アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

College Basketball

1.8% !!! MavericksファンはこれでLukaのトレードを忘れられる

NBAドラフトロッタリー、全体1位指名権を引くのは1.8%の確率だったDallas MavericksがCooper Flaggの指名権を引き当ててます。これはすごい低確率のところが大物ルーキーを引き当てたことに。これはすごい。ロッタリーに参加した14チーム(指名権のトレードなどありで実際は14チーム以下)中、11番目の確率だったのに。

文字通りのくじ運なので時には低確率のところが上位指名権を得ることはありますが、10年に一度以上の才能であろうスーパールーキーが出てくるドラフトでのこの事態は盛り上がります。

シーズン途中のLuka Doncic放出で散々叩かれていたMavericksの上層部もこのオッズをひっくり返してのスーパールーキー獲得で文句なしで次の時代へ進むことができそうです。Lukaの放出、ケガがちのAnthony Davisの獲得、Kyrie Irvingの欠場など元気のなくなる話題ばかりだったと言えるMavericksですが、これでファンも気を取り直して次の時代を期待する気になれるでしょう。


新教皇で湧くNotre DameとVillanova

新教皇が初の米国人となってます。出身地がシカゴ郊外で、学位はVillanovaから数学専攻で得てるとかで、アメスポがらみではカソリック校の中心であるNotre DameとVillanovaの出身者は意外なニュースで盛り上がってます。

カレッジフットボールの名門Notre Dameはインディアナ州にありますがシカゴとは車で2時間かからないご近所、シカゴにもNotre Dameファンは多いです。米国内には多数のキリスト教校がありますがカソリックに限ると数は大きく減ります。アメスポ的にはNotre Dameがカソリックの総本山の存在です。
Notre Dameには通称Touchdown Jesusという壁画が校内にあります。両手をあげているのでそういう通称になってますが、もし将来新教皇が米国訪問してNotre Dame方面に行くなら当然Touchdown Jesusポーズが期待されるんでしょうね。

米国出身ですがペルーで長年ミッションに入っていたそうで現時点で米国とペルーの二重国籍。よく存じませんが教皇になったのですからバチカン市国の国籍も得るのではないかと想像できます。アメリカに行く場合はパスポートはバチカン市国のものになるのか。原則的には重国籍者は当該国に入るときはそのパスポートを使うべきというのがあるはずですが、立場が特殊なので原則は曲げてバチカン市国のパスポートで入って来るであろうことが想像され、よって上でも米国への訪問という表現にしました。

Villanovaの方は新教皇が卒業生。バスケの強豪校。NBA New York KnicksのVillanova出身3選手やMinnesota TimberwolvesにKnicksから移籍したDonte DiVincenzoがVillanova出身選手。彼らはまだプレーオフに生き残ってるので「新教皇と同じ学校の出身となったことについて」みたいな答えようのない質問が飛びそうです。
DiVincenzoのWolvesは今夜試合。Knicks(Jalen Brunson、Josh Hart、Mikal Bridges)の方は土曜日まで試合がありません。Wolvesは1敗後の第2戦。相手のGolden State WarriorsはエースのStephern Curryが最低一週間欠場とのことで必勝のホームでの第2戦。DiVincenzoはこの話題のおしゃべりでは好ポジションです。

GatorsのMVPはフットボール選手

小ネタですがおもしろいなと思ったのでFloriga Gatorsの優勝のついでに。Final Four's Most Outstanding Playerに選ばれたGatorsのG Walter Clayton Jr.が実はフットボール選手だったという話を。

Clayton Jr.は試合のほとんどの時間帯にHoustonディフェンスに高い位置で張り付かれてボールを手放さざるをえず前半無得点。この日の最初の得点(フリースロー1点)が入ったのが後半5分過ぎ。最初のフィールドゴールが入ったのは試合時間が残り8分を切った時点。これが前の記事で書いたHoustonのビッグマン2名が4ファール目を喫して相次いでベンチに下がった時点であり、試合の流れが変わった瞬間です。

