アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

MLB/Baseball

ロボ審判って使えるのか

来季からMLBにAutomated Ball/Strike System (ABS)が導入されます。ロボ審判と今回は呼んでおきます。技術としてはテニスのホークアイと同じもの。
既にテニスでは選手によるチャレンジ制を経て、人間の線審を廃して全てのボールを機械判定へと進んでます。テニスでは完全に信頼を得て定着しています。

MLBのロボ審判ってでも使えるのか?というのが今回のテーマです。初年度のルールでは各チームに2度のチャレンジ権が与えられるというのが基本制度。
2度?なぜそんなに少ないのかというところに問題を感じます。そこまで少ないと試合の序盤では使いづらく怪しい主審の判定が大いに残りそうです。相当に怪しい判定でもチャンスでの三振か四球かでもないと使えないのではないか。

テニスであればそこに厳然たる物理的な線が存在するのでホークアイがなくてもTV画像でもわかるようなあまりにもひどい誤審は起きづらい。しかし野球にはそんなものはありません。長年、選手もファンも「今日の主審は外角とってくれる」云々で慣らされてます。ロボ審判が導入されてもいきなり序盤にチーム側がその主審の傾向をたった2つのチャレンジ権を失うリスクを犯して咎めるわけにはいかないんじゃないのか。そうなるとロボ審判は導入されても過去と変わらず「今日は広めで投手有利の日」みたいなことが結局続くのではないのか。

勝負どころで信じがたい酷いストライク判定でファン激怒といった場面が多少減るかもしれませんが、そうならない場面の方が多く残るままとなる可能性の方が高いでしょう。

MLB審判労組との絡み(将来の審判の待遇・身分保障)があるのでいきなり全球ロボット判定にはできないという技術以外の部分があるのは想像がつきますから段階を踏まねばならないのは理解できますが、それでも1試合で2度はいくらなんでも使えなさすぎないか。

今日のALDSやNLDSの試合を見ていてそれボールかよと思うケースは何度かあっても、いやぁでもこの場面ではチャレンジ権があっても使えないだろうなあって思いました。

私はRoberts監督の指揮に好感を持ってます

NLDS第2戦2試合が開催。Los Angeles Dodgers@Philadelphia Phillies戦はPhilliesの最後の追い上げをかわしてDodgersが2連勝でNLCS進出まであと1勝となりました。移動日を挟んで水曜日の第3戦はYoshinobu Yamamotoの先発予定試合。

今日の試合は先発のBlake Snellが6イニング9奪三振1被安打ゼロ封でQS。第2先発と表現しても良いEmmet Sheehanで4点差、残り3イニングを最後まで投げ切れさせられたら最上だったのでしょうが、Sheehanの2イニング目=8回の内容が怪しかったので最終回にブルペン陣に頼ることに決めたDave Roberts監督の判断は悪くないと思いますが、Blake Treinenが一死も取れずピンチ。同点や逆転負けの可能性が膨らむPhilliesの9回裏の粘りの攻撃になりましたが、終盤はDodgers守備陣の細かいプレーでしのぎきったのが良い勝ち方と見えました。

一番の見せ所だったのは1点差に迫られたところでのバントを三塁で刺したプレーですね。三塁手Max Muncyのダッシュ、Mookie Bettsが早めのサードベースカバーと、そこへMuncyの好送球。これで得点圏のランナーを消した。これが大きかった。Muncyのダッシュぶりははっきりとバント対応が指示されていたはずで首脳陣の目に見えにくい好判断と思います。
試合終了の最後の二塁ゴロはたぶん緊張から丁寧にいきすぎてTommy Edmanがワンバウンドの悪送球になったのをファーストのFreddie Freemanがすくい上げて足もベースになんとか残してゲームセット。

その前にも外野への痛烈なヒットを守備固めで入ったJustin Deanが身体全体を使って落としたプレーも目立たないでしょうが大きかったです。野球って守備の差で勝ったといえる試合の割合は少ない競技かと思いますが、この試合はその少ない部類の勝ち切り方に入れても良い試合だったのでは。

