アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

MLS/Soccer

MLSが世界に合わせて秋春リーグへ移行決定

昨日の敗戦でNFLのKansas City Chiefsの星勘定が怪しくなってきた話も書きたいのですが、もうちょっと対戦相手その他を細かく検討してから書きます。

男子サッカーMLSが現行の2月/3月のシーズン開始 & 12月閉幕のシーズンを2027年から世界標準に改めて夏スタート春終了に変えると正式発表になってます。やるとなったら手早いことが多いアメリカビジネス(スポーツに限らず)ですが、さすがに来年はW杯のホーム開催を控えてるからか変更は再来年。
2027年も現行同様に2月に開幕して夏までに終わる短縮シーズンを開催、その後秋春制のシーズンを夏からスタートするということです。春部分だけの短縮シーズンもプレーオフをやるそうです。

なかなか感慨深いものがある秋春制への移行だと感じてます。私はMLSの創設初年度から借り物のスタジアムでやってるがらんとした試合を見てきてます。当時は4月開幕、9月終了。創設年はほぼMLBと重なる時期に開幕して、失敗したと認識したのでしょう、すぐに4月中旬の開幕に改めた。つまりMLBの開幕シリーズが各地で一巡したあとに開幕をずらしたんですね。9月終了はアメスポ最強フットボールシーズンにかぶせるのは愚策だと考えたからでしょうし、そもそもがマイナースポーツのサッカーでは寒い時期に開催しても人は集められないと考えたから春秋、実際は春夏シーズンだったわけです。

あの閑散としたスタジアムでしこしこやっていたMLS。赤字から脱却できずオーナーが何人も離脱してチームの解散もあったりで苦戦し続けていた時期も見ていました。最小でオーナーは3組織(各オーナーが複数チームを所有状態)になったんだったかな。倒産も現実的な可能性だったところから、リーグ拡張とシーズン期間の延長も徐々に達成。
その辺の涙ぐましい努力の数々は当ブログで過去細かく記してきたところです。もう潰れることはないだろうと確信できるようになるまでがつらく長かったMLS。その過程でシーズンは前にも後ろにも伸び、2月の開幕だの、11月12月のプレーオフだのは開催都市によっては極寒なんですが、それでもチケットは年間チケットでとにかくさばけるチームが増えた。そういうのもあって創設時の、寒かったらサッカーじゃ人を集められない、という認識は消えて大丈夫だと。それもあっての秋春制への移行だと思います。

さらに言えばこれも当ブログで論じてますが夏の野外でのスポーツ観戦が酷暑で楽しくない、苦行に化してきたのも秋春制のアドバンテージとして数えられるかと思われます。MLBはドーム化という逃げ道がありましたが、サッカーではそれは苦しい。リンク先は2012年=13年前に書いた記事で、あれからもう13年も経ってるなら当時建てたサッカー専用スタジアムも償却期間・契約期間を半分ぐらいは消化しているところもでてきてるでしょうか。
ただ小型のスタジアムでドーム化、それもいまのアメスポビジネスの手法の地元自治体のカネを使ってとなると難しい。MLSは秋春制に移行できるだけの動員実力は蓄えましたが、自前のドームスタジアムはまだ無理でしょう。

男子米代表パラグアイ戦 Gioがスターに

今のFIFAマッチデーでは北中米CONCACAFの最終予選の最終決着の2戦が行われていて、米国内のサッカーファンには多くの移民ファンが含まれている。スリナムがCONCACAFからW杯に出場するという展開を想像できた人は少なかったはずですが、敗退の確定した相手にあと1勝、あとは得点差もありますが残り1試合で出場有望なところに残ってます。アメリカ・メキシコ・カナダが予選免除だからの事態ですが、100年に一度のチャンスなんではないでしょうか。他にはキュラソーも最終戦前時点でグループトップ。ただしこっちは2位のジャマイカと直接対決なのでスリナムより逆転落選の可能性は高いです。
一昨日の試合で望みを断たれた国もいくつもあって、スペイン語放送のスポーツニュースでは悲喜こもごもで盛り上がってました。