Clayton Jr.がHoustonがスモールラインナップになったところを見切ってゴール下へ切れ込んでこの日の初シュートが決まった上にand 1、同点。その次のGatorsのポゼッションでも同じように突っ込んでこれもand 1。試合の状況が一変しました。今大会、Gatorsが接戦の勝負どころに常にクローザー役としてクラッチシュートを決めてきたClayton Jr.がそのクラッチぶりを発揮して、最終的にはこの試合11得点。NCAAトーナメントのMVP表彰は上述の通り「Final Four's Most Outstanding Player 」賞であって準決勝決勝を通しての活躍に対して与えられる。決勝の前半は完封されても勝負強さを発揮、準決勝では34得点を挙げていたのもあって決勝は11得点でも文句なしのFinal Four's Most Outstanding Player だったと思います。

Clayton Jr.は高校生のときにGatorsやAlabamaにもリクルートされていたのですがIonaに進学したという選手です。但しFloridaやAlabamaからはフットボール選手としてリクルートされていたっていうんですね。ポジションはセーフティ。Floridaはともかくフットボール最強のAlabamaからリクルートされていたならフットボール選手としての評価は高かったのでしょう。それでもバスケでIonaに行ったというのですからバスケを優先したという意味なんでしょう。
Ionaでは現St. John's HCのRick Pitinoの下で2年プレー。

フットボール選手だと言われるとあーなるほどなあと思います。フットボールやってきた選手はバスケのコンタクトなんて取るに足りない接触でしょう。

激戦を制してGators Houstonは最後のショットを打てず

NCAAトーナメント決勝 Floriga Gators x Houston Cougars。Cougarsがタイトなディフェンスで試合の主導権を握りながら後半9分ごろに2名のフロントコートの選手が相次いで4つ目のファールを食ってスモールラインナップにいかざるを得なくなったところで流れが変わりました。

それまで1得点と完封されていたGatorsのクローザーWalter Clayton Jr.がレーンに切れ込んでand 1を連発したところで同点。その後もClayton Jr.は3ポインターも1本決めてぎりぎりのせめぎ合いで存在感を発揮してます。
46秒残りで再びHoustonのF Joseph Tuglerが反則で5ファール=退場。これがボディブローになってGatorsに試合が傾きました。高さが削られたのとともにFloridaがフリースローが2本の域になってFloridaの逃げ切りが楽になりました。接戦での逃げ切りのときが1-and-1と2ショットでは緊張感がまるで違う。

最後の最後はFloridaの2点リードでHoustonのポジション。19秒残っていたので時間はたっぷり。2点シュートで同点、3ポイントなら勝利。この条件がね。2点取って同点で時間を残すとGatorsの次のポゼッションが同点での勝ちまたは延長戦と完全に主導権を握るポゼションになるというのを考えすぎたかHoustonが早く攻めなかった戦術が裏目に出たことになります。

Floridaの方はそれを知っていて残り時間が10秒近くなってからはチーム全体が果敢にアウトサイドシューターを3ポイントラインの外までタイトに追ってHoustonに形にさせず。つまりはその辺まで19秒残り時点にHoustonが取ったタイムアウトのときにGators側では指示が行き届いていたということでしょう。Houstonがラストショットを狙ってきたら思い切って追えと。Florida側のコーチングを評価すべき。
その辺までの先の先を読みきれずに19秒あるのにインサイドへのパスを自ら放棄して時間を消費してしまったHoustonの敗戦は致し方ない。

しかし最後のトラベリングになるからボールに触れない、という幕切れはNCAAトーナメント史上長く記憶に残るugliest finishとなることでしょう。最後のターンオーバーでシュートを打つこともできなかった自軍の最後を呆然と見守ったHoustonのHC Kelvin Sampson 69歳。最後の全米制覇のチャンスが指の間をすり抜けていった瞬間でした。

