アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

NFL/Pro Football

竜巻がNFL Chiefs、MLB Royalsのスタジアムに被害

この時期からはアメリカでは竜巻は頻繁で人が多数死なないと大したニュースにならないぐらいあちこちで起こります。南部から中西部で。今日Kansas Cityを直撃した竜巻はたぶんスタジアム地区に起こっていなかったらニュースにならない部類の強度かもなと思えます。

でもスタジアムに来たのでニュースになります。いまどきはスタジアムなど不特定多数が出入りする場所や警戒度の高い地区や施設だったりしなくても一般家庭でもRingやセキュリティカメラを取り付けているんで多くの突発の自然災害もビデオが残ります。

家庭用のカメラでもいまはオンラインで遠隔で見られるし、多くの自治体では自宅のカメラの映像を地元警察や公的機関がリアルタイムで見られるように住民の自発的意思で登録することが可能になってますんで、多くの映像が迅速に公的に把握されるようになってます。

NFL Kansas City Chiefsの方はオフシーズンですが、MLB Kansas City Royalsの方はシーズン真っ只中。被害が大きいと試合開催に差し障るかもしれません。


アメリカ在住だと日本の方によく「銃の事件が多くて怖くないですか」という質問を受けます。正直言えばあまり怖くないです。なぜかというと土地勘があって時間帯を選べばほとんど事件に巻き込まれることはないと思えるからです。たまに白昼堂々のショッピングセンターとかもありますがそれは極々少数。何十億円相当のロトに当たるよりも確率は低いぐらいではないかと思えるんですよね。また銃での死傷は事件ではなく、取扱ミスでの事故の方がずっと多いのも特徴です。

私の感覚ではそれよりは交通事故の方がよほど怖い。イカれたドライバー(薬物使用者が多くいる)とどうしても交わってしまうエリアというのは存在するし、薬物使用者は24時間体勢で薬を買い求めにくるから昼だから安全とは言い難い。それでも昼の方が他の車がいるのでスピードが上がらないので事故の規模は小さめかもなとは思いますが。

同じく竜巻は怖いんですか(銃の質問とは質問の熱意が異なるのがおもしろいです)という質問もたまに受けますが、そんなに怖くないかなと。確率的なことを考えると低いし、それに今は予報警報の精度も高いので20分後に来きそうとなればじゃあラップトップ持って階下・地下へ移動という自衛もできます。
それでも例えばコンピュータのバックアップデータは我が家が竜巻の被害を受けても飛ばない位置に設置とか、まさかのときに備えたことはちょっとは考えますが、根本的には来たら来たでしょうがないだろぐらい。一番怖いのは移動中の場合ですが、それも警報が出ると携帯電話にプッシュで情報が入ってくるので知らずに運転して竜巻に遭遇っていうのは少なさそうに感じます。

Rose永久追放解除

スポーツ賭博に関連したとされMLBから永久追放になっていたPete Roseの名誉回復が発表されてます。Pete RoseだけでなくBlack Sox事件で同じく永久追放になっていたShoeless Joe Jacksonなど故人となっている永久追放対象者が追放解除となってます。これでPete Roseは殿堂入りの可能性が復活。

発表された今日はPete Roseがキャリアの大半を過ごしたCincinnati RedsがShoeless Joe Jacksonが所属したChicago White Soxと対戦するカードで、明らかに話題性を狙って今日の発表にしたのでしょう。賭博というかShoeless Joe Jacksonは八百長事件で本人が告白している事件なので故人だからという理由で追放解除はおかしな話なようにも思えます。Roseの場合はRedsの監督時代の話で、本人もMLBもRedsが負けることに賭けているとは認めていないはずなのでShoeless Joe Jacksonよりは事情は許されうるってことになるのでしょう。

MLBコミッショナーRob Manfredの声明によれば「故人となっているのでもはや球界への脅威にならない」という意味不明なことを言ってます。なんというかなんとかしてRoseの永久追放を解除するためにより悪質なShoeless Joe Jacksonを一緒に担ぎ出してみてる気がします。

