アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Rugby

異世界 ラグビーを満員の会場でやってるニュージーランド

ニュージーランドで開催中のSuper Rugby Aotearoaの試合を見て驚嘆してしまいました。観客をスタジアムに満員に入れてるんですね。マスクもしてない。Social distancingもせずぎっしり。無観客ですべてが行なわれているアメスポを見てる私からしたらまさに別世界の景色です。まさかこれは疫禍以前の古い試合の放送なのでは??と確認してみましたが、確かにライブイベントでした。スタンドに少年少女ファンが多いのは、ラグビークラブ所属の年少者は無料で入場できるからみたいです。

Super Rugby Aotearoaというのは日本も参加していたSuper Rugbyシーズンが疫禍で中止になったあと、Super Rugbyに参加していたニュージーランドを本拠とする5チームのみが参加する国内限定リーグ戦です。Aotearoaというのはマオリ語でニュージーランドを意味します。
ニュージーランドでは6月上旬に国内の移動制限が解除、世界でも最も早い観客を入れてのスポーツイベントとなっていた、というのは聞いていたんですが、TV試合観戦は初、こんな具合で満員に入れているのかと驚いたわけです。調べてみるとSuper Rugby Aotearoaの試合平均の動員は2万人超とか。

スポーツとは関係ない疫禍関連のニュースで、現在冬の南半球でもコロナウィルスの感染は続いているというようなニュースを聞いたような気がしてたんですが、全然話が違うじゃないか、という感じです。彼我の差にうーんと唸ってしまいますね。ビールを片手に大声で応援するファンの姿。

試合もスピード感があって楽しめました。Blues@Highlanders戦。以前にSuper Rugbyの試合を見たときより展開にスピード感があったような気がするのは気のせいなのか、ニュージーランドラグビー的な何かか。さまざまな場面での試合が止まっている時間がとても短かった気がしましたから、何か独自ルールがあるのか。

今日は昼間にサッカー英FA杯、NHL開幕戦、その他いろいろ見てそれぞれ楽しめたのですが、それよりもずっとマイナーなはずの遠い異国のSuper Rugby Aotearoaが生の観客がいるという一点でずっと楽しそうに見えるというこの不思議さ。
不思議とか言ってますがほんの半年前まではこれが当たり前だったんですよね。

Major League Rugby on ESPNEWS

久しぶりにラグビーの話題を書いてみようかと思います。創設3年目となるアメリカ15人制ラグビーのプロリーグMajor League RugbyがESPN系列のサブ局ESPNEWSで放送されています。ESPNEWSで放送されるのは週1試合。他のMLRの試合は同系列の有料ストリーミングのESPN+で見られます。

今季のスケジュールは2月8日からシーズン開始、5月末までレギュラーシーズン。その後6チームによるプレーオフという仕組みになってます。今季の参加は前年から3チーム増えて12チーム、うち1チームはカナダ。

試合のレベルですが前身のPROや、MLR初年度辺りと比べるとずいぶんとパス回しなど現代ラグビーらしくなってきてずっと良くなっていると思います。キーとなるポジションに外国人選手を入れているのもプレーが締まってきている理由でしょうか。
私が試合を見たのは前年優勝のSeawolves 対 今年から参戦したOld Glory DCの一戦と、New England Free Jacks 対 Rugby United New York戦。

前者は高校のスタジアムのような小スタジアムながら全席sold out約3,000人動員で立ち見のみ、とても盛り上がっていました。実際は高校ではなくDC市内のCatholic University of AmericaというDivision IIIの小規模大学のスタジアムです。おもしろいのは拍手の出るタイミングを見てもこの観客はラグビーを知ってることがわかるところ。地元となるOld Glory DCは今年から参戦、この日が地元での公式戦デビュー(プレシーズンを一試合は行ったようですが)なのにラグビーのわかる観客を3,000人動員できるのかというのはなかなか興味深いところです。


後者の試合はニューヨークエリアの2チームがLas Vegasで対戦したもの。会場は毎年World Rugby USA Sevens大会が行われるSam Boyd Stadium(36,800人収容)で、ざっと目測200~300人ぐらいですか。まあほぼ空です。
試合中に紹介されていたのはNew England Free Jacksはシーズンチケット販売が1,000枚を超えたとか。これはリーグでSeattleに次ぐリーグ2位のシーズンチケット販売枚数なんだそうです。つまりSeattle Seawolvesがリーグ最多のシーズンチケット販売実績と。

