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NBA/Basketball

また39歳LeBronが米男子代表を救う

南スーダンに1点差の競り勝ちをしたのが一昨日ニュースになっていました。最後8秒残りでLeBron Jamesのレイアップが決まって逆転、なんとか逃げ切ったという試合。五輪本番前に英国ロンドンでのエキシビションではあったもののスター軍団の米男子代表が五輪初登場の南スーダンに辛勝というのはそれ自体がニュースになりました。

しかしながら所詮エキシビション。その数日前にNikola Jokic率いるセルビアと前半接戦となりながら後半に突き放して完勝していたこともあって、南スーダンにぎりぎりの逆転1点差勝利も、どっか気を抜いたところや調子の悪いメンバーも使わなくてはいけなかったりとかそんな面もあったんだろう、ぐらいであまり心配はされていなかった。
個人的にはセルビア戦は見ていて、南スーダン戦は見ていなかったのでそういう評判を聞いて、うむそんなもんなのかなと思っていたわけです。

それが今日の五輪前の最後のエキシビションとなった対ドイツ戦でも終盤までもつれる試合となり、最後は39歳LeBronがゴール下の密集をかきわけてのゴールを次々と決めてなんとか差をつけ、最終スコアは92-88。逃げ切ってます。

南スーダン戦で意外な苦戦という事実があったので今日のドイツ戦には皆気合入れて来るんだろうと思ったのですが、現実は最後まで苦戦。あれ?ひょっとして今回の米男子代表は我々が思っているほど強くないの??という疑いが発生する2戦連続の苦戦ということになってます。

米代表が最後まで真剣に試合をする2試合を堪能できた英国O2アリーナに詰めかけたファンは良いものを見てチケット代のもとがとれた感じでしょうが、本番大丈夫なのか。それも御大39歳LeBronの個人技と個人的な体躯の強さでしのぎきった勝利。
本番の五輪でも点差の詰まった試合になったらLeBron頼みになりそう。少なくともこんな試合を2試合もやった後では試合の最後の勝負どころのプレーで代表監督のSteve KerrがLeBron以外を第1オプションにしてのプレーデザインは指示しづらくなったのでは。

あのゴール下で3人4人に囲まれて接触されても体勢が崩れず決めてしまう39歳には感服ですが、これで良いのか。
フランス国籍もありそちらで出場も可能だったのにわざわざ米国代表を選んで出場しているJoel Embiidがさえない。3ポインターが当たらない。接触プレー上等のFIBA判定。LeBron向きの事態ではあるのでしょうが五輪期間中ずっとLeBron頼みってわけにもいきますまい。さすがにそれでは息切れしてしまうのでは。

五輪バスケはNBAより3ポイントラインが1フィートも短いのに入らないのも困ったものです。そんなに入らないならラインまで寄らずにNBAのライン辺りから打った方がいいなんてのもあるのか。

WNBA All-Star x 米女子代表

五輪年なのでWNBAのオールスター戦の形式がWNBA All-Star x 米女子代表戦となってます。2021年の東京五輪前も同じ形式で開催されています。代表の壮行試合・実戦練習ですね。WNBAのレギュラーシーズンは今週までずっと続いていたので代表側も合流しての試合は初。シーズンオフに合宿などしてますし過去代表に出場したベテラン重視の代表選出がなされたので五輪前の合流は短くても大きな問題ではないはず。五輪8連覇を目指す試運転です。

2021年のときはWNBA All-Starが勝利している。今回は例のCaitlin Clarkを代表選出しなかったこともあってClarkはWNBA All-Star側で出場。同じくルーキーでダブルダブルを連発しているAngel ReeseもAll-Star側初選出で出場。カレッジ時代からのライバル関係のClarkとReeseはユース代表などでも一度も同じチームになったことがないそうで今回のオールスター戦が初めてチームメイトとしてプレーすることに。よってもうスポーツマスコミは試合が始まる前からCaitlin Clarkから華麗なパスがAngel Reeseに通ってスコアというシーンを報道することは決めてかかってたはず。
プロスポーツなんですからそういう具合にマスコミにちゃんとファンが見たいアングルを提供できる興行というのは健全です。