なぜそんなに無理をしているのかというとホワイトハウスからの圧力が凄いんだろうなという感じがします。Pete Roseはご本人がおしゃべりの仕方からしてアンチ品性なところのある方でトランプ大統領の支持層に完全にフィット、実際にも熱心な支持者でもありました。そしてトランプ大統領から公の発言としてPete Roseを恩赦し永久追放解除への圧力も出てましたから、MLBはその対応に苦慮した挙げ句にShoeless Joe Jacksonまで持ち出してきたってところなんでしょう。

アメスポ界はトランプ第二次政権にびびってる感じはMLBだと昨季の優勝チームLos Angeles Dodgersのホワイトハウスハウス訪問があっさり決まった辺りから感じられました。第一次政権のときはホワイトハウス訪問拒否が各種目でさんざん取り沙汰された経緯がありましたが、今年はスポーツ界とホワイトハウスの関係正常化の意識もあってなのでしょうその問題を早々に避けていました。トランプの方もDodgers訪問ににこやかに応じていて、当時はあまり表に見せませんでしたけれど第一次政権のときのホワイトハウス訪問拒否の連発を食っていたのを気にしてたんだなというようにも見えますね。

MLB以外でもNFLだと再来年のドラフト会議をホワイトハウスのお膝元のWashington D.C.で行うことを先日発表したのもトランプ忖度っぽいというのは私も思いましたし、ネット上でもそういう物言いは見かけます。タイミングからしてWashingtonのホストとなるCommandersを優遇すべき事情はほとんどないからです。

そもそも政権との政治的な見方の違いでホワイトハウスに訪問したりしなかったりするのが続くのは異常なので、それにはこだわらずに訪問するのは大人だしその方がアメスポ全体にとって良いとは思うんでそれは良いと思いますが、就任早々あまり他の忖度が多いとどうなるものか。

ESPNは忖度継続、CBS Sportsは開き直って情報提供

NFLドラフト最終日3日目。4巡目以降の指名が正午から開始されます。事前の予想では1巡目に指名される可能性が言われていたQB Shedeur Sandersは3巡目までに指名されず最終日まで残ってます。ドラフト前の段階でQBの指名の可能性があるとされたチームはほぼすべて3巡目までにQBを指名済み。指名してないのはPittsburgh Steelersぐらいになってます。

SteelersはAaron RodgersがFAで加入するという未確認ながらまことしやかに語られているシナリオがあるので、本当にSteelersとRodgersの間で黙約があるのならそもそもSteelersにはQBのニーズはなかったということかもしれません。

おもしろいのはスポーツ報道最大手のESPNのドラフトアナリストが興奮して「Sandersは絶対に2巡目以内の才能で、4巡目以降に落ちたのは説明不能だ」と大騒ぎしていることです。その解説(Mel Kiperさんですが)以外のESPNのドラフトスタッフもShedeurはすでに指名された他のQBよりもプレー能力は間違いなくあると口々に言ってる。

しかし一人ぽろりとこぼした解説者がいました。「我々はフィールド外のことは追求せず、フィールド上の能力について語ってる」と言って私が前日に書いた父親Dieon SandersやSanders一家のリアリティTV番組の影響などには一切触れていない。そしてあの言い方からすると番組制作ミーティング段階でShedeurについてはフィールド外の問題については言及しないこととお達しが出ていたことが推察される発言だったと思います。
余計なことを言って人気・影響力のあるDieonを刺激しないという共通認識がアメスポマスコミ内に蔓延しているのがここで再び確認されたようなもの、と私には受け取れます。

では前項で指摘した、すでにDieonから取材拒否とされているとされるCBS Sportsはどうなってるのか。こちらがおもしろいです。Johnathan Jonesという解説者が話してるんですけど、ESPNと内容が全然違う。これだから報道の自由というかメディアは画一化されていないことが大事なんだよなと思わされる内容です。このリンクのところから「Shedeurとその周囲の人々がドラフトに臨んだ姿勢」について語ってます。ESPNが意図的に避けた話題を展開している。
真っ向から批判をするというスタイルは避けていますがいろいろおもしろいことを言っています。1年前にDieonがShedeurが「Eli Manningルート」で行き先を選べるということを言ったという発言を掘り返しています。

