アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

College Basketball

March Madness組み合わせ発表

今年のMarch MadnessはUConnが一強のような言われ方をしてます。今季何試合か見ていますが確かに強いんですよ。サイズもあるしオフェンスもどこからでも点が取れるし、シーズンが後半になって相手チームに色々策をぶつけられて後手に回っても崩れない。しぶとい。優勝候補の筆頭であるのは確実です。
ここ数年、ここまではっきりと優勝候補のナンバーワンが抜きん出ているシーズンはなかった。毎年どこが勝ち進んでくるのか予想が難しかった。それが今季はどこがUConnを撃ち落とせるかが今大会のテーマとなります。

UConnの山のNo. 2シードはIowa State、No. 3シードはIllinois。Iowa Stateはサイズ的にUConnとの相性が悪そう。Illinoisは一回戦のNo. 14シード Moorehead戦からして苦労しそうで勝ち上がってこられるかどうか。そうなるとUConnのFinal Four行きの障害の少ない地区になってしまいそうです。それじゃつまらないので、予想外の相手にUConnを苦しめる試合を期待したいところ。他ではNo. 5シードのSan Diego Stateは昨年の全米優勝戦でUConnに敗戦した準優勝校ですが完敗。

UConnが全米準決勝で当たる山(西地区)のNo. 1シードはNorth Carolina、No. 2 Arizona、No. 3 Baylor。私の見た範囲では今年の所属のACCは全体に弱体化していてNorth CarolinaのNo.1シードはどれほどアテになるのか不明。ただNorth Carolinaは近年トーナメントの時期になると選手の素材が良いせいか前評判より強いことがあり侮れません。Baylorはシーズン中に地力以上に勝っている感じが強かった印象があり。この辺りの学校がUConnストッパーか。

UConnと決勝まで当たらない側の有力校では中東地区No. 1シードのPerdueはレギュラーシーズンでは勝ってもNCAAトーナメントでは早期敗退を繰り返しており今年が正念場。昨季の最優秀選手のZach Edeyは今年も健在です。昨季はドラフトを回避。プロではスピードが足りないと見られてドラフト予想指名順位も低かった。カレッジに残留してオフシーズンに体重も落してスピードが上がりフットワークも改善、センターからパス出しという部分でも昨季より技量は上がっている。NBAドラフト予想でも1巡目内での指名が見込めるところまでは評価が上がってきてます。
今年こそとトーナメントを勝ち進んだ場合に対UConnを考えるとフロントコートの枚数のあるUConnはEdeyには難しい相手という気がします。
南地区のNo. 1シードのHoustonは今季Big XII移籍初シーズン。カンファレンス戦に入った時期は以前とは勝手が異なり苦戦も多かったですがそこを切り抜けてNo. 1シードを確保。ただ今季のBig XIIは常勝のKansasがケガ人続出だったりでHoustonの評価が難しいです。
中東地区No. 2 Tennesseeは今季1試合しかまともに見てないですがここはガッツを感じるプレーぶりでSEC優勝。PerdueやHoustonよりもこっちの方に期待してみたいところがあります。

アップセット期待では第12シードMcNeeseはどうか。もしシンデレラ躍進するならGonzaga、Kansas、Perdueと当たる組み合わせに入ってます。

日本視点だとNebraskaのKeisei Tominaga絡みで語られるのかもしれません。Nebraskaはカレッジフットボールでは古豪で一時代を築いた学校。一方バスケでは強いとは言えない学校でNCAAトーナメントに出場するのは今回が僅か8度目。JucoからNebraskaに転校したときはなんとかうまくPower 5の学校に入り込めたという感想だったのですが、Big Ten内で強くないNebraskaを自らの貢献でNCAAトーナメントに進めたのですから立派です。

正直NebraskaがNCAAトーナメントで躍進勝ち進むと予想している向きは地元以外ではないでしょうけれど、二回戦でNo. 1シードのHoustonと当たれるのでなんらかの爪痕を残すためにはぜひ一回戦を勝って優勝候補を相手に良い試合をやってみたいところ。強いところと当たらずに静かにトーナメントから消えるよりは強い学校とやって散る方が良いでしょう。

裏番組のNBA放送も蹴散らす

Caitlin ClarkのPete Maravich超えの試合放送が裏番組だったNBA放送の視聴率(いずれも地上波)を超えたのが今日になって確認されています。女子カレッジバスケのNo. 2 Ohio State@No. 6 Iowaの試合が平均で339万人視聴。ピーク時間帯では400万人超。カレッジの女子としては1999年以来の史上2位最多のレギュラーシーズンの試合だったようです。
その1999年の試合というのは情報を読んでみると私も当時見てますね。カレッジ女子の最強校がTennesseeからUConnに移った時期の両校の激突の試合です。

