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College Football

CFP優勝戦が11年ぶり、史上2位の高視聴率

先日のCFPカレッジフットボール全米優勝戦の視聴率情報が出ていました。3010万人視聴。これはプレーオフ制が始まって以来第2位の高視聴率だそうです。史上最高は2014-15シーズンの3390万人視聴で、今回は11年ぶりの高さ。好試合だったですから。

2014-15シーズンというのはプレーオフ制の初年度で第4シードに滑り込んだOhio StateがNo. 2シードだったOregonを42-20で破った試合です。

そうなるとアレ?ってなります。点差は大きく開いた試合なのにあれが史上最高なのか、と。
試合はよく覚えてます。Oregonがそれまで前シーズンからずっとさっさと自分から倒れてダメージを受けなかったQBのMarcus Mariotaがその試合では序盤から、これが最後だからか数ヤードを稼ぐために突っ込む場面があって、おや?と思わせた試合。Ohio StateのLBも最初のプレーではMariotaが倒れることを予測して距離を詰めなかったのが、今日は倒れないのかと気付いたあとはハードヒットの連続となり、結果Oregonのダメージが蓄積されて最後は大差という試合でした。
あの試合がOregonが一番全米初制覇に近づいた試合だったはずですが結果は完敗。
当時は前年までHCを務めていたChip Kellyの抱腹絶倒の超速オフェンス(本当に見ていて笑ってしまうぐらい速く、ドカドカ得点する)でその時期は疑似Oregonファンぐらいに夜中にかかる遅番の試合でも見ていたものです。

でもあの試合がそんなに視聴率が高かったとは知らなかったです。CFP史上ではAlabamaとGeorgiaの延長戦の激戦とか、初期のClemson x Alabamaの二強時代の接戦とかあったのですが、接戦なだけでは初年度のOhio State x Oregonに視聴率で及んでいなかったのかと意外。
そして今季のIndiana x Miami-FLが史上2位で、あの2017-18シーズンAlabama x Georgia戦より高いのかというのも意外。その試合が史上3位で2840万人だった。そして数字ではけっこう今季=2位と差があります。

ではなぜ今季が高いのか。接戦であったことは確かですが過去の他の接戦の試合よりも高い。ということはAlabamaだGeorgiaだClemson(サウスカロライナ州)の南部の学校同士でやってると全国区での数字にならないということかという解釈も可能です。
Indianaは存命の卒業生が全米最大だということを別記事で書きましたがそれでも80万人であって、桁が3000万人以上の視聴者なので卒業生とその家族係累ぐらいでは上乗せが説明しにくい。インディアナ州というくくりだと前年にNotre Dameが出場してますがそんな良い数字にはなってない。相手がお隣のオハイオ州のOhio Stateだったからこれも中西部同士の学校でやっていたから伸びなかったという説明は可能かも。

プレーオフ初年度のOhio State x Oregonは確かに土地が大きく離れている。今季のIndiana x Miami-FLも土地が離れている。数字を出すためにはSEC一強とか同じ南部のClemsonを混ぜても南部同士ではよろしくないのかも。

そう考えて眺めてみるとSEC対Big Tenの2大カンファレンスの学校によるCFP全米優勝戦での試合って2020-21シーズンのAlabama x Ohio Stateしかないんですね。これなら土地は離れてますが、しかしながらスコアは52–24でAlabamaの圧勝。

確かにあの時期は寡占が進んでいてClemson x Alabamaは何度見たかわからなくてどの場面がどのシーズンのことかごっちゃになるぐらいだったし、その2校に加えてOklahomaもしょっちゅうプレーオフに出ていたので南部にはっきり偏っていた。当時はClemsonはACC、OklahomaはBig XII所属でカンファレンスではバラけていたものの南部連合ですよね。
近年カレッジフットボールの人気が低落傾向だったというのは結局のところSEC偏重、南部偏重で全国区の関心が薄れたということなのかもしれない。

一応日本の方向けに注釈を付けておくとMiami-FLは地理的には南の方にありますがフロリダ州はいわゆる南部には通常含めません。住民の性格・人種がまったく南部的ではないからです。フロリダ州でもジョージア州境や付け根の部分(Florida Panhandleと呼ばれます)は南部に地理的に近いので南部っぽい人も多く混じってる(郡別の大統領選挙結果なんか見ても南部と傾向同じ)んですけど、例えばFlorida Gatorsのある辺りになると南部的な性格はぐっと下がります。ディズニーワールドのOrlandoはブラジル移民の本拠地(ブラジル国外で最もブラジル人の多い都市)。南端のMiami-FL近辺ならさらに異なり、キューバ移民を最大としてスペイン語話者が人口の多くを占めるなど南部の土着的な性格は影も形もない。

なのでCFP優勝戦の視聴率の史上最多ワンツーとなったOhio State x Oregon、Indiana x Miami-FLは、Big Tenの学生数の多いマンモス校対他地区の学校という組み合わせだったと最大公約数をムリに導き出すことも可能です。
が同じBig Ten対他地区というカードでも一昨年のMichigan x Washingtonは2505万人、唯一のBig Ten対SECによる優勝戦2020-21 Alabama x Ohio Stateは1870万人と低い。これは史上下から2番目の悪い数字。
史上最少はアンダードッグTCUが全米優勝戦に進出するも予想通りに大敗した2022-23のGeorgia x TCU戦の1722万人。Alabama x Ohio Stateはパンデミックシーズンだったので一般国民がスポーツ観戦を楽しむ状況じゃない部分もあったかもですが、とにかくBig Ten対SECでもあまり数字がでなかったと。