問題があるとすれば米女子代表が悪役化してしまう可能性があることですか。WNBAの視聴率を前年比3倍増、動員もClark所属のIndiana Feverの試合は3倍増。Feverがビジターとして訪れる各都市では普段の小会場から特別にNBAが使う大型アリーナに会場を移して試合を開催してことごとくsold out。そのClarkをパージしてしまったんで一時点では米女子代表の選考への批判がスポーツトークショーなどで大量に語られる。それに便乗したのか以前から女子バスケ全体の改革派傾向を快く思っていなかった層が批判をネット上で展開するという流れとなっていました。

米女子代表が悪役化というとサッカーの女子代表がいわゆる政治の保守派からバッシングを受けて女子代表が負けることを期待されるという歪んだ事態が発生したのが前回のサッカー女子W杯でした。
そのターゲットだったMegan Rapinoeは現役を引退したのでパリ五輪には出場しない。Rapinoeは同性愛者であるのでその面で宗教保守派から目の敵にされるという構造もありました。性指向でストレートなのでRapinoeほど憎悪の対象にはされませんでしたが、女子代表の報酬を男子と同額にという運動・法廷闘争をしていた頃にRapinoeとともに顔だったAlex Morganが今回は落選。調子が悪かったのでパフォーマンスの理由での落選と言って良いんですが、よって当時の顔が2人とも消えて法廷闘争時のイメージリーダーはほぼ消えて、保守派からのバッシングはW杯のときのようには受けないはず。ただしサッカー米女子代表のFIFAランキングは史上最低の5位まで落ちてますからパリ五輪で好成績が出せるかはわからない。

サッカー米女子代表に憎悪を向けていたターゲットだった世代が消えたことでその憎悪の層が急に注目が上がった女子バスケに移動してCaitlin Clarkをパージしたバスケ米女子代表の負けを期待する、みたいはことはありそうです。ヘイトが習慣になってる人というのはいるものですから。

いままでは注目もされていなかったのでヘイトを集めることもなかったのですが、今回は白人で性指向がストレートのCaitlin Clarkをわざわざ落選させている。で眺めてみるとバスケ女子代表は黒人ばかりで同性愛者ばっかりじゃないかとそういう過去にマイナーなWNBAに興味のなかった層に気づかせてしまってます。

試合の方はWNBA All-Starが快勝、117-109。米女子代表は東京五輪前のときに続いてWNBA All-Starに連敗となりました。Dallas WingsのArike OgunbowaleがWNBA All-Star記録の34得点でMVP。外国人ぽい名前ですが米国籍の選手です。外国籍の選手たちもAll-Star側には入れますが五輪出場国の選手たちは既にそれぞれの代表キャンプへ向かっているのでAll-Starに入っておらず概ね代表漏れしたアメリカ人選手たちで構成。前回に続いて代表漏れした選手たちの意気が勝ったことになるでしょうか。

Clarkは3ポインターが全部外れて4得点と期待はずれ。10アシストでチームの勝利とOgunbowaleのMVPに貢献したことに。Angelの方は18分出場で11リバウンド12得点でダブルダブル。ここのスタッツに自身の価値を見出しているかのような。

この試合はMLBの地上波FOXでの裏番組として放送されています。全米の大半の地域では人気球団同士のBoston Red Sox@Los Angeles Dodgers戦が放送されていたはずです。

来年のドラ1Cooper Flagg

パリ五輪への調整で男子バスケ代表がUSA Selectチームと対戦したビデオが出回ってます。1点差でなんとか代表が勝利。USA Selectの大半の選手はNBAの若手選手で構成されています。若手選手たちにとってはただの練習試合ではない。彼らにとっては一発食ってやろうぐらいの勢いで来るわけで最強軍団のはずの米男子代表チームでも苦戦をさせられたと。