日曜日の339万人視聴というのは今季のカレッジバスケでは男女全体で第2位の視聴率。トップは感謝祭のNFL中継の後の時間帯に同じチャンネルで放送された男子のMichigan State x Arizona戦で、こちらはNFL中継の視聴からそのまま居残った視聴者を引き継いでのアドバンテージのもとでの数字だったと考えられます。ことその試合をTVで視聴するという引力ではこの日の女子の試合が今季一番強かった試合だと考えて差し支えなさそうです。当ブログでも何度かこの表現を使ってますが今季のカレッジバスケットボールで最大のスター選手は女子のCaitlin Clarkで疑いがないです。
今年はカレッジフットボールも突出した個人名がなかったし、それを含めてカレッジスポーツ全体とくくっても知名度は抜群なところまで上がったように見えます。


この調子だとIowa(新ランクでNo. 3)が勝ち進めば今週行われる女子のBig Tenトーナメントの試合や、本番のNCAAトーナメントも好視聴率を連発しそうです。昨年決勝戦で戦い因縁となったLSUもNo. 2 or 3シード近辺でNCAAトーナメントに入ってくるでしょうし、全勝最強のSouth Carolinaもいる(昨季はIowaが全勝South Carolinaに全米準決勝で勝利)のでその辺とIowaの再戦があればスポーツメディア的には煽りやすいでしょうし数字も出やすくなるはず。
ただ勝ち進めるかどうかはわからない。Iowaは昨年全国準優勝、今季も好チームですがフロントコートの選手たちは(有り体)どんくさい。また一昔前と異なって女子も全体の質が上がっていてNo. 1シード校がNCAAトーナメントで二回戦を突破できないケースが近年増えてます。

Caitlin ClarkはWNBA行きを宣言

昨日カレッジバスケットボールでは各地でシニアナイトが開催。最上級生たちが最後のホームゲームで表彰されたりする各競技での恒例行事です。これはカレッジだけでなく高校でもやります。カレッジでの競技資格をあと1年残していたIowa女子バスケのCaitlin Clarkはシニアナイト前日に今季がカレッジでの最後のシーズンであると発表済み。当ブログでも何度かカレッジに残ったほうが薄給のWNBAよりも収入の面ではいいのではないかということを書きましたが静かにWNBAドラフト入りの運びとなってます。

同じ境遇だったUConnのPaige Bueckersが既に同校のシニアナイトの前に「これは私の最後のシニアナイトじゃない」とカレッジ残留を発表済み。Bueckers辺りでもカレッジに残ったほうが得なら全国区の人気に育ったClarkならなおさらかとも思いましたがWNBA行きで決着のようです。

ということはWNBA側が危機感を持って裏から通常のWNBAのルーキーサラリー以外の大型の金額をオファーしたということなんでしょう。こうなってみるとWNBAが男子NBAの一部門であるというのが効いてるでしょう。WNBA自体が儲かっていないし別項で検討したようなカレッジ側がオファーできるであろう金額よりも大きな金額を張り込めるような資金力もないだろうし、Clarkに稼がせる企画力も持ち得なかったでしょう。でもWNBAの裏にはNBAという超優良スポーツエンタメ企業が付いている。今がピークと言って間違いないClarkの市場価値を鑑みて今季ClarkにWNBAドラフト入りしてもらうためにNBAが資金投入するのはビジネスセンスとしては良いはずです。
センスとしては良くてもWNBA単体だったら無い袖は振れないわけで、きっとNBA側からの援助ありで金額を積み上げてClarkのWNBA行きを確定させたのはPaige Bueckersのカレッジ残留が決まったあとだったかなと想像します。

この日のCaitlin Clarkはレギュラーシーズンの最終戦でNCAAの史上最多の通算得点に到達。女子のNCAA記録は既に抜いていて、この日は男子の記録であったPete Maravichの記録(3,667得点1967-70)及び男子2位だったAntoine Davis(3,664得点, 2018-23)を一気に抜いてます。
Pete Maravichとの比較はなかなかおもしろくて、私などにはIchiroがシーズン最多安打記録を出したときにGeorge Sislerの名前が浮上してきてSislerという人が何者だったかを知ったり当時の野球と現代の野球との環境や集計上の違いを学んだのに似てるかなと思い出させられました。Maravichの時代には3ポイントシュートもなくショットクロックもない時代。そこで試合平均44得点とかめちゃくちゃな数字で3シーズンで積み上げた記録です。