理由付けはうまくできませんがとにかく今年の全米優勝戦は大ヒットであったという数字の裏付けが出たという話でした。

カレッジフットボールシーズンの終わりに

これでカレッジフットボールシーズンのネタは最後になるかと思います。それで積み残した話題を消化しておこうと思います。話題がばらばらですがご容赦を。

優勝したIndianaの控えQBで兄のFernando Mendozaの弟のAlberto MendozaがIndianaから離脱、トランスファーポータル経由でACCのGeorgia Techに移籍が決定。イマイチよくわからない動きですが、内々にHCのCurt CignettiのNFL移籍を嗅ぎ取ったか、または来季Indianaで先発QBになれる可能性はないと判断したか。選手の平均年齢がほぼ24歳と高く上級生を多く含んで優勝したIndianaなので来季はよほど選手を補充しないといけないんですけど。
全米優勝戦が終わったあとの超早出し来季の優勝賭博のオッズはIndianaとOhio Stateが1位。他には今季のQBが残る(はずの)TexasやOregonが続く。

Indianaを出ていくのは良いとしてなぜGeorgia Techなんでしょうか。Georgia Techの来季のスケジュールでは全米優勝戦でIndianaと激闘をしたMiami-FLは含まれません。出会うとしたらACC優勝戦でということになります。

Miami-FLは昨年のトランスファーポータルではGeorgiaからCarson Beckを獲得。そのさらに前年ではCam Wardを獲得と、トランスファーポータルのQB獲得実績の成績はB+ぐらいでしょうか。今年は全米準優勝校になるとはまだポータルが開いた時点では他校の選手もあまり思っていなかったか人気とならず。
トランスファーポータル期間の最終日になってACC優勝校ののDukeのQB Darian Mensahがポータル入り。Mensahは3,973ヤードを投げて数字ではFBC全体の2位のQBで、ポータルの期限最後に大物がポータル入りしたことになります。これがMiami-FLに行くんじゃないかと言われている。
但しこれに対してDukeが緊急差し止め訴訟を起こしており、現時点での裁判所の判断はMensahのポータル入りは有効(つまり他校と交渉可)だが他校との契約は判断が出るまで禁止という宙ぶらりんになっています。

事情としてはMensahが2024シーズンをTulaneで過ごした後にトランスファーポータルを経てDukeへ移籍。その時にDukeと2年契約のNIL契約を結んだ。よって来季もその契約期間中に当たるのでDukeはMensahを引き止められるはずだという訴訟です。

以前のルールではトランスファーポータルの期間は1月と4月頃の2度あったんですが、現行は1月のみ。ポータル期間の最終日に契約下だと思った選手に逃げられたらもう後の手当のしようもない。Dukeはシーズン中5敗しながらACC優勝をして、来季はMensahで好成績をあげてみたいというシーズンのつもりがMensahに逃げられたら目論見崩壊ですから、訴訟で引き止めを図ることになりました。

今季のトランスファーポータルの序盤ではWashingtonのQBであるDemond Williams Jr.がポータルが開く直前にWashingtonと新NIL契約を結びながら4日後に豹変してトランスファーポータル入りを宣言。新契約の交渉に当たったWilliamsの代理人が辞任するなどすったもんだ、WashingtonもWilliamsを訴訟で引き止める構えを見せた。それでヘタってWilliamsはWashingtonに戻ることになってます。残っても地元への印象が悪い話でしたが、とにかく残ったし、裁判所にNIL契約が選手の移籍を縛れるのかどうかの判断をあおぐところまで行かなかった。

それが期間の最後にMensahがDuke離脱を画策したため司法判断が求められることになりました。NIL契約=マーケティング契約が選手の行き先を縛れるかどうかの初の司法判断が出ることになります。

Mensahの行き先としてはMiami-FLが有力とされてます。DukeとMiami-FLはACCのカンファレンス戦で来季対戦予定がある。もし移籍があればMensahは2シーズン連続で前年所属した学校と対戦することになります。2025年シーズンには2024年に所属したTulaneとDukeが対戦、Tulaneが勝ってます。もし遺恨のMiami-FL移籍となればDuke x Miami-FL戦という地味なカードが遺恨マッチとして宣伝できることになりますね。

以前の記事で「現実的に全米優勝戦をホストできるスタジアムをホームとしているのはMiami-FLだけ」と書いたのですが、後から考えたら他にもないこともないかと思いながら訂正記事を書けないままになっていたのでここでそれも消化します。
現行カレッジフットボールで全米優勝戦が開催される可能性のあるスタジアムをホームとして使用しているチームにはSouth Florida BullsがTampa Bay BuccaneersとRaymond James Stadiumで同居しています。来季2026-27シーズンの全米優勝戦が同地で予定。今季序盤にSouth Floridaは立て続けにランク校(当時No. 25 Boise State、No. 13 Florida)に勝って瞬間注目を集めた。Americanカンファレンス所属でいわゆるマイナーカンファレンス校。現実的というとあんまり現実的ではないのですが、NIL時代はカネがモノを言うので可能性はゼロではないかもという意味ではアリとしておきます。
他にはUNLVがサブテナントになってるLas Vegas RaidersのAllegiant Stadiumも2028-29シーズンに全米優勝戦を予定。UNLVはSouth Floridaよりさらに可能性はゼロに近いですがゼロじゃないということで。たぶんRaymond James StadiumとAllegiant Stadiumには将来に渡っても何年かローテで全米優勝戦は回ってきそうです。

NFLスタジアムを本拠にしているカレッジチームとしては他にもTemple Owls(Philadelphia Eagles)やPittsburgh PanthersがSteelersのスタジアムに同居してますが野外で1月のお祭り試合には向かない寒冷地の立地なのでそこでの開催はないと言い切って良いと思います。北の寒冷地でもドームならアリなんでしょうが、ドームを常設のホームにしている学校はないです。

Rose Bowlでの全米優勝戦の開催は現行制度では現実的にないんじゃないかと思います。BCS時代には全米優勝戦を開催してますが、CFP4校制になってからは開催がない。施設の老朽化が激しく周りも住宅地でアクセスも極悪。そしてRose Bowl主催団体自体が元旦の開催に常にこだわっておりたぶん将来に渡ってもう全米優勝戦は回ってこないんじゃないかと。Rose BowlをホームとしているのはBig Ten UCLAなので学校のグレード自体は可能性ゼロではないですが。


あとはコメント欄で書き散らかしたことの収録など。Indianaが急激に強くなったのはHC Curt Cignettiの手腕が一番だと思います。昨年の躍進でJames Madisonで勝ってきた過去も再評価されるのでは。James Madisonから6人の選手を引き連れてIndiana行き。今季プレーオフにも出場したJames Madisonの選手たちも元のチームメイトとHCの所属するIndianaを応援しているんだと言ってました。

