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MLB/Baseball

MLB 7年越しの改革ルール案を公開

2023年はMLBにとっては画期的なルール変更が様々された年でした。守旧派というかなんでも現状維持しか支持しない守旧派セクトの方は放っておいて、ざっとの話としては2023年の各種ルール変更はポジティブな効果があったというのが私の実感です。
今年2024年のMLBポストシーズンやその後のストーブリーグで普段野球を見ていたとは思えない友人から「Sotoはどこと契約すると思う?」なんてメッセージが届いたりしました。「Mets」と即答したらとてもウケてくれたりしましたが。彼にもピッチクロックについての感想を聞いたところほぼ私の個人の感想に近く、とにかく見やすくなったという好意的な反応でした。いまだにピッチクロックにも反対しているような層はまったく相手にする必要はないでしょう。ボールをこねこねしていつまでも投げないバカ投手を完全排除できただけでこれだけ見やすくなります。
でもそれって過去10年20年はびこっていた悪習を排除しただけでまだ以前よりよくはなってないという言い方も可能です。

守備シフト禁止であるとか、ベースのサイズ変更なんかはカジュアルなファンは差に気づくこともなかったでしょう。ピッチクロックの次に目立ったのはたぶん牽制球制限だったでしょうね。

さてその各種改革からMLBは2シーズンを消化。次の課題はロボ審判によるボール・ストライクの自動判定の導入かなと思っていたら、それを韜晦するような改革案がMLBから出てきたようです。題して「Golden At-Bat」ルール。1試合に1打席だけ打順に関係なく打者を投入できるというそういう話だそうです。あまり熱心でないファンからすれば寝耳に水ってところなんでしょう。

当ブログでは2018年2月時点で「MLBを面白くするにはこんな案だってある」という記事を書いています。ざっと7年前のMLBの手持ちTV局であるMLB Networkが流した噂です。当時も指摘してますがMLB Network発なのでどこかのよくわからないYouTuberが書いたとか視聴数を上げるためにおもしろおかしく適当なことを言ったというのとは微妙に違う信憑性がありました。

当時の話は9回に負けている方が登場打者3人を自由に選べるという案だったので今になって浮上したGolden At-Bat改革案は当時の案よりかなり控えめな案です。

意味はよくわかりますよね。NFLでもNBAでもNHLでもまたはサッカーでも負けている最後の勝負どころでは各チームのベストプレーヤーがベストのプレーを突っ込んで勝負を競っていることでエンタメになっているわけですが、野球ではそうはならない。たまたまなるときもありますがなるとは限らない。ざっと1/3強の確率でしか最強打者には打順は回ってこない。
7回にOhtaniが凡退してイニングが終わると、あーあと3人も塁にでないともう回ってこないなあと思って見てることはよくあることでしょう。

それが野球の基本仕様なのでそれで良いじゃないかとか絶対拒否とかという方が出るのは当然予想できたはず。それでもなおかつこの手の案が7年の熟考を経て浮上したんですからMLBとしては採用する気満々と考えるべきでしょう。知らない人が今騒いでもMLB内部では少なくとも7年も温めた案です。

個人的には元の打者3人選べる方がスター性は高まるし最終回まで見る気が起きるという意味では悪くないとは思います。球場の居残る人も増えるでしょうし。1人の突出した選手がいるチームならともかくそうでなければ3人選びたいところ。
別の角度で言うとGolden At-Bat案で1人だけの起用ではいくらそれが好打者でもせいぜい打率3割ちょっと。相手はクローザーなんですから3割も見込めないのが実態でしょう。伝統的な試合の基本フローを壊す抵抗の大きな変更な割にはあまり効果がなさそうで中途半端な気がしますね。
逆に中途半端にも思える案が最終案に近い形で公に表明されたってことはそのまま採用の可能性はかなりあるとも読めそうです。