一般ファンからはなぜTrinenを出したとRoberts監督を非難する向きが多いのは間違ってはいないと思いますが、じゃあ9回冒頭からRoki Sasakiが最適解かというと、逡巡する気持ちもわかります。8回裏にPhilliesは上位打線で終わって、9回裏は下位打線へ向かうところ。

この試合前からRobertsはSasakiは単純にクローザー固定しないと言っていた。それはたぶんSasakiは7回でも8回でも10回でも相手打線の一番危険なところに対して投入するという意味だと私には聞こえていたので、9回冒頭からSasakiじゃないのはそういうのもありかなという風には見えてました。
レギュラーシーズン終盤に打たれまくってBlown SaveのかさんでいたTanner Scottは外したものの、Trinenは残した。そこがファンには温情采配に見えて、実際に炎上したんですから批判されるのは仕方ないですが。

今日Trinnenは炎上したので次に同じ場面ではどうするかですね。ホームの試合だったらClayton Kershawを投入してイニングまたぎ、場合によっては試合終了まで目指すというのでも良いじゃないかという気もします。今日もブルペンにいて表情も戦闘風の顔つき、投げろと言われたらいつでもいくぞという気合が入ってるようにもみえました。
第1戦はOhotaniの後にTyler Glasnow、今日の第2戦もSheehanと先発型を二番手に投入している。第3戦はYamamotoの後の二番手でKershaw熱投なんてのも見たいし、現実的にありうるんじゃないかな。

Dodgersが逃げ切って、その直後のタイミングでもう一つのNLDSでSeiya Suzukiが3ランホームランを打っていてなかなか楽しいMLBポストシーズン観戦になりました。

KershawはWorld Baseball Classicに出場するか

2023年のWorld Baseball ClassicのときにClayton Kershawは出場を希望していたとされました。ただしケガのリスクをカバーする保険料が高額で諦めたとかなんとか。
パンデミックもあったことでサイクルがズレてWBCの次回大会は来春2026年。今季でKershawは引退するのですからプレーすべき本業のシーズンがなくなるわけで、つまりはご本人さえその気なら2026年のWBCの米代表として参加することは可能ってことになるのだと思います。保険が必要なのは契約下のMLBシーズンに影響が出た場合のことで、それがないのですから。

私の理解しているところでは現時点で既に米代表メンバーとして出場を公言しているのは4名。Aaron Judge、Cal Raleigh、Bobby Witt Jr.、Paul Skenes。
JudgeとRaleighが出るのならどちらが獲ったとしてもALの2025年のMVPがWBC米代表になるということになります。SkenesはMLB唯一の1点台の防御率でNLのCy Young賞最有力。過去、米代表は投手に一流どころが揃わないのが難点であったのでSkenesの早い段階での出場宣言は心強かった。そしてケガもせずにシーズンをフィニッシュ。春先のアクシデントでもなければMLBの最強投手をエースにして米代表が組まれることになるはずです。
Bobby Witt Jr.は25歳のショート。2024年と比較すると若干成績は落としましたがシーズンフル出場に近い実績を残しており好選手です。

レギュラーシーズンが終わり、またここからは三々五々ポストシーズンが終了して各選手がオフシーズンに入る。そういう中で米代表のロースターも固まっていくことになる段階です。

そういうところでClayton KershawのWBC米代表入りはかなり有力なんじゃないかなあというのが私の感覚です。いまはまだDodgersがポストシーズンの最中で、Kershaw自身も登板機会が回ってくる可能性もありWBCの話題は出てこないでしょうが、前回大会のときのいきさつを考えるとアリであろうと思います。

振り返るとWBCの第1回大会、まだそのさき大会が存続するかどんな中身になるかなにもわからない第1回のときにキャリア晩年だったAl Leiterが出場したことがあります。あれに近い出場になるかも。
先日のKershawのレギュラーシーズン最終登板を見れば余力はまだ十分。MLBシーズンへの準備が必要なくWBCの開催時期にピークを持っていく調整をしても良いのならKershawが米代表のユニフォームで躍動するところはちょっと見てみたいところではあります。


