アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

College Basketball

MLB開幕戦放送で一番驚いたこと

MLBシーズンが開幕。開幕日は(場所にもよるでしょうが)試合前も賑やかで良いです。

試合と直接関係ないんですけどNew BalanceのTVコマーシャルの選択にちょっと驚きました。New Balanceと言えば日本ではShohei Ohtani以外ないと思いますが、Detroit Tigers@Los Angeles Dodgers戦の放送のNew BalanceのCMはOhtani抜きのバージョンでした。
Ohtaniが出るバージョンでもOhtani以外の登場選手はバスケットボール選手だったんですが、この日のバージョンは全員バスケ選手。Ohtaniの代わりにフィーチャーされているのはCooper Flaggです。このバージョンはNCAAトーナメントなどで既に何度も目にしてるのでそれ自体は珍しくない。でも野球放送、それもDodgersの開幕戦でもCooper Flaggバージョンなんだーというのは意外でした。

Flaggについては先日書きました。今季夏のNBAドラフトで全体1位指名は確実だし現在のプレー内容ならプロに入ってもスターになることが期待できる。スターどころではなくNBAの顔になるスーパースター化も期待できる素材でしょう。素材と呼ぶには18歳の今現在でも完成度が高くて素材っぽくないんですがとにかくそういうFlaggのバージョンを使うんだなあと。

New Balanceはカレッジ選手としてFlaggとNIL契約、今季だけで$4.8 millionだとか。つまりプロとしての長大契約は今季終了後(もうすぐです)でNew BalanceがFlaggを使えるのはもう僅かの期間(かも)ということでMLBのディフェンディングチャンピオンのDodgersの本土初戦でもFlaggバージョン使用ということになったってところのようです。


ところで先日たまたま甲子園の選抜高校野球大会の試合を見かけました。春夏の甲子園の試合は以前から無料で海外から見られるようになってるんでたまに視るんですけど、たまたま見た試合が進みが遅くて、あれ高校野球ってこんなに進みが遅かったっけと思ったのです。牽制偽投を何度も繰り返していて、これだったらMLBの方が速いじゃないかと感じました。
MLBでは昨季から牽制球のルールが採用されああいう間を取るための牽制球がほぼ絶滅してます。一度サクサクに制度化したらもう絶対以前には戻れませんね。

88点取っても25点差で負ける試合

いくらなんでも入り過ぎだろうというNo. 2 Alabamaの猛爆ぶり。追うBYUも得点も挙げているし、ディフェンスも特にハーフタイム後は3ポイントラインの外まで思い切ってAlabamaの選手を追って脚も動いていてディフェンスが悪いとは言えないように思ったんですが、ばっかばか入るAlabamaのシュートの前に惨敗となりました。最終スコアはAlabama 113-88 BYU。NBAより8分試合時間が短いカレッジの試合で113点はとてつもないスコアです。

Alabamaのシュート成功率は53%, 3ポインター49%、フリースロー85.7%。チーム全体の数字がスーパースター選手のスタッツの数字を超えているという異常値での快勝。ハイスコアの展開に途中まではBYUも10点前後から離されなかったのは立派でしたし、バスケなんでどこかでAlabamaも外し始るはずそのときにどう近づけるか、かと思ったら最後までAlabamaのペースが落ちずに試合終了まで続いてしまいました。

これでAlabamaがこの地区の決勝戦でNo. 1シードDukeへの挑戦権を確保したことになります。Dukeの試合はこの後ですからNo. 4シードのArizonaが上がってくるかもしれませんが。

またAlabamaの試合の裏ではFloridaが序盤につけたリードをハーフタイムまでに失う苦戦をするも後半に再びつけたリードは失わずこちらも快勝。これでElite 8=地区決勝=全米準々決勝にSEC校が2校進出が確定してます。
今夜の残る試合は上述のDuke x Arizonaと、残っている中ではシード順の最も低いNo. 10 Arkansas x No. 3 Texas Techとなります。

MLB開幕日スケジュール

今年はサテライトTVプロバイダのDirecTVがTVコマーシャルで球春をテーマにしたバージョンをよく流しているのでMLBの開幕が近いことを意識しているスポーツファンは多いように思います。今日木曜日に14試合が行われて開幕。