熱帯ベースボールをちょっとは避けられそう

MLB Tampa Bay RaysのホームであったTropicana Fieldがハリケーンで屋根が吹き飛んだ件です。その後同都市圏内のNew York Yankeesのスプリングトレーニング施設であるTampa市内のSteinbrenner Fieldで2025年分のスケジュールは開催することは既に発表になっていました。同都市圏内に留めることで数は多くないにせよTropicana Fieldのシーズンチケットを持っているファンや転売屋をつなぎとめることを優先したということでもあります。

ただその決定を聞いてすぐに思ったのは夏場糞暑いのはどうするんだよ?ということでした。MLBの夏場の野外の試合が暑くて見ていられないという話は過去何度も書きました。昨年のShohei OhtaniがAngelsでの最終登板となった試合もめっちゃくちゃ暑くて良い席は買ったけどとても20分も座っていられなかったりしました。低緯度のLos Angelesでなくても東海岸や中西部の球場でも事情はあまり変わらない。カネ払って苦行に行くみたいなもんだと何度も愚痴を書いたことがあったわけです。

後発球団である亜熱帯フロリダ州のTampa Bay RaysやMiami Marlinsは屋根付き。Marlinsは可動屋根ですが実際はほぼ閉じたまま。涼みがてら野球観戦というのがアリな環境だったのが、Tropicana Fieldの屋根が吹き飛んだことで野外での試合ばかりになる。あの辺で2月3月にキャンプをやってるのはその頃が適温だからであって5月以降めっちゃ暑くてナイトゲームでも人は来てくれるものなのかなというのが最初の疑問でした。

それについてMLBがスケジュールの手直しで助け舟を出すというのが今日になって発表になってます。MLBのスケジュールは毎日詰まっているのでTampa Bay Raysのために対戦カードを変えるなどスケジュールをいじると他のチームのロジスティクスやイベントデーなども影響を受けるのでほとんどいじれないであろうと想像されたのですが、Rays絡みのカードのビジターとホームの日を入れ替えることでリーグ全体の対戦カードは変わらず、但し灼熱の時期のSteinbrenner Fieldでの開催日を減らすという工夫をしてきました。
あいかわらずアメスポらしい手早い、そして現実的な措置だと思います。こういう迅速さはアメリカビジネスが得意とするところ。

その結果、シーズン開幕からの59試合のうち47試合がホーム開催に。その後耐え難い暑さとなる時期となるシーズン中盤後半の103試合のうち69試合はアウェイに行くそうです。暑さもそうですが熱帯特有のスコールでの試合中止なども想定するとこれぐらいやらないと成立しないってことでしょうか。シーズン後半の7割方の試合がアウェイってのはなかなかきついですが、地元で毎日サウナの中で試合しているようなのよりは良いのでしょう。

World Series優勝決定試合での史上最大得点差を逆転してDodgers

World Seriesは第5戦で決着。試合の前半はNew York Yankeesが打ってエースのGerrit Coleが抑えるというYankeesの一方的な試合になりかかったのを、5回表にYankeesの守備の乱れを突いてColeの自責点ゼロのままDodgersが5点を奪って試合を振り出しに。その後Yankeesが再びリードをしましたがDodgersがしぶとく得点を重ねて逆転。投手起用も冴えて普段後ろで締めている投手を前倒しに起用して成功。最後は第3戦の先発投手だったWalker Buehlerを投入して僅少差を守ってのDodgersの2020年以来の優勝となってます。

2020年は短縮シーズン。その上パンデミックの最中だったので優勝パレードも行われなかったという事情もあって2020年の優勝は価値が低いような言われ方をするケースが多かったですが、今年は遂に堂々の優勝ということになりました。ケガ人続出だったチームをなんとかまとめて栄冠にたどり着いたのですから毎年批判されることの多いRoberts監督は今年こそは大いに賞賛されるべきでしょう。毎年の批判も組織内の天からの声で采配が縛られていた面もあってRobertsの非ではないだろという風にも私には見えていたんですけど、今年でその辺の細かいことは帳消しにしてあげて欲しいところ。