他のWBC関連のことで気になっていたのは同じくDodgersのRoki Sasakiですね。結局はレギュラーシーズンが終わる前に故障から復帰して登板したのでですが、つい2週間前辺りでは上に上がれないままシーズンが終了する可能性がありました。
WBCへの出場の条件としてケガで前のシーズンを終えた選手のWBC出場には所属球団が出場阻止の権利があるとかなんとかいうルールがあったはずです。上がったのでたぶんその条項には抵触しないのかもしれませんが、あの上がる上がらないをマスコミで推測されていた時点ではこのままだと誰も気づかないうちにWBC出場が不可になっちゃうんじゃないかなと興味深く見ていました。

MLBワイルドカード開始

MLBのポストシーズンが今日から開幕。シーズン終盤に負けまくり瀕死になりながらポストシーズンに残れたDetroit Tigersが、そのTigersを一気に抜き去ってAL中地区を制した@Cleveland Guardians戦でスタート。
Tigersはひどい様でレギュラーシーズンを終えましたが投手ローテ面では大エースのTarik Skubalをこの第1戦にもってこれたのが僅かな幸いとなってます。Skubalは昨年のCy Young賞で今年も13勝6敗、防御率2.21はMLB2位(Paul Skenesが1.97)、AL首位。奪三振も241でAL2位。正念場だったClevelandとの9月の直接対決2試合ではいずれも6イニングを投げて自責点1で、自己の防御率を下げながらも登板2試合ともチームは敗戦(自身は1試合のみ敗戦投手)してほぼシーズンを通して首位だったのを明け渡したことになってます。

Skubalは昨年のポストシーズンでゼロ封を続ける素晴らしい活躍をしながら最後に力尽きて敗退してましたが、今のチーム状態ではワイルドカードで1勝でもできるのかどうかも危ぶまれる状況。孤高のエース風になっちゃってますが、それはそれでかっこいいので弱応援してます。


日本視線では相手がCincinnati Redsに決まったDodgersのワイルドカードラウンドでのローテが発表になったのが一番の話題なのでしょう。ワイルドカード初戦にはBlake Snell、第2戦にYoshinobu Yamamoto、もし第3戦があればShohei Ohtaniと言ってます。
Ohtaniの第3戦というのは、2連勝で勝ち抜いた場合に次ラウンドの@Philadelphia Phillies戦の第1戦に登板できるという点にも比重が大きそうです。つい先日にPhillies戦に先発、5イニングをノーヒット無失点で完勝したばかり。その試合から間がないのでPhillies側の対策も興味があるところです。

投手Ohtaniにとっては初めてのポストシーズン出場です。第3戦先発予定だと最悪登板しないままでシーズンが終わっちゃって投手Ohtaniはポストシーズンバージン継続という可能性もあるにはあるんですが。

Dodgers関連では気になるのはシーズン中、たぶん契約上の理由で打者でMichael Conforto、投手でTanner Scottが不振でも使い続けなければいけない縛りがついていたのが、ポストシーズンでは解除になる契約になってるのかどうかが気になります。そんな契約の中身は監督もチームも口外しないので推測されるのみですがあの不自然な起用法だと、なにか縛りがついていたと考える方が自然。それがポストシーズンも縛るのかどうかですね。

DodgersのポストシーズンのクローザーというとKenley Jansenがへろへろになりながらもあれもたぶん契約上の事情でクローザーから外せず苦しいポストシーズンシーズンとなった時期がありました。Jansenの場合はDodgersで良い時期もあっての下降だったのでファンも割と我慢してくれた面がありましたが、Scottは4年契約で今季Dodgersに加入した初年度でアレなのでファンがついてきてない。そして問題が今年だけの限定にならないという先々の不安もある。先々のことは来年以降に心配するとしても、今年のポストシーズンでも特別な地位が与えられるのかどうかは大いに興味があります。