試合前のインタビューでKelvin Sampsonが「(就任当初には)リクルートに行っても良い選手が誰も来てくれなかった。キャンパス内でも注目が低くて(在学生だった)うちの娘がバスケチームの宣伝をするためにバンドを組んで宣伝したり」など苦労話をぽつぽつとしてたんですけどね。同校での在職11年でついに来た全米制覇のチャンスがこの形で終わって、あの呆然の表情もわかります。OklahomaのHC時代から知ってますがラストチャンスをものにできず。

ただ、3ポインターが当たってるわけでもないのに時間もあるのに時間消費して3ポインターで一発勝負に賭けるのはそもそもが確率が悪い戦術なんでSampson HCの指示を是とはできません。それは明らか。好3ポイントシューターの頭数の揃ってるNBAならともかくカレッジではそれはよほど当たってる選手なりとっておきのセットプレーでもなければ戦術選択としておかしいんですよね。


ところで試合後の恒例のOne Shining MomentですがNorth Carolina映り過ぎではないですか。1回戦で敗退したチームですよね。選抜委員会の委員長がNorth Carolinaの運動局長で、North Carolinaを無理やりトーナメントに押し込んだところから怪しかった。最後のOne Shining MomentまでNorth Carolinaに忖度でしょうか。(すみませんもう一回見直したところNorth Carolinaは2場面だけで前の方のはカラーが似てるだけの別の学校でした。けど1回戦敗退校がビデオの後半に出てくるのは違和感残ります。)

最後のボールに触れない状態になったHoustonのEmanuel Sharpがしゃがみ込んでる姿もOne Shining Momentに含まれています。実際の試合では頭を抱え込んでる彼のところにGators側のWalter Clayton Jr.が仲間と喜び合うのもそこそこに慰撫にきていて根っからのリーダー気質なのかなという感じでした。

Duke逆転負けで決勝進出を逃す 決勝はFlorida x Houston

ほぼ試合を通してリードを保っていたDukeが終盤に失速、Houstonが差し勝ちでNCAAトーナメントの決勝に進出してます。最終スコアはHouston 70-67 Duke。残り2分ぐらいまで10点差前後がずっと続いていたのですがHoustonの粘りは称賛されるべきでしょう。

Duke側から見ると前半Houstonディフェンスを崩していた場面が多かったのにレイアップを多く外したり、今季チームとして得意としていたPF/C Khaman Maluachへのロブパスやアーリーウープがまったく機能せず一気に点差を広げられる機会をものにできなかったのが痛かった。今季のDukeは圧勝が多く粘るHoustonを突き離せていなかったのが最後の逆転敗戦への伏線となりました。2分以下残りで10点差ぐらいまだあったはずですがそれでも足りず。

HoustonはDukeオフェンスを止めきれなかったもののチーム全体の高さ、腕の長さが効いてDukeにペイントエリアに侵入されても得点にさせなかったのが効きました。他の学校ならあれでボロボロにされていたはず。Dukeもカレッジでは十分にサイズは高いチームなんですがそれでも崩しきれなかったHoustonディフェンス。

最後の勝負どころでDukeオフェンスを連続でストップさせ、30秒強残りで3ポインターで3点差、その直後のDukeのゴール下からのインバウンドがターンオーバーとなってHoustonダンク1点差。次いだDuke側がフリースロー1 and 1の1投目を外したのが結果的には致命傷。Houston側は2本決めて逆転。

3点差のインバウンドの時点でDukeはタイムアウトが残っていたんですが使わずにそのままインバウンドプレーに行ってのあの失敗は後悔が残る。今季Dukeが圧勝続きだった弱点が露呈したってことにもなるんでしょうね。エンドゲームの経験値不足。これ、HCも含めてですね。フリースロー合戦に負けての逆転負けはオフシーズン中ずっと胸につかえるような負け方。