Walker Buehlerはレギュラーシーズン終盤は出ると2巡目以降で打たれるのを繰り返していたと思いますがポストシーズンに入って調子をあげて最後に優勝決定マウンドで貢献という良い巡り合わせとなってます。2度の故障からの復活は長い道のりでしたが打たれても腐らず今季最後の1ヶ月で数年前の良い頃のBuehlerに近い腕の振りになってきたようにも見えます。

Buehlerに限らず他の今季を棒に振った先発投手陣が皆来季は帰って来る。Buehlerの例を見ても投げられるようになるのと、故障前の高いパフォーマンスに戻るのとはフェーズが違うので来季開幕時点で先発投手の頭数とそれぞれの過去のピークを思い浮かべるとすごい投手陣になって6人ローテでも質が落ちないようにも想像できますが、春先はそう単純に行かない可能性がありますし、個人個人で調子が上がっていくタイミングも異なるでしょうが、今季優勝したことで概ね許されるシーズン中となるんではないでしょうか。

日本期待のShohei Ohtaniは不発のままWorld Seriesを終了。亜脱臼前も当たっていなかったのがケガ後はもう無理をしていないのか外や下に落とされるボールをことごとく振ってしまう打席が続いてご本人は不本意だったでしょうが、優勝決定後の笑顔を見て救われた感じでしょうか。
World Series MVPは文句なしのFreddie Freeman。Freemanの足首が治ったタイミングだったのでOhtaniのDH枠をFreemanに明け渡す可能性という(人心掌握的に)難しい判断をRoberts監督はせずに済みました。
ポストシーズン全体としてはDodgersは下位打線が良く打ったのも印象的。NLCSでもそうでしたが枚数の足りない先発投手を鑑みて捨てゲームを効果的に作ったのは天からの声もあったかもしれませんが正しい判断であったと胸を張れる結果になってます。


Yankeesの方は敗退前にAaron Judgeが一発Judge専用応援団席付近に叩き込んだのは良かったような。そうでないとオフシーズン中にJudgeへの風当たりが強いままになってしまったはず。他の都市はそうでもないですがNew Yorkのスポーツマスコミは野球のオフシーズンも需要が高く野球記事が多い。少し出遅れたにしてもなんとかSoto、Judge、Stantonと期待された中軸がそれぞれ打っての敗退でまあ仕方ない。勝った第4戦は下位打線が打っての快勝だったわけで、いくら強力な中軸でもそれ以外でも得点できないと勝ちきれませんね。打者の調子は揺れ動くものですから野球でポストシーズンの常勝は困難です。

YankeesはJuan SotoがFA。高額での獲得競争となるので手を挙げられる球団の数は限られる。Yankeesの近年の予算の使い方からするとSotoに大枚を注ぎ込む決意ができるものかどうか。他にも1番を打ったGleyber TorresもFA。最終第5戦に登板したGerrit Coleがopt-outの権利を持っていてのあのエースっぷり。FA宣言しそう。レフトで渋い活躍をしたAlex VerdugoもFA。その辺の主力戦力を維持・入れ替えしながらSotoの争奪戦に勝利できる道筋はあるのか。
他にも年齢が行っているので再契約は目指さないでしょうがAnthony RizzoやTommy Kahnleも退団予定で誰か埋める選手が要る。つまりはYankeesは解体出直し期前の最後のチャンスを逃したという論調でこのオフシーズンは語られるってことになりそうってことです。優先順位としてはSotoよりColeの方か。Sotoは26歳と若くて素晴らしい選手ですが金額がすごいことになりそうで。


今年のWorld Series全体は接戦が多くとても良いWorld Seriesになったと感じてます。ピッチクロックの威力は絶大で試合のサクサクぶりは数年前までと見違える。せっかくのYankees x DodgersというMLBが現在提供できるベストカードを提供しても、数年前みたいな延々ピッチャーがボールをこね回して投げない試合を普段見ていないスポーツファンに見せなくてよかったと心から思えます。