Dodgersのポストシーズンというと今年で引退するClayton Kershawがポストシーズンで何度も大炎上した記憶が強い。今となっては功労者扱いなので今季のポストシーズンの修羅場に投入するという起用がありうるのかどうか。ワイルドカードラウンドではベンチ外登録で出場しません。
せっかくレギュラーシーズン最終シリーズの@Seattle Mariners戦ではゼロ封勝ち投手の現役最終登板をやってきれいに終われたばかり。ポストシーズンの修羅場に次ラウンド以降に投入して過去の古傷を思い出させられるような登板になったらそれはそれでおもしろいかも(性格悪くてすみません)。あの頃の大炎上はKershawがピークだった時期のそれだったのでインパクト強かったですよね。

Cal Raleigh 60本塁打到達

MLBのレギュラーシーズン最終週。ポストシーズンの当落線上のチームが負けまくっていてそれはそれでおもしろいです。ですが他の話を。

Seattle MarinersのCal Raleigh捕手が今季60本目のホームランを打ってます。シーズンで60本はMLB史上7人目。

到達者6名はBabe Ruth、Roger Maris、Sammy Sosa、Mark McGwire、Barry Bonds、Aaron Judge。このメンバーの名前と比較するとCal Raleighの地味さは際立ちます。その騒がれなさっぷりも際立つ。ほとんど話題にもなっていない。

6名の過去の到達者のうち3名はステロイド期のホームラン量産時代の記録で、これをあっさり認めるかどうかは異論がでるところ。他の3名はNew York Yankeesの所属。Judgeは右打者ですが、RuthとMarisは左打者で、Yankee Stadiumのライトスタンドはホームランの入りやすい短距離フェンス。多少割引すべきというケチをつける筋もあるかと思いますが、他にも多数の左打者がYankeesのメンバーとしてプレーして僅かにこの2人が60本に到達したのですからこの2人の当時のプレーぶりは抜きん出ていたのは確かなのでしょう。

Marinersの本拠地T-Mobile Park(Ichiro在籍時を含め2018年までは前名Safeco Field)はパークファクターが現在使われている常設MLB球場で最も打者不利で28位。現行2チームがマイナーリーグ施設を使ってるので28位で最下位という状況です。ざっとでMLB平均より9%オフェンス側に不利です。

Yankee Stadiumはライトスタンドの近さから打者有利と思われがちですがパークファクターとしてはMLBの平均ど真ん中で16位となってます。
その辺を勘案すると左打者だったMarisやRuthは得をした可能性がありますがJudgeはパークファクターで得をしたという面は少なかったはずで、Judge以前の達成者5名と比較しても大いに誇るべき立派な60本塁打だったかと思います。

そこで7番目の60本塁打到達のCal Raleigh。パークファクターでJudge以上に不利。西海岸のチームの試合っていうのはアメリカの人口の大半にとっては観戦しにくい時間帯なので実際に生放送でRaleighのホームランを見た人が少ないのはまあしかたない。Marinersは人気チームでもない。前年までに有名選手だったわけでもないなど知名度的には大きく劣る選手が突然60本塁打を皆が寝てる間に打っていてもイマイチ話題にならないのはしかたない面はあります。

ただ成績としては立派です。捕手という負担の大きいポジションでの打撃でのこの記録はすごい。パークファクターにも助けられていない。Marinersは人知れず現在89勝でAL西地区の優勝を確定し、AL全体でも東地区トップタイのToronto Blue JaysおよびNew York Yankeesの90勝の真後ろにつけている好成績。そうやってみていくとRaleighにはAL MVPの可能性はあって良いのであろうとは思われます。

ALのMVP投票にはその昔からアンチYankeesの記者の露骨な投票傾向があるのでRaleighにもチャンスがあるかなとも思えますがどうなるか。記者も世代がかなり代わってる。昔のカネに任せた補強で悪の帝国とみなされていた時代のYankeesに、他チームを専門として書いていた記者がYankeesに反感を持って投票していた時代とはかなり違ってるのでJudgeであっさりという可能性もありえますが、歴史的な60本塁打の価値は評価してあげて欲しいかなという気持ちもあります。