Houston側はOBのHakeem Olajuwonが会場に陣取り応援してました。

ちなみに同日にLas Vegasで開催されていた新トーナメントのCollege Basketball Crownを見ました。NCAAトーナメントのFinal Fourにかぶせてそちらも準決勝だったのですが会場が数百人レベルの本当のガラガラで選手たちが可哀想でした。地元客にも遠征客にもそっぽを向かれた状態。別項のコメント欄でも書きましたが私はその新トーナメントの開催自体を教えていただくまでまったく関知しておらず米国内のスポーツファンに向けての宣伝告知に失敗していたと思われます。来年以降の継続開催が危ぶまれます。

4校ともNo. 1シードなのは史上二度目

Final Fourが出揃いました。NCAAトーナメントも準決勝決勝を残すのみ。準決勝はSEC同士のAuburn x Florida。もう1試合はDuke x Houston。それぞれ地区のNo. 1から勝ち抜いています。No. 1シード4校が揃ってFinal Fourに残るのはトーナメント史上2度目とか。

前回No. 1シード4校のFinal Fourとなったのは2008年の大会。当時のNo. 1=Final FourはNorth Carolina, Kansas, Memphis, UCLA、当時の所属先で言うとACC、Big XII、Conference USA、Pac-12。今季カレッジバスケットボールの中心となったSEC校は16強に1校のみ。
2008年大会は無名ノーマークのNo. 10シード DavidsonのStephen Curryという選手がNCAAトーナメント速いモーションから3ポインターを決めまくった大会でもあります。DavidsonはNo. 10ながらElite 8まで勝ち上がり、最終的にこの大会を制して優勝するNo. 1 Kansasを相手に59-57で惜敗して敗退してます。当時の無名選手Stephen Curryの記事は今読むと感慨があります。
Kansasの方はMario Chalmersが残心の時間切れ間際の同点→延長戦行き3ポインターを決めた名場面のあの年です。決勝でKansasに逆転敗戦したMemphisはJohn Calipariが率いてDerrick Roseがいたとき。

というわけで2008年のときはぶつぶつ文句も言いつつ楽しみのある4校が残ったわけです。また8強時点ではサプライズ校もいた。今年のNo. 1対No. 2が3組、No. 1対No. 3が一組と8強時点で上位ばかりでもなかった。あの時点ではその後プロでMVPを取るような選手が2人も(どちらもPG)いるとはわからず見ていたわけですけど、今年の4校はどうか。Cooper Flaggはケガさえなければプロでもかなりの線に行くと思うんですが他はどうか。

Floriga Gators x Auburn TigersのSEC同士の準決勝なのでSEC校が全米優勝戦に勝ち残るのは確定。それを迎え撃つのがHoustonかDukeか。熱心に追っているわけでもないカジュアルなファンからすればFlorida x Dukeが一番視聴率の数字につながるんでしょうが。
以前も書きましたがNo. 1校が4校勝ち上がってしまうと賭けではおもしろみが減退する。No. 1校の中では賭けで1番人気が低いのがAuburn。ただしトーナメント選抜委員会はAuburnを全体1位校としてトーナメントを組んではいました。



Gators大ピンチを跳ね返してFinal Fourへ

危なかったです。No. 1シードFlorida Gatorsは終盤9点ビハインドから3本連続3ポインターを決めまくり、その合間のTexas Techは1-and-1のフリースローの1本目を2度続けて外して一気に点差が消え去りました。この9点差の時点の逆転スパートの前=2分46秒にGatorsは最後のタイムアウトを消費。最後の時間切れに向けてタイムアウトを残さずここで使ったのが結果的には正解ってことになります。

Texas TechはGatorsのリーダーPG Walter Clayton Jr.を警戒してダブルチーム。そこでベンチスタートのThomas Haughが2本連続で3ポインターを決めて接近。迷わず行きました。あの辺が最後のタイムアウトを早くとって選手の迷いをなくておいた効果でしょう。
しかしその後はやはりWalter Clayton Jr.が3ポインターで同点、その後も〆て大逆転でFinal Four進出一番乗り。最終スコアはFlorida 84-79 Texas Tech。Clayton Jr.は今年のドラフトでは2巡目中位指名という予想の多い選手ですが、こういう数字以外の部分の勝負強さとクラッチの強さは純粋に試合観戦でしびれますね。