この日の相手はレギュラーシーズンのBig Ten王者となったNo. 2 Ohio State。Iowa@Ohio Stateでの試合は延長戦に行く激戦で、その試合は見ていて大変楽しめた試合でOhio Stateが勝利。そのリベンジ戦で昨日の試合ではNo. 6 Iowaが快勝しています。Clark自身のシュートは明らかに普段より下のできだったんですがでも終わってみれば35得点。

男子NBAも無風ではいられないNIL

フットボールシーズンが終わったことを示すアメスポイベントNASCARのDaytona 500の日だった日曜日。日曜午後のスタート予定で時刻的にもNFLの代替です。残念ながら雨天で早々に月曜4PMのスタートに順延となってます。
アメスポメジャーで天候で試合順延が頻繁に起こるのはほぼMLB。それに続いてモータースポーツでしょう。ボールが滑ったら打者の安全が、タイヤが滑ったらドライバーの安全が大きく損なわれるのでそれぞれ致し方ない。

フットボールシーズンが終わった代わりというこの週末にはNBAのオールスターもありましたが、NASCARのDaytona 500ほどNFLシーズン終了の翌週という日取りが長年固定定着していないせいもありDaytona 500ほど季節感はないです。
昔ながらの東西カンファレンスに分かれてのチーム分けで開催された今年のNBAオールスターは東軍が200点超えで圧勝しています。チーム分けはこれぐらい流動的な方が飽きがこなくて良いような。

NBAオールスターウィークエンドは毎度ながらナイスな小イベントが多く他のジャンルより楽しめる面があると思います。
同週末に行われたNBAコミッショナーAdam Silverの記者会見でおもしろい話題が出ていました。ファームリーグであるG-Leagueに参加していたTeam Igniteの存在についてNBAが再検討をすると明言しています。理由はNIL。

Team Igniteというのは2020年に始まったNBAのチームにまだ所属していない選手を集めたチーム。それがG-Leagueで各チームと契約を結んでいる若手選手たちと対戦しています。Igniteは高校を出たもののカレッジバスケに進まなかった選手を集めていて、プロとして一定の金額支払ってプレーしてます。
発足当時の思惑としては、それまでいわゆる1-and-doneと呼ばれる1シーズンだけカレッジに所属した後にドラフト入りする早熟型の才能たちがカネを稼げる形で1年NBAがお世話をするという意味合いもありました。

ざっとの話、NBAのドラフトには高校生が直接入れるルールの時期とそうでなく高校卒業後1シーズン後からドラフトエントリーできる時代とがあります。LeBron Jamesは高校から直接入っている。LeBronは高校当時から特殊才能とみなされていたので直接のプロ入りでも良かったのですが、そうでもないのにいきなりプロ側が才能を推測で判別して不安な多額の投資を毎年行うことを問題視する部分もあったし、カレッジバスケットボールというジャンルは人気も実力レベルも定評があってドラフト前のルーキーたちが既にカレッジバスケで知名度や実力や経験値を蓄えてくるのは決して悪いものではなかったこともあり、1-and-doneで1年だけカレッジに育てて貰っていた面もありました。

ただしプロ志向で1年だけカレッジに行くための学業成績で苦戦してしまう選手もいたり、カレッジで1年過ごすぐらいなら海外のプロチームに1年だけ行ってカネを稼ぎながらNBAドラフトを待つ選手が出たりといろいろ。そういう選手を拾うためにNBA側が設けた受け皿がG League Igniteだったという理解で良いと思います。

しかしながらIgniteが発足して間もなくカレッジ側ではNILが導入。今季が2シーズン目でカレッジ選手たちはカレッジに通いながらカネも公明正大に稼げるようになっています。選手によってはIgniteが保証しているサラリー以上に稼ぐ。カレッジバスケはG Leagueよりずっと人気がありますし、March Madnessという夢舞台もある。G Leagueでドラフトまで1年間腕を磨くのも良いですが知名度は上がらない。
などなどつまりはIgniteが2020年に発足したときと状況が変わった。だからNBAとしてもTean Igniteの制度自体を再検討するということをコミッショナーが言ったという話です。

カレッジ側のNILはバスケに限定された制度ではないのでIgniteの制度を狙い撃ちしたということはありませんが現実的にはタイミングはIgniteができて間もなくNILでカレッジ側が優良高校生選手をカレッジ側に呼び戻したという流れとも表現できます。