かの1992年のDream Teamも内輪の練習試合でカレッジから選抜された若手チームに敗戦したことがあります。その敗戦の翌日のDream Teamの再試合での気合の入りっぷりは鬼気迫るものだったという伝説を残しています。
当時のカレッジ選抜チームにはGrant Hill、Anfernee Hardaway、Chris Webber、Jamal Mashburn、Allan Houstonといったその後NBAで活躍する好選手も含まれていたんですが、ウルトラ負けず嫌いのMichael Jordanを含むDream Teamはその敗戦にいたく立腹だったとか。調整試合なのでDream Team側は満遍なく出場したと想像でき、Jordanが出突っ張りで終盤猛追撃というようなことはなかったのだろうと思いますが、とにかくそういう伝説が残ってる。あの1992年Dream Teamが唯一敗戦したのがその練習試合だったというわけです。

今年の代表は負けたわけじゃないですしご立腹という話はまったく伝わっていません。1点差の最後のUSA Select側のポゼッションはGolden State WarriorsのBrandin PodziemskiのジャンプシュートをAnthony Davisが余裕のブロックで試合終了だったようです。

表題の件。今年のUSA SelectはNBAの若手選手でほとんどを占めているんですが、1名だけ17歳の高校を卒業したばかりの選手がいました。それがCooper Flagg。この秋シーズンには名門Dukeでプレーすることになっており、かつ2025年のNBAドラフトの全体1位指名候補。背はスモールフォワード程度ですが、男子の17歳はまだ背は伸びる可能性があります。Kobe Bryantなんかもプロ入りしてから背が伸びたという逸話がありますね。

現状フォワードのサイズですがボールハンドリングやアシスト眼も良くポイントフォワード。ダブルダブルマシンとなることが期待されていた選手。12月まで18歳にならない。そのFlaggがUSA Selectに選出されて好プレーを連発。プロでもディフェンスの第一人者と言えるJrue Holidayに張り付かれても堂々のプレーぶり。ついこの前NBAのオフェンスモンスターのスーパースターのLuka DoncicやKyrie IrvingがJrueに散々な目にあったのを見たばかりなのもあって、17歳でこの相手の御しかたのスムーズさはホントに高校でしかプレーしてない選手なのかという。攻めては3ポインターも決められる。プレーぶりが落ち着いている完成度が高いとUSA Selectや代表メンバーたちから絶賛されています。

昨季の男子カレッジバスケットボールは目玉になるスター選手に欠けていたせいもあって女子のCaitlin Clarkに話題をさらわれた感がありましたが、今年はこのCooper Flaggが最注目の選手として既にこの時点でバスケファンの注目を集める存在になろうということですね。

Dukeはカレッジバスケのエリート校なので放映試合も多いので今年の秋がいまから楽しみです。

KlayがWarriors時代の写真を消す

やっぱりめんどくさいなあという。Dallas Mavericksへの移籍が決まったKlay Thompsonは古巣のGolden State WarriorsのSNSフォロー類を外し写真もガンガン削除。アキレス腱をやったときのオフにMax契約をしてくれた恩なんて忘却の彼方ですか。

Mavericksを選んで優勝を目指すぞという意気込みは結構ですし、Luka DoncicがエースでKyrie Irvingもいるチーム構成なのでKlayの得意としたキャッチ&シュートの機会はたっぷりもらえるはずで生き生きとしたKlayの復活となるならそれはそれで良しですが。
4年連続Finalsで激突したWarriors x Cleveland Cavaliersの頃の両軍の副将セカンドオプションだったKlayとKyrieが合流したことにもなります。(4年目はKyrieはいませんでしたが)