そんなぐあいで中南米カリブでは盛り上がってる中、同じマッチデーで米代表はパラグアイと親善試合。場所はPhiledelphia郊外、MLS Philedelphia  UnionのホームSubaru Park収容18,500。緊張感の差が大きい。日本語で強化試合っていう表現がありますが、この試合、主力選手の不参加も多く米代表の強化になるんですかというそういう試合です。相手のパラグアイも、次戦のウルグアイもW杯本戦進出決定済みの余裕の試合です。
確かにサッカーが最大の娯楽の国とはアメリカは事情が違いますから今の時期にフルメンバーを揃えたところで一般スポーツニュースの話題になるわけもない。そもそもがFIFAのスポーツ貴族とその取り巻きのために大西洋移動する価値があるかと言われれば乏しいので不参加選手の批判はしたくないですが、地元開催なのにサッカーマスコミですら好成績への期待感が上がってるふうもないのは時期がらしかたないです。

そんな試合でしたが意外な選手がスターとなって復活してます。Giovanni Reyna。あの前回W杯後に米代表監督を引きずり下ろす大騒ぎになったモンペ事件の原因だったあのGioです。今日の試合で1ゴール1アシスト。内容もよく、2−1でパラグアイを振り切って快勝と言って良く、Gioの汚名を濯いだ試合となったか。前項で書いた通り来年のW杯本番の選出に当確が出てる選手がかなり抜けているので、残りの枠を争う選手たちにとっては大事なフレンドリーではありましたが、このタイミングでGiovanni Reynaが活躍して快勝。

3年前のGioとその両親や昔の同僚代表選手たちを巻き込んだ醜聞は当時は報道はされましたし、私も当ブログで書きました。その後、父Reynaも当時の代表監督のGregg Berhalterも代表を去り、当時のGMたちもいろいろ理由をつけて組織を去って、ざっと喧嘩両成敗状態。外国人監督を採用して、Gioに関しては人的な遺恨は残っていない。サッカーファンといえるスポーツファンの割合の少ないアメスポではあの泥試合を覚えている人もそうは多くはないであろうと思います。

ただ現監督Mauricio Pochettino体制下になって以降Gioが活躍したかというと、ほとんど存在がありませんでした。ケガでいない時期もありましたが招集されたときも光る試合があったわけでもなく、途中で同タイプのDiego Lunaが台頭したというのもありました。
来年のW杯ロースター予想でもGioを入れる予想、入れない予想が入り混じっていてアメリカサッカー界のGioへの評価が揺れているというか、いまいち信頼感がなかった。才能はあってもコンスタントな活躍は期待できなくて、かつ例の騒動の元となった前回W杯で態度が悪かったという評判は尾を引いていてGioを推したくない関係者=マスコミがいるのかなーというところがあった。

それをこの意外なタイミングでGio Reynaがロースター入りに大きくアピールする試合をやったのはGioにとっても幸運でしょう。アメリカがサッカー国でないから前回大会の醜聞は多くのスポーツファンは覚えてない。本人も当時のそれから学んだか試合後のインタビューその他でも殊勝なところを見せてました。

これで遠回りしてGioも戦力になるところまできてくれれば米代表にとってはそれで良いわけですが。

またPulisic抜き

こんなに盛り下がっていていいのかなと心配になる男子代表サッカー。11月の国際マッチデーにまたChristian Pulisicはじめ主戦クラスの選手の欠場で臨むそうです。この対パラグアイ、対ウルグアイの2戦の11月のマッチデーをすぎると来年3月に最終のフレンドリーがあってあとはもう本番のW杯を迎える。その時点の今、こんなに欠場者があって良いのでしょうか。

Chris Richards (Crystal Palace)
Weston McKennie (Juventus)
Malik Tillman  (Bayer Leverkusen)
Johnny Cardoso (Atlético Madrid)
Christian Pulisic (AC Milan)
Timothy Weah (Marseille)
Yunus Musah (Atalanta)
Tyler Adams (Bournemouth)

まだ何人も見落としてるかもしれませんけどとにかく今W杯が始まったらピッチにいなきゃいけない選手が半分ぐらい欠落している。この熱のなさはなんなんですかね。1994年のときは米国は開催国でしたがサッカー弱小国。FIFAからサッカー産業の世界拡張の期待も込みで開催された大会でしたから一回戦突破だけでよく頑張ったで済んだんですけど、32年後の今、共同開催とはいえホームの米代表がこれほど期待が盛り上がらないのはどうしたものか。