前項で女子バスケの方でNILでカレッジにいたほうが稼げる選手がかなり発生しそうだということを書きました。現象としてはそれと似たことが男子の方でも起こってるということでもあります。
NILというのは金額に決まった上限がないだけにこれからもお金の流入が増えて儲かる選手の数が増えたり、上位の選手の収入総額がもっと増える可能性もあります。WNBAのルーキー契約の金額だとか、G-League Igniteの選手のサラリーとか固定額でやっていたらあっという間にNILにまくられた状態と表現も可能でしょう。

WNBAよりBig Tenの方が払いが良いのではないのか

昨夜の女子カレッジバスケットボールの試合No. 3 Iowa@Maryland戦。IowaのCaitlin Clarkは今季最大のカレッジバスケのスター選手。今季は男子側に将来のスーパースター候補がいないため男女共通でもCaitlin Clarkが最大のスターと言って差し支えがない。

この日の@Marylandの試合は18,000人で会場のキャパシティ超の観客を集めて盛況。今季はIowa女子が行くところ満員の連続、各地の動員記録を更新しまくってます。この日はMarylandが第3Qに一気にIowaを抜き去るなど健闘したため最終盤まで好試合となり地元の客も応援ができて堪能できたはず。終盤に来てClarkの3ポインターで勝ち越し、そのままIowaが逃げ切りとなって遠路来場したIowaファンも満足の試合であったでしょう。Clarkは38得点。最後の最後にどフリーのレイアップを外して40得点を逃したのはご愛嬌。

この試合での得点を加えてキャリア通算3,462得点。NCAAの女子の記録では先週2位に浮上していて、最多記録の3,527点まで65点、新記録まで66点。今季の平均得点が33得点近辺なので平均を維持できると2試合後の最終盤に史上最多に達成可能という計算になります。
Iowaの試合予定は次戦がホームでPenn State(16勝6敗)、その次がアウェイ@Nebraska(14勝8敗)。@Nebraska戦はFOXが地上波で放送予定。この試合はまたアウェイでの動員記録を打ち立てそうです。
もしそこで記録更新を逃した場合次戦はホームでMichigan(15勝8敗)。記録更新がホームでもその前の@Nebraska戦でもこのMichigan戦では新記録達成のお祝いが準備されそうです。

@Nebraskaというと男子の方で今季好動員を記録した試合がありました。その試合のことはタイミングがズレて書き損なったんですけどNebraskaの日本人選手Keisei Tominagaが活躍して当時全米ランクNo. 1だったPurdueに完勝した試合。試合後は観客がフロアに流れ込んでお祝い。発表では14,106人動員(キャパ15,500)で大盛り上がり。でもClarkの史上最多記録を目指すことになる試合ではその数字を超えてくるかもしれません。


さらにCaitlin Clarkはそのさきで男子の方の通算記録も抜ける可能性があります。男子の記録保持者はPete Maravichで3,667得点。それとの差は205点。Iowa女子の今季の残り試合はレギュラーシーズンが7試合。その後Big TenトーナメントとNCAAトーナメントがあります。平均が33点近辺でそれをほぼキープするとレギュラーシーズンの最後の7試合でPete Maravichの記録に近いところに届くはずです。

女子のポストシーズントーナメントは下位チームとの力の差は男子より大きいので実力上位のIowaが初戦敗退する可能性は極小さくどんな少なくとも3試合ぐらいはポストシーズンをプレーするはずです。最大だとBig Tenトーナメントで3試合、NCAAトーナメントで決勝まで行くと6試合の計9試合のポストシーズン。Pete Maravichの記録も更新してNCAA記録を打ち立てる可能性はケガを除いては高いと考えて良いようです。

ちなみにPete Maravichという方は1960年代にLSUでプレー。この3,667点を3シーズンで叩き出した伝説の選手です。カレッジ在籍は4年ですが、当時の制度はカレッジの1年生は別枠のフレッシュマンのみ出場の試合でプレーしているためそのシーズンの記録はNCAA記録の3,667点に含まれていない。さらには当時は3ポイントシュートというルールも存在しないのでこの3,667点を2点シュートとフリースローで3年間、シーズンあたりの試合数もいまより少ない中で記録した隔絶した大記録です。


表題は先日もちょっと当ブログで触れたのですがプロのWNBAのルーキー契約の金額がとても安いのでCaitlin Clarkはカレッジの残った方が得なのではないのかという話。これだけ各地で満員の連続というのは大変なことです。
プロに行く場合既にWNBAのドラフト順は確定していてIndiana Feverが全体1位指名権を持ってます。このままプロ行きだとIowaからIndianaへ行くことになる。いっちゃなんですが田舎から田舎。WNBAのサラリーが一般人並に安い上にサラリー外での稼ぎも限られそうなIndianaに行くのはキャリア設計人生設計という面では周りにブレインがいたら止めてもおかしくないような。