またSeattleですか? つい先日フットボールXFLのSeattle DragonsがXFLデビュー戦で3万人近くを集めてXFLシーズンの最多動員を記録したばかり。その前にはサッカーMLSのSeattle SoundersがMLSで前例のなかった動員力を発揮して数年に渡ってMLSの動員ダントツとなったことがありました。現在もAtlanta UnitedとともにMLSの突出した動員ツートップです。
Seattleはスポーツ観戦に飢えているのでしょうか?SeattleはMicrosoft、Boeing、Starbucks、Costcoなど有名企業の本社がある土地柄。しかしながらメジャースポーツはNFLとMLBはあるが、NBAとNHLはない。ひょっとしたらスポーツ需要が満たされないまま余っている?またSeattleスポーツ市場については考えてみてもおもしろいかもしれません。


MLRの動員頭であるらしいSeattle SeawolvesのチームカラーはNFL Seahawks、サッカーMLSのSoundersと同じ蛍光グリーン(Action Greenと呼ぶらしいです)。要はXBOXの色です。Microsoftの城下町らしく堂々この色ですか。Seawolvesはリーグ昨年度のレギュラーシーズン2位、プレーオフで勝ち抜いて優勝しています。
Seattle SeawolvesのユニフォームはNFL Seahawksと同じカラーなせいもあるのかもですがマイナースポーツ臭がしません。またロゴもなかかなかっこいい。
Old Glory DCのロゴもまたセンスが良いように感じます。新興スポーツの新チームなのにロゴは古いアメリカを感じさせる仕上がり。そのセンスがウケたのか会場にはOld Glory DCのアパレルを着た観客がかなり目に付きました。
またRugby United New Yorkのユニフォームはかすれた感じのピンストライプ。ラグビーのジャージとしては珍しいデザインですが、ニューヨークでピンストライプと言えばMLB New York Yankeesのユニフォームを想像させずにはいられません。New England Free Jacksはジャージもロゴも星条旗カラー。それぞれなかなか良いのではないか。
ラグビーはアメリカにとってはニュースポーツと言えるのですが、それをカラーやユニフォームやロゴでアメリカらしさや地元との融合にうまくまぶしているなあと全体として好感を持ちました。かなり優秀な方がマーケティングを担当してリーグ全体のイメージコントロールしてるのであろうと思います。こういうところに金をかけられるというのはマイナープロスポーツではなかなかないことで、評価したいと思います。

尚、New England Free Jacksには元日本代表だったKensuke Hatakeyama選手が所属。この日の放送の試合前の部分で個人的にクローズアップされていました。ポジションが3番プロップなんで試合で目立つということはなかったですが、チーム内で彼のリーダーシップが評価されているということをアナが話していました。スクラムとかでも気合を入れる声掛けをしているのが何度か確認できました。

試合中にCMを入れるな

ラグビーW杯日本対スコットランド戦を早朝観戦。日曜朝6:30キックオフに合わせて起床、楽しい試合で良かったです。次は南ア戦ですね。4年前の感動の史上最大のアップセットから始まった日本代表のW杯7勝。昔の日本代表ラグビーの惨状を知るものとしては信じられない心地です。試合内容その他はアメスポの範囲外ということでとりあえず書かないことにして、それ以外の部分の話です。

この試合、NBCSNでの放映だったのですが試合が進行中にCMが入ったんですよね。びっくりしました。その前に試合前のスコットランド国歌演奏の最中に30秒CMが入ったのもびっくりというか失礼な話ではないかと思いましたが、何か契約上放送しなくてはいけないCMを消化したかなにかでしょうか。国歌が始まってCM、CMが終わったときはまだ演奏が続いてました。

それぐらいならまだ良いんですけど、前半の試合の真っ最中に前触れもなくCMが入ったのにはさらにびっくり。最終的に日本の2本目のトライへ続く攻撃が続いていた最中にいきなりCM。マジかという感じ。その時点では日本ボールでスコットランド陣内で遅攻していたとき。あとから考えればどうしても30秒入れなくてはいけないならまあまあのタイミングで入ったなとも言えますが、試合が止まっているときでもないのにCM入れるんだーと。どうしても30秒入れたいならケガ人が出たときでもいいだろうに、ボールが動いている真っ最中かよ、という。幸い試合のキモになる日本のオフロードパスつなぎからのトライの場面よりは少し前だったのでいいところは見逃さずに済んだものの。
この先も試合中にまたCMを入れてくるかもと身構えてしまいました。実際は試合進行中のCMはこの一回限りでした。なんなんだったんですかね。