Klayは自己評価が高い感じなのでMavericksで優勝してWarriorsを見返してやるぐらいの気持ちでやってもらうのは良いのですが、気性の荒いDoncicとちゃんとやっていけるのかどうか。もしMavericksで優勝できればリングの数でSplash Brothersの上位Stephen Curryよりも上に行けるわけです。
かのTom Bradyが移籍してBill Belichickを出し抜いて優勝、GOATを確定させ、かつNew England Patirots王朝の手柄はBradyがいたからこそだと世論を納得させた、あの感じをKlayはやってみたいのではないでしょうか。Tom Bradyに自身をなぞらえていたらそれ自体がめちゃめちゃ自己評価高いんですけど、Klayならありえなくない。

Warriorsがサラリーキャップが空いてどういう補強ができてStephとDraimond Greenのいる間にまたコンテンダーになれる可能性ってあるのかどうか。Klayとの再契約を待つというスタンスだったため今オフはWarriorsは出遅れていて他の有力な補強することはできませんが、来オフはどうか。

尚、WarriorsはChris Paulの契約最終年部分を破棄もしてます。そのChris Paulを拾ったのはSan Antonio Spurs。これは意味がすごくわかる。昨年の全体1位指名で獲得したVictor Wembanyamaのコート上の指南役として39歳のCP3を獲得。昨季のSpursは純然たるポイントガードなしだったのでその部分でWembyの鍛錬は足りていない。CP3は年齢的にフル稼働することは望めませんがWembyに超一流ポイントガードが何をもたらしてくれるかの体験をさせてくれることはきっとできるのでしょう。

LeBronが減額契約を飲む意向でFAに

LeBron Jamesが契約最終年を選手側のオプションで破棄、FAとなってます。数日前からLeBronの代理人から減額を飲んでLakersの戦力強化に協力する意向であるという話は出てましたからFAとなったのは意外ではない。Los Angeles LakersはLeBronの息子のBronny Jamesを先日のドラフトで全体55位で指名。NBA史上初の親子で同一チームでプレーするLeBronの夢が叶えられることになってます。形上はFAになったので現在は同一チームにはいないんですけど、LeBronはLakersと再契約する気でのFAということです。

減額を飲んで、それでmid-level exception(MLE)でJames Hardenなどのターゲットを獲得できれば良し、MLEで良い選手が獲れないのならLeBronは最高額での再契約という二段構え。ということはMLEで誰が獲得できるか、誰ならLeBronが減額を飲むのかLeBronとLakersの間で既に了解ができているってことですね。

James HardenはしかしながらFA期間が始まってあっという間にLos Angeles Clippersと2年契約が決まってLakersの補強は別の選手を狙うことになります。そのターゲットがKlay Thompsonという話があるんですよね。

KlayはGolden State Warriorsから減額しての再契約をオファーされているとされます。Warriorsとしては功労者のKlayを切るのではなくKlayの意思で出ていってくれたらそれはそれで良いような。性格的にめんどくさいので。
WarriorsはChris PaulもウェイブしているのでKlayも外せるならいろいろ余裕が生まれます。

LakersがKlay Thompsonを欲しいか。悪くないのかもしれません。がKlayが良いコンディションで加入してもLakersが西でコンテンダーになれるかというとどうでしょうか。プレーオフ進出もそう簡単ではない。

きっとLeBronとしてはただBronnyと親子でレギュラーシーズンをプレーした、というだけでなく、初の親子プレーオフ出場とか、さらに上を夢見ての減額を飲むって話ですね。


米女子バスケ代表選考で考えるDream Teamの編成再訪

今年は米大統領選挙年。4年に一度の政治の季節のせいもあってことあるごとに政治的な主張に時事の話題が結び付けられるという傾向がある年です。4年前はCOVID-19が公衆衛生の問題から離れて政治問題化。他でも市民の暴動と銃保有の正当性が先鋭化して大モメにモメた。あれが4年前。あれはひどい年でした。
同じ4年周期なので米大統領選挙年と五輪夏季大会は同じ年になる。4年前は国内アメスポが大騒動のスクランブル状態。五輪どころじゃなくなって実際に東京五輪も翌年に延期。