NFL Monday Night Footballと同時刻の放送となったWorld Series第3戦は各プラットフォームの合計でほぼ互角、10万人台の差でWorld Seriesが上回ったということのようです。どういう理由でもMonday Night Footballに互角に戦えるコンテンツはアメスポでもスポーツ以外のコンテンツでもまずあり得ないわけですから今回のWorld Seriesは成功であったと言って差し支えない。毎年こういう好カードとなることは期待できませんが、ピッチクロックは残ります。

悪の帝国呼ばわりされる件ですが

前項の末尾でもちょっと触れたのですがMLBで金満補強をするチームとしては今ならLos Angeles Dodgers、二昔前までならNew York Yankeesなんですが、YankeesはEvil Empire悪の帝国と呼ばれて他球団ファンに嫌悪されていたものです。今のDodgersはそれほどでもないような。

昔と違ってMLBを日常の話題にする強いファン層が消えてしまっていて嫌悪という強い感情をMLBに持てなくなっているというのもあると思いますが、昨夜のWorld Series第4戦を見ていて、あーやっぱNew Yorkerの性格の悪さもその理由のうちだったかなと思いました。

試合序盤のライトへのファールフライ。Dodgers Mookie Bettsがジャンプ、壁越しでナイス捕球したんですが、そこにいたNew Yorkの地元ファン2名がMookieのグラブを押さえつけてボールをグラブから掻き出すという露骨な行為をしていたのがバッチリTVに映されていました。瞬間的にああいう行動ができるというのは性格の悪さに他ならないような。World Seriesであの席を確保できるということは経済的には成功している人物のはずですが、それでその行為ですか、という。

実際にボールはグラブから飛ばされたんですが、ライト線審がその顛末を見ていてアウトになったのでそれは良かったですが、あの状態で手首をあんな風に掴まれてMookieがケガでもしたらと思うとその横暴さにうんざりします。渡米初期にニューヨークで親切な人に会ったら泥棒と思えという忠告を受けたことがあったのを思い出しました。

この日は映されていなかったですがこういう行為をすると球場スタッフに肩叩きされて退場処分になります。あの席ですからけっこうなお値段だったはずですが序盤に退場処分になってYankeesの大量得点の快勝を見ることができなかったことになります。スタッフの誘導に従わずに居座ると今度は警官に逮捕されます。その場合の逮捕理由はtrespassingになるはず。

@DodgersでYankeesのホームラン性の当たりを壁越しにキャッチしちゃった男性もいました。(判定二塁打)あれは可能性としては敵軍Yankeesを利する可能性のある行為(ホームラン判定になる可能性があった)だったのでキャッチ後ファン本人は頭を抱えていて、その後荷物をまとめてスタッフにエスコートされて退場するのがTVにも映ってました。損得や悪意でなく来たボールを取っちゃっただけなんであーあ、とか、まあそんなもんかというシーンでしたが、昨夜のYankee Stadiumのそれは悪意丸出しなので見ていて良い気持ちのするシーンではなかったです。

FreemanのWSMVP当確の5試合連続ホームラン

ここからNew York Yankeesがまくってシリーズ期間が大きく伸びる場合を除けばWorld SeriesのMVPはFreddie Freemanで当確。第1〜3戦連続でホームラン。Atlanta Braves時代の2021年World Seriesの第5戦第6戦での2本と併せて出場World Seriesで5試合連続ホームランで、これはHouston AstrosのGeorge Springerと並ぶ史上最長。今日の第4戦にもう1本出ても出なくてもWorld Series史上に残る記録となっており、それに第1戦のWorld Series初のサヨナラ満塁ホームランというMLB史上に残る名場面も含まれており、もうFreemanを抜いてMVPをかっさらうのはYankeesの怒涛のカムバックで誰かが打ちまくるしかないです。Dodgers側の選手ではもう抜ける展開がほとんどない。

