向上、WNBAの方は停滞か後退となっていたわけです。
いまのビッグウェーブでWNBA各チームはNBAと同居のアリーナに再移転して顧客満足度を上げることも想像できますからMLSとの差は縮められるかもですが。


サッカー専用スタジアムという施策が成功できたのはアメリカ国内に収容2万人前後のサッカー&フットボールを開催できる施設がなかったから。フットボールがプロ・カレッジとも人気が高過ぎて大都市のスタジアムが5万人6万人収容、ところによっては9万人10万人というカレッジスタジアムもまれではない。よって2万人の小スタジアムはニッチとして空いていたことがMLSの勝機・商機になったということです。

細かいことを言うとサッカー専用スタジアムと称してますがほぼすべてがどちらか一方のゴール側は可動式の観客席になっていてサッカーよりもフィールドの全長が長いフットボールのフィールドが入るように設計されてます。なので地元の高校のフットボールのプレーオフの会場にもってこいの大きさ。また後発となった春夏シーズンのマイナープロフットボールUFL/XFLでもMLSのスタジアムが使われており、MLS以外の部分で稼働率が上がるということも起こってます。他にも女子サッカーもここを使えて過去の女子リーグよりもずっと優良なユーザーエクスペリエンスを提供できてます。
これは逆も言えて、女子サッカーやUFLが市場参入してみようと思ったのはこういう収容も適当で環境も良好なスタジアムがあったからということでもあります。


ではMLS側における制限はなにか。2万人前後のサッカー専用スタジアムの収容がそのまま制限となります。NFLスタジアムをホームにしているMLSチームは良いのですが、そうでないところは自前のサッカー専用スタジアムの収容を超えて動員することは基本的にはできない。後発のNashvilleなんかだとサッカー専用スタジアムでも大型で3万人収容なんですが、この辺がサッカー専用スタジアムの上限に近いかもしれない。これ以上の大きさになるとNFLスタジアムと競合することになる。5万人近くをコンスタントに動員できるだけの実力がMLSにあれば良いのですがそういう展望は現時点ではないし、現存の2万人クラスのスタジアムのリース契約も残ってるので早急に動員を増やすオプションは乏しいです。
シーズンは伸ばせるだけ伸ばしたあとなので試合数の増加も望みが薄いとすると、売上を伸ばすにはあとはチケット単価のアップになる。MLSのチケットは四大スポーツと比較するとまだ安く、値上げ余地はあるとは言えますがどうか。

なにが、どうか、かというと当ブログでも何度か書いてますがサッカーファンは割と値段にシビアなのです。男子代表チームが特にそうですが大会場で良いお値段で試合をやったりするとはっきりと動員が落ちてTVで見ていても寒々しい入りの試合が多くある。昨年のCopa America北米大会も大風呂敷を広げてNFLの大スタジアムで強気の価格設定にしたら全然売れなくて試合数日前から地元でタダ券を配ってそれでもスタジアム半分というひどい試合をやっていた。
いまの段階って2026年のW杯本番があり、そちらもきっと強気の価格設定になると思えるので毎年散財したくないと考えると買い控えしちゃうのかな、とも思いますが、サッカーファンの財布の紐は堅いという風に考えたほうが現実に近いように思います。またはそれほどサッカーにいくらでも散財するぞという気合の人の数は足りていないという表現でも良いでしょう。
あと今進行中のFIFA Club World Cupでもそうですが、その価格にシビアな層は前売りを買わずに現地で値段が下がってから買うという行動をしてる可能性もあるよなあとも思います。見てると試合開始30分ごろから観客が増えるからです。

そんな現実を見てると今の2万人規模のサッカー専用スタジアムという環境はとても適切だと思う反面、これ以上キャパを増やすのはかなりの冒険なのかもしれないとも思いますし、チケット価格のアップで売上アップというのはなかなか難しく、大幅な売上アップは可能なのだろうかというのは思います。

各種ジャンルがきめ細かくアップグレードしている

MLBが唯一のメジャースポーツとしてシーズン中です。その裏でミッドメジャーとも言うべき他のジャンルはシーズン中。アメスポ内ならざっとで大きい方からゴルフPGA、NASCAR、女子バスケWNBA、男子サッカーMLS辺りまでがミッドメジャーの範囲内。アメスポ範疇からはじゃっかんはみ出るのですがテニスの全英オープンがもうじき始まります。それ以外には先日から何度も触れているサッカーのFIFA Club World CupとCONCACAF Gold Cupが米国内で開催中でノックアウトラウンドがこの週末から始まります。

NASCARはインシーズントーナメントが今週末から開催。サッカーはまた触れる機会があると思うのですがテニスで少し横道に。
四大トーナメントのトリとなる全米オープンで今季から男女混合ダブルスが本大会前に1週間前倒しで開催されます。新たに賞金額もアップしている。そしてこれまでならダブルス専門チームがしこしこやっていたのがシングルスで本大会に出場するような選手たちが急造チームを組んで登場することになってます。全仏男子単優勝者Carlos AlcarazがEmma Raducanuと組んで出場。Alcarazはダブルスではランク最高位がNo. 519。500位台でも全米オープン出場可ということです。