ご記憶のない方もいらっしゃると思うので解説するとOle MissのQBで全体1位でSan Diego Chargersに指名されたEli ManningはSan Diegoでプレーすることを強く拒否(たぶんドラフト以前からChargersには拒否の意向は伝えていた可能性)、当日のうちにビッグマーケットであるNew York Giantsにトレードされています。
今となってはそんな顛末は誰も覚えておらずEliは人の良いイメージとなってますが、Eliのドラフト当時にSNSがあったらかなり叩かれていた可能性はある案件でした。その例をひいてウチの息子も行き先を選べるとうそぶいたのがNFL全体から拒否されているという解釈を語ってるんですね。最大手のESPNとは切り口がまったく異なる。

さすがにその発言はまずいと思ったのかその後はDieonはEli Manningルートについては言わなくなったが、その後はDieonはLas Vegas Raidersが敗戦するたびにツイート。Raidersの成績が下降=ドラフトポジションが上昇してShedeurがそこにハマりRaiders行きとなることを好むかのような発言をしていたという点も指摘。
こうなってくると取材拒否を食ってるのはもう動かせないので開き直って他の忖度報道機関ができないネタを投入しているように聞こえます。
他にもShedeurの各チームとの面接でうまく周りの雑音について回答できず複数のチーム側に不安感を残したという情報元不詳のネタもあり。見て良かった報道となってます。

現時点ではShedeurもDieonも指名前なので何も語ってないですが、今日の指名が終わったあとにはなにか言わないではいられないはずで、そうなったときに忖度メディアは忖度を継続するのかどうかも見ものになってきました。

4巡目以降となれば各チームにとってはShedeurが拾い物になる可能性もゼロではないので特に喫緊のQBのニーズのないチームがShedeurを指名する可能性が出てきてます。49ersの最終指名から先発QBとなったBrock Purdyの例もあります。こっから先はどこが手を挙げるかわからない。Dieonの意中だったらしきRaidersが手を出すかもしれない。Dallas Cowboysが指名したらウケますが、変にDak Prescottを刺激するのもアレなのでそれはないか。Eliルート発言を把握していたらSanders一家に好まれなさそうな地方都市のチームは指名権を無駄にしないかもしれないし、逆に指名しとけばRaidersがお得な取引で下取りしてくれるんじゃないかという思惑で下位の指名はするというところも出るかもしれません。

Deionはモンペ扱いか

今NFLドラフト2巡目の中盤に入ってますがいまだにQB Shedeur Sanders(Colorado)の名前が呼ばれません。1巡目という話じゃなかったのという。ついさっきNew Orleans SaintsがQBを指名、Shedeurではなく25歳のTyler Shough(Louisville、元Texas Tech、元Oregon)を指名してます。

こうなってくるとShedeurが避けられているのではないかという話題になっちゃうんでしょう。昨日の1巡目でShedeurが指名漏れしたときはまだ2巡目の冒頭でCleveland Brownsが指名する可能性もあったので、全体33位=2巡目最初なら1巡目とそんなに変わるわけじゃないので、昨夜の段階では、あー1巡目漏れだね、だけで済んでいたのが、QB3番目も25歳の選手より下の評価となるとざわついてきます。

中継しているABC/ESPNでは2巡目序盤Clevelandにスカされたあとにちょっとだけ父親のDeion Sandersの様子を映してましたが、Tyler ShoughがShedeurに先んじて指名されたときにはDieonやShedeurのことにはあえて触れないようにしていたのが丸わかり。

ドラフト専門家による現在残っている中でのベスト5には1巡目終盤からずっとShedeur Sandersの名前は含まれているのに全然呼ばれないだけに悪目立ちしてしまっている。もう触れてはいけない領域に入ってきてる感じです。
QBの他のドラフト指名候補選手としてはカレッジのプレミア校のQBが残ってます。AlabamaのJalen Milroe、昨季の優勝校Ohio StateのWill Howard、昨季の序盤の時点では上位指名もあると思われていたTexasのQuinn EwersというところとShedeurは次のQB指名を争ってることになります。カレッジのシーズンを見ている私からするとハラハラしますね。エリート校でQBを張るような選手たちは高校生の頃からずっと才能ありとされ注目され続けて勝ち続けている選手たちばかり。ドラフト予想ではShedeurより遥かに下とされていたのが、逆転もあるのか。