米代表の選手はアメリカ生まれ・アメリカ育ちが多いですから他のアメスポと比較してサッカー選手の年間の拘束期間が極端に長いのに不満を持ってるかもしれません。こんなフレンドリーに出ても出なくても落選させられることのないPulisic辺りは、いやもう大西洋超えのキャンプの練習試合も要らないよと言いたくなるのはわからないでもない。McKennieやWeah辺りも代表から漏れることはまずない選手なので似たようなもんか。

Tyler Adamsはこのマッチデー前に急にケガだとかなんとかと言い出したのでちょっと事情が異なるのかもしれませんが、とにかくこの11月の2連戦もフルメンバーじゃない米代表を見ることになることになりました。

毎年のことなんですけどこの11月のFIFAマッチデーはホントにアメスポとスケジュールが合わない。フットボールとバスケがプロ・カレッジともシーズン中。足下の国内サッカーのMLSにとってもプレーオフの真っ最中にプレーオフをぶった切られるタイミングで毎年国際マッチデーが入ります。それもあるんでMLSのプレーオフはさらにスケジュールを後ろにされて極寒地も多い北米で12月にMLSの優勝チームは決まる仕組みとなってます。数年前まではその時期はカレッジフットボールがボウルシーズンに入って一段落ついた時期に当たっったんですけど、CFPが12校に拡大したので12月がMLSのためにちょっと空いてたのも消えてますし。

そんなこんなのW杯前の数少ない実戦。期待が低いのですがその期待を良い方に裏切って欲しいものだと、一応TV観戦するつもりです。

サラリーキャップもドラフトも廃止した女子サッカー

今週末から女子サッカーのNWSLのプレーオフが始まってます。8チームが出場で今週末に4試合の準々決勝を行うスケジュール。金土の2試合見ましたが(TVに映る範囲内では)意外にお客さんが入っていて立派なもんだなと思いました。日曜日の2試合はNFLの真裏になるのでどうなるかわかりません。

アメスポといえばプレーオフ。そしてドラフトとサラリーキャップが定番です。しかしながらNWSLはドラフトとサラリーキャップの廃止を今年決めてます。決まった年数の選手の拘束期間もなく、契約が満了した選手は全員FA扱いとなります。ずいぶん思い切ったなというのと、外部要因があるのでしかたなかったのだろうという措置です。

ドラフトには拡張ドラフト制度も含まれていて、もし今後NWSLに新チームが参入する場合も既存のチームから選手を拠出しない。新チームは自前で全選手をFAやカレッジ、海外からかき集める必要があります。

なぜこんなことになったかというと、欧州の女子プロサッカーが急速に発展してNWSLよりもサラリーを出すようになったため。これまでやってきたNWSLのサラリー抑制策をやってると欧州クラブに引き抜きされて空洞化が進むからというわけです。

アメスポには多くのプロリーグがありますが、ほとんどのジャンルが最もサラリーは出している。メジャーのNFL/NBA/MLB/NHLもそうですし、ゴルフのPGAもそうですし、変わったところではラクロスなんてのもそうでしょう。女子バスケのWNBAは薄給でしたが例のCaitlin Clark効果でこのオフの新労使協定交渉を経てこれも世界他国のリーグに匹敵するサラリーが出せるようになるはず。

ここで羅列した中で海外でもカネが出るというとゴルフぐらいですかね。欧州ツアーもあるしLIV Golfの創設もあって、一時点でPGAの地位が脅かされる局面もありましたが、事態は沈静化してます。そもそもの話がPGAにはドラフトもサラリーキャップもなかったわけで事情が異なります。

それでNWSLの話に戻ります。アメスポ標準の仕組みでサラリーキャップで支出を抑制して経営していたわけですが、欧州女子リーグが急激にカネを出すようになったことでアメリカのカレッジの選手=ドラフト対象をさらわれた。これにNWSLが危機感を持って突然にサラリーキャップ撤廃やドラフト廃止を受け入れることになりました。