Aaron Judgeは第3戦も不発。Shohei Ohtaniも不発ですがOhtaniの場合はボール球を追っかけてを繰り返しているだけなので話はシンプルですが、Judgeの方はストライク枠内の球も捉えられていないので悩みが深い。前後を打つJuan SotoとGiancarlo Stantonはそれぞれ彼ららしいホームランは1本かっ飛ばしているので3戦で1安打7三振のJudgeへの風当たりが強い。

第2戦に続いて第3戦も9回にYankeesの反攻が見られたものの試合全体としてはYankeesの劣勢が続く展開でYankeesファンは応援すべき時間帯が短い。戦前にYankeesがまさる点として先発投手陣の質が言われていたのがDodgers先発のJack Flaherty、Yoshinobu Yamamoto、Walker Buehlerと3戦連続が好投でYankees打線は散発。

早いと今夜火曜日にDodgersのスイープで決着がついてしまいそうな勢いです。現在のMLBで最も数字が出せるカードでのWorld Seriesが戦前の主役のはずだったJudgeとOhtaniが不発の上に僅か4戦で決着となるともったいない気もしますが、生のスポーツですからそういうこともあるさということに。

ところでJuan SotoはこのWorld Series期間中に26歳の誕生日を迎えたばかり。今季後にFAになりますが良い打者ですよね。ボール球に手を出さないし見逃し方が良い。このオフにDodgersがSotoにも手を出すのではないかと新悪の帝国化するような噂も出ています。Yankeesは悪の帝国と見なされた時期がかなり長かったと思いますが、Dodgersって金満な割に昔のYankeesのように金満悪魔のような批判を受けていないような気がします。
MLB自体の力が落ちているので批判・アンチという形の熱心なファンの絶対数がYankeesの頃とは違っているからというのもあるのでしょうが、Dodgersブルーと明るい南カリフォルニアのイメージもGotham Cityと重ねられたNew Yorkとは違うからってのもあるんですかね。

「肩ですね」

最終回のJuan Sotoから始まり、その後満塁とYankeesの追い込みでハラハラの決着となりました。World Series第2戦はDodgersの逃げ切り、Los Angeles Dodgers 4-2 New York Yankees。

シーズンの真っ最中でなかっただけでも良いのかもしれませんが、ついにやってしまいましたね。Shohei Ohtaniの盗塁失敗で本人の現場での声をアメリカ側のTVが拾っていて「肩ですね」と本人がトレーナーに言うのがFOXでのライブで聞こえてました。利き腕の方でなかっただけ幸いか。

Ohtani本人の自己診断通り左肩脱臼だとしたらWorld Series中の復帰は難しそう。もしDodgersが優勝したとしても喜べないWorld Seriesになってしまったことに。8打数1安打1四球1得点。優勝しても本人は悔しい優勝になってしまいます。亜脱臼だと復帰も可能なのか。ただDodgersが2戦2勝とリードしているだけにムリはさせないはず。

DodgersはOhtaniがシーズンを通してDH枠を占有していたので、最近だと足首を痛めていたFreddie Freemanが出場するなら足を引きずりながら守備もしなければいけなかった。Freddieの足首は回復してきているタイミングなのでOhtaniが欠場した場合の先発DHに誰を入れるかわからないです。

来季はOhtaniは投手としても復帰するので盗塁に行く機会が激減するはずですし、盗塁に伴うケガでの打者または投手としての逸失価値の高さを考えると今後はDodgersはOhtaniに盗塁は望まないということになるんだと思います。今日にしても3点リードの7回裏で盗塁に行く価値とリスクのバランスは悪かったという後付の批判は出そうです。普通の盗塁の確率の高い選手なら追加点が欲しいからアウト覚悟で2塁に行くというのはアリな状況ではあったわけですが。


Yankeesの方ではAaron Judgeが第1戦第2戦と連続で3三振と不振が継続。AL NL両リーグのMVP当確の2人が勝敗に絡めない焦燥のシリーズ序盤になってます。最強の打者だった2人でも悪い時期に当たればこうなってしまうのが野球らしいところです。