OhtaniとSchwarberのサシ勝負

日本ではMLB Los Angeles Dodgersの試合はほぼ全試合放送と聞いてます。アメリカではそうはいかない。昨夜のPhiladelphia Phillies@Los Angeles Dodgers戦は全国放送。その上Shohei Ohtaniの投手での先発試合ということで、NL MVPのトップ2名のサシの勝負になる。だったら見ようかと見ました。東部時間で午後10時過ぎの試合開始なので眠くなるまで見ようという心づもりで観戦開始。

なかなかおもしろかったので見て良かったなと。日本のファンは当然ながらOhtaniびいきでしょうからMVPもOhtaniが取ると思ってる方が多いのではないかと思いますが、昨今のアメリカの国粋主義回帰傾向からしたらOhtaniが確実に取るというような状況には私には見えていませんでした。特に先月のKyle Schwarberの1試合4ホームランという豪打が大きなニュースになっていたのも記憶に新しいです。

それに対してOhtaniの成績はMVPクラスの活躍であるのは動かし難くとも、打者としては昨季よりは数字はさほど、Schwarberのようなその日のスポーツニュースの表紙全取りのような華々しい日があった記憶がない。
またSchwarberの所属するPhilliesの成績もDodgersを上回っており、Philliesがプレーオフ一回戦を回避する可能性は高い。MLBのMVP投票は所属先のチームの成績が加味される面が強いのは歴史的事実です。

またどのスポーツでもそうでしょうがMVPを何年も連続で取る選手が出ると他の人に一回ぐらいまわしてあげても的な心理が働くのもまた歴史が証明しており、一部のスポーツマスコミが言うほど今季のOhtaniのMVP獲得は盤石には思えなかった。

そういう中で9月中旬というレギュラーシーズンの終盤に東地区と西地区の首位チームが対戦、MVP候補同士が直接、同じ試合に出場するだけでなくMVP候補が投げてそれを打つというサシの勝負なんて、まずMLBの常識上起こり得ない状況だと、そう思ったので無理して見ることにしたわけです。

見て良かったです。Ohtaniが5イニングノーヒットで降板するところまで見ました。一打席目見逃し三振、二打席目は深く飛ばされましたがレフトフライでOhtaniの勝ち。初回に100マイル以上をバンバン投げていて気合入ってるなあという投球が見られて満足度の高い観戦でした。

そのまま寝ちゃったのでDodgersの二番手投手が炎上したのとか、Ohtaniの今季50号ホームランとかは翌日知りました。
翌朝のスポーツトークショーはこの試合に触れているものも触れていないものもあったようでした。触れたものでも「我々はOhtaniの快挙に感覚が麻痺してしまっているのではないか」というような切り口のものもあり、あーそーだよねー、という感じでした。先発して5イニングノーヒットノーラン、でホームラン打って、今季50奪三振と今季50本目のホームランを同日達成とか、でもそんなに興奮しないというのは異常な状態が常態になってしまっているということです。

LLWS ベネズエラ代表は無事参加

この時期のアメスポのほっこり定番のLittle League World Seriesが始まっています。米側10チーム、国際側10チームでそれぞれトーナメント。日本代表は初戦をチェコ相手に完勝。だいたい日本代表は毎回強かったんですがここ数年苦戦が多い。台湾に二年連続で敗北したのを見てるといよいよ日本の野球の早い段階からの鍛え込みだけでは体格差がごまかせなくなってきたのかもなと思わせるところがあります。
日本人は子どもの栄養と体格の向上を国策で考えたほうがいいんじゃないかな50年遅れかもとしばしば思います。

表題はベネズエラ代表が無事にLLWSに出場ができたことに安堵したという話です。第二次トランプ政権はベネズエラへの強い敵視を隠しておらず今年初頭からベネズエラ人ギャングを標的に取締を強化。ベネズエラ人ギャングは米国内だけではなく南米の他の国でも持て余すような国外での活動が目立つ国でもあり、標的にした事自体は間違ってないと思いますが、その延長線上でベネズエラ人の入国が大きく制限されています。

その線でLLWSの代表も米国入国が一度拒否されたというニュースが7月中に出ました。子どものスポーツにまでそれを適用するのか、大人げないなという感じもありますが、大人げないことをざっくりやるのが痛快だと感じる支持層を持つ政権なのでそんなもんかなというところでもあります。