それでIndianaの初優勝となったわけですが、カレッジフットボールで初優勝校が出たのは1996年のFloridaの初優勝以来。丸30年間、過去に優勝経験のある強豪校で全米優勝を回してきていた壁を全米最多敗校だったIndianaが打ち破ったことに。Cignettiの手腕に、あんなベビーフェイス+体型なのにプレーの鼻っ柱の強いハイズマン賞QB Fernando Mendozaのガッツとチームの統率力。楽しかったです。昨年もかなり勝ち込んでもカレッジフットボールファンも解説者の玄人たちもIndianaをシーズン前に優勝候補だと本気で思っていたとは思えないんですけど、現実はこうなった。

初優勝を狙っていたOregonはIndianaとのプレーオフでの再戦(レギュラーシーズンでも対戦)で木っ端微塵の大敗でIndianaに初優勝で先を越されたことに。Oregonは地元企業のNikeマネーでかれこれ20年以上強化をしてきたと思うんですがNIL時代になってのIndianaの急成長に届かず。

Oregonは私も惚れまくったChip Kelly時代→QB Marcus Mariotaの超速スプレッドオフェンスで惜しいところまで行ったのを始め、その後も有力QBを確保。Justin Herbert、Bo Nix、そして来季もOregonに残ることになったDante Mooreと良い名前が並ぶ。HCの39歳Dan Lanningの評判も高く、NFLのHC候補にもよく名前があがる。若いHCの活力みなぎる風貌もよく見て楽しいチームなのですが、さすがにIndianaにボロボロにされたRose Bowlでは前半で既に顔がこわばってました。
MooreはNFLドラフトに行けばトップ5指名は堅い、全体2位もありうるとされていたのがあの試合のあまりの見栄えの悪い試合ぶりもMooreにカレッジでもう1年と思わせたか。Oregonにとっては来季は初優勝への勝負の年ですがどうなるか。

OregonはHerbertも3年生のときにドラフト行きが有力視されながら優勝を目指したいとOregonにもう1年残った。当時の記事のコメント欄で「HerbertはCarson Wentzになってくれたら最良か。なんとなくですがRiversみたいなイマイチ勝てないQBになる可能性を少し感じたりもします。そのイメージは来季の全米獲りシーズンで覆せるか」という感想を書いてます。Wentzなんて比較にしてるところが時代を感じさせます。当時からあまり玄人解説者たちのHerbert評を信用していなかった様子が読み取れますね。
実際はHerbertの最上級生のシーズンは開幕戦で敗戦、一度もランクでトップ5に入ることのないまま12勝2敗でプレーオフも逃しています。果たしてMooreの来季はHerbertより良いシーズンとなるか。プレーオフ枠は12または16枠もあるんでプレーオフ枠を逃すことはないでしょうが。

覇権の移動か そしてさらなるプレーオフ拡張

昨夜、Indiana Hoosiersの初優勝となったことでカレッジフットボールはBig Tenの三連覇となったことになってます。そう言われるまで気づかなかったです。個人的にはMichiganの2年前の優勝が私の頭の中で半分消えかかっていたからでもあります。Michiganは優勝後サイン盗みだHCの勝ち逃げだなどあってあまり名誉の高い優勝ではなかったという印象もあり、Big Ten三連覇だと言われて、ああ確かに、という感じでした。

さらに優勝校がBig Tenから出ただけではなく、これで直近の全米優勝戦の相手=準優勝校はWashington(当時Pac-12、翌年からBig Tenに移籍)、Notre Dame(独立校)、Miami-FL(ACC)となっていて、つまりは長くカレッジフットボール界を最強と言われて牛耳ってきたSECは優勝戦に進出に3年連続で失敗したことになる。BCS時代のSEC校の七連覇という実績もあり、4校制のプレーオフ制に移行後も当初Alabama、それにGeorgiaが加わりSECの一強化は突出していたと言って差し障りない。

それが急ブレーキがかかってBig Tenの三連覇の時代となったわけです。現行の12校制に移行以来の2シーズンのSECの戦績もはっきり下がっている。マイナー校相手の試合とSEC校同士の試合を除くと、SECの過去2シーズンの戦績は今季が3戦全敗、昨季が2勝3敗。2勝は新規加入のTexasが挙げたもの。よって12校制時代のSECのPower 4を相手の対戦成績は2勝6敗。大きく負け越しです。そうやって数えて数で出されないとなかなかSEC最強幻想は抜けない。それぐらい過去20年ほどのカレッジフットボール界はSECを中心に回ってきました。

4校制のときはSEC校が強いのだという前提で4校を選んでいたので1校は考えるまでもなく当然で、2校目出場のシーズンもあったわけですが、いわば予選付きで4強を決める現行の12校制になってからは昨季今季と各1校が進出となってます。今季がOle Miss、昨季がTexas。SECがBCS七連覇を含めカレッジフットボール界を制圧していた時期のSECのトップチームではない2校です。

その一つ前の4校制での最後のシーズンとなった2023-24シーズンはAlabamaがSEC代表として選出。そのシーズンを最後にSECに移籍になるTexasも選出されましたが、AlabamaもTexasも準決勝で敗退してます。

というわけで目立たないままでSEC校がプレーオフで大いに苦戦、それに代わってBig Tenの三連覇です。時代の潮目か、というわけです。


さて戦いが終わったばかりのカレッジフットボールシーズンですが、早ければ今年2026年シーズンからプレーオフを16校制に拡張しようという議論がCFPで行われています。現時点ではSECとBig Tenの意見が合わないという理由で来季の16校制はまだ決定に至っていません。

但し意見の合わない理由はどちらかが16校制に反対しているからではないそうです。二強Big Ten・SECとも16校制には反対ではなく、CFP全体でも16校制に反対する勢力は少ないとかで、まだたった2シーズンを行っただけの12校制は短命に終わる可能性がある。