14試合ということは28チーム。どこが欠けているかというとColorado Rockies@Tampa Bay Rays戦のみ翌日金曜日の試合開始予定となってます。Raysは例のホームのドームが昨秋のハリケーンで破壊されてNew York Yankeesのマイナー施設で今季を戦う予定。Yankeesが今日は3PMから全米の先頭を切ってESPNの全国放送で、その真裏にYankeesのマイナー施設での試合は具合が悪かろうということでしょうか。
Milwaukee Brewers@Yankees戦とBaltimore Orioles@Toronto Blue Jays戦が3PMの試合開始、あとは概ね4PMの枠で各地でプレイボールとなります。いまの時期はMLB本拠都市はまだ肌寒いところが多いです。New Yorkだと今朝の最低気温はほぼ摂氏0度。3PMというのは日本語で言うところの夏時間で1時間ズレてますので標準時で2PMに当たり、他の都市は3PMに当たる、つまり一日で一番暖かめの時間帯のプレイボールにしているってことです。

ざっとの話、MLBの開幕日(及び地元開幕日)は平日でも多くの観客が詰めかけ長かったオフシーズンの終わりとシーズン開幕を祝うことになります。逆に言うと開幕戦でも人が入らないようなチームは終わってる。

昨今はチケットの転売市場の価格を見るとその試合への需要の雰囲気がわかるわけですが、ずば抜けて安いのは@Toronto戦です。最近の急激な対米感情の悪化が影響しているんでしょうか。あとはPittsburgh Pirates@Miami MarlinsはMarlinsの地元不人気でしかたないのか。Piratesの先発はMLBの顔の一人であるPaul Skenesの先発予定試合ですがMarlinsの試合への需要の低さはそんな細かい部分の問題ではないのでしょう。

あとは初日からナイトゲームとなるAthletics@Seattle Mariners戦が安い。現地7PM開幕はこの試合とあとはChicago Cubs@Arizona Diamondbacks戦がそうですがArizonaはドームですし、フライオーバー用に開け放っても温暖な土地柄。開幕戦から寒そうな夜の試合とか。
MLBの采配で夜の枠にどこかのチームがいかなくてはいけなかったのでしょう。天気予報を見るとSeattleの7PMの気温はNew Yorkの夕方と変わらず激寒ってわけではないですが(但し小雨予報)、そのう、野球のシーズン開幕日は太陽の下でやりたいよね?という思い込みが私にはあります。そういう感情は少なからず共有されているんじゃないかと。それも@Seattle戦の需要に影響してるかもです。
相手のAthleticsですが、ESPN上の表記が都市名なしのAthleticsになってますね。今季は旧Oaklandから転出してSacramentoでホームの試合を戦う初年度です。

日本は既にDodgers支配下に入ってると思われますが、そちらは現地4PM(東部時間7PM)開幕。上述の@Yankees戦に続いてESPNでの全国放送になります。前年優勝チームで現地では優勝リング授与などの優勝関連行事がたぶんあるんでしょうしその様子をESPNは放映したくてYankees戦の4時間後の試合開始ってことでしょうか。
その時間帯にはカレッジバスケットボールNCAAトーナメントの三回戦の放送も他局で始まります。そちらは向こうが避けたのかカレッジバスケットボールのエリート校Dukeの試合は遅番の枠で、東部時間7PM台から行われるのはバスケでは人気が高いとは言えないBYU x Alabama戦が地上波CBS、ケーブル局でFlorida x Maryland。7PM時点では平均的なスポーツファンは落ち着いてDetroit Tigers@Los Angeles Dodgersを観戦できる環境かなとも思います。良い数字がでることを期待してます。

16強出揃い Big XIIの意外な健闘 SECへの評価は未確定

March Madnessの二回戦が終了。16強が出揃いました。カンファレンス別では選抜時に史上最多の14校が選ばれたことで注目を集めたSECが7校が生き残り。可能性としてはFinal FourをSECが独占する可能性を残してます。一回戦は全勝だったBig Tenは半減4校が16強進出。この2カンファレンスで16枠の11校を占めます。