どうもその後もLLWS主催側が最後まで粘ったようで、8月5日になってやっと例外措置として入国許可が降りた。準備も含めればタイミングでぎりぎりでしょうがとにかく出場できました。出場できない可能性も見てのことでしょうがベネズエラは4チームのみが戦う一回戦から出場。プエルトリコに快勝して二回戦に進んでます。

少年野球でこのありさまでは来年3月のWorld Baseball Classic、夏のサッカーW杯でもアメリカに入国が許されるかどうか疑わしいです。
野球WBCの方ではベネズエラ代表はグループリーグはD組でマイアミで開催。野球の場合はベネズエラ国籍で既に米国内でプロ活動をしている選手だけで代表を組んでさまになるはずなので「米国入国」は伴わないとは言えるので入国拒否は問題にはならないと想像するのがたぶん正しい。個別の選手の動向は存じませんがたぶん特に高給取りの選手は再入国時のトラブルを恐れてオフシーズンも米国内にとどまっている可能性が高いかなと想像します。
MLBのシーズン中にカナダToronto Blue Jays戦に遠征したあと帰ってこれない選手が出るかもという話は以前に書きました。

サッカーの方はベネズエラは南米予選で現在7位で、7位のままなら国際プレーオフに出場できる=来年のW杯に望みはつないでます。W杯は米カナダメキシコ三カ国での共催なのでベネズエラが当選してきたときにカナダかメキシコ分に振り分ければ米の入国拒否に関わらずグループリーグには参加できることになりますが、そうなるとくじ引きが少々複雑化します。アメリカの入国拒否対象国はベネズエラに限らずなので、その手の国を全部カナダ・メキシコに振り分けていたら公平なくじ引きにならなくなってきてしまうかもしれません。
ベネズエラはサッカーの強い国ではないのでノックアウトラウンドに進んだときどうのこうのまで先回りして心配するようなことではないでしょう。

2028年のロス五輪はまだ先のこと。それまでにはもっといろんなことが起こってそうです。

レース場でのMLB公式戦 観衆の数の競争に参戦

MLBの特別試合がテネシー州にあるショートオーバルのレース場であるBristol Motor Speedwayで開催。公式発表で91,032人の動員としたと発表されてます。MLBの動員としては史上最多となってます。

試合は雨天のため元々の予定日から順延して開催。天候はままならない。順延して翌日が晴れただけでも良かった。放映の方は地上波FOXが順延にもかかわらず放映をしていました。

Cincinnati RedsとAtlanta Bravesの試合。ざっとの話テネシーの会場まではCincinnatiからでもAtlantaからでも4時間ほどなのでその距離だと車で移動しようとするのがアメリカ人の習性かと思われます。他のジャンルの野外試合・スタジアム開催の特別試合でもそうですがお祭りであって試合観戦としては距離も遠くファンの熱気も届かない感じですし、雰囲気としては微妙だったというのが私の感想です。遠くの席からも見えるように直近に仮設で建てた観客席の数も少なかった。

当ブログではNASCARもしばしば取り上げます。なのでBristol Motor Speedwayはおなじみの場所ではある。レースにも関心がある私が見てMLB・野球とレース場での開催のシナジーがあったかというとそれもほとんど感じられず。ユニフォーム・ヘルメット・帽子のデザインにそれらしさを出そうと努力しているのは見て取れましたが、なんでしょう、あつらわれているモチーフがステレオタイプな感じでモータースポーツファンが見ておもしろいなと思うようなものだったかどうか。

今回の試合は「MLB Speedway Classic」というイベント名になっています。よって今回限りではなくMLB本部はレース場を使った特別試合を今後もやるかもという色気を持っているということなのでしょう。しかしこの試合の盛り上がりの薄さを見た感じでは継続開催はどうだかなというように見えました。