ではどこでSECとBig Tenの意見が食い違っているかというと、SECは16校制化の数年後に24校制にしたい意向で、それにBig Tenが同意できないというところ。その相違があるためBig Tenが即座の16校制には現時点で賛成しないというそういう話です。

16校制は今の12校制の一回戦回避組がその特典を失い、一回戦でランク下位またはマイナーカンファレンスの優勝校と戦うという意味なんでしょう。先日も指摘した通り過去2年の12校制で一回戦回避組の戦績は1勝7敗と、一回戦回避しても全然得になっていなさそう。試合間隔が開きすぎて云々という想像もされてますが、それもそうだし、上位校がもう1試合ホームで試合をすれば儲かるんだからという単純なお金の問題もあるでしょう。NILで選手へのサラリーは高騰の一途なので単純にもっとカネが欲しいというそういう話です。
一方マイナーカンファレンス側から見れば毎年2校進出が保証、3校もありうるならそれはそれで良いのかもしれません。そんなこんなで16校制に絶対反対という勢力はいないらしい。

しかし24校制となるとまた意味合いが異なる。一回戦回避組が復活するのはまあ良いとして、ランク24位のチームのプレーオフの試合なんて見たいですか?という話ですよね。今季のプレーオフ直前のランクで言うと9勝3敗のHoustonとかGeorgia Tech辺りが入ってきて、さらにはカンファレンス優勝校枠も広がって8勝5敗のACC優勝校のDukeも出場。それ見たいですか?ということなんですよね。

Big Tenの場合、上位校とその下との力量の差が大きくプレーオフ枠が拡張してもあまりBig Tenからの出場校は増えない、SECはがっつり増えそうという、それが元々の意見の相違の元であろうかなと想像ができる。
但しBig Ten三連覇という急浮上したトレンドからするとSECの最強のイメージが崩れそうで、いままでSECは強いという思い込みもあってランキングの上位をSECが占めていたのがここから変わっていくかもしれない、なかなか難しい瀬戸際ではあります。

あと24校制にすると今よりも一回戦を戦うチームが全米優勝戦にたどり着くまでの試合数が増える。昨季のOhio StateとNotre Dame、今季のMiami-FLはそれぞれ3勝を挙げて全米優勝戦にたどり着いていたのが4つ勝たないと届かない、全米優勝するには5勝が必要という、そこまで行くともうプレーオフというよりは完全に別の第2シーズンって感じになってしまいます。
選手に高給を払うのだから働けるだけ働かさないとというぐらいの勢いですが、フットボールのように大きなケガの確率の高いのにそんなの大丈夫なのかなということにもなります。

早ければ来季にも16校制という話なので結論も早々に出さないといけないんですが、今の情勢だと新三連覇・新王朝期が突如来たBig Tenの意向は強く全体の合意に影響しそうです。なんでも現行の12校制に移行するときに全カンファレンスの合意・覚書で、SECとBig Tenは拒否権に該当する権利を持っているそうなのでBig Tenがただ1つだけ反対してもプレーオフ制度の変更はできないという話もあります。

最後の勝ち切り方に脱帽 Indiana16戦全勝で初戴冠

最後は6点差を追うMiami-FLの追撃を自軍ディフェンスの統率を信じて勝ち切ったIndianaが初優勝。最終スコアはIndiana 27-21 Miami-FL。

この試合はたぶんハイライトを見ても機微がわからなくてそのIndianaの粘りと統率が見えないと思います。最後はMiami-FLのQB Carson BeckのロングパスがINTされて決着なのですが、そこへ至るまでの経過が素晴らしかったです。ハイライトではIndianaのハイズマン賞QB Fernando Mendozaの渾身の4thダウンQBランが繰り返し流されると思うし、それが彼のプロになってからも続くであろう活躍の歴史のハイライトとして記憶されるとは思いますが、勝負はそこでつかなかった。

そのMendozaのTDで再び10点差。そこからのMiami-FLの反撃。6分半残りでMiami-FLのパスオフェンスがこの試合初めてつながって堂々91ヤードを8プレーでTD。TDプレーとなったのはMiami-FL側のオフェンススター新1年生(飛び級したので本来はまだ高校生の)Malachi Toneyへの22ヤードTDパス。華麗なキャッチ後のランで追い上げ24-21。このドライブでIndianaはパスラッシュに人数をかけず、QBに圧力をかけられないままで22ヤード、41ヤード、22ヤードTDパスとやられてしまった。
この時点で私は次のMiami-FLのオフェンスポゼションでは(まだ勝負がついてないなら)Indianaは必ずどっかのタイミングでブリッツをかけてくると確信。QBに圧力をかけないままで2ポゼション連続で華麗なTDドライブを食って逆転敗戦は腹に据えかねるであろうからです。

返しのIndianaのオフェンスドライブがTDならそれで勝負ありだったし、もう1つ1stダウンを更新すればそれでもIndianaの逃げ切りだったのですが、試合を通して素晴らしいできだったMiami-FLのディフェンスが粘り、Indianaは無念のFGで27-21。
ちなみにこの時点で前項で書いたスポーツ賭博でIndianaに賭けた人たちは全員負けがほぼ確定。もし次のMiami-FLのポゼションでINTやファンブルがあってもIndiana側の正しいプレーは即自分からダウンするからです。6点差以上にはならない。

6点差。Miami-FLはタイムアウトは消費済みでしたがまだ1分42秒もある。前のポゼションでMiami-FLのパスオフェンスが冴えてロングドライブでTDを奪ったこともあり、Indianaのディフェンスが逃げきれるか、Miami-FLの華麗な逆転勝ちかの勝負。全米優勝戦の最後がこれというのは素晴らしいシーズンです。

そのドライブを結局Indianaは一度もブリッツに行かず。自軍のディフェンスを信じてダウンフィールドのカバーを優先して辛抱。それが1-on-1にも見えた左奥へのパスをCBがセーフティのカバーを信じて相手レシーバーに追従せずにレシーバーの前へ切れ込んで決勝INTを産んで決着。Indianaのコーチ陣の選手たちへの信頼が産んだINTと思います。素晴らしい。脱帽。