現在Caitlin Clarkが行くところ各地でフルハウスの連続。女子バスケではBig Ten校でも入らない学校は2000人以下とマイナー。Big Ten14校(今季。来季から18校)の平均で5000人を超えるのは5校のみ。それがIowaが来る試合は軒並みフルハウスまたは動員記録更新なので、その動員増メリットだけでも楽々WNBAの安サラリー以上の経済効果があります。
Big Tenが女子スポーツの盛り上げのためにClarkの引き止めをしても勘定は楽に合っていそうです。このレベルの知名度のスター女子選手が次に登場するのはいつのことかは想像しがたく引き止めるのはアリでしょう。来季からBig Tenは拡張するのでClarkのIowa新加入の西海岸の学校に遠征するならそれはそちらでの女子スポーツのブーストにもなるという胸算用も可能です。

カレッジでは基本的に4年間のプレーが可能ですが、2020年のパンデミックがあってトーナメント部分がキャンセルになったこともあって当時在籍していた選手は当時のシーズンは可能年数にカウントされずもう1年プレーが可能です。Clarkも該当するので本人が望めば来季もカレッジでプレーすることはできます。

個人記録は今季ですべて塗り替えられそうなのでその点では残る理由はないですが、お金の面では来季のもカレッジでプレーした方が儲かりそうなんですよね。昨季はIowaはNCAAトーナメント決勝で敗退。今季もし優勝に届かなかった場合ならもう一年やる名分も立つ。

今季の彼女のインタビューを聞いていると明らかに昨季よりも喋りの技術が上がっていて女子バスケのプロモーションもあっさり風味で喋りに含めていて嫌味がない。Big Tenとしては立派にスポークスパーソンになれる。

WNBAの放映権契約は2025年まではESPNが保持。Big Ten校のカレッジバスケの方はFOXやPeacockが放映権を持っている。そちらの方が1年でもClarkを余計にキープできるならWNBAのサラリー分ぐらいは楽に支払ってくれるんじゃないですかね。
逆にWNBA側からすると慌てなくても1年遅れでは必ず加入してくるだろうし、放映権者のESPNにしてもあまりインセンティブがなさそう。WNBAのルーキーサラリーはCBAで決まっていますからいくらClarkが大物でも余分に払うということはルール上できない。よってカレッジ残留の可能性を残したままでシーズンを終えそうです。

Pac-12崩壊でのフットボール以外での影響

Pac-12の崩壊が訴訟に発展しています。Oregon StateとWashington Stateの2校のみが2025年以降もPac-12に残る見込みになっているわけですが現時点では脱退予定校もメンバーのうち。よってPac-12の現行の理事会では脱退予定校が多数派になってしまっている。脱退予定の学校と残留の学校ではPac-12の運営方針についての意向はまったく異なりますが今のままでは脱退予定校の意向が優先されてしまう。それを阻止するために残留2校が理事会議決の緊急差し止めを求めて訴訟を起こしてます。放っておくと脱退予定校が都合の良いようにカンファレンスの財産を分割したり脱退金を引き下げたり無料にしたりといった事を議決してしまうことを恐れての訴えです。当面の権利保全の申し立て。最終的な財産分割などは時間をとって別途の話合い、それで決着つかなければ別の訴訟ということでしょう。
緊急性のある事態、一度起こってしまったら善悪関わらず元に戻せない事態でやったもん勝ちを未然に防ぐために裁判所が使えるというのはアメリカの社会システムの良いところの一つではあろうと思います。

崩壊後に行き先が決まっている学校は先の見通しが立っている上にPac-12の財産分割などでも多数派を形成して有利。逃げ遅れた2校は身の振り方すら決まっていないのに貰えるはずだった脱退金もチャラにされてしまいかねない危機。以前にもちょっと指摘したPac-12 Networkというカンファレンス手持ちのTV局の権利も脱退予定校が勝手に解体してしまいかねない。

移籍する学校のうち遠距離カンファレンスに加わった4校(Big TenへUCLAとUSC、ACCへCalとStanford)にも悩みはあるわけですが、それはたかだか各スポーツのスケジュール・移動の都合とそれに伴う学生リクルートでの不利ぐらいです。すってんてんになろうかというWashington State/Oregon Stateとは切迫感が違う。