そもそもですが、この手の特別試合で観客動員数を誇るというような企画ってアメスポではホッケーNHLやサッカーMLS、女子スポーツがやることだったりします。下位ジャンルの我々でもこんなに人を集められるんだぞという一種の示威行為とも言える。
普段から良いお値段のチケットを売ってホーム会場をほぼ埋めているアメスポ上位のNFLやカレッジフットボールはそんなことはしない。

それが今回MLBがアメスポ下位のジャンルみたいなことをやりだしたのは自らMLBの動員力が落ちていることや各地のスタジアムが席数を減らしている(代わりに立ち飲みエリアなどを改築設置)のを意識してマイナージャンルみたいな行動になっちゃったという辛い評価も可能です。

結果としては動員の数字は出ました。もしこのMLB Speedway Classicの試合の9万人動員記録がないと、2025年の野球の最大の動員はMLBの試合ではなくSavannah BananasのBanana Ballの興行の方になっちゃってたんですよね。
今年Bananasは各地の大会場で盛況続き。最大で81,000人入れた試合をやってますから。そのときの開催場所はカレッジフットボールのスタジアムで。なのでMLBはBanana Ballに負けない数字を出したことでメンツを保ったという言い方も可能です。

Banana BallはNFLのスタジアムで開催できますが、MLBは公式戦の開催はたぶん無理。過去にはMLBもフットボール会場でやった歴史はあるのですが、一般にはフットボールのフィールドは幅が狭いので野球をやるには外野フェンスのどこかがやたら近くなってしまうからです。Banana Ballはお遊びですからホームランが多い方が盛り上がるし距離が近くたって良いですけど真剣勝負のMLBの公式戦はそれをやるのは強く抵抗があるでしょう。

余談ですがMLBが英国開催をしたときにはサッカー場でやった。ただしあそこは元々五輪のメインスタジアムとしても使えるように設計されていて外野フェンスをサッカーのピッチの幅よりずっと深く取れました。もともとサッカーのピッチ幅はアメリカンフットボールの幅より広いです。
現存するアメリカのフットボールスタジアムは前の方の高い席を可変にするような設計になっているところはたぶん存在しない。日本みたいな陸上のトラックが取れるスタジアムってアメリカには多くはありません。かなり古いカレッジフットボールのスタジアムしかないのでは。

NFL Los Angeles Chargers/RamsのホームのSoFi Stadiumは2028年のロス五輪のメイン会場でもあるのですが陸上競技はそこでは行われません。陸上は築100年を超えたLos Angeles Memorial Coliseumで開催します。1932年のロス五輪のときのメイン会場です。そこを100年後に使いまわし。メイン会場のSoFiでは公式サイズの陸上トラックが取れないからです。

ちなみにLos Angeles Memorial ColiseumではNASCARがシーズン冒頭に特別レースを開催したことがあります。レースをするにはめっちゃ狭くて見るに耐えないような渋滞が続く大変なものでした。ColiseumがNASCARをやるには最小の会場で、陸上競技をやるならColiseumが最大の場所ということですね。

CommandersやGuardiansが良い名前とも思いませんが

NFLのWashington CommandersとMLBのCleveland Guardiansがトランプ大統領から名指しでチーム名を元のRedskinsやIndiansに戻すようにという口撃を受けてます。

タイミングから言って他に話題を他に作りたいから持ち出してきた感が強く、トランプさん自身もさして実現に本気ではないだろうなという気がします。いま高級性接待事件(首謀者は既に獄死)にトランプ大統領も関与していた可能性が取り沙汰されていて、そっちもどうにも迂遠な話でどっちへ転んでも大した話にならないように私には見えますが、いま米国内の政治ニュースはそれが多い。そのタイミングで別のネタを供給した感じかなと。

Indiansの名を廃止したとき、Redskinsが改名したときそれぞれ記事を書いてます。特に前者の方ではなぜRedskinsやIndiansがアウトで、存続しているNHL Chicago BlackhawksやNFL Kansas City Chiefsはセーフなのかなどについての解説を書いてます。今読み返してみましたがほとんど付け加えることがない、今回のトランプ大統領主導の揺り戻し局面でも説明としては十分に耐えうる内容だと思います。