表題について。Shedeur Sandersの指名順がここまで落ちているのは父親であり人気の高いCoach PrimeことDeion Sandersを各チームが煙たがっている可能性のことを書いてます。Deion Sandersはカレッジ時代、NFL現役時代から派手な言動で目立ち続けた選手でした。MLB Atlanta Bravesにも所属、2スポーツでプロだった万能アスリート。アスリートとしての才能だけじゃなくて喋りの方も若い頃から一流だったです。当時から明るさがあったので嫌味には見えなかったのではないかと思うんですが、相当余計なことをべらべらと喋るタイプでした。

カレッジのときはすでにスター選手。「もうプロに行くからかんけーねー」と宣言して期末テストを全部放棄。そのせいで期末テストを受けないとボウルゲームへの出場不可というルールができた原因がDieon。
NFLではINT後のダンスで目立ちまくり。派手な言動で当時の事情で言えばディフェンス側の選手としては例外的な知名度になってました。

MLBでは史上初のMLBとNFLの同日出場という快挙を実現すべく昼間にNFLの試合に出場して、その後個人でチャーターしたヘリと飛行機でBravesの夜の試合に間に合わせたということもありました。ただしこれはBravesの監督だったBobby Coxの不興をかったようでCoxはDieonをその試合で出場させず。Dieonの目論見は成功してません。

Bobby Coxは私の当時のイメージでは昔乍らのアメリカの頑固親父らしい面構え。もっと言えば赤ら顔が目立ち、時代も時代ですしBravesは南部のチームでもあり生粋のアメリカ人っていうイメージは強かったです。そういう方だしBravesの黄金時代を築いていて組織内での立場も盤石に強かったはずで、Dieonの目立ちたがりなMLB/NFL同日出場という行動に迎合しなかったんですね。まあ派手なDieonとは相性が良いとは言い難いタイプの方です。

そういうわけでDieon個人はずっと派手で通してきたし、そのスポットライトの中で天性の喋りのうまさも磨かれていきました。

それが再び脚光を浴びたのはカレッジのHCとして成功してから。FCS校のJackson StateのHCに就任すると最初に聞いたときはあのDieonに指導なんてできるのかと思いました。が、抜群の知名度で移籍組の獲得で成功。メジャーカンファレンスの一角のColoradoに移籍したときも話題先行ではありましたがとにかく数字が出てしまう。今のご時世は数字が正義だし、とにかく喋りのうまさ、アドリブやウィットの効きぶりは一種の天才でしょう。

そこまでは良かったのですが、その後徐々に様子がおかしくなった。Dieonが気に入らない記者からの取材や質問を受けなくなったというんですね。Dieonはやたらと数字を出すので各メディアは気をつかってDieonが嫌がりそうな質問、突っ込んだ質問をする記者がいなくなってしまったとされます。具体的にはcbssports.comの記事が気に入らなかったとかでCBSの記者の質問を無視するようになったというのがこっそり報じられてました。CBSとcbssports.comは別の企業で、その記事を書いた記者とCBSの取材者はまったく別人でも容赦なしだったと。
そういう事情なのでDieonがそういう態度でマスコミに臨んでいるということすら自由に報じられなかった。

んで今こうして(もうじき2巡目の指名も終わります)Shedeurの指名が避けられているかのように見えると、これ、NFLチームがDieonが息子の起用法などに遠回しか直接か口出ししてくるのを警戒しているんじゃないのかとか、ファンからDieonをHCにしろみたいな圧力が発生するのが嫌だとか、なにか忌避される理由になっちゃってる可能性がありそうなんですよね。

Brownsは不作の今季を避けて来季のQBに賭ける

これは予想外の展開です。NFLドラフト全体2位の指名権をJacksonville Jaguarsがトレードアップで獲得、WR/CB Travis Hunterを指名になってます。その指名権を持っていたCleveland Brownsは全体5位の指名権に加えて今季2巡目指名権+来季のJaguarsの1巡目指名権も獲得(その他下位指名権交換あり)。そこまでしてTravis Hunterは獲りたい選手とJaguarsの目には映ったことになります。