それ以外はACCからDukeが二回戦で難敵と目されたBaylorを相手に完勝で進出。事前に注目されていなかったBig XIIからは4校が勝ち残り。Big XIIの常勝チームであるKansasがあっさり一回戦で消えているのに4校の16強入りは快挙でしょう。ただし4校と言っても以前からのBig XIIのメンバー校はTexas Techだけで、あとは移籍してきたBYU、Arizona、Houstonなので以前の感覚ではBig XIIが伸ばしているという感じは受けませんが。以上。

寡占ですね。トランスファーポータルが機能しているとミッドメジャーやメジャーカンファレンスの下位校から好選手がすぐに外に流れてしまうので寡占化は当然の帰結ではあるんですがMarch Madnessはその多様性が魅力のうちだったと思うのでこの傾向が続くのは将来的にイベント自体の魅力低下に繋がらないかは気になるところです。

バスケではメジャーカンファレンスのうちであるBig Eastは二回戦で全滅。昨日No. 1シードFloridaとの大激戦を繰り広げた末に敗退したUConnはディフェンディングチャンピオンらしさを残しての敗退で残念ではありましょう。最後の競り合い勝負どころで力強いプレーの連続で勝ちきったFloridaを褒めるべきでしょうが、UConnはNo. 8というシード順で二回戦で今大会の優勝候補筆頭のFloridaに当たるシードにされたのが不運。これもSEC選抜過多だった影響とも言えなくもないのかもしれません。SEC校が強いという判断でSEC校以外の枠が減りシード順でも割を食ったという批判はあって良い。その犠牲がUConnの早すぎるNo. 1シード校との対決につながったと。


シード順で眺めてみると16強は順当ならNo. 1-4の学校が並ぶはず。No. 4とNo. 5はほとんど差がないと考えてNo. 5までは順当な勝ち上がりと考えると、AuburnとMichigan Stateと同居する山である南地区でNo. 6 Ole Missが非順当な勝ち上がり。Floridaの山でNo. 10 Arkansasが勝ち抜き。Dukeの山でNo. 6 BYUが16強進出。2桁シード校はArkansasのみ。
もしSECが14校も選ばれず12校ぐらいだったらArkansasは足切りされていた学校でしょうからSECへの評価はなかなか難しいところです。

Arkansasは別項でも書きましたがバスケの名門エリート校であるKentuckyのHCだったJohn Calipariが移籍して初年度のチーム。Calipariが移籍するのを追ってKentuckyの選手がArkansasに移籍しているので才能レベルでいうとArkansasには通常来ないようなレベルの選手が在籍してます。それでもトーナメント出場が危ぶまれるレギュラーシーズンの成績に甘んじたのは主力選手のケガなどもあったせいで、その選手たちが戻ってきている現在のArkansasはレギュラーシーズンの成績やシード順以上に充実している可能性があります。HCのトーナメントでの経験値は疑う余地もないですし。

16強Sweet 16の好カードは全体No. 1シードのAuburnが高さのNo. 6 Michiganと対戦するSEC対Big Tenの直接対決と、SEC同士の対決となるNo. 2 Tennessee x No. 3 Kentuckyでしょうか。Kentuckyは終身契約をしていたJohn Calipariを(事実上)放逐しての初年度で16強に復帰。近隣ライバルのTennesseeの方が上位とみなされながらレギュラーシーズンではKentuckyが2戦2勝。上述のように前HCのCalipariを慕ってKentuckyから離れた選手が多数出て今季のKentuckyは全員が新加入だったのに16強に残ってきました。Kentuckyが二回戦突破=Sweet 16入りするのはパンデミック前のシーズン以来。

KentuckyがCalipariを切ることになったのはKentuckyがNCAAトーナメントで4年連続二回戦を突破に失敗したからです。2019-20シーズンはMarch Madnessがパンデミックで開催されず、Sweet 16到達は2019年以来。
同地はプロのメジャースポーツチームがなく、Kentuckyが唯一の地元のプライド。そしてKentuckyはバスケでエリート校でフットボールでSECの下位常連。Kentuckyバスケットボールこそ地元のスポーツ熱の中心で、そのため地元ファンの圧力が強烈です。それがパンデミック以降の4シーズンで一回戦敗退が2度、二回戦敗退1度。2022年にNo. 15 Saint Peter's Peacocksに一回戦で金星配給をしたのに続き昨季も無名校のNo. 14 Oaklandに一回戦負けしたので地元ファンにブチギレられてCalipariの転任に至ってます。
結果はKentuckyもCalipariの転職先のArkansasも16強進出なのですからwin-winということになります。