Miami-FL側から見るとディフェンスは満点のでき。オフェンスは前半はともかく後半はスター選手たちが派手なプレーをかまして3TD、及第点。しかし負けたのはスペシャルチームの失態というのが悲しいです。前半のFGがポストを叩いて3点、そして後半に自軍ゴール前でのパントがやたら遅くブロックリターンTDとなって7点、スペシャルチームで計10点分の赤字です。

今ってパンターがオーストラリア人ばっかりじゃないですか。準決勝まで残った4校のパンターも全員オーストラリア人。だから根本的なゲームのフローがわかってないんだと思います。自軍ゴール前のパントはとにかく素早く蹴るのが基本で、それはフットボールを見て育ったアメリカ人なら感覚的に絶対そうなのです。でも彼らは長いパントを蹴る能力はあってもその感覚が欠けているんだと思うのです。だからあんな時間を取ってのキックがブロックされ致命的なミス=TDになったと。

伏線としてはその一つ前のパントが失敗パントでサイドラインを割り、Indianaに良い位置でオフェンスを開始されてしまったのも機微のうち。それがあったのでパンターの頭の中では今度は良いのを蹴りたいという意識の方が優先してしまい、とにかく素早く蹴って危険地帯から逃れるという本来の役割が頭から消えてたんじゃないかなあなんて思って見てました。アメリカ人なら中学高校の頃からくどくど言われている基本だけど外国人にはそれが染み込んでないんだと。

そういうのもありましたが全体としてはIndianaが攻守に立派だったのと、事前にいやそんなに圧倒的にIndiana有利はないんじゃないかとか、準決勝対Ole Miss戦では囲い込み重視でサックを狙わなかったが決勝では行くはずといった個人的な予想は当たったのもあって、最後までわからない試合でもあり満足。両校のキャラも立ってました。良いシーズンだったなと思いました。

なお試合前のESPNの解説陣4名はNick Saban、Marcus Freeman(Notre Dame HC)、Desmond HowardがMiami-FLの勝ちを予想。Indianaを選んだPat McAfeeは元Coltsの選手だったのをウリの一部としているのでインディアナ州の地元ファンを味方につけておきたい思惑もあってかIndiana勝利の予想。
特にNick Saban御大はプレーオフが始まる前からやけにMiami-FLびいきで「Miami-FLがダークホース。どこもMiami-FLと当たりたくないはず」と言ってました。慧眼ということになるんでしょうね。コーチ職を辞めてから肩の力が抜けて年齢はいっているのに喋りのおもしろい解説者に転身してます。

歴史的元最弱巨大校Indianaの全米優勝戦

いよいよ今夜CFP全米優勝戦、No. 1 Indiana Hoosiers x No. 10 Miami Hurricanesの試合があります。場所はMiami-FLのホームスタジアムであるHard Rock Stadiumで。
なので実質Miami-FL側のホームゲームになるのかというとそうならなさそうです。両校に2万枚のチケットが割り当てられるのですが、それ以外の25,000枚は転売市場に回っている。Rose BowlでもPeach BowlでもIndianaファンは100年積年の負けを晴らさんばかりに遠路観戦しており、Peach Bowlでは9割型Indianaカラーで占められていたとされます。なので場所はMiami-FLのホームですが当日になったらIndianaファンの方が多数という可能性は十分あるかと思います。

カードが決まったすぐの時点でのスポーツ賭博ではIndianaが-9.5とかになっていて、それはまたすごい差がついたなと驚きました。確かに数字で見ても、実際の試合を見てもIndianaは好チームでミスをしない。なんでも今季パスインタフェアランスが3個!とか、ファンブルロストは開幕戦の第1Qに犯した1個だけ!とかびっくりするような数字になってます。

それでもスポーツ賭博では1TD以上の差設定というのはよほどの力量の差がないと付かないもので、ここ2試合のMiami-FLの試合=対Ohio State、対Ole Missの試合を見てそれほど勝機のないチームには見えないので-9.5は行き過ぎだと思いました。特に両校とも対戦している対Ohio State戦で比べて、IndianaはOhio Stateに相当苦戦していた、Miami-FLは先行逃げ切りでOhio Stateから見て今季最も不甲斐ない試合になってます。

その後胴元各社の数字はMiami-FL側に振れ、今は-6.5まで出しているところも出てます。まあその辺が妥当ではないか。最初の-9.5はアレか、と思えてきました。

アレとは上で書いたIndianaのファンの好動員の理由と同じか、と。なんでもIndianaは存命の卒業生の数が80万人以上いて全米最大なんだとか。その巨大な卒業生たちが一生に一度のIndianaフットボールの躍進で大量に応援購入をしていて、そのせいで賭けの数字が歪んだのではないかということです。これはスポーツ賭博ではたまに起こることで、プレーオフ観戦でのIndiana卒業生たちのここぞという散財ぶりからしても十分に起こり得る、それもかなり大きなスケールでIndianaの勝利に盲目買いしてるかもなと。

そんな状況なので1席数万ドルの転売市場でもIndianaの卒業生が一生の思い出に買ってるかもなーという、そういう想像です。


試合の方ですが、先日も触れましたがIndianaのハイズマン賞QB Fernando Mendozaは昨季Miami-FLと対戦してます。Cal所属でACCのカンファレンス戦で対戦。今回の優勝戦のカードが決まった後にMendoza自身がその試合についてコメントしていて「あの敗戦、あのヒットは忘れていない」とけっこう熱い発言をしてます。確かに惜しい悔しい試合だったことでしょう。

冷静でミスの極少ないパッサーですが、変に熱くなってると逆にミスを呼ぶかもという不安もあります。なんだかんだ言っても若い選手たちが戦うカレッジフットボールでは冷静さを保つのは簡単ではない。
上のリンクのビデオでぶっ倒されたのは第4Qなのですが、Miami-FLはMiami-FLで選手たちは一発再現を狙いたくもなろうし、実際パスラッシャーは好選手を揃えている。Mendozaがこれまでの試合のように相手ディフェンスを咎めるようなプレーぶりならIndiana有利というのはMendozaの能力ならそのとおりですが、熱くなってリベンジモード3rdダウンでスクランブルを早い時間帯からするようなことをしてると危険と隣合わせかもなとも想像したりもします。その辺の因縁が絡むので単なる全米優勝戦よりも期待感があります。