米代表フランスを取り逃がし タッチラインの意識

W杯日本大会C組 米代表対フランスの試合があり、後半途中までは接戦で食い下がった米代表でしたが最後は堤防決壊、33−9の最終スコアで0勝2敗となってます。

66分にフランスのトライが決まる前まで12-9と食い下がっていただけに最終スコアの大差が悔しい感じでしょうか。
試合の巧拙という面では前半のフランスの2トライはいずれも米代表が後ろの選手を残さず前線に前掛かりになった裏にキックをあげられてのもの。今のポジションレスラグビーでは守備のバックエンドに誰が残るのかはファジーな事前のチームの決まりごとと状況次第で判断、各自が有機的に動かなくてはいけないんでしょうが、チームとしてのそこら辺への意識が足りなかったということになります。こういうポジションレスで動けというアヤみたいなのはラグビー馴れしていないアメリカ人選手にはなかなか浸透しにくいところかもしれません。対するフランス選手にとっては裏スペースががら空きというのが蹴る方も受ける方もすぐに感知できていたのでしょう。

試合後のこちらのTV解説では後半64分の米代表がフランス陣で得たペナルティ(その時点で12-6)をトライ狙い=逆転狙いに行かなかった判断に延々疑問を呈していたんですけど、そこは私は問題とは思いませんでした。この日のフランスは反則が多く、12-9として3点差で15分残り、悪い判断ではなかったでしょう。最終的な結果はともないませんでしたが判断が悪いというのは違うと思います。
たらればを言い出したらこの後半のペナルティキックに限らず、前半の中央からのペナルティキックの選択も蹴らずに勝負に行っていたらとかいくらでも言えるんですよ。そんなのは解説とは言えない。

それよりも気になったのは前半にフランス陣深くまで攻めながら攻めきれなかった場面ですね。特に左でドライビングモールで押し込んでトライを狙ったのが、フランスに簡単に横向きに誘導されてタッチラインを割った場面です。
この場面、米代表はラインアウトから組んだモールで押し込みにかかった(たぶん事前に準備していたプレー)んですけど、ラインアウトからってことは当然のようにタッチラインに近い。タッチラインに触れたらターンオーバーなわけです。個人が持ってる場合ならパス出しもできますがモールではそんな自由は効かない。一旦そちらにモールが流れ始めたらそのまま、あっさりタッチを割ってフランスにボールを渡してしまいました。これはとてももったいなかった。流れで狙ったのではなく、事前に準備していたと思えるプレーでこの不用意さはいただけません。

この場面に限らずアメリカ人ラグビー選手はタッチラインへの意識が低いです。これ、私は(アメリカン)フットボールの弊害ではないかと推測しています。フットボールではオフェンスの選手がサイドライン際を爆走する場面はよく見かける。なぜよくあるかと言えばサイドラインを割ってもオフェンスのボールのままというフットボールのルールだから。
でもラグビーではそうではない。走り出した時点で独走でもタッチラインに触れればターンオーバーですからギャンブルに近いプレーです。どうも米代表のウィングの選手がボールを受けるのが他の国の選手に比べてタッチラインに近すぎる上に、タッチライン際をそのまま突破しようとして行き先を失うという場面は過去米代表ラグビーでは何度も見てきたこと。ドライビングモールが簡単にタッチラインを割ったプレーもアメリカ人選手のタッチラインへの意識の低さが出たんじゃないかなと思ってみたりもします。


初戦のイングランド戦の惨敗からは脱却してTier 1国フランスを苦しめたところは評価すべきでしょうか。最終スコアにはその善戦が現れてないですけど。

ラグビー米代表 イングランドに惨敗

ラグビーW杯米代表の初戦対イングランド戦は45-7でイングランドが圧勝。最後の米代表のトライはイングランドがなぜか80分過ぎのポゼッションでプレー継続を選択、その後ターンオーバーがあって米代表ボールになったのをつないでのもの。まあイングランドに舐められたんでしょうね、時間切れだけどもう1トライ獲れると見なされて攻め続けた。C組の状況からすると得点差やトライ数の差で決まる可能性は少ないのでイングランドがもう1トライを奪いに行くという判断はあまり意味があったとは思いません。