そういうわけでこの夏のパリ五輪も米大統領選挙年に開催されるわけです。4年前は荒れ放題だったのに比較すれば現時点で米国内の争いはまあまあ。とにかく4年前でこりてるので政治問題をジョークにしたり世間話的にも絶対しないようにして避けておくという知恵は多くの人についている。各社の有名AIだってちょっとでも政治に触れる話題だと回答を拒否して貝になる。(ぜひ試してみてください)

でも他方そういう議論というか騒ぎをやりたくてしかたがない政治的なマニアみたいな人もいるわけです。そういうひとたちは日夜ネタを探して炎上化にもっていきたがる。まんまとそのオイシイ餌になってしまったのが米五輪代表女子バスケの選考問題だったという感があります。


カレッジでNCAA通算記録を更新したCaitlin Clarkの人気が米国内で爆発。ロゴスリーという異名をもつロングレンジの3ポイントシュートを次々とかませて2年連続でNCAAの全米優勝戦に進出、2年連続準優勝。通算得点の記録は女子の記録を塗り替えただけでなく、男子の方の通算記録も超えた辺りではフェミニスト方面にも大きくアピールしたのか報道が加熱。2年連続で全米制覇には届きませんでしたが名前は完全にスポーツの外にも知られる存在となってその勢いのまま女子プロWNBAドラフトへ。

カレッジでもホームは常に満員、アウェイに行けば当地の動員記録を更新、女子版March MadnessでもTV視聴率記録を次々と更新。その勢いでWNBAのドラフト放送の視聴者数も当然のように新記録。WNBAが開幕して1ヶ月でWNBAの試合中継の視聴率が前年比3倍増という大変な状態となっていました。WNBAでも所属のIndiana Fever戦はホームもアウェイも満員の連続。

そういうポジティブな流れが来ていたところで米バスケ協会はCaitlin Clarkを五輪代表に選ばないという決定をしたため困惑と批判が渦巻く事態へ。そこに付け入ったのが政治化が大好きな層で事態はあらぬ方向へ流れていっています。

前回のこの問題を書いたときのコメント欄にも書いたのですが、Clarkが落選させられたのは白人逆差別がバスケ界に(ひいては世間一般に)はびこっているからだという主張が当然出てくるだろうなあというのは容易に想像ができました。現在トランプ支持者を多く含めて、マジョリティが抑圧される形のマイノリティ優遇は行き過ぎで再是正が必要だという主張は広く行われています。

コメント欄ではもう1点、同性愛者というマイノリティによる異性愛者というマジョリティへの逆差別という問題の可能性も指摘したんですが、それは話が錯綜するのでまた別の機会に。


それで表題の件。1992年のバルセロナ五輪に出場した米男子バスケ代表=通称Dream Teamの選考と人種という問題を振り返って論じておいてみたいと思います。
当時のロースターは12名。看板となった3名はMichael Jordan, Larry Bird, Magic Johnson。Charles Barkely, Patrick Ewingまでが先発5人の扱い。以下Karl Malone, John Stockton, David Robinson, Chris Mullin, Scottie Pippen。以上10名に加えて遅れてロースター入りが発表されたのがClyde Drexler。そして唯一の非NBA選手のChristian Laettnerという12名。

私は当時この選考の様子を眺めていて選考する側は相当苦労しているんだなと感心しました。12名中白人選手は4名(Bird, Stockton, Mullin, Laettner)12人中4名だからかなり多めです。その後のDream Team IIと呼ばれた代表チーム以降はこういう人種バランスに強く気を使った選考はされなくなってます。