Calipari vs Pitino、最後の決着戦か

March Madness二回戦が今日から開始。組み合わせ発表当初からの選抜委員会の狙い通りにArkansasのHC John Calipari対St. John's Rick Pitinoの殿堂入りコーチ同士のライバル対決となったこの試合、激戦で期待以上の試合となりました。No. 10シードのArkansasがNo. 2 St. John'sを最終スコア75-66で下して16強へ進んでいます。

CalipariとPitinoは過去の因縁は山のようにありますが、NCAAトーナメントでの直接対決は過去4度で2勝2敗。但しそれぞれの2勝はKentuckyを指揮していたときの勝利。カレッジバスケットボールのエリート校であるKentuckyを指揮していたからそれぞれ勝ったようなもの。両者ともに都落ちとなりその落ち先を率いて言わばKentuckyブランドではなく自身の評判とリクルートで作ったチーム同士で戦うのは初のこと。その試合をCalipariが制したことになります。Pitinoは72歳。NCAAトーナメントの舞台でこの両者が直接対決するのはこれが最後になる可能性は高く、Calipariの生涯記録3勝2敗で決着か。

試合内容は激戦で大変楽しめました。今大会私が見た範囲ではベストの試合。両軍とも3ポインターが入らず(元々両チームとも成功率は低いチーム)また主力選手の反則が嵩んで選手の出し入れに工夫が必要となるコーチの腕がものを言う試合展開だったのもこの両名コーチの決着戦にふさわしい展開だったかと思います。

最終的には9点差となりましたが終盤までどちらも点差で離される時間帯がなく、プレーも激しい。二回戦がこのカードになりそうだとなったときには選抜委員会がやりたい放題だなと書いたのですが、それにまんまと乗せられて私も楽しんでしまったというわけです。この辺もアメスポらしさなんでしょうね。日本だと完全無作為のくじ引きで甲子園の高校野球大会をやるのが正当だと感じる日本の方からしたらこの意図されたエンタメは違うという意見も出るのかもしれません。

Arkansasが勝ったことで一回戦で苦戦したSECからまず1校16強進出が決定です。二回戦が始まる前の時点でSECは出場14校が8勝4敗で8校残り。Big Tenは8校出場で全チームが一回戦を勝って8校二回戦へ進出で数でSECに追いついてます。
二回戦には全部で32校勝ち上がっているわけですからSEC8校とBig Ten8校でそのちょうど半数が占められていることでもあります。

史上最多選出のSECの初日

NCAAトーナメント史上最多14校が選出されたSECですが、初日苦戦が続いてます。正確にはFirst Fourで既にTexasが敗退してるんで64校ラウンド=一回戦が始まる前にSEC校は13校に減っていました。

迎えた一回戦初日ですが全体No. 1シードのAuburnは勝ち進んだものの、No. 9 GeorgiaがNo. 8 Gonzagaに早い時間帯に惨敗。これがイメージが悪かった。No. 8&9の試合なんですからどっちが勝ってもおかしくないですが序盤に大差をつけられてそのままでしたから。さらに夜の試合でNo. 6 MissouriがマイナーカンファレンスのNo. 11 Drakeに最後競ることもできず逃げ切られてアップセット敗戦。

SECから出場して勝ったのは上記のNo. 1 Auburnの他No. 2 Tennessee、No. 4 Texas A&M。初日の目玉試合となっていたプライムタイムのNo. 7 Kansas x No. 10 Arkansas戦、期待に違わない好試合でArkansasが下位シードから勝ち抜き。
First Fourを含め〆て4勝3敗。ぎりぎり及第点のうちなのかもしれませんが大量選出でシードが甘めになっていてそれで4勝3敗は14校の大量選出を正当化するには弱い。