Texas TechはFinal Four進出にあそこまで近づきながらフリースローが入らず敗戦は痛い。フリースローが入らなかったのはこの終盤だけではなく、その前も2本連続で外していました。Floridaはフリースロー25/27とチーム全体が決め続けて、リバウンド争い(特にオフェンスリバウンド)で劣勢だった試合をTexas Techに傾かせきりませんでした。

Texas Techは16強戦でArkansasを相手に15点差で苦しいところから大逆転で8強入りをしてきたのが、今日は逆に大きく優勢だったところから逆転負け。背でFloridaに大きく劣りながらリバウンド争いで勝利。攻めてもインサイドの押し合いで優位を築いて、試合全体のペースもGatorsのハイスコアの試合に持ち込ませず健闘していて、Texas Techのできるベストの試合展開だったのを落としてしまいました。もったいない。

ここに至ってはSECは強かったと認めるのが妥当

今日からNCAAトーナメントは8強戦が始まります。カードは今夜土曜日の分がNo. 1 Florida x No. 3 Texas Tech、No. 1 Duke x No. 2 Alabama、明日の日曜日がNo. 1 Houston x No. 2 Tennessee、No. 1 Auburn x No. 2 Michigan State。

14校の史上最多出場となったSECは4校が残りFinal FourをSECが独占できる可能性を残してます。ここに至ってはよしんば4校ともがFinal Four進出に失敗したとしてもそれぞれの高いシード順にはケチはつけられないとしていいのかなと思います。史上最多の選出の方の当否はともかく今季のSECが過去最強だという評価は妥当だったと堂々トーナメントの場で証明。
Tennesseeが学校史上初の2年連続の8強進出。Peyton Manningも16強戦では現地応援に来てました。

4地区でNo. 1 x No. 2とならなかったのはNo. 3 のTexas Techだけ。これだけ鉄板だとおもしろみがないという意見も出るでしょうが、過去にも4地区ともNo. 1シードがFinal Fourに残ってきたシーズンはあることですし、これが常態となればまた変わってきますが今季に関してはまあ良しか。
Peytonも来てたんですから唯一のNo. 3からの勝ち上がりとなったTexas TechのPatrick Mahomesにも来ていただかないと。良く見ていなかったですが16強にMahomes来てました?

SEC校を迎える8強戦での相手はDuke=ACC、Michigan State=Big Ten、HoustonとTexas Tech=Big XII。Michigan StateとDukeはカレッジバスケットボールの強豪ミニリーグであるChampions Classicの固定メンバー。Champions Classicの他の参加校はKansasとKentucky。KansasとKentuckyは今トーナメントでは一回戦で対戦、Kentuckyはそのまま16強まで勝ち上がってます。

SECがNILを通したカネの力を背景に一気に強豪リーグ化、カレッジバスケットボール界を席巻したのが今季の一大トピックでした。カネの力に押されてリクルートおよびトランスファーポータルで過去のように名門の名の優位で上位選手集めはできず劣勢を強いられたChampions Classicメンバー校も2校が8強到達、3校が16強到達なのですから立派なものだということも言えます。

DukeのエースCooper Flaggは私は熱狂しているんですが世間ではさほど騒がれていない。昨年の今頃に女子のCaitlin Clarkが熱狂的な支持を受けて次々と女子バスケの様々な通算得点記録を、そして動員記録や視聴率記録を立てまくっていたり、普段スポーツを取り上げないメディアでもニュースネタに散々なっていたのと比較すると全然地味です。
男子で比較してもZion Williamsonのときとは比較にならない地味さ。Zionのようなモンスター的な魅力は薄いし、Zionのときはケガをしたが本人志願で復帰とか、シューズを破壊したとか、トーナメントに入っても漫画のような敵が次々とZion & Dukeの前に登場するなど、ただのすごい選手以上のスパイスがいろいろ効いていました。Cooper Flaggにはそういうのはないんですよね。NILはあるので先日も触れたNew Balanceの宣伝、Gatoradeの宣伝には出てプロになる前から稼ぎまくってますがそれはたぶんスポーツ番組の回りでしか使われていなさそう。バスケ界内のトップスターでその外へは影響は及んでない感じです。

