Little League World Seriesがやってくるともう夏休みが終わる時期だなあという季節感があります。今年もLLWSの季節となりました。米国内各地でLLWS出場チームの決定が続いてます。

国際部門の方はカナダ代表以外は長距離の旅の必要もありずっと前に代表は決まっていて、欧州アフリカ代表としてはチェコのクラブチームが4年連続でLLWSに登場します。

World Baseball Classicでチェコ代表が東京でのグループリーグで健闘したことで日本ではチェコと野球というのは印象に残ってると思います。そのチェコの次世代を担う少年たちがLLWS予選を勝ち抜き連続でLLWSの会場Willamsportにたどりついてる。こうやってスポーツって線になってつながりオーガニックに育っていくのは素敵なことだと思います。
そしてそれを可能にしてくれる長い歴史を誇るLLWS(国際部門ができてからおよそ70年)も、近年充実してきたWorld Baseball Classicにも感謝の気持ちを持ちたいものと思います。

LLWSに国際部門ができたときのことは知らなくても、World Baseball Classicが創設されたことのことを覚えている大人は多いはず。手探りでスタートしたものでした。MLBオーナーたちの反対を抑えてとにかく形にした当時のMLBコミッショナーBud Seligさんには感謝しても感謝しきれないと思います。お陰で我々スポーツファンはないはずの熱い試合や場面を見られたのですから。

アメリカの起業家精神というのはアメリカという国の美点の一つです。Seligコミッショナー(コミッショナー就任前はMilwaukee Brewersのオーナー)のような既に人生が金銭的に明確に成功した方でも起業家精神を持ち続けていたからこそあれだけオーナーに反対されてもWorld Baseball Classicを始められた。カネの損得勘定だけではあれだけの熱意はつぎ込めなかったのを突破したのはSeligコミッショナーに野球愛と起業家精神があったからだと私には信じられます。


これって別ジャンルになりますが例えばアメリカサッカーでもそうなんですよね。
この夏に行われたFIFA W杯で国外から見られたファンの方、なぜ他はアメリカ各地の都市の美麗なスタジアムなのにKansas Cityが試合会場に選ばれているのかなと疑問を持たれたことはないでしょうか。ひとつだけ際立って古い。
あれはアメリカサッカーの功労者である故Lamar Hunt氏の本拠がKansas Cityだからです。Lamar HuntさんがいなければMajor League Soccer(MLS)も創設できていない。創設後も経営危機でMLSが潰れそうで投資家が次々と離脱、10チームでオーナーが3人しかいなくなったときでも決して見捨てなかったのがHuntさんです。
さらにそれよりもっと以前の1960年代70年代の破綻したNASLでもサッカー投資に情熱を注いだ。崩壊寸前だったNASLが6チームまで減ってしまったときにも最後まで残ったのがHuntさんです。つまり長年零細だったアメリカサッカー界を下支えしたかけがえのない恩人でもあり、1994年のW杯米国大会を招致できたのもHunt氏の情熱によるものでした。Lamar Hunt氏の個人の情熱がなければ今のアメリカサッカー界はない。

しかしながら1994年には本拠地のKansas Cityでの試合開催はFIFAから外された。その前の大会の招致からの宿願を故人になられてからですが今回やっと本拠地のKansas CityでのW杯の試合開催になったということになります。そんなことはFIFAや米サッカー協会は公には言ってませんが、アメリカサッカーを長年見てきたものとしてはそうなのです。

Hunt家は今もNFLの人気チームKansas City Chiefsのオーナーであり、それ以前にも長年他の事業で成功して(ちょっとおもしろい横道の話がありますが今回は避けます)の大立者一家ですが、サッカーへの情熱と起業家精