前半の3トライのうち2つがドライビングモールからのもの。全然それに対処できず。ハーフタイムでそれも含めてフォワードの密集のボールへ執着を言われて出てきたであろう米代表をあざ笑うように今度はアウトサイドで勝負されたら人材の質の違いで止められないという事態となりました。ウィング同士でもイングランドの11番とかNFLのTEより明確にでかい選手(Joe Cokanasiga: 6feet 4, 270lbs、NFLのTEは240-250lbsぐらい、Gronkoで265lbs)なのに速い、それを米代表のウィングが1対1で止めるなんてまったく不可能です。

この日のイングランドは前戦のトンガ戦から先発を10人入れ替えてスタート。前戦からの試合間隔の短さ対策ですか。さらに試合中に7人を交代。層の厚さがとても米代表には太刀打ちできない。

またキックからみの戦術、または戦術以前のキックの精度に大きな差もありました。イングランドが多彩なキッキングゲームをしかける中、米代表が序盤に何度も得たペナルティキックの機会も全然前に進めない。一度2つのペナルティを続けざまに得たんですけど2本めのタッチを割ったのがまだハーフラインのところ。キックの精度と飛距離に自信がないから確実にタッチを割ろうとすると角度が悪くて陣地回復になってない。イングランドの方は自陣ゴール前から一発でピッチ中央まで戻してしまうのと差があまりにも大きい。

イングランド戦での大敗は織り込み済みのことですが、手も足も出ないのかー、トンガはもうちょっとイングランドを困らせたのになという意味でがっかりですね。

ちなみに米国内の放送ではラグビー出身のNate Ebnerのツイートが紹介されていました。GOATも登場してます。

ラグビー米代表の初戦の相手イングランド代表の試合を観る

ラグビーW杯のC組の初戦 イングランド対トンガ戦を見ました。イングランドは次戦で米代表と対戦予定。それにかこつけて少し書いてみます。最終スコアは35-3でイングランドの勝利、終盤のトライでボーナスポイントもゲットして結果だけならイングランドは満足な試合となってます。ただしイングランド代表監督のEddie Jonesさんはきっとめちゃくちゃ怒っているであろうと想像できる内容。こんなにミスしてくれるなら米代表にもチャンスあるぞという感じの試合になってます。

トンガも最後まで諦めずに奮戦していたからこそのイングランドのミスの頻発ではありますが、それにしてもという感じのノックオンなどハンドリングエラーを連発。外に一枚余ってこれは左隅に華麗なトライ‥と思われたのが完全なパスミスで逃すとか、ファン・コーチ陣が頭を抱えるようなタイミングでのミスが多かったです。
相手との接点ではスクラムでトンガになにもさせず、ラックではたぶん4度ほどラック内で相手ボールを奪ってくるなど強さを見せたんですけど、それだけボールを得ても試合の最後までボーナスポイントを目指して走り周らなくてはいけない試合というのはそれだけでイングランド的には不本意な試合のはずです。中三日での次戦米国戦に影響が出るのか出ないのか。

この試合を観る前の段階では私個人ではイングランド代表は今年春の6 Nationsでの印象が強くトンガや米代表との力の差はかなりあると思っていました。それがあまりフィットネスで良さそうにも見えないトンガにこれだけ苦戦する。フィットネス・コンディションでは米代表の方がトンガよりは良いはずで、試合間隔が詰まっているイングランドに、初戦となるベストコンディションに合わせてきているであろう米代表が今日の試合を見て「これならイケるかも」と気合満点で向かっていったら事前の予想よりずっと好試合になるのではと期待が湧いてきました。
イングランドの方も今日のミスは修正可能なタイプのミスですから今日ほど不細工な試合はしないと気合は入れ直してくるでしょうが。

トンガが最後まで頑張り切れたのは満員の会場のおかげかなあとも思って見ていました。点差は開いて行くし得点できそうな場面は少ない中あきらめずに追従。試合終了時間切れ前になんとか一矢を報いようという気迫にも好感。判官びいきの日本の観客の声援が彼らを支えた面はあるように思えます。

意外 ESPN.comが上位でラグビーW杯開幕戦の記事掲載

これはかなり意外です。スポーツメディア最大手のESPNがそのウエブページおよびアプリで今日開幕したばかりのラグビーW杯の開幕戦日本対ロシア戦を報道しています。
試合そのものは観戦しましたがアメスポと直接関係ないので記事内では触れないでおきます。日本代表の試合内容はいただけない試合でしたが最後にボーナス点もゲットしたので、次戦以降気を取り直してという感じですか。