Mendozaはマイアミの地元出身で、昨オフにもMendozaはMiami-FLからもトランスファーポータルで勧誘されていたけれどIndianaを選んだということで、負けた相手に加入するのは嫌だったかなとも。今となってはIndianaが強いチーム扱いになってますけど、昨オフの時点でIndianaとかACCのMiami-FLとかからしか声がかからなかったんなら、他の強豪校からはさほど良いQBと見られていなかったってことですよね。タイトルでも書いた「歴史的元最弱校」というのはここ数年勝ち込むまで通算700敗以上で全米で最多敗校だったからです。今季途中に最多敗戦校の座はNorthwesternに譲ってますので元。
巡り合わせで因縁の相手と全米優勝戦で対決。Mendozaは必ずやNFLでも活躍するであろう好選手。結末はMendozaのリベンジ成功での長い武勇伝の一部となるか、それとも。

全米優勝戦予想 Mendozaを止められるのか

Oregonのターンオーバー連発でIndiana Hoosiersの圧勝になりそうな様子なので、まだハーフタイムですがNo. 1 Indianaが全勝でNo. 10 Miami-FLと対戦する前提で書きたいと思います。

Indianaのハイズマン賞QB Fernando Mendozaは実は昨季、Miami-FLと対戦、Miami-FLが勝利を収めてます。昨季はMendozaはCal所属で、ACCのカンファレンス戦として@Calで。当時のMiami-FLにはその後NFLドラフト全体1位で指名されるCam Wardが率いての試合。最終スコアはMiami-FL 39-38 Cal。
1年後の今、Cam Wardはプロで大いに苦戦して初年度を終了、Mendozaはハイズマン賞を獲得してドラフト全体1位になりそう、全米優勝も狙える立場になるという未来は2024年にMiami-FL@Cal戦が行われた時点では想像もできなかったわけで、今から見ると感慨深いものもありますね。そして地元出身のMendozaが、Miami-FLのホームスタジアムで戦う。どっちが勝っても地元のスーパースター候補か地元校が勝つ試合でもあります。

2024年シーズン当時の実力(Miami-FL 6戦全勝その後9戦全勝まで伸ばした。Cal3勝2敗)ではMiami-FLが圧倒有利だと考えられていたでしょうが、結果はMiami-FLが死にかけからの大逆転勝利。Calが最大38-18とリードしながら第4QにMiami-FLが3TDをあげて逆転。つまり当時の状況からすればCalの大善戦の試合だったことに。大逆転でCam Wardの武勇伝の一部となった試合でもあります。最後にMendozaが再逆転を狙ったドライブがINTとなって試合終了。

Mendozaのスタッツは22パスを投げて11本成功の50%、285ヤード。2TD, 1INT。
この試合のことは優勝戦のカードが確定したあとにはいろいろ検討される試合になるのでしょう。(でも11本成功で285ヤードって数がおかしいような…)

昨日の準決勝第1試合でも指摘しましたが、昨夜のMiami-FLはOle MissのQB Trinidad Chamblissのスクランブルを潰しに行きサックの数は伸びませんでしたが、相手がIndianaとMendozaとなれば思い切って可変ブリッツを含めより攻撃的なディフェンスもありえそうです。ただそれをやってMendozaに1-on-1のターゲットを増やすのがどうでるか。

あと昨日の試合はMiami-FLは反則が多発で、あんな自滅しそうなことをやっていたらとにかくミスが少ないIndianaの圧勝もあるのでは。
これでIndianaはOregonとAlabamaをKO圧勝。その前のBig Ten優勝戦の対Ohio State戦では13−10での勝利と接戦。Miami-FLからすればOhio State戦のビデオは格好の教材になるんでしょう。

ところで今日のPeach Bowlですが実況の目測ではゆうに8割以上Indianaファンで埋められているとか。会場のアトランタは車で8時間ぐらいですからカレッジフットボール的にはファンが車でかけつけられる距離と考えられる距離ではありますが、フットボール校でもないIndianaでもこれだけ圧倒的にIndianaファンで埋められるんですね。

Miami-FL、ホームでの全米優勝戦へ

第4Qだけで4度のリードが入れ替わる大激戦を経てNo. 10 Miami-FL 31-27 No. 6 Ole Miss、Miami-FLが準決勝@Fiesta Bowlを制して全米優勝戦へ進出。優勝戦の舞台はMiami-FLのホームスタジアムであるHard Rock Stadiumで。
カレッジフットボールで現実的に全米優勝戦をホストできるスタジアムをホームとしているのはMiami-FLだけと言って良いので、ホームでの全米優勝戦はたぶん今年が最初で最後になる可能性があります。

試合最後のプレーはOle Missのヘイルメリーパスがエンドゾーンへ。今度はフラッグは飛ばず。

今度は、というのはMiami-FLが最後に全米優勝戦に進んだ2002年シーズン、2003年1月のFiesta BowlではOhio Stateの4thダウンのエンドゾーンへのパスがインコンプリート、Miami-FLが連覇を遂げたと思われた後にPIがコールされてOhio Stateが生き残り、その後Ohio Stateが勝った過去があるからです。あのときはフラッグが遅かったためMiami-FL側の選手や報道陣がフィールド上に出てきてTVも試合終了という理解で進行しかかってから、いや実はフラッグが投げられていた、試合続行となる混乱の全米優勝戦になったのでした。最後は2度目の延長戦で後攻のMiami-FLがエンドゾーン前からのショートヤードを決めきれず敗退。
なのであの時の試合を覚えているファンならMiami-FLとFiesta Bowlと言えばあの場面を思い出さざるをえない。それの再現かもの際どいプレーでしたが今夜はフラッグは飛ばずそのまま試合終了となってます。