当時Birdは背中を痛めていてもう引退する意向で本人も乗り気ではなかったのを協会がオールUSAにするためにはどうしてもキミが必要だと口説いて首を縦に振らせたとされます。唯一のカレッジからの選出となったChristian Laettnerはカレッジで優勝したDukeの選手でカレッジの最優秀選手賞も獲得していたので言い訳はつくんですけど、カレッジから一人選ぶなら圧倒的なプレーをしていたShaquelle O'Nealの方がDream Teamにはふさわしかった。実際Dream Teamの中ではLaettnerは小僧みたいな扱いになってしまっていましたが、これも白人度を高めるための努力なんだろうなあと当時も思いました。そもそもカレッジから1人呼ばなくてはいけないという縛りなどなかったんですから、白人度を高めるための工夫でひねり出してLaettnerは呼ばれたと思います。
Chris Mullinは11名のNBA選手の中では最弱かつ意外。白人であることが重要だったからかなと思わせた。4名の白人選手の中であの時点で一番実力が高かったのがアシスト王だったJohn Stocktonでしょうが、それも当時の人気知名度からしたらPGのポジションにはDetroit Pistonsで2連覇をしていたIsiah Thomasがいましたから、ThomasとStockton、白人の分でStocktonだったかなと感じられました。
(後年になってJordanがThomasを真剣に嫌っていたのでThomasは落選したという情報が出たりもしましたが)

その協会の努力のかいもあってかDream Teamは国内外で爆発的な人気を得て成功を収めています。別の記事でも話題にしましたがGallup調査の世論調査を見るとバスケットボールはファン層が狭いという結果が過去示されていた。その理由までは世論調査だけではわかりませんが、実質的に黒人選手が大半を占めるため一部の層からはバスケットボールの観戦に拒否感があった可能性は推測できる。
それでオールUSAのDream Teamを演出したかった米バスケ協会がその点を緩和するために苦心してDream Teamの白人度を高めた結果があのDream Teamのロースターだったのではないかというのが私の推測です。


それと比較すると今回の女子五輪代表チームの選考であっさりCaitlin Clarkを落選としたバスケ協会の判断は30年以上前の1992年とはまるで違うんだなということを思わされます。人種融和に苦心惨憺して組んだバルセロナDream Teamは大成功して、あっさりClarkをパージした女子代表は集合する前から紛糾。故事から学んでない。逆行してすらいるかも。世の中を広く見られていない人がリーダーだとこういうことが起こっちゃうのかなという感想でも良いと思います。

Celtics18度目の優勝

今日は試合の中身の方はもう良いでしょう。前半から3ポインターが50%超えで当たりまくったCelticsが、Luka DoncicとKyrie IrvingがハマらないDallas Mavericksを引き離し、そのまま押し切り。Doncicのボディランゲージがもう第3Qですでにダメと言っていましたから。

最終スコアはBoston Celtics 106-88 Dallas Mavericks。CelticsはNBA史上最多18度目の優勝。17度で並んでいたLos Angeles Lakersとの同回数の優勝タイから抜け出してます。

とにかく強かった。穴がない。一時期のNBAチャンピオンは主力選手少数以外はアウトサイドシューターが隙を見て打ち込むのがひとつのパターンとして確立しましたが、今年のCelticsはただのシューターではなく攻撃のバリエーションも多く、ガードまでリバウンドを取れる。それよりなによりディフェンスが素晴らしかった。崩れなかった。強いチャンピオンを見たという気になれる優勝だったと思います。

Finals MVPはJaylen Brownで納得。結果としてはMarcus Smartを切ったのも正解だったということに。

個人的にはあまり気にしていなかったのですが、いまこうやってCelticsがLakersを引き離して単独トップの優勝回数と言われてしまうとLakersの選手・フロント・ファンともざわっとしてしまうことでしょう。例のバブルでの優勝でなんとなくLeBron時代のLakersは許されてきていたようなところがありましたが、Celticsに追いつくことという大目標ができてしまった。

LeBronが来季Lakersに残るのかどうかからして不明。LeBronの意中の次期HC候補とされたJJ RedickをLakersは拒否。拒否した上で獲りにいったUConnでカレッジ2連覇を遂げたDan Hurleyにフられてます。どうするんでしょうか。LeBronの意中のHCとしてはTyronn Lueの採用をLakersは却下した過去もあるし、Hurleyに蹴られてどうする。