カンファレンス再編の動きは全てフットボールが理由です。巨大なマネーマシンであるカレッジフットボールの稼ぎ出すお金で各校はスポーツ部全体を運営しています。他の競技の都合は二の次三の次。

その肝心のフットボールは週末土曜日が試合のほとんどですし巨大カンファレンスの西の飛び地となった各校は遠征は大陸横断の長距離になるわけですが、Pac-12内で戦っていたときも飛行機で移動していたわけです。Pac-12南のアリゾナ州から北西部の学校へアウェイに行くのは飛行時間だけで3時間以上かかっていたはず。大陸横断移動となれば4時間5時間のフライトとなりますがその差は大きくない。専用機でノンストップで行くわけですから機内での睡眠時間が2−3時間長くなるぐらい。日帰りでの遠征でしょうから時差もさして問題にならないと想像できます。それもせいぜい年4試合といったところのはず。

問題は週中の試合もあるバスケおよびマイナー競技の方。言われているのは1度の東部遠征で転戦2−3試合を消化する形にするというものです。ただそうなってくると時差の影響もより出るし学業にも影響する。マイナー競技は犠牲になれってことで済む可能性がありますが、バスケはリクルート面で不利が発生するかも。バスケのUCLA男子やStanford女子などは名門と言えますがいびつなスケジュールを嫌う選手もありえます。UCLAバスケの将来の弱体化につながる可能性が否定できません。

フットボールには劣るものの男子バスケは各校ともカネを生む側ですが他の競技のほとんどはフットボールの生む巨大予算の受益者。例えばStanfordの女子バスケのような伝統校でも黒字になったとしても金額はしれている。Pac-12に限らず例をあげれば例の8万人動員のNebraskaの女子バレーボールチームとかLSUの野球などが地元の人気はなぜか高く単体黒字ですがそういうのは例外に属します。それ以下のマイナー競技ではコスト面ではフットボールが稼いできてくれるお金に頼って運営されている。よってマイナー競技にはこの問題に限らず発言権は低い。ないに等しい。


別の話として男子バスケのCBS Sports Classicはどうするんでしょうか。CBS Sports Classicというのは毎年冬休みの時期に行われる中立地での特別試合。参加校はBig TenからOhio State、SECからKentucky、ACCからNorth Carolina、Pac-12のUCLAの4校での固定メンバーで3シーズンをかけて総当りをするという企画です。それが今回の移籍騒動でUCLAとOhio StateがBig Ten所属になってしまったので企画側からするとメンバー校の入れ替えをしないと全米から強豪を集めたという感じにならなくなります。
KentuckyはSECから動く可能性はゼロですがNorth CarolinaはBig Tenの拡大のターゲットと目されることもあった学校です。今回ACCも積極拡大策に舵を切ったのでACCが草刈り場になる可能性は低くなったようにも見えますけれど最悪の場合CBS Sports Classicの参加校4校のうち3校がBig Ten所属となる可能性もなくはなかったってことでそんなことになったらCBS Sports Classicという企画自体が根本的な練り直しを迫られたはずです。
CBS Sports Classicは今の4校のままで2026年まで継続すると昨夏に契約更新してますからそこまではしかたなくそのままでしょうか。

なおCBS Sports Classicが創設時に真似をした元のChampions Classicは参加校4校は今回のカンファレンス再編で影響を受けていません。Duke(ACC)Kentucky(SEC)Kansas(Big XII)Michigan State(Big Ten)とバランスよくこちらはこれからも続いていきそうです。ひょっとしたらMichigan Stateを切ってOhio Stateに乗り換える可能性が弱あるかもぐらい。


さて別の話としてひょっとしたらPac-12崩壊から得が発生するかもという種目があります。ラクロスです。
ACCとBig Tenの西海岸への拡張でラクロスは西進の機会を得たかもしれません。
過去に紹介したことがありますがラクロスという競技は普及が国の東側に極端に偏っています。その過去記事を書いたのは2012年のことでその後はBig Tenでラクロスが正式種目として採用されたりと10年以上前からは勢力圏を広げていたわけですが。それが今回のカンファレンス再編でBig Ten所属となった西のUSCやUCLAがD-Iラクロス部の設立に動く可能性が出てきたと思います。Big Tenには男女ともラクロスが正式種目として成立しLos Angelesの2校が加わったことではからずも一気にDivision Iラクロスが西海岸に到達したことになります。
同様にACCにもラクロスが強いDukeやSyracuseがいるのでCalやStanfordも参入がありそう。カンファレンス再編ではラクロスや他のマイナー競技に発言権があったわけもないんですが結果的にラクロスという競技のアメリカ大陸西進というテーマが勝手に進展したことになります。