そういえばトランプさんは以前に韓国映画がアカデミー賞を獲得したときにも「そんなのじゃなくて『風と共に去りぬ』みたいなのが良い」と発言してます。これも政治的な意図が見えている発言だったかと。風と共に去りぬは1939年の名画なんですけど、奴隷制は廃止されていても人種隔離はたっぷりあった時代の映画なので今の目で見ると気になるところがある(らしい。私は見たことがない)とのことで、当時の言い方で言うとキャンセルカルチャーにひっかかってパージされた映画らしいんですね。キャンセルカルチャー批判として当時発言したのだと理解してます。

そういう経緯があるので今回のRedskins/Indians復活要求も似たようなもんだろ、キャンセルカルチャー批判にウケてくれる自身の支持層へのプレゼント的な。なので実現するかどうかはあまり問うていない本気じゃないんじゃないかなと。

私の個人的な正直なノスタルジックな感想で言えばCommandarsとRedskinsと比較したらRedskinsの方が耳馴染みがあって良い。もっと言えば名称は戻せないにしても、旧ロゴは残しても良いというのはあっても良いかもとは思います。カレッジの強豪であるFlorida State Seminolesは原住民の顔のロゴを維持しているんですから、Redskinsも名前はちょっと維持しがたいですが、マーチャンダイズで旧ロゴはありという落とし所はあるのかないのか。

あとはWashington DCや近隣州境をまたいでメリーランド州など地元は強固なブルーステイト。大統領の口出しに呼応してあっさりRedskins復活にしたら地元民からスカンを食うことが確実なのでそういう意味でも地元民を敵に回してまでRedskins名称復活は無理筋でしょう。
問題はスタジアムの移転でWashington DC内に戻るという状況下だと、過去なら川向うのメリーランド州でもDC内でも大きな違いはなかったのが、トランプ大統領と対立したままDC内に移転するとなるとDC政府の頭越しに細かい嫌がらせを受けることになるという問題が生じること。通常はDC内の内政問題はDCの市長が仕切るんですけど、DCは連邦政府の直轄地なので市長の頭越しにトランプ大統領が権力をふるえる法的根拠が残るという微妙な土地です。

Guardiansの方は過去記事でも書いた通り「インドの」という意味ではIndiansという言葉は残ってますがアメリカ原住民を指してIndianと呼ぶことはほとんど死語なので、戻しにくいでしょう。Indiansの場合は名称変更よりも先立ってChief Wahooのロゴは使わなくなっていたという事情もあります。今のGuardiansのロゴが良いかというと良くない。なのでChief Wahooを懐かしむ人も出るのかもしれませんが、Redskinsほど広がりはないんじゃないかな。
Redskinsは20世紀終盤にSuper Bowl制覇3度。Indiansは2度World Seriesを制してますが1948年が最後。その優勝を見ていまもご健在な方は極少なかろうと。つまり全国区のイメージでRedskinsの名やロゴは、Indiansの名称やロゴへの馴染よりかなり上ではないのかとは思えます。

Redskins/Commandersの方の地元の政治事情を書いたのでついでにClevelandについても。
同市があるオハイオ州は中西部の州で、大統領選挙の代議員の数では50州中7位。影響の大きい州です。オバマ大統領の頃まではスイング州と認識されていました。1964年から2016年トランプの1回目当選したときまで14度連続で大統領選挙で勝利した大統領を選んだのがオハイオ州で、国全体の傾向を示すリトマス試験紙のような州であった。それがトランプ1度目の当選のときに大きく赤に振れてその後は揺り戻しもなく共和党で固定しかかっているというそういう州です。ただ南部のような固着した共和党支持というわけでもない。中道右よりぐらいの政治風土です。
ですからトランプ支持者もメリーランド州やDCに比べれば多いはずですが圧倒多数というわけでもない。それにいくらトランプ支持者でもIndiansに変えることのメリットがほとんどないことは感じるでしょうしオハイオ州民がGuardiansに熱心に圧力をかけるというのがありうるのかなという点で実現性は薄いように思います。DCのような連邦政府の直轄地でもないので大統領による直接的な権力も及びません。
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