要はアメリカ国外のサッカーの人気が高いというのが根底にあって、女子W杯を通して欧州でのプロ女子サッカーの人気の底上げにつながり、向こうのスポンサー企業もサッカーへの根本的な信頼・親和性があるからお金も集まるってことでしょう。


対欧州リーグという外部要因で急激な変革を迫られたNWSL。少なくともNWSLの視点ではサラリーキャップ制さえやめてしまえばNWSLのチームでも欧州クラブに対抗できるぐらいのカネは好選手には出せるという目算があるからでもありましょう。
もしこれが男子の話だったら、男子MLSには同じことはできるはずもない。海外男子選手のサラリーは高すぎて対抗のしようがないからです。なので緊縮・分をわきまえての経営しかないですが、女子ならやれるということなんでしょう。

そうなるとどうなるかというと、NWSL内の戦力均衡策は消えることになります。アメスポのほとんどが様々な方策でリーグの戦力均衡を保ってきたのが、NWSLではビッグクラブと地方の常敗チームが固定化するのではないか。
今年のプレーオフ8チームには含まれなかったLos Angelesに本拠を持つAngel City FC(男子MLSの美麗スタジアム収容22,000人)辺りはどんどん良い選手を集めるでしょうし、North Carolina Courage(部分オーナーにNaomi Osaka、本拠地キャパ10,000人)なんていう僻地のチームには選手がこないなんていう事態がおこるのは必然に見えます。サッカーの世界では同じリーグ内に常勝ビッグクラブと弱小クラブがあるのは自然でしょうが、アメスポではそうではない。この急な変更でNaomiさんは大変な貧乏くじを引いたように見えます。Angel FCなんかはサラリーも出すだろうし、選手からしても地方都市よりTV出演の機会が多いだの、セレブとお近づきになれる機会も多いだろうとかいろいろ動機は多いはずです。

NWSLはアメスポ市場の中では下位に位置するし、サッカーという米国内外の人気の差が大きい特殊なジャンルなのでこういうことが起こったわけです。特殊例であり、同じ内外格差があるにしても男子はアメリカ国内でサッカーがよほど地位を向上しないと欧州リーグやアラブに対抗するようなサラリーを出そうなんて動きはおきない。
他だとラグビーとかバレーボールはアメリカ国内にプロの足がかりがほとんどないに等しいので海外との競争までたどりつく可能性は薄いですが、遠い将来にはゼロではないかも。なぜなら例えば南の強豪国や欧州のラグビー選手たちって大したサラリーを貰っていないからです。

Dodgers 21世紀初の連覇まであと5勝

MLBポストシーズンALCS、NLCSが進行中。Los Angeles Dodgers投手陣が圧倒して3戦全勝でWorld Series二年連続登場&タイトルディフェンスまであと1勝にしてます。今日の第3戦のTyler Glasnowは6回途中で降板していましたが、その前の第1戦第2戦は先発投手のBlake SnellとYoshinobu Yamamotoが圧巻で結局全編見てしまいました。

おかげで火曜日の第2戦の日は裏でやっていたサッカー男子米代表の対オーストラリア戦を完全に忘れていて見ませんでした。そっちはハイライトや批評を読むとまずまずのできで快勝だったようです。Haji Wright(Coventry City英2部、現在無敗首位)の2発がなんかアメリカ人選手っぽくないシュートで勝っていたようです。

Dodgersネタは日本で溢れているかと思うので私が書かなくても良いだろうという気持ちも強いのですが、20世紀末のNew York Yankeesの三連覇以来MLBでは連覇がなく、21世紀で最初の連覇にチャレンジできる権利を得るところまであと1勝まできてしまうとさすがにアメスポの歴史の流れでも稀有な状況になろうかというところなので書こうかと。

MLBの4戦先勝シリーズはホームフィールドアドバンテージのある側から始まって2戦ホーム-3戦アウェイ-もつれたら2戦ホーム。しかしホームで2連敗してしまったMilwaukee Brewersはせっかく良いシーズンを送りながらあの第2戦にYamamotoに完投勝利を許したのが地元ファンが今季Brewersを見る最後の瞬間になってしまった可能性が強かった。NBAやNHLだと2-2-1-1-1と開催地が動くので4連敗しない限り地元で2連敗してももう1試合は見られる可能性が高いのですが、MLB方式だとそうならない。