14校も選ばれたんだからFinal Fourに1校進んだぐらいでは正当化できない2校行ったら納得するファンも増えるかなという感じではあります。

明日の一回戦のカードではFirst Fourから勝ち上がってきたACC所属No. 11 North CarolinaがSECのNo. 6 Ole Missとの対戦が注目でしょう。
今季を通して「SEC最強!」と喧伝され、同時に「今季の名門カンファレンスACCは過去最弱ではないか」と言われ続けていたわけです。その評判は本当だったのか?という証明ともなろうかという試合です。SECが全体が最強だからという理屈でカンファレンス内で勝ったほぼすべての試合がQuad 1の勝利、負けても弱い学校には負けてないという理屈になってSEC校の選抜に向けての評価が底上げされた。逆にACCは弱いとみなされたためNorth CarolinaはQuad 1の勝利が1つしかないとされて落選させかけられたという経緯でした。結果はFirst Four行きでNorth Carolina史上トーナメントシードでは最低位置での当選。

カレッジバスケットボールのトーナメントの一発勝負の良いところは強いはずとか言っても逃げも隠れもできない。実際に他カンファレンスの学校に勝ち続けるしかないことです。First Fourで完勝で上がってきたNorth CarolinaをOle Missが抑えきれるのかどうかはシーズン中の評判がどれほど正しかったのかの答え合わせのような試合でしょう。

フットボールだったら「SECが強いから」というのを思い込みだと否定しきれないし他カンファレンスと勝負をする機会も限られますが、バスケで突然今年SECが最強と言われて大量選抜されてもちょっと。証明してもらわないとなぁと。
その辺のセンチメントは私の個人的な意見というよりはファンに共有されているようで私の使ってるトーナメント予想の大手サイトでもFloridaは全体で優勝に推す人が多いのですが、選抜委員会が全体No. 1だと強調しているAuburnの優勝人気はDukeやHoustonを下回りはっきりとNo. 1シードの4校では最低人気。

Floridaが人気なのはESPNの解説陣がこぞって推しまくってるのと、Gatorsが全米二連覇したときの記憶が残ってる人がまだかなりいるからでしょう。2005–06 / 2006–07のことです。SECでバスケというとKentuckyが抜けた名門でSEC内にライバルらしいライバルはずっといなかった。あのFloridaの二連覇のときはかなり鮮烈でした。あのときは同時にGatorsはフットボールでも強かった時期に重なってました。

つまりはですねSECの地元や選抜委員会がどう推そうと全国区ではSECへの信頼はまったく足りてない。AlabamaがNo. 2シードとか言われてもホントかよ‥的な。No. 1やNo. 2シードに選ばれればさすがに一回戦はリスクは低く勝ち抜いてくるでしょうが、二回戦以降本当に14校選抜の評判は過大評価ではなかったと胸を張れる成績を残せるか。

NITから辞退校が続出 なにかが変

NCAAトーナメントの68校が決まったあとに、残りの学校が32校制のNational Invitation Tournament(NIT)に出場するのもこの時期の恒例なのですが、今年は出場辞退をする学校が続出してNITの32校がマイナー校ばっかりになってしまってます。かなり異例の事態と言って良い。なにか変なことが起きている可能性があります。

NITには自動的に出場できる学校がいくつかあります。マイナーカンファレンスのレギュラーシーズン王者校がそれに当たる。救済の意味もあってそういうルールに10年ぐらい前だったかNITがNCAAに吸収合併されたときにそうなってます。それ以外にメジャーカンファレンスでNCAAトーナメントを逃した学校に出場枠があるんですが、それらの学校がことごとく辞退。その結果今年のNITの出場32校のうちにメジャーカンファレンスからはACCが3校(Stanford、SMU、Georgia Tech)とBig XII 1校(Oklahoma State)の4校のみ。他のメジャーカンファレンスは出場しない。SMUなんかはつい最近ACCにマイナー側から加わったばかりでメジャー側に勘定して良いのかどうかすら迷うぐらいの寂しいNITの出場校の顔ぶれになってます。