こうなってみると、ああ確かにJaguarsはカレッジフットボールファンみたいなところが指名傾向にあるなという感想も出ます。Jaguarsのスター選手であるQBのTrevor LawrenceもRBのTravis Etienne Jr.もカレッジでのスター選手。Clemsonの全盛期の選手たちです。選手の選び方がオーナーの好みに強く引っ張られている可能性があります。Travis Hunterは良い選手ではあるでしょうがトレードアップ、それも今季の2巡目と来季の1巡目は相当高い対価でしょう。

Clevelandの方はDeshaun Watsonの歴史的失敗トレードの後始末の次期QBの獲得を翌年に繰り延べることに成功。前項でも書きましたが2025年はQBも不作だし他のポジションもとても豊作とは言えないドラフトですから、Jaguarsが好条件を出してきたので喜んで今季はトレードダウンというところでしょう。

ただ来季にカレッジから出てくるQBに今の時点から見込める強力な下級生がいるわけでもないです。有名どころではManning家の甥っ子Arch Manning(Texas)とかLSUのGarrett Nussmeierぐらい。でも今はっきり不作とわかってる2025年ドラフトで無理に指名するよりは今ノーマークでも来季のカレッジシーズンで一気に伸ばしてくる選手がいるかもしれない2026年に指名を先延ばしできるのはBrownsにとっては悪い話ではないです。来季が不作となっても不作確定の今年より事情が悪化するわけではないでしょう。

それでもTitansはCam Wardで行くらしい

NFLドラフトが明日から。全体1位指名権を使ってTennessee TitansはMiami-FLのQB Cam Wardで行くそうです。カレッジシーズンが終わった時期から大半の期間で言われていました。他にはColoradoの攻守二刀流WR/CB Travis Hunterを全体1位に推す向きも僅かにありましたし、HunterのチームメイトだったQB Shedeur Sandersも一時点では高く評価されてましたが結局Cam Wardでほぼコンセンサスになったようです。

結局この時期になっても一度もWard以外の名前がトップまたはその近辺に浮上しなかったのは今季のドラフト全体はあまり豊作とは言えなさそうということでもあります。実際にプロでプレーすると評価が一転するケースはいくらでもありますから、今季の選手が皆よくないといいたいのではないです。ただドラフト前の盛り上がりや期待感は例年より低いなあというのが正直な感想です。

Wardは地肩が強そうで小さなモーションから強いボールは投げられるし、足も悪くなくカレッジシーズンを見ていた限りでは右でも左でも小さな半径でまわりこんでも体勢が崩れにくく時間を稼ぐ能力はある。
以前コメント欄でも書きましたが悪いQBではないですが全体1位がこのQBだと今季のQBもそれ以外も不作なんだろうと感じます。Wardは1巡目後半か2巡目で取れたら良い指名ですが全体1位はちょっと。Titansが営業的に新しい顔としてのQBが必要なのはわかりますが、星回りが悪い感じがします。

Shedeur Sandersもそうですよね。Coach Primeの息子だし、リアリティ・ショーの出演で過去のカレッジQBよりも顔は売れてましたしカレッジのシーズン中には今季のカレッジでベストQBという評価をする解説者もいた。ただ純粋にカレッジQBの能力としてはこのレベルの選手は過去にいくらでもいたと思えます。

Shedeur Sandersは1巡目後半でQBの方向性が長年定まっていないPittsburgh Steelers行きという予想があり、それはちょっと話題性がある。Shedeurの派手さはSteelersの伝統のカラーの中では異色でしょうが、そういうのもたまには良いのではないか。
SteelersのQBはBen Roethlisbergerが引退してからは迷走。迷走しながらもちゃんと勝ってくるところがSteelersのSteelersたるところでそれは素晴らしい。NFL有数の全国区の人気を誇るSteelers。そこへShedeurがうまくハマってQB状況が安定して次のSteelers黄金期が始まる可能性も否定できません。