そして今日の第3戦も敗戦して、アウェイで連勝しないと地元に帰れない。あの第2戦で球場に来ていたBrewersファンはあれが今季のお別れとなるのは切ないような。このシリーズが始まる前にはこんな画像がSNS上で回ってきていてDodgersなんて応援しているのはDodgersの地元LA周辺とBrewersをライバル視するシカゴ近辺の偏屈者だけだろみたいな揶揄が飛んでたんですけど、0勝3敗の現実となってから改めて見ると寂しい。


nlcs2025

この画像の言わんとするところはDodgersは金満で、それこそ20世紀の悪の帝国チームと呼ばれたYankees並に支持されていないんだということを主張しているわけです。本当のところはどうかわからないですが。Mookie Bettsの元の所属先のBostonとか、Freddie FreemanでWorld Seriesを制した元の所属先のBravesファンとかどんな感じで見てるもんなんでしょうか。

なにはともあれDodgersはシーズン中1軍半みたいな打線で四苦八苦していたのが嘘のようにポストシーズンに全員復帰させてきてるんですから、組織としての選手の体調管理は正しかったのだとこの時点で主張できるかと思います。それをやりながら西地区を勝ったのですし。
結果は選手たちをレギュラーシーズンで疲弊させないままでポストシーズンに入って現在8勝1敗。最後に間に合うかどうかわからなかった(それで捕手3人体制でプレーオフスタート)C Will Smithも間に合って攻守で問題なし。捕手3人でスタートしたということはSmithのケガの復帰具合を外部に隠して本当は復帰できるのに…ではなく本当に不安があったはずですが、現実は問題なし。

さらには今季中の一軍復帰すら危ぶまれたルーキーRoki Sasakiが突如ポストシーズンのクローザー化。NLCSの第1戦を落としかけただけでなく、他の日も投げている内容は球速こそ出ていても圧倒的に打者をねじ伏せている感じでもないのですが、結果オーライ。Dave Roberts監督の眼力なのか組織としての眼力なのかは外部からは知る由もないですが、過去ポストシーズンで苦戦していた時代も含めてRoberts監督の言い訳をしないスタイルは個人的には高く評価してます。フロント側のミスであろうと推測されるときも決してそうはほのめかさないのは立派だと思います。



サッカー米代表 対エクアドル戦

来夏のホームでのFIFA W杯まで1年を切っての10月の代表戦。場所はMLS Austin FCのホームQ2 Stadium(収容20,500人)で。観客の入りはキックオフ時で既に席が埋まっていて男子米代表の昨今の試合にしてはいい感じの入りだと思います。

この時期になってくると相手国もベストに近いメンバーで臨んでくることが想定される。今日はエクアドル、4日後に対オーストラリア。11月には対パラグアイ、ウルグアイと南米の相手を多く予定してます。つまりは本番のW杯のノックアウトラウンド進出の競争相手・一回戦辺りの想定の実力の相手を揃えている感じか。

エクアドルは南米のW杯予選で大混戦を制して2位通過。それも起用不可の選手を出場させた減点を食ってなお2位。なので南米の好チームを迎えてのフレンドリーという前提での観戦。

そういう相手だと思って見れば米代表としては良い試合だったかに思います。
前半はリードを与えましたが試合のコントロールやチャンスでは五分。米代表が過去作れなかった流れの中での縦のラストパスでフィニッシュの機会を何度か作れたし、意図の見えるオフェンスが多かった。よくありがちな相手にボールを持たされて外や後ろでもたもたパス回しをしている消極的な時間帯も短め。失点は抜け出されてのものでしたが、他はよく守れていた。

70分過ぎに同点ゴールも入って1−1で終了。南米の強豪を相手にこれなら文句はうるさ型のOBたちからも出ないはず。

サッカー米男子代表 対日本代表戦

火曜日の夜にサッカー米男子代表の親善試合対日本戦がありました。日本はFIFAランク17位、アジアの最高位とか。場所はLower.com Field, 収容20,371のサッカー専用スタジアムです。試合開始時点で概ね満員に見える入りになってます。放送はTNT及びHBO MAX(この夏改名)。