SECは前項で書いたように史上最多の14校出場。その残りとなったLSUとSouth Carolinaに枠はあったのですが出場辞退。Big Tenからは最後の枠争いに敗れて選出されなかったIndianaを始めNorthwestern、Rutgersが出場辞退(Rutgersはちょっとわかる。2人もNBAドラフトトップ10指名候補選手がいるのでケガをさせてもいけないので)。Ohio Stateは誘われもしなかったのか辞退報道すらない。バスケではメジャーカンファレンスとみなされるBig Eastの各校(Georgetown、Butler、Providence、Villanova)が揃って出場しない。
Villanovaは昨年までは出場していたんですが今年は出ないっていうんですからなにか事情が昨年と変わっているはず。それはなんなのか。


3年前まではNITは準決勝と決勝戦はNew York Madison Square Gardenで行われていました。世界に名だたるMSGで試合ができるというのが選手の意欲のインセンティブになっていた面はあったのですが、それがいまは変わってます。今年は昨年に続いてIndianapolisでの準決勝決勝の予定。ひょっとして学校側にとって愉快でないなにごとかが昨年の大会であったのかもしれません。なにかなければこんなに大量の辞退校が出るのは不可思議です。

IndianaはギリギリでNCAAトーナメントへの出場を逃したという事情があり、変な勘ぐりをするとNCAAがNITのチケットを売りたいのでIndianaをNITの出場の方へ誘導したと判断してIndiana側が怒ってNITへの出場を拒否したというのはどうでしょう。ありうるかどうか。
他ではButlerはIndianapolisの学校なので地元での出場になりますがこれも出場辞退。今年のNITはめちゃめちゃ地味な大会になりそうです。動員でも敗北となったりするんでしょうか。

あとあり得る可能性としてはここ1ヶ月ぐらいになって急によく言われるようになってきたNCAAトーナメントを近い将来に76校に拡大するとかなんとかいう話が影響しているのでしょうか。現在の68校制から76校にするってことはあと8校増やすってことです。今回NITを辞退した学校がざっと15校ぐらいあるようなのでもし本当に76校にすると今回のNIT辞退組の半分ぐらいはNCAAトーナメントに含まれる。そうなるとNITはもうその役目は終えたに近く、今年のようにマイナー校しか出場しない大会となりそうです。

NCAAトーナメントの拡大案は何年か前に観測気球を上げたところ世論から大バッシングを受けて早々に引っ込めた経緯があります。

やりたい放題の組み合わせ

すごいMarch Madnessの選抜になりました。SECから14校出場です。やりたい放題ですね。過去の1カンファレンスからの最多出場は11校。今季のSECは強いという話はシーズン中から散々聞かされていたので新記録は出すんだろうなあという気はしてましたが発表の順で最後にArkansasが加えられて14校に。

前項で当落線上とした中ではIndianaが落選、代わってTexasとNorth CarolinaがFirst Fourに登場へ。今回の選抜委員会のトップはNorth Carolinaの人なので「えーお前ら私情で‥」と当然ケチが付くところ。ご本人の言い訳によれば最後の4校を決める段階ではトップは退室して選択に関わっていませんということでした。

14校もいるとばらけさせるのも簡単ではなく、二回戦でSEC校同士の対戦となる可能性のあるところも出てます。あまり早くトーナメントでSEC校が敗退すると選抜の偏りが批判されることになることもあるでしょう。Midwestの一回戦Gonzaga x Georgia辺りで負ける

他でやってくれるなというのは発表の最後の部分。西地区一回戦でKansas x Arkansas、勝者はNo. 2のSt. John'sとの二回戦が見込まれます。これ、Arkansasに元KentuckyのHC John CalipariがKentuckyでリクルートした選手を連れてArkansasに移動しているので、Arkansasというのは疑似Kentuckyなのです。なのでこの一回戦はKansas x 疑似KentuckyというBlue Blood(バスケのエリート校の俗称)同士の対戦となります。でもし二回戦にArkansasが進んだらCalipari対Rick Pitinoの因縁ライバル対決っていうことになるんですよね。

CalipariとPitinoはいずれもKentuckyのHCとして全米制覇に成功。カレッジからプロNBAに行って失敗した時期もほぼ同じでその前から因縁は長い。PitinoはKentuckyの州内ライバルのLouisvilleのHCに就任したこともあったりとにかくこの2人は因縁が濃い。その2人が上位常連の学校から都落ちしたのにまた再び来週末に直接対決する可能性があるとか、明らかに選抜委員会は狙ってる。やりたい放題だなあという感想になります。