Cam Wardの話に戻りますが、今季の状況だとWardに全体1位は高すぎでも全体1位をトレードダウンすることもできなかった可能性を感じます。

Mahomesがロス五輪出場へ

表題は嘘です。NFL側から発表になったのは「NFL選手のロス五輪のフラッグフットボールへの派遣の可否は未定。60日以内に結論を出す」という内容です。それがNFLオーナー会議を経ての発表でした。なのでPatrick Mahomesが2028年の五輪に出場するという決定などありません。

しかしながらです。今のこの時点で60日後に決定などというもったいぶった発表をなぜしなければいけないかということを考えてみてください。今から60日後というのはつまり6月初旬です。NBA Finalsが始まるのが6月5日。つまりNBAのカンファレンス決勝が終わる頃にNFL選手のロス五輪への出場を決めるという。私にはただスポーツ報道が枯れる時期に話題を提供しますよというNFLオーナー側の意図にしか読めません。

Mahomes本人がロス五輪への出場に意欲的だというのは事実です。他にもCincinnati Bengals QB Joe BurrowやMiami Dolphins WR Tyreek Hillも興味を表明してます。Kansas City Chiefsで組んでいたMahomesとHillのホットラインがロス五輪の場で復活する可能性があるという話です。その発表をオーナー会議後に発表せず60日後ともったいぶった。そんなもんオーナー会議ではもう結論出てると思った方が良いように私には読めます。

フラッグフットボールをご存知でない方向けに少し解説すると、フラッグフットボールでは真の主戦QBはセンターからのスナップを受けません。なぜかというとルール上QBはランをしてはいけないから。なのでどうなるかというとルール上のQBはボールを受けてそのまま横にいるルール上のRBにハンドオフする。RBは走っても良いし投げても良い。なのでMahomesが出たいというなら走れるMahomesはルール上RB役で、QBはポケットパサー型のBurrowということになるはずです。MahomesとBurrowが同一チームで同時出場することが想定できるってわけです。NFLファンからすると摩訶不思議なドリームチームとなるはずです。

五輪の予定は2028年7月。フラッグフットボールの五輪競技化努力は他の新採用競技(6人制ラクロスなど)と比べるとタイミングは随分遅かったのですが金力にモノを言わせてかあっさり競技採用されています。そしてBurrowやMahomesといった知名度の高い選手が自主的に出場したいと言い出すのですからNFLとしてはおいしいタダみたいなコストでのNFLの世界宣伝が行われるということになります。

ロス五輪にフラッグフットボールを突っ込んだのはそもそもがNFLの世界宣伝のためでしょうからここへ来て「NFL選手は派遣しない」と言い出すとはとても思えない。じゃあなぜ60日以内に決定とかもったいぶったかと言えばNBA & NHLシーズンが終わるところでアメスポの話題をNFLに引こうという理由しか私には思い付けません。世界宣伝ということを言うならサッカー英Premier Leagueは5月末に終了、60日後というのはその終了後でもあります。他の欧州リーグもほぼ同じ時期に終了します。

ロス五輪は地元開催なのでNFL選手が出場しても移動の負担は軽い。身の安全の確保は他国に行くのとは桁違いにしやすいでしょうし、この機会に出場させないならそもそもフラッグフットボールの五輪競技化自体を目指さなかったでしょう。
ロスの次の五輪はオーストラリア・ブリスベン。その2032年の大会となると時差も真反対だし遠方だし自主的に出たいという選手も減るだろうしオーナーも難色を示すかもしれない。そもそもフラッグフットボールがその大会でも競技実施されるかどうかも確定的にはわからない。NFL選手を派遣するなら今大会が最適かつ唯一の機会の可能性がある。出場可とすると考えて間違いないでしょう。
よってNFLからの発表の真反対の表題でも今の時点では嘘ですが、たぶん合ってると思います。

Kelceが引退説を語る

今週末にはフットボールシーズンが終わったロス感を感じることになる時期です。その昔はその時期にはMLBがキャンプインしてSports Centerが全30チームを30日間毎日1チームずつチーム解析をする企画があったりしたもんですが、MLBのキャンプではフットボールロスを補う力はなくなって久しいです。その上YouTubeの方が優勢になってモタモタと30日間かけて30チーム紹介とかまどろっこしい企画自体が成立しなくなってきてるんですよね。