米代表は3日前の対韓国代表戦から5人を入れ替え。
米代表で前戦から下げられたのはTimothy Weah、Josh Sargent、Diego Luna、Sebastian Berhalter、Sergiño Dest。前の3人は揃ってFWで韓国戦でほとんど存在感なかったのでしょうがない。だからといって代わって入ったトップのFolarin Balogun(Monaco)に期待が持てるかというとどうですかね。韓国戦でサブで入ったあとはまあまあと思いましたが、90分出場を目指してそのように動けるのか。気温は低めで運動量で言い訳は効かない環境下での試合です。もうひとりのFWの先発は予定外で急に呼ばれたAlejandro Zendejas(メキシコClub America)。


韓国戦で0-2でほぼ良いところなく敗戦。しかしながら試合後に代表監督のMauricio Pochettinoが「我々のプレーの方が韓国より良かった」云々と強弁してまたサッカーマスコミからブーイングを食っている。それを受けての日本戦。W杯開幕まで1年を切ってる微妙な時点なので今日の日本戦が無様でもPochettinoをクビにする可能性はほぼないのでしょうが、それでも韓国戦よりは希望を持てる試合を見せてもらいたいところです。
日本は先発を11人入れ替えだそうで、層が厚いってことでしょうか。曰く11人入れ替えても米代表より良いメンバーかもという解説も付いてます。
ぱっと見で体格で米代表と日本代表、日本代表の方が大きいかもしれない。11人入れ替えてもサイズがあるんですね。というか米代表が、またはアメリカのサッカー選手全般がいつまで経っても大きくならないのか。

序盤に思いつきのように相手GKにプレスしてみたりして意気は示してましたが戦術的には無意味に近いような。
30分にZendejasの先制ゴールが決まってから日本のボールへの圧力が目に見えて高まったあとがなかなか見ものでした。ポゼションを持っていても前に進めないどころかじりじり下がるのは米代表の技量からして仕方ないとして、結局のところ組織だったディフェンスの相手にしたらそこを飛ばして前に出すしかチャンスは作れない。先制ゴールもそうだったし。あと速攻ゼロでは。

と不満に思っていたら後半55分のChristian Pulisicのシュートは相手ディフェンスを通り抜けてのもの。その前のPulisicとZendejasのコンビネーションプレーもそうだったし結局のところ米代表はPulisic絡みばっかりが効果的って、4−5年経っても同じだな、このまま来年の本番かというのは残念ですね。もうこの時点になったらそこはグチグチ言ってもしかたないかな。

2本目のゴールはショートカウンターで最後Balogunが決めてのもの。これでトップ2人を入れ替えて2人ともゴールしたことに。
後半のリードして切り替えたコンパクトな守りはまずまずであったように見えます。ということで後半のプレーぶりは上で書いた前半の不満をひとつひとつ拭うような内容。リードされ前掛かりでバランスの崩れたかのような日本代表に助けられた面はあるんでしょう。

他、GK Matthew Freeseの好守が光りました。Golde Cupから継続しての活躍でFreeseが来年の本番での先発の可能性も高めたと思います。PKにも強いのはGolde Cupで証明済み。

あと試合と関係ない話ですけどZendejasがメキシコ人ノリでうざいことをレフリーとやりとりするのはやめて欲しいです。レフリーがスペイン語が通じるのでメキシコのクラブでの調子でやってるんでしょうが、細かいことですがあなたはアメリカ代表なんで。クラブでそういうのは思う存分やってきてもらえたらなあという感想を持ちました。

サッカー男子代表 韓国戦

サッカー米代表の2連戦の1試合目対韓国戦。場所はSports Illustrated Stadium。元のRed Bull Arena、MLB New York Red Bullsのホームです。収容25,000人で、建築されたときにはMLSのスタジアムとしては大きかった場所です。試合開始時点。
新しい名前のSports Illustrated Stadiumというのは、紙の雑誌としては廃業したSports Illustratedの名前が目に触れる数少ない機会になっていそうです。
3日後の対日本戦もMLB Columbus CrewのホームのLower.com Field、収容は20,371人。平日でもあり昨今の米男子代表の動員力からすれば小型のMLSスタジアムでの開催は妥当でしょう。