観察目的なのでクッキーを消してまっさらな状態で今朝ESPNにアクセスしたところ、出てきた順は、MLBの昨夜のスコア、昨夜のカレッジフットボールの試合結果、NFLのTNF結果、そのあとは明日のカレッジフットボールの予想記事と日曜日のNFLの予想記事が多く続き、再びMLBでプレーオフ関連やYankeesのエース格の出場停止問題、今夜のUFCの試合、NBAのタンパリング対策の話題、NHLのプレシーズンと続いて、その次にラグビーW杯日本対ロシア戦のスコアとレポート+写真記事が。それに続いて明日からのラグビーW杯の試合予定記事。ちなみにラグビーW杯の次は女子バスケWNBAのプレーオフの記事でした。

ちなみに私がESPNと同じか、時期によってはESPN以上に利用するCBS SportsだとラグビーW杯の記事はどこまで行っても出てきませんでした。私の事前予想ではCBSに限らず他系列もそんな扱いになって、ラグビーW杯を放映するNBC系列が突出して報道するのかなと思っていたので、ESPNの取扱は意外でした。上のように数えてみると取扱がかなり下の方に感じるかもしれませんが、事前のゼロ予想からすればかなり上に見えるのです。
アメスポメジャーである6大ジャンルのうちカレッジバスケを除いて5ジャンルがラグビーの上に来るのはこれは当たり前。UFCはESPNの有料ストリーミングESPN+の所有コンテンツなので番宣も兼ねて高めの位置での扱い。シーズン中のMLB/NFL/カレッジフットに続く位置で扱われ、まだオフシーズンのNBAとNHLより上で優遇されたと。そうやって見てきたところでESPNの手持ちコンテンツでもないラグビーが、ESPN系列で放映しているWNBAより上なんだというところはかなり意外な気がします。

確かにCBS Sportsなんかは米国市場を相手にしているサイト、ESPNブランドはアメリカ国外にも知られていて米国外からのアクセスも多いはずですからそれに対応してラグビーの露出順位が上がったのであろうかなと想像したりもしますが、日本対ロシアという、開幕戦であることを除いたらW杯の中でも重要度は極低い試合がまがいなりにも写真付きでトップページから見えるような扱いを受けるのだな、ラグビーもずいぶん出世したもんだなと感心した次第です。


フットボールよりも激しいスポーツというラグビーのイメージ

先週末にこのコマーシャルを何度か目にしました。アメスポファンはAaron Rodgersの顔は即座にわかると思います。もうひとりはColin Jost。アメリカの土曜夜の定番コメディ番組Saturday Night Liveの脚本ライターであり、自身も俳優・コメディアンであり、かの女優Scarlett Johanssonの婚約者であったりもする、そういう方です。

このコマーシャル自体はIZOD社のラガーシャツの宣伝です。ラグビーがマイナースポーツであるアメリカ市場でラガーシャツを売るのかぁという、ちょっと珍しい広告です。それもRodgersとJostを起用するというのですから企画コストもかかってるはず。どういう勝算があっての宣伝かはちょっとはかりかねますが、とにかくこういうCMが放映されていたわけです。

おもしろいなと思ったのはこのCMではNFLのスターQBであるAaron Rodgersがラグビーをプレーしたらボロボロにされちゃうという、このイメージです。大げさにやっているのはもちろんそうなのですが、それにしてもアメスポナンバーワンジャンルのフットボールの現役スター選手でもラグビーをやったらボロボロにされちゃうかもというぐらいの激しさのイメージをラグビーにもやっと持ってるのかなというところですね。

対比でいうとラグビーに先行すること30年前にアメスポシーンに次のメジャースポーツ候補として挑戦していたサッカーはその軟弱なイメージにつきまとわれ長年アメスポ市場で苦戦しました。

30年前のアメリカにはサッカーはほとんど試合の放送がありませんでした。ちょうど今のラグビーの試合放送がほとんどないのと同じように。しかしサッカーの例のちょっと触れただけで地をのたうちまわって痛がる滑稽な姿をバカにしたコメディなどはその時代でもいくらでもありました。試合は見ないのにそのイメージだけが先行してしまったのです。そしてそのイメージは長くサッカーというスポーツのアメリカ市場での展開の足かせになったと思います。男らしさを重要視するアメリカ人男性、とくにスポーツファンを公言するタイプの男性には、あの惨めなサッカー選手の行為への蔑視は深く浸透してしまったわけです。それを覆すために長い年月と若い世代の成長が必要でした。