World Series史上初のサヨナラ満塁ホームラン

個人的にはジリジリした僅差の試合が見たいというのが望みだったので満足の上に最後に大花火が上がったWorld Series第1戦となってます。Freddie Freemanの逆転サヨナラ満塁ホームランで決着。MLB史上に残る一撃を見られて大満足です。

Giancarlo Stantonのレフトポール上空を飛び去った特大の一撃でNew York Yankeesが逆転2-1でリード。この1点差がなかなか詰められないDodgers。緊張感の高いシリーズ開幕戦となりました。NLCSで勝っても負けても大差だったDodgersにとっては僅差の試合はNLDSでSan Diego Padresと決着を付けた2−0の試合以来。

Cy Young賞投手のYankeesのGerrit Coleが全盛期を思わせる好投で7回冒頭まで1失点。9番Tommy Edmanが先頭打者で出塁してDodgersの誇るMVPトリオを迎えて堂々退けた辺りは興奮。表にむき出しにしない闘志が伝わってくる熱投。こう言っちゃなんですがMLBの試合ってチャンスに誰かよくわからない選手が出てくる場面の多いのと比較するとGerrit Cole対Ohtani、Betts、Freemanの並びはスター度が著しく高い。反対向きもJuan Soto、Aaron Judge、Giancarlo Stantonの並びが怖い。
両軍の内外野の守備も気合が入っていて緊張感を高めました。好ゲームでした。

10回表はJazz Chisholm Jr.のライトへのヒットをMookie Bettsが好守備で右中間を抜かせず単打にしたんですが、その後二盗三盗で進塁。次打者のショートゴロをEdmanがトランジッションで落球、ダブルプレーを逃す間にChisholm Jr.が得点。Yankees 3−2 Dodgers。但しYankeesはクローザーを先使いしてしまっていたので10回裏のピンチを招くと1ヶ月以上実戦登板していないNestor Cortesを投入。最初に対戦したOhtaniは初球をレフトファールフライで打ち取り(但しランナーは2塁3塁に進塁)ましたが、次打者のBettsとの勝負を避けてFreemanと勝負。Mookieは前の打席で犠牲フライで同点に追いつく鋭い打球を飛ばしていましたし、1塁は空いている、対Freemanは左対左の有利があるので戦術としてはまっとう。

そして待っていたのがMLB史上に残るWorld Seriesでのサヨナラ満塁ホームラン。スタンド中段へ一直線のNo doubterでジリジリした試合にケリを付けました。


最後は華々しく勝ちましたが中身は接戦で緊張感は高い。明日の試合も楽しみです。

「14年ぶりじゃない」

表題はMLB World Seriesを前にしてNew York YankeesのGM Brian Cashmanがマスコミ取材に答えて言った台詞です。YankeesがWorld Seriesに登場するのは2009年シーズン以来。その年はPhiladelphia Philliesを相手に4勝2敗でWorld Championsに。当時の監督はJoe Girardi。レギュラーシーズンでも103勝を挙げて文句なしの優勝であったと言えましょう。

辛口のマスコミとファンに囲まれた難しいマーケットであるNew York。そのスポーツシーンの最大の人気チームであるNew York Yankeesが14年ぶりにWorld Seriesに到達。この14年間という長い期間を待ち望んだファンに一言みたいな質問に答えてのものです。そんなに時期は開いていない。途中でチートしたチームに1度出場機会を不当に奪われているからそういう計算になっているだけだとCashmanは質問自体を否定していました。Houstonとは名指しでは言いませんでしたが。
そっかーまだその件は意識の上の方にあるんだなと。