あの当時のMiami-FLは34連勝中で同校の絶頂期。前年の全勝優勝もBCS優勝戦でNebraskaを一方的に下しており、Ohio Stateも全勝で優勝戦に来ていたのですがMiami-FLが圧倒的有利という評判だった。Ohio Stateは全勝だったけれどレギュラーシーズン中苦戦の連続だったのもありました。全米優勝戦も勝って35連勝して、翌年も全勝ならカレッジフットボールの史上最長連勝記録を持つ1950年代のOklahomaの47連勝に届くというところまで先走るぐらいの勢いでの絶頂期だったんですが、あのPIで結果的に敗戦して連勝ストップ。その後は全米優勝に絡むことができない長期低迷期に入っていた。
元々が他の強豪校と違って私学で生徒数も少ない学校なのであんな絶頂期があったこと事態がある種の奇跡だったのでしょうが、それがなんとカネで勝負のNIL時代に23年ぶりにMiami-FLが全米優勝戦に戻ってくることに。それも因縁のFiesta Bowlを経て。

両軍ともケガ人が発生してかなりきつい試合となりました。Ole Missの方は前半一方的に押されまくりながらほぼRB Kewan Lacyの1発の73ヤードTDだけで追従、ハーフタイムでMiami-FL 17-13 Ole Miss。そのロングTDの場面でLacyは足に負傷を負った。接触プレーでない部分でケガをしたようなので試合中はよくわからなかったのですが、その長駆TD以降前半は出場せず。後半は少し使われていましたけど、明らかにパワーダウン。QBのTrinidad Chamblissに頼るしかない、攻め手が狭くなる展開に。サックは食わないまでもChamblissのランはMiami-FLのディフェンスがうまく守ってゲインにはほとんどつながりませんでした。サックを狙うとすれ違いでのQBスクランブルを食う可能性が高まるのでMiami-FL側がサックよりもChamblissを囲い込む方に集中した成果という表現でも良いでしょう。

先週のOhio State戦では猛威を発揮したMiami-FLの2枚エッジのRueben Bain Jr.とAkheem Mesidorはほとんど試合中に名前を呼ばれる場面すらなく、Ole Missのオフェンスラインはうまくこの2人をコントロールしていたと思います。

Chamblissは苦しいチーム事情の中、素晴らしい試合をしたと思います。コーチ陣は半分離散状態で片手間、頼りのRB Lacyがケガでほぼ無力化、自分のランにも頼れない。動きながらのパスの精度は良いのは先週のGeorgiaとの準々決勝でも見せていてそれが今夜もほぼ唯一のオフェンスの命綱状態の中、苦しい態勢からのパスプレーで猛追、逆転に持っていった健闘は称えられて良い。Chamblissは野球もやっていたそうで、Patrick MahomesがNFLでニュースターとして出てきたときの頃の、とまで言うと言い過ぎですが、野球出身選手らしい態勢が崩れていても強い球を投げられる様はMahomes的ではありました。

Chamblissは最上級生。FBSではこれがたぶん唯一のシーズン。Ole MissにDiv-IIの優勝校から転校してきたものの、Ole Missではバックアップのつもりで来ているのでNILでも大したお金は貰っていないはず。サイズが小さすぎるのでプロでお金を稼げる可能性はあまり高いとは言えず、できることならあともう1年スターQBとしてOle Missでプレーして、という気持ちもあるでしょうが、どうなるか。可能性としてはキャリア最後の試合に、そしてあのヘイルメリーがキャリア最後のプレーになったか。
Div-IIで優勝してFBSに転校。そしてもしFBSでも優勝戦に進めたらアンダードッグストーリーで映画になりそうなキャリアになったのですが、全米準決勝で力尽きました。コーチ陣に棄てられてもここまでやったのだから、夢舞台ではあったでしょうが。

そして例のLane Kiffinの目のつけどころは良かったということにもなるんでしょう。トランスファーポータルには数千人規模で選手がいる中、Div-IIのQBのプレーのビデオを眺めて、うん、獲ろうという判断をしたのはKiffinでしょうから。Kiffinは仕事をさせたら優秀なのは否定しがたいのでアレだけどこへ行っても問題を起こすのに高額サラリーのお仕事が回ってくるんですよね。

CFP準決勝前に荒れてる

明日の木曜日・そして金曜日にカレッジフットボールのプレーオフの準決勝が開催。
木曜日はNo. 10 Miami-FL x No. 6 Ole Miss。

Ole Missは今季HCだったLane KiffinがLSUに移籍。その時点でOle MissはKiffinをキャンパスから放逐。彼はNFLでもカレッジでも信用ならない人物として良く知られているので、プレーオフの最中もKiffinに指揮なんてとらせたらOle Missの選手を片っ端からLSUに引き抜かれそうというOle Missの判断は妥当だったのでしょう。

問題はLSUに今季後に移籍するのはKiffinだけでなく、Ole Missの現在のコーチ陣から5名がLSUに移籍することが決まっていること。先週の準々決勝に勝ったあともその5名はLSUに実際に移動してトランスファーポータル戦略などをKiffinと膝詰めで検討していたとかで、つまりはOle Missのコーチ陣は準決勝の対Miami-FL戦に向けて集中どころではなく、片手間になっているということです。準々決勝の時点でOle Miss側は準決勝の段階でその移籍する5名のコーチ陣のうち、オフェンスのプレーコールを担当するCharlie Weis Jr.は準決勝でも仕事をすると表明してましたが、学校側は誰が実際に現場に残るのかわからない、と報道陣にこぼすなどひどい有様のようです。
Charlie Weis Jr.の父親はNFL New England PatriotsのOC、カレッジではNotre DameなどでHCを歴任したあのCharlie Weisです。

Charlie Weis Jr.にとっては自身の将来に向けてのレジュメ作りのチャンスでもあり、プレーコール担当は続けると早めに言ってましたけど、それでもLSUでの仕事と両方こなしてるという。もうさっぱりわからないですが、そんな状況下でOle Missはここまで勝ち上がってきてるんですね。

Ole Missファンからは裏切り者のKiffin抜きで全米制覇して、来季以降LSUがうまくいかないことを願ってるという怨念を感じる状況。気の毒なのはOle Missの選手たちです。