若いピチピチの10代なんかだと複単両方に出場して四大大会の高い出場料をダブルで稼ぐという行為は昔からありますが、少し年齢が行ってプレステージの高いシングルスで優勝や上位を狙えるポジションに来ると大抵はシングルスに絞る。疲労のマネジメントの方が優先する。
それがこの混合ダブルスを本大会の前にすること、それもエントリ数を絞って4勝で優勝できる、出場ギャラも高いということで単複両方に出てみようと思うシングルスのトップ選手を増やしてある種のオールスター戦的なものにして全米オープンの前煽りイベント化しちゃおうというそういう企画です。なかなか頭良いな、という。

エントリの全貌はまだですが主催者によると男女の単トップ10選手(総計20名ってことです)のうち9名が出場をするとしてます。ということはまだ他にもおなじみの上位選手の出場があると。未確認ですがNaomi OsakaがNick Kyrgiosと組んで出場するという話もあります。彼らはトップ10選手のうちじゃないけど知名度は高い。

他方過去ダブルス専門でしこしこと人知れず賞金を稼いでいた選手たちからは自分たちの職場が荒らされ出場枠激減、収入激減という苦情も出てますが、とは言ってもよほどテニスオタクでもないと混合ダブルスの選手の声なんて届かないし、そもそも名前も知らない。華やかなシングルスのトップ選手たちの輝きと露出にはかなわないでしょう。

NASCARのインシーズントーナメントが今季から始まっているのも同様に細かな各ジャンルの努力で、書こうと思ってたんですが別項にします。

MLBの話題が増えているのは

毎年のアメスポ年間スケジュールのサイクルで、NBAシーズンとNHLシーズンがほぼ同時に終了する6月中旬以降はMLBのみがメジャースポーツになるわけです。それは過去半世紀以上同じスケジュールです。ただその中でMLBの地位の上げ下げの具合があります。昔はNBAとかNHL関係なくMLBの毎日の試合がトップニュースだったのが、近年はNBAが終わっちゃうと、あー、とロス気味になっていたアメスポファンは多いのではないかと想像します。

昔なら日刊新聞、一昔前ならESPNの本丸だったSports Centerは毎日なんらかのスポーツの話題を投下しないと仕事にならない。今ならそれがスポーツトークショーやらYouTubeチャンネルやらなわけです。そのスポーツトークショーにおけるMLBネタが増えているような気がします。あくまで私の感触なので正しいと言い切れないのですが、私が頻度高く視聴している範囲でそう感じる。あれ、今日もMLBの話題か、と思うことが何度かあって、それからはちょっと頻度を気にして視聴していると確かに多いような気がします。

その前段としてMLBの話題がスポーツトークショーでまったく扱われない時期がかなりの期間あったということを過去に何度か当ブログでも書いたことがありました。一時期MLBのコミッショナーがアメスポメディアがMLBを取り上げてくれないということをぶつくさ言っていた時期があるのでたぶん私の感覚は正しかったはず。ESPNで言うとStepen A Smithが出るような番組でMLBの話題はまずなかったのが、たまにはあの方すら野球の話題にくちばし挟んでるなあという場面に出くわしてふーんと思ったりするわけです。

今はポッドキャストやYouTubeで再生回数という確固たる数字が出るのでMLBに対して需要があるのかないのかははっきりわかる。ポッドキャストなんかだと、何の話題だと途中で視聴者が離脱しちゃったかというところまで発信者はわかるというような話も聞きました。本当かどうかは知りませんが。なので人気総合スポーツポッドキャストで連日MLBの話題をやってるなら、なんらか根拠と確信があってやってるんだろうなと想像するわけです。
またはMLBが発注しているから増えているという可能性も否定できませんが。ただそれは実需がなければ長く続かないのでしょうから、もう少し様子を見て判断してみたいです。

ところでポッドキャストって儲かるんでしょうか。なにを言いたいかというと昨年ぐらいからTVのコマーシャルでポッドキャストの宣伝をしているのにたまに出くわすんですよね。スマホのゲームとかのTVコマーシャルはもう少し早くからちらちら見かけましたが、ポッドキャストなんて全国放送のTVで宣伝打つような予算をかけて儲かるもんなの?という疑問が大いに湧きます。スマホのゲームは宣伝まみれでまともにプレイできないようなものが多いという事で、強制的に宣伝を見せる仕組みとして成立するような気がしますが、ポッドキャストなんてCM部分はあっさりスキップされてしまうので宣伝媒体としてゲームのように機能しないような。

話を戻してスポーツトークショーはネタ切れなら他にないのか。NBAは今夜もドラフト2巡目の放送をしてたりしてドラフトネタ、トレード関連でそれなりに話題を提供してますが、NBAの勢いも今落ち気味停滞気味というのが私の感触で(今回感触の話ばっかりですみません)、そうなるとMLBネタの方が良いのか、と。Aaron JudgeのすごいシーズンだとかShohei Ohtaniの投手復帰とか、以前ならトークショーでスルーされていたような話もけっこう細かくやってるなという気がします。
ネタ枯れだったらいまアメリカ国内で進行しているサッカーのFIFA Club World Cupの話題でもやれば、と思いますがそれこそそちらはまったくスルー。その辺はサッカー専門ポッドキャストに隔離されている。放映自体がTNTとDAZNなので、ステークホルダーが限られていてアメスポ報道大手のESPN系列やFOX系列などでは取り上げる動機が薄い。動機が薄くてもSNSその他での動きが活発なら他系列も無視できないでしょうが、それが無視しているってことは大した数字になっていないということなんでしょう。
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