エリート校談義

少しコメント欄にも感想を書いたのですが今季優勝したUConnはエリート校なのか、近年冴えないIndianaはエリート校なのかというのはスポーツファンの間ではしばしば議論になることのようで、こんな画像がSNSで回ってきました。作成されたのはUConnの5度目の全米制覇前のことのようでこの画像ではUConnは4度優勝となってます。


Blue blood

Blue Bloodっていうのはエリート校の意です。左の5校がCertified確定、右の4校が疑問あり。左の5校はほぼ異論が出ない。出るとしたらUCLAに対してでしょう。近年UCLAは復活気味なので異論が出にくくなっているかと思いますが世紀が変わる頃は成績は怪しく優勝候補として絡めていなかった時期は長かったと感じます。最後の優勝から28年も経過してます。

さてUConn。この画像の作成時点では全米制覇4度で、左のエリート校として異論がないとされるKansasと同じ優勝回数。なぜKansasがエリート校とされてUConnがそうでないかというとここで挙げられている事項だとKansasがFinal Four進出16度に対してUConnは僅か6度、ここの差が大きそうです。Kansasは常に優勝候補でNCAAトーナメントでも勝ち進むのが当たり前のようになっているのが、UConnはそうではないしNCAAトーナメント進出すらできないシーズンも少なくないというところがイメージの差になっている気がします。

とは言え今回UConnが5度目の優勝をしてKansasの優勝回数を上回ったのは大きいです。あの常勝Dukeと同じ回数というのは偉業でしょう。うーんUConnがバスケのエリート校か。難しいところです。UConnの所属先がBig Eastっていうのもイメージ的に不利かもです。


ところでこのBlue blood 5校ですがものの見事に全部チームカラーが青色なのが偶然でしょうが面白い。薄い方から水色Carolina Blueからカリフォルニアの青い空のUCLA、そしてKentucky/Dukeまで濃淡はありますがみんな青。UConnが仲間入りしても地味な紺色なので青のうち。右の4校のうちで一番勢いがあるのはVillanovaなんですがここも青ですよね。

青色でない右側の学校ではIndianaは近年はすっかり目立たなくなってます。過去の実績は素晴らしいのですが。個人的にはKentuckyとIndianaの隣州対決の毎年の定期戦が消えたのはIndianaにとっては地味に痛手だったかに思います。当時全米最強のリクルート力で吹かしていたKentucky主導での定期戦の大会場でのビッグイベント化にIndiana側が異を唱えて定期戦自体が廃止。それが10年以上前2012年の話。当時の当ブログの記事を読んで記憶をたどってもIndianaの舵取りは疑問あり。

Indianaは他にも当時ビッグイベントに組み込まれる機会を逸している。カレッジバスケットボールシーズンの冒頭のビッグイベントであるChampions Classicの固定メンバー校としてBig Ten代表でMichigan Stateが組み込まれたことでIndianaはMichigan Stateにイメージで遅れを取ることになったと思います。Champions Classicが始まったのが2011年と、Kentuckyとの定期戦を失った時期と近い。
Champions Classicの参加校はDuke、Kentucky、Kansas、Michigan Stateと豪華。Michigan Stateは他の3校に実績で劣るながらもChampions Classicの固定メンバーになったことで大きなイメージアップを図れたと思います。その後リクルート合戦でもMichigan Stateの地位は向上しました。

さらにChampions Classicの成功を受けて遅れて2014年に始まった同タイプのイベントのCBS Sports Classicの固定の4校はKentucky、North Carolina、UCLA、Ohio Stateの4校。ここでもIndianaはイベント主催者からBig Ten代表として選ばれませんでした。IndianaではなくOhio Stateが参加。Ohio Stateがバスケで強豪だった時期はないと言っていいと思いますがそれでも主催者がIndianaよりOhio Stateを選んだ。CBS Sports Classicは当時Indiana同様古豪で過去の実績は疑いがなくても近年の成績はいまいちのUCLAを取り込んだのにIndianaは呼ばれなかった。ここまで続けざまにIndianaがビッグイベントから外れてしまったのはIndianaの側に何らか外部からは推し量りにくい問題があったかもなあと想像してしまったりもします。

大会場でのビッグイベントでの試合は学校側に金銭的なメリットがあるのとともに、リクルートでもその学校の魅力として語られるというメリットあり。その他にもポストシーズンでの大会場での試合の練習の機会という現実的な効果もあるとされます。大会場では背景が異なることで距離感を失う選手が発生するとされます。中立地での大会場の観衆の歓声にも馴れられるのも含めてNCAAトーナメントの時の準備にもなるとされます。