LSUは他でも問題を起こしているらしい。らしい、というのはまだ全貌がわからないから。何の話かというと西海岸WashingtonのQBであるDemond Williams Jr.が突如トランスファーポータル入りを宣言したこと。

Williamsは1月2日の時点でWashingtonに残って来季もプレーすることを前提に新しいNIL契約をむすんだばかり。その僅か4日後にトランスファーポータル入りを宣言。Washington側は激怒。この方向転換はどこかからタンパリングが入ったからであり、Williamsの引き抜きに動いてWashingtonとのNILよりも高額をオファーした学校があるはずと非難しています。WilliamsはサインしたNIL契約に縛られるべきなのか、それともそうでないのか。そしてその行き先はどこか。

でそれが倫理のかけらもないLane Kiffinの評判と繋がって行き先はLSUじゃないのかという憶測で今荒れているというわけです。
その行き先は数日中には明らかになっていくでしょうが、今年のトランスファーポータルはQB不作気味でLSUじゃない可能性もあるんですけど、とにかくいの一番に疑われるのがLane Kiffinというわけです。
プレーオフ関連で荒らし、トランスファーポータル関連で荒らしというそういうKiffinの真骨頂の状況です。

NIL契約というのは雇用契約ではない。マーケティング契約だし、歴史の浅い仕組みで、WashingtonがWilliamsを縛れるものなのかどうか判例がない。Washingtonが緊急差し止めを裁判所に求める可能性もありますが、それもまた前例がない。よしんばWashingtonの主張が通ったとして一度こじれたDemond Williams Jr.がWashingtonで全力を尽くしてプレーしてくれるものか、またそもそもNIL契約の額に見合うような地元企業などへの再販のアピール力(アスリートとしての清々しさとか)が残っているのかもわからない。ムリに引き止めてもムダに終わるかもしれません。

だからと言ってそのままなにもせずに移籍されてしまってはトランスファーポータルの期間が始まる直前の時点で大盤振る舞いをしてNILの金額を引き上げたつもりだったWashingtonの面目も努力も水泡に帰すのが前例となってしまう。NIL契約なんてしたってただの次の金満校の引き抜きのための金額のたたき台になるだけになってしまう悪例になってしまいそうなんですよね。

制度を走りながら変えるというダイナミックさはアメリカ社会の強みのひとつではあるとは思いますが、こういう過渡期の混乱も起こり得るのがその強みの裏返しの脆弱さともなります。

CFP準決勝のスポーツ賭博ライン発表

昨日のCFP準決勝3試合の結果を受けて準決勝の組み合わせが確定。スポーツ賭博のラインも出てます。No. 1 Indiana x No. 5 Oregonは、3.5から4.5点差でIndiana有利、昨夜Georgiaとの激戦を制したNo. 6 Ole Missと、 No. 10 Miami-FLは、意外にもMiami-FLが3.5の有利というのが大半の賭けサイトの予想ラインとなってます。

Indiana、あれだけ圧勝で準々決勝を制したのですが意外とOregonとの差が小さい。今季の成績、対Ohio Stateとの全勝決戦となったBig Ten優勝戦での戦いぶり、昨日の対Alabamaをけちょんけちょんにしての圧勝でもこの程度の差しかつかない。Oregonに対する人気と信頼が高いってことですか。今残っている4校の中では近年安定して成績を残しているといえばOregonなのでそういう意味ではわからなくないですが。Indianaは長年弱かったのでこういうビッグマッチにしか参戦しない賭ける人たちからすると「えーIndiana?」みたいな?

シーズン中の直接対決では10点差でアウェイだったIndianaが勝利している。準決勝の場所はPeach Bowl@南部アトランタで中立地。Oregonからしたら大陸横断の遠方ですが、準々決勝もさらに遠いマイアミでのOrange Bowlだったのですからそれは良いでしょう。レギュラーシーズンは試合当日のフライトで会場入りすることが多く、長距離で遠征する側にフライト疲れなど不利が出ますがボウル・ゲームは主催者持ちで数日前に会場都市入りすることが多いので遠征の不利は比較的出にくいです。

もうひとつの準決勝は最下位シードであるMiami-FLに有利と出てるのは意外な感じがしました。相手がGeorgiaだったらMiami-FLのQBのCarson Beckは転校前の元母校との対戦で、Georgiaのコーチ陣はBeckのクセその他なんでも知ってる状態になる、逆にカレッジ6年目となるBeckからすればGeorgiaディフェンスの戦術も知ってるのでお互い手の内を知ってる対戦になるところでしたが、勝ち上がってきたのはOle Miss。

Ole MissのQBはDiv-IIの優勝校から転校してきたTrinidad Chambliss。小型で小回りが効く選手で、Miami-FLが勝ち上がってきた相手であるOhio StateやTexas A&MのQBとは異なるタイプ。Ohio StateもA&Mもドラフト上位指名選手となるであろうMiami-FLの2枚エッジRueben Bain Jr.とAkheem Mesidorを扱いかねたのですが、この2人がOle Missのラインは突破できても小回りの効くChamblissを捉えきれるかはやってみないとわからない。
私の見た範囲の試合ではMiami-FLは良い試合はランオフェンスで相手を押し切ってしまうチームで、他方30点以上のハイスコアの試合に耐えられるほど爆発的な得点力のあるオフェンスではない。Ole MissがMiami-FLディフェンスの圧力をかわしてスコアできるようならOle Missもそうとうチャンスがあるように思えます。Fiesta Bowlで。

Miami-FLはもし準決勝を勝てば全米優勝戦はホームスタジアムである@Hard Rock StadiumなのでThe U復活のシンボル的な試合になるかもしれません。

カンファレンス別ではOregon x IndianaがともにBig Ten所属なのでBig Tenが1校全米優勝戦に進むのは確定。最強カンファレンスとされたSECは準決勝に残ったのがOle Miss1校というのはシーズン前からは想像しにくかったことでしょう。

尚、昨季からの一回戦回避のシード校の全敗はIndianaがやっと止めましたが、Georgiaが敗戦したためシード校の戦績は1勝7敗となりました。
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