Mavericksがスイープを免れる大勝

NBA Finals第4戦。今日Boston Celticsが勝って決めてしまうと、明日第4戦を迎えるNHLの方の結果次第では日曜日を待たずに両方とも終わっちゃいかねない試合でしたが、Celticsは前半35得点。現Celtics HCのJoe Mazzulla時代になってからプレーオフ&レギュラーシーズンを通じてハーフでの最少得点。第3Q時点で点差は30点を超えて40点に届きそうなぐらいの一方的な試合。

いまのNBAは20点強差ぐらいなら気を抜いたら盛り返してくることはいくらでもあります。Celticsもそういう試合をこのプレーオフでもやってきているんですが、さすがに今日はそうはならず。第3Qの残り3分切ったところでCelticsが主力選手を全員ベンチに引き上げて、第3Qの終わりには両軍とも主力選手は引っ込んでしまい試合の終わりごろのようなムードに。
実況も「あと1Qありますが何を話しましょうか」と言うぐあい。Celticsの方は今日負けても3勝1敗で余裕がありますからね。第4Q始めの時点で勝利インタビューもどきをやってましたし。

私は古いのでその昔、Chicago BullsがFinalsの試合で完敗モードで早々と主力をベンチに引き上げて、控え選手に入れ替えやっていたら急に得点差が詰まって、Jordanを始めとする主力がぞろぞろ再登場して逆転勝ちした試合があったのを記憶してます。Portland Trailblazersが相手だったはず。

第4Qが完全消化時間になってしまってからTim Hardaway Jr.が5本連続で3ポインターを決めて大アピールの場となりました。HCに俺にもっとプレーさせろという。Hardaway Sr.も顔抜きされて嬉しそうにしてました。
最終スコアはDallas Mavericks  122-84   Boston Celtics。

第5戦は@Bostonで月曜日の予定となってます。第1戦第2戦でいいところを出せなかったKyrie Irvingにもう一度因縁の@Bostonでプレーする機会です。Kyrieのいいところが見たいです。

Doncic痛恨のファールアウト

NBA Finals第3戦は激戦となりましたがCelticsが逃げ切り、最終スコアはBoston Celtics 106−99 Dallas Mavericks。

ハーフタイムではDallasが1点リードでほぼ互角。前半Kyrie Irvingが当たっていたのにそれでもたった1点差しかつけられなかった。
第3QにCelticsが一気にスパート。第3Qだけで16点差をつけて、第4Qに入っても差は広がり最大21点差。シリーズをCelticsが2勝0敗でリードしていて3勝0敗となればNBAのプレーオフ史上逆転されたケースは一度もなくこれで今年のFinalsも終わりかという悲観の広がるところ。

しかしそこからMavericksの反攻開始。怒涛の22−2ランで21点差がみるみる間に溶けて3点差、まだ時間は5分、たっぷり。勝負がわからなくなってのDallasの観客大興奮の展開。

しかし試合時間残り4分半のところでLuka Doncicがブロッキングファールをとられたのが6個目。そのちょっと前に5個目をとらていたばかり。この時点でエースのDoncicを失うわけにいかないDallasはチャレンジ、ビデオ判定にもちこまれましたが判定変わらず。
今季は審判の笛がなかなか鳴らない傾向が強いだけにこの微妙なのに笛が鳴ってしまったのはDallasファンからすると納得いかないかも。ビデオ判定後の主審の会場への説明でも「Doncicは完全にディフェンスポジションに入っていないので判定は変えるのに十分ではない」とのことで、主審の目から見てもかなり際どい反則だったというのが滲んでました。

これでDoncicを失ってしまったDallas。4分半で3点を追う。あとは残ったメンバーでなんとかしなくてはならない。Doncicがいないので全部Kyrieにまず託すんですけど、第1戦第2戦からずっと効果的だったCelticsのJrue Holidayのバックコートからの抵抗ディフェンスで時間を取られてフロントコートでのプレーは思い通りにはならず。他にも細かいところでムービングスクリーンを取られたり、オープンになったコーナー3が外れたりと勝負どころでDallasは失速。Celticsが逃げ切って3戦全勝で王手となりました。
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