全米決勝戦は史上最小の視聴者数

この報道は若干ショッキングに思いました。UConnが5度目の全米制覇を成し遂げたMarch Madnessの決勝戦が史上最小の視聴者数を記録したと報じられています。前年比で15%減。
カードがUConn x San Diego State。前年はKansas x North Carolinaというエリート校同士の試合だったのでカード的には今年は落ちるのはわかりますがそれでも史上最小。それも前年はケーブル局であるTNT/TBSでの放送だったのに今年は地上波のCBSに復帰しての全米決勝戦なのにそんなに減るのかと。試合展開もUConnが前半から離してあまり魅力のある試合展開ではなかったですが。

史上最小と言っても1469万人と文字通りの桁違いの人数が視聴しているのでアメスポ有数のビッグイベントであるのは揺るがないのですがそれでも減ったらしい。
減ったとショックを受けるべきなのか、地上波放送でもないのに1700万人以上が視聴した前年が異常だったと考えるべきなのか。

ちなみに男子の決勝の前日に行われた女子の決勝の方は史上最多の990万人視聴だったようです。女子の方は試合展開は女子の方は優勢が期待された新スターCaitlin ClarkのIowaが大量差を追う展開でしたがそれでも史上最多なんですね。

UConn圧勝で戴冠

Connecticutが圧勝で5度目の全米制覇を達成。今大会の6試合全てを2桁得点差での勝利という勝ち方での文句なしの優勝です。もちろん調子のピークがここに合ったからの快勝の連続ではあるんでしょうが、一体シーズン中この層が厚くインサイドもアウトサイドも強いチームはどうやってBig East内で13勝7敗の4位タイの成績でしかなかったのかわからない。Big Eastトーナメントでも敗戦して今季の8敗はすべてBig East内での敗戦。

一昨日の全米準決勝でのMiami-FLもそうでしたが、今日の決勝戦のSan Diego StateもUConnの高さと長さを嫌がって自分たちのショットが打てずここまでの試合なら入っていたであろうショットが外れまくり、前半からシュート成功率が20%台。
San Diego Stateは粘り強く戦い終盤にかかるあたりで一時点で5点差まで迫りましたがそこまで。苦しいなりによく盛り返してUConnを寒からしめましたが及ばず、最後は17点差、全試合快勝の最終スコアとなってます。

これでUConnは現HCから数えて3代のHCが全米制覇を達成となってます。現HCがDan Hurley、前任がKevin Ollie、その前がJim Calhoun。
Calhoun時代に3度優勝。Calhoun勇退後のアシスタント上がりのOllieに代替わりしたときは期待感は薄かったと記憶してます。それがあれよあれよという感じでの全米制覇。しかしOllie末期はNCAAルール違反を問われてOllieは放逐、UConnは2シーズン分の勝利全剥奪。
ここでUConnはそのまま没落するのかと思われたのが今年のこの圧勝でのMarch Madness制覇です。5度目の全米制覇というとDukeとIndianaに並び、Kansasより多いのですから文句なしのエリート校のはず。でも私だけかもしれませんがUConnがDuke/Kansas/Indianaほどのバスケのエリート校って感じがしません。なぜでしょうか。優勝していない年でもDukeやKansasは常にトップに絡んでいるのに対してUConnはそうとは限らないからでしょうか。

現HCはDan Hurley。Dukeで全米制覇した名PG Bobby Hurleyの弟さんですね。Bobbyの方は現在Arizona StateのHC。選手時代はBobbyの方は栄光のキャリアでDanの方は兄との差に苦悩したという話をトーナメント中にもしているのが放映されています。

2年前にBaylorが優勝したときのHCがScott Drewで、Scottの弟はBryce DrewでValparaiso所属でMarch Madnessのスターとなった選手でした。ValparaisoのMarch Madnessでのブザービーター、ご記憶でしょうか。全国区のスター選手を兄弟に持った目立たなかった方が続けざまにコーチ業で大仕事をやってのけていることになってます。

今年も良いトーナメントでした。唯一ダメだったのは勝利チームがチーム名のプレートをトーナメント表に貼り付けるときにプレートが毎度毎度うまく貼り付かずに落下してしまったことです。何度も失敗しているのに改善されずに決勝戦までチーム名が落ちてしまうのは担当者・担当企業即クビで二度と採用すべきでないですね。納入したらそれっきりでしょうか。
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