それに対してラグビーはいまも観戦スポーツとしては極マイナーな域を出ませんが、しかしながら試合を見たこともない人たちもラグビーはタフなスポーツだという漠然としたイメージを持っている、それもNFL選手でも大変だというイメージを植え付けられているとしたら、それはラグビー競技の将来のアメリカ市場での発展には大きな無形資産だよなと、今回のCMを見て思ったのでした。


ちなみに間もなく開幕するラグビーW杯日本大会については一般スポーツマスコミではまったく事前報道はありません。そういう大会があることもスポーツファンでも知らない方が圧倒多数であるはずです。W杯が開幕間近で、さらに米代表が出場しているのを知ってるのはよほどラグビーを気にしてる人だけでしょうね。

7人制ラグビーWorld Rugby Sevens Series 米代表準優勝

7人制ラグビーWorld Rugby Sevens Series(全10戦)の今季最終戦がフランス・パリで行われ、フィジーがフランス大会を制覇、年間優勝もフィジーとなっています。年度最終戦であるこの最終日までフィジーと米代表の二カ国に年間優勝のチャンスがあり、パリ大会準決勝で両国は直接対戦。事実上の年間優勝の決定戦が行われたのですが、フィジーが33−14で快勝して文句なしで決着をつけています。フィジーはその余勢をかってパリ大会優勝。

米代表にとっては今年の
World Rugby Sevens Seriesは出世シーズンとなったわけです。過去年間順位で5位が最高だった米代表にとっては今季の2位でのフィニッシュは大きな進歩で、シーズン前の目標だった来年の東京五輪への出場権も確定(4位以上)。より一般スポーツファンの目に留まるであろう五輪の場への登場確定とともに、今季毎大会優勝争いにからむ実力を蓄えての年間2位ということで五輪金メダルが現実的な目標となったと言えましょう。
五輪で金メダルが有望という位置につけたことで来年の五輪前にラグビー競技の前宣伝が米国内で多く展開されるであろう地位も得たと言え、「アメスポの次」を狙う上で今季の好成績はタイミングも上々といえるのだと思います。

フィジーとの直接対決に敗れたのは大きな課題でもあります。今季フィジーとは1勝6敗と完全にしてやられてフィジーに年間優勝争いで逆転されて栄誉を逃しました。これだけ直接対決で差をつけられたのでは年間順位で下になるのも当然。
また米代表は今季10戦で大会優勝は地元Las Vegas大会での1回だけ。フィジーは5大会制覇。年間3位のニュージーランドが2大会、同4位の南アが2大会優勝と。大会制覇回数で上回るニュージーランドや南アを米代表が勝点で大きく上回れ、フィジーとも優勝争いを最後までできたのは年間を通してコンスタントに勝点を積み上げられたからです。全10戦で準決勝進出。その安定度は魅力ですが、さらなる飛躍を目指すには強い相手との大会後半の体力的につらい勝負に勝ちきれるか、という高い課題が残ったことにもなります。

巨視的に言うならばほんの10年前には同シリーズに全戦参加することもできなかったのが、最後まで年間優勝争いをできるようなチームに大きく育ったその長足の進歩を褒めるべきところ。10年前だと米代表も日本代表も実力には大差がなかったはずです。それが米代表は年度準優勝、日本代表は健闘しましたがコアグループから降格という結果になっているわけです。
但し熾烈な露出争いが繰り広げられるアメスポ市場ではそれだけでは十分ではないのも事実。五輪での金メダルを目指してあと1年間でどう強化していくのかが楽しみではあります。


なお日本代表は最終戦に降格争いで奮戦しましたが残念ながら及ばず来季のコアからの陥落が決定しています。降格争いのウェールズとケニアがどちらもパリ大会では奮闘。ケニアは今季初の上位トーナメント進出を決めて第1日に降格争いから脱出成功。日本とウェールズが最終日まで降格の可能性がありましたが、ウェールズが逃げ切ってます。

World Rugby Sevens Seriesの毎大会ごとのグループリーグ分けの仕組みが私はよくわかっていないのですが、このパリ大会では降格争いの日本ケニアウェールズと、優勝争いのアメリカフィジーが別のグループに分けて入れられていたのは各国にとって有利不利がでないという意味でフェアな組分けだなと思いました。
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