2017年がそのCashman GMの言うところのYankeesがWorld Seriesに出場したはずだった年です。その年に出ていたら今年は7年ぶりのWorld Series進出だったはずという計算になります。2017年のALCSは第7戦までもつれてHouston Astrosが4勝3敗でYankeesを下してWorld Series進出。Astrosによるサイン盗みが行われたというのが事後的にMLBから認定されたシーズン。ALCSの決着最後の第7戦はAstrosのホームでだったのであれは確実に盗まれたという恨みがまだNew York界隈には残っているってわけです。
あの年はALのMVPもAaron JudgeとJose Altuveの間で争われてAltuveが獲ってます。Judge個人も被害者ということでもあります。

その年のWorld SeriesはAstros対Los Angeles Dodgers。これも第7戦まで行ってAstrosの勝利。但しWorld Seriesの方は最終第7戦は@Dodgersでの試合だったので、MLBの調査で明らかにされていない他のアウェイでのサイン盗みの手法があったのでなければ決着第7戦はAstrosはサイン盗みで勝ったわけではないのかもしれませんが、とにかくそういう年でした。選手が身体にレシーバーを貼っていたという疑惑もありましたからアウェイでもチートがなかったとは言い切れません。

つまり今年は2017年のAstrosのサイン盗みの被害者の会のYankeesとDodgersがここで対戦するというめぐり合わせでもあります。

2017年のYankeesのロースターを見ると残ってるのってAaron Judgeぐらいしかいないんですね。Judgeは2016年にメジャーデビュー。Dodgersの方もKike Hernandez、Chris TaylorとAustin Barnesぐらいか。投手で稼働できていないClayton Kershaw。たった7年でこんなに誰もいなくなっちゃうんですね。Yasiel Puigなんがまだいた年です。
MLBはメンバーが良く入れ替わって自分の贔屓チームでもないとちょっと見ないと誰がどこにいるかさっぱりわからなくなるという感覚は私も体感的には知ってますが、実際にロースターを改めて眺めてもそうなんですね。

話題性がなくてもNFLは強し

日曜日の夜の放送だったMLB NLCSの最終試合となった第6戦の視聴率の数字が出てます。FS1とスペイン語放送のFOX Deportesの合計で680万人。裏番組にNFLのSunday Night Footballがあり、さらには今季ブレイクした女子バスケWNBAのFinals最終第5戦が重なっていました。

地上波NBCでの中継のNFL New York Jets@Pittsburgh Steelers戦が1,746万人視聴。WNBAのFinals Minnesota Lynx@New York Libertyが215万人。
WNBA視点で言えば裏に大都市圏同士のNLCS決着戦と、NFLでは全国区の人気が高い部類となるSteelersの試合の真裏で215万人はWNBAは大いに健闘したと言って良いはずです。特にNew Yorkは同時刻にNLCSにMetsが、JetsがSNFに出ていて同市のスポーツファンはそれらを優先する理由がある中での215万人ですからなかなか価値がある数字ではないでしょうか。
ちなみに同日、時刻は昼で上のアメスポイベントとはかぶっていない時刻のサッカー英Premier LeagueのChelsea x Liverpool戦という好カードは71万人視聴となってます。WNBAがざっとChelsea x Liverpoolの3倍です。


WNBAの決着戦はNew York Libertyの初優勝で終わったんですけど、Libertyのエース格の2人=Breanna StewartとSabrina Ionescuが全然当たっていない苦しい試合。なんとか延長戦の末に勝利。時間帯はちょうどNLCSが中盤の膠着した時間帯がWNBAの最終盤に当たっていたので見やすかったです。

Ionescuは今年の2月のNBAのAll Star WeekendでStephen Curryとサシで3ポイントチャレンジをやっていたあの選手です。当然ながら3ポインターが売りの選手なんですけどこの日は終盤に1本決まるまで8本だか9本だか外しまくり。2ポインターも入らず1/19という酷い内容。

いま時期外れに書いてしまいますがあのAll Star Weekendでの男女のサシの勝負なんていうStephから見たらなんの得もない企画をやさしく受けてくれるところがStephen Curryの人の良さですね。Ionescuは勝つ気満々で臨むもStephの勝利。
男女の3ポインター対決っていうのはカレッジでは毎年やっていてときどき女子が勝ちます。
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