それをひしひしと感じるのは週末になるとして、Super Bowl後のフットボールの話題というとKansas City ChiefsのTE Travis Kelceが自身(兄のJasonとコンビ)の番組で来季プレーするかの噂について語ってます。Super Bowlの試合中の悲壮感のある顔つきのせいもあったのかKelceは3連覇失敗を機に引退するのではないかという言説がネット上で多かったです。

今年の試合も冴えなかったですが、昨年の2連覇のときもSuper Bowlの前半は1キャッチだったかで、良い相手チームに徹底マークされたら数字はそうそう伸びないというのは現実としてあるからで、私は先週の試合後も確かに悲壮感はありましたがまだやるんじゃないかなとは思っていました。
理由は以前にKelce本人が「車輪が吹っ飛ぶまでやるよ」意訳すればボロボロになるまでやると言っていたから。今季の様子を見てるとピークは過ぎたかもしれないがでも一流、まだボロボロまで行ってないように見えたからです。
但しその発言をしていたのはTaylor Swiftと付き合い出す前で、NFLファン内では有名人でもスポーツを見ない人でも知ってる人に昇格したのはその発言のあとです。Kelce兄弟の番組が人気番組化したのもその時期より後。Travis Kelceという人物のアメリカ市場での価値は現時点で相当に高く、NFLを引退しても引く手あまたと考えて差し支えない。
Travisの知名度アップ過程でJasonの方も知名度がアップ、Jason単独でのTVコマーシャル出演も増えているしTV解説の仕事でも活躍。比較的地味な側のJasonでこれだけ露出できるなら、Travisの方はもっとだろうと想像できる。Travisを出演させておけば通常なら高額出演料のかかるTaylor Swiftをタダで映す機会だって期待できそうという勘定も入る。

そういうわけで辞める説が高まっていた。それに答える形で昨日配信分で「しばらく判断は先延ばしにするわ」とさばさばした口調で語っていました。営業上のことを考えても引っ張った方が引退後の引き合いをより多く見られるでしょうからその方が賢いです。それに3連覇狙いで3シーズンどこよりも長くプレーし続けたわけで素で休みたいというのもわかるところ。

Super Bowlを見ていたところではレシーバーとして活躍できなかったことよりも苦戦あっぷあっぷの自軍のオフェンスラインの加勢として6人目のラインマンとして守る役をほとんど全うできなかった方が痛かった。あの様子を見ていると表には出てこないけれどかなりどこか(たぶん上半身)が身体が悪いのかもしれないなという推測が入っても仕方ないとは言えそうです。

似た境遇だとNew England PatriotsのTEで明るい性格で人気だったRob Gronkowskiは現役キャリア終盤はケガが続いて欠場試合がかなり増えていた。明るかった顔にも陰りが出るようになって、よそ目に見ていてもあー、もう限界近いんだろうなあ、という感じが強かった。ちょうどその頃がPatriots王朝の末期で、台頭してきた新勢力だったPatrick MahomesとKansas City Chiefsと激突していた時期でもありました。
以前にも指摘してるんですけどGronkとKelceは年齢は同じです。チームとしてそして個人としても全国区の人気になる時期がズレているのでGronkの方が一時代前の選手に見えますが実はそうではない。つまりKelceはこの歳(35歳1989年生まれ)まで良くもった方だというのが正確な評価です。Gronkはより早くにケガがちになった。

Gronkは今はFOXのスタジオ解説陣に加わって幸せそうにしてます。Kelceの現在価値はたぶんGronkより高いのでアスリートとして引退しても余裕でしょう。彼女さんのお世話にならなくてもセレブな生活はできそうです。

Chiefs惨敗で3連覇に失敗

結果はPhiladelphia Eaglesの圧勝。Super Bowl LIXは2年前と同カードでしたがEaglesがリベンジを果たして優勝となってます。最終スコアはPhiladelphia Eagles 40-22 Kansas City Chiefs。第3Qの最後辺りの時間帯=勝負が決してからChiefsが22得点したので大敗程度のスコアになってますが、そこまでChiefsは無得点。