今日のNew York City対岸のニュージャージー州に位置するこの試合、歓声は圧倒的に韓国代表のファンが多そうです。試合開始から両軍ともスピードに乗った攻撃をしかけていてなかなかいい感じの導入部になっていましたが、韓国の先制ゴールのときの歓声やリアクションからするとスタジアムは9割方韓国代表の応援か。毎度のことながら米男子代表サッカーのファン層の薄さは韓国辺りが相手でも目立ってしまうんですね。

韓国と言えばつい数日前に南部ジョージア州でHyundaiのEV電池工場がICEに強襲摘発され約500人が違法就労や不法滞在で大量に逮捕されたばかり。Hyundaiの直接の雇用ではなくてなんとかかんとか言ってますが、そんなことやってんのかと驚きました。同胞愛が強いってことですかね。日系企業でそんな規模の違法就労の日本人がいるというのはちょっとありえないようにも思えすので、韓国と日本は感覚が違うんだなと感心しました。摘発した米国当局からはアメリカ人の雇用を簒奪するようなこの雇用慣行は看過できないと指摘されてました。

脱線すみません。
試合の方は韓国代表はがっちりコンパクトに守って米代表はほぼそこをまっとうに通過することは困難で攻められない。序盤以外はほとんど米代表は圧力をかけられず。対する米代表のディフェンスは相手FWへの早いフィードに何度も手を焼いてました。前半で2失点。

W杯を見据えると韓国程度で裏をとられる場面多数のこんな目に遭っていては、先が思いやられる内容だったかと。後半もポゼッションを持ちながら決定機は乏しく、それより韓国のカウンター強襲にさらされてさらに傷口を広げそうな場面も何度か。気温は高くなかったんでもっと運動量を望みたい試合でもありました。

62分に一気に4人交代してこの夏のGold Cupのメンバーに近い布陣に。この交代なんかはGold Cupのときの手応えに代表監督のMauricio Pochettinoが戻りたがってるってことかなというにも見えますね。

来年もやるつもりか優勝ステージに居残る

FIFA Club World Cupの決勝がありChelseaが圧勝でPSGを倒して優勝してます。PSGは今大会圧勝を重ねほとんど失点をせずに決勝まで上がってきましたが最後は残念な結果となってます。

トランプ大統領が夫人同伴で観戦に来ていて珍しいなと思って見てました。トランプがサッカーに興味を示したという話は聞いたこともないのにCWCに観戦に来るのか。FIFA会長と同席のVIP席。

最初だけかと思ったら最後の優勝盾のプレゼンターとしてFIFA会長と2人でステージ上に登場。場所がNew York郊外Met Life Stadiumだし、観客の外国人割合も高いと想定でき、当然のようにブーイングが大きい。トランプさんは批判されるのが大嫌いなのでこういうブーイングが予想される場所には行きたがらない方ですが、なぜ来たのかなといえば、ああアレか、来年の本番FIFA W杯の優勝戦も同じMet Life Stadiumでの開催、その予行演習も兼ねてのことと推測して良いのでしょう。

プレゼンターとして登場ぐらいなら良いのですが、Chelseaの主将に手渡してFIFAの会長はステージ脇に下がり、トランプさんにも横に退くように促したんですがトランプさんはガン無視。ステージ中央に居座りTV画像としてカットできない位置に居残りました。そのまま紙吹雪。

おもしろいっていうか彼らしいというか、これがやりたくて普段なら避ける大きなブーイングが予想される場所に来てみたってことですね。Chelseaのファンからしたら無礼、おまえはそこにいる資格がないその他いろいろ苦情が出るところでしょうがそんなことはトランプさんは気にしない。有権者でもない相手からの批判なんて無です。

並の相手ならFIFAからお小言をもらったり次回は登場を拒否されたりするかもしれませんが、来年はホスト国の首長でありその上あの性格ですからとてもFIFAも登壇を拒否もできないんじゃないかな。
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