162失点のWizardsだけには行ってほしくない

NCAAトーナメントSweet 16の裏でNBAのひどい試合があったようです。Indiana Pacersが162得点で圧勝。昨今はたまにすごい大量得点の試合がありますが162はすごい。どうなるとそうなるのかとbox scoreを見ると第1Qで45得点とか。クォーター平均40点だと試合トータル160点ですから辻褄は合ってるんですがいくらなんでもという得点に見えます。最終スコアはIndiana Pacers 162 - 102 Washington Wizards。

この試合の同日にカレッジの方ではこの夏のNBAドラフトで全体1位指名が確定的なDukeのCooper Flaggが37分出場で30得点7アシスト3ブロック反則2という実にCooper Flaggらしいオールラウンドな数字を残してDukeを快勝に導いてます。そちらは Duke 100 - 93 Arizona。

Wizardsはいつの間にかNBA全体の最低成績を脱出、Utah Jazzが最低成績になってますね。現行の仕組みではリーグ全体の下から3チームは全体1位のくじを引き当てる可能性は等しくなっているのでJazzが下でもWizardsが下でもCooper Flaggくじの目的では変わりはありません。下から4番目に当たるのはNew Orleans PelicansでPelicansとWizardsのゲーム差は4。シーズンも残り少なくなってきていてWizardsはあと9試合。確実に敗戦してFlaggくじの確率は最大に保ちたいのがWizardsの思惑ということになるのでしょうから記録的大敗をホームでしても上層部からは苦情は出ないでしょうが、お客さんはたまったものではない。公式発表ではこんな試合でも15,393人も動員したことになってます。

お客さんもそうですがシーズン中のトレードでMilwaukee BucksからWizardsにやってきたKhris Middletonなどはバカバカしくてやってられないでしょうね。Bucksで優勝したときはBucksの副将格だったのがこんな負けるために存在しているようなチームにトレードで送られて、この試合でケガしてチームは記録的なボロ負けとか。
もともとドラフト2巡目指名で現在33歳。ケガがちで出場が減っていたというのも加味して、優勝当時は素の期待値より高い成績を出していたけどもう出がらしだとBucksに判断された可能性は高い。それでNBAの墓場のようなWizardsに送られてしまった。

他ではGolden State Warriorsで態度の悪さを忌避されて放出されてきたJordan Pooleもいる。PooleとMiddletonでサラリー上位2名計$60 million。チーム第3位のサラリーのMalcolm Brogdonと第4位のMarcus Smartが欠場中。負け続けてCooper Flaggくじの確率を維持するのがWizardsの当面の課題なのはそうでしょうがこのレベルでチームのモラルが損なわれいてFlaggが来ただけで浮上できるような態勢でしょうか。

現状の主力が来る前のJohn WallとBradley Bealの2枚エースの頃とか、日本のNBAファンにはおなじみのRui Hachimuraが在籍した頃も個人ではそこそこやれてもチームの成績はほとんど上向かないのが恒常になってます。ここに来てしまったら10年に1度レベルの期待のドラフト選手のCooper Flaggでもそう簡単には勝てるようになるとも思えない。10年に1度レベルといえば一人前はZion Williamsonか。ZionはPelicansで腐ってしまいましたけど、Flaggをあんなふうにはさせたくないものです。Wizardsにはくじが当たって欲しくないですね。
記事検索
最新コメント
読者登録
LINE読者登録QRコード
メッセージ

名前
メール
本文