それもEaglesの守備フロント4がChiefsのオフェンスラインを蹂躙してブリッツをただの1度も繰り出さないままの4人だけで突破に次ぐ突破でMahomesに時間を与えない。それだけでなくMahomesのスクランブルも許さない。MVPはQBのJalen HurtsにわたっていますがEaglesのDフロント4が真のMVPでしょう。

勝負が決してEaglesが控え選手に入れ替えた時間帯もMahomesと先発メンバーは出場を続けて意地を見せて22得点を重ねたところは、やはりSuper BowlでTom Brady率いるTampa Bay Buccaneers相手の第4Qのときを思い出させられました。こういうところがMahomesの良いところです。
第3Qに最大34−0まで行ってしまったところでメンタルが切れたり、プレーが雑になったりするのは仕方のないところですが、最近は封印していたバックハンドパスを混乱の中でTravis Kelceに通してみたりとMahomesらしさは微かに見られましたが、これだけオフェンスラインがなんともならないといくらMahomesでもなすすべなし。

今季からFOXの実況に加わったTom Bradyが何度も自身の3度のSuper Bowl敗戦について語っていたのが印象的です。7度勝ったことより3度敗戦したことの悔しさの方が強い。そういうメンタルだからこそ何度でも立ち上がり、何年でもシーズンの準備を続けられ、GOATと呼ばれる地位へ行ったんだよなと思わされます。
特に例のヘルメットキャッチでのパーフェクトシーズンを逃した逆転負けの夜は「一言も喋れなかった」といまでも悔しそうに語るBrady。あれってSuper Bowl XLII=2008年のことなんで17年前の話です。17年前の敗戦がいまでもそんなに心の底から悔しいんだ、と。GOATのメンタリティは常人とは違うんだなと感じさせられました。

Bradyの場合、Super Bowl3敗は1度はそのヘルメットキャッチだし、1度はディフェンスの要のMalcolm Butlerをチーム内ルール違反懲罰(らしい、誰も理由は口外しなかった)でプレーさせずEaglesに41-33で敗戦した試合だし。

これでMahomesはNFL史上初のSuper Bowl3連覇に失敗。MahomesはSuper Bowl登場5度目で3勝2敗。2敗はいずれも完敗、いずれもオフェンスラインがガタガタだったのが敗因でした。3連覇してしまえばGOAT論議でMahomesがBradyに迫れるチャンスでしたが叶わず。Super Bowl7度優勝のBradyにGOAT基準で追いつくのは素の優勝回数で追いつくしかなくなったか。Brady晩年の直接対決でも敗戦しているだけにBradyのGOATの地位は暫く安全になった模様です。


Eaglesオフェンスの方はQB Jalen Hurtsは1INTはありましたが全体としてミスの少ない堅実なプレーで得点を重ねました。ランでの判断も良く、2−3週間前は膝の調子がかなり悪そうだったのも回復していた様子で1週間の空きがあったのが良い方に行ってます。RB Saquon BarkleyはChiefsディフェンスに焦点をあわせられ封じられてランの数字は出せませんでしたがスイングパスやアクロバッティックキャッチでオフェンスのリズムを停滞させず、ブロックでも奮戦するなどいつもながらの真面目さで移籍初年度でチャンピオンシップリングゲット。
Alabama時代からHurtsのホットラインパートナーだったWR DeVonta Smithが出色。カレッジではスーパースターでしたが軽量なのでプロで大丈夫なのかとドラフトされた当時は訝しんでましたが、結果はプロ4年目、ずっと大きなケガもなく今季はSuper Bowlまで完走。結果的に良いドラフト指名だったことになります。

Eaglesは新人CB Cooper DeJeanがプロ入り初のINTがSuper Bowlでのpick 6となり、その時点で17-0。なんでも今日がDeJeanの22歳の誕生日なんだそうです。オフェンスの連中はTDしてボールスパイクしたりしますが、DeJeanは大事そうにボールを抱えて離さずという辺りが微笑ましかったです。プロ入り初のINTがSuper BowlでPatrick Mahomesからで自身の誕生日にとかどういう巡り合わせなんだって感じです。一生の宝物のボールでしょう。
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