全体のNo. 1シードはSECのAuburnですが、だからと言ってAuburnを優勝に推す人は少ないはず。Auburnの南地区はNo. 2シードになったMichigan StateをFinal Fourに推す人が多くなるのは必定に見えます。この山はNo. 3シードのIowa Stateの主力選手がケガで出場できないという情報が回ってきておりNo. 2 Michigan Stateにとってはより有利な組み合わせです。

上で触れた西地区はNo. 1シードがFlorida。Gatorsは今年は良さそうです。連覇以来の全米制覇のチャンスでなかなか良い山を引き当てたように見えます。二回戦は前年チャンピオンのUConnとの対戦ですが。

Dukeの東地区はハイスコアリングチームが多いのがどうなるか。Dukeがそれらの爆発力のある他校を抑えてFinal Fourに到達できるかどうか。その過程でNBAドラフト1位指名確実のCooper Flaggがどんなプレーを見せてくれるか期待です。

中西部地区はNo. 1 Houstonが二回戦でGonzaga x Georgiaの勝者との対戦。その先はACCで唯一Dukeに勝ったClemsonがSweet 16での相手か。中西部地区の下半分はSECのNo. 3シードKentuckyとNo. 2 Tennesseeのつぶしあい。楽ではないにしてもHoustonのFinal Four行きへの視界は悪くないように見えますね。

Selection Sunday

春のアメスポ本番March Madness = NCAAトーナメントの組み合わせ発表が今日。男子が夕方。女子の分はその後。今年は女子の方は静かです。

DukeはCooper Flaggが足首をひねって退場後もFlagg抜きでACCトーナメントに優勝。Duke陣営はFlaggはNCAAトーナメントには出場すると強調して組み合わせで不利になることを口頭で牽制していました。ただよーく聞いていると「次週(NCAAトーナメント)は出場できる」とは何度も言ってるんですけど一回戦から出場するとは言ってないんですよね。私の目の通せる範囲内で一回戦から出るとは誰も一度も言ってない。

NCAAトーナメントの仕組みではNo. 1シードになると一回戦の相手は弱小カンファレンスのチャンピオン=自動出場枠の中でも一番弱そうなところと当たります。既に今週ACCトーナメントで証明した通りDukeはFlagg抜きでも(さらにももう1名ケガをしたMaliq Brownも抜き)ACCの上位校に勝てる。ということは弱小校相手の一回戦は大事をとってFlagg温存という可能性もあるのかもしれないと読むこともできます。

トーナメント開始はDukeのプレー場所が地元ノースカロライナ州Raleighであれば金曜日から。Flaggは一回戦を回避、二回戦からが本番という風になるかもしれません。その場合は次の日曜日まで出場しないということになり、他の山に振り分けられて木曜日からトーナメント開始になるのと比較すると3日も余分に休養調整ができるということになります。二回戦になるともうそこから先はカレッジバスケの特性からなにが起こるかわからない。Flaggが出場回避するつもりでないなら必ず出場するでしょう。


最終組み合わせが発表になる前の段階で名門North Carolinaはぎりぎりでの落選が予想されています。Flagg抜きのDukeに敗戦して今季対Duke3戦全敗。他にもTexas、Ohio Stateといった各州のマンモス旗艦校もぎりぎり落選が予想されてます。カネは全米最大級に持ってる両校なので裏に手を回しての工作なんかあったりするのか想像すると楽しいです。

逆に最終週になってぎりぎりでFirst Four出場に割り込んだかと言われているのがIndiana。2週間ほど前にトップ10校のMichigan Stateをアウェイで屠った試合を見ていたんですが、なかなかハマると怖い相手でトーナメントに出場したら意外と勝ち込むかもしれません。Big Ten内でOregonにシーズン末に2連敗しているんですけどあれはOregonのサイズにやられた感が強い。Indianaは同じく大型選手を2枚揃えたMichiganにも敗戦していて対戦相手との相性次第で結果が変わりそうです。

Indianaと同じくFirst Four行きが予想されるXavierはFirst Fourの会場から近いので組み合わせが決定するとこれらの学校のファンがFirst Fourのチケットの転売価格を跳ね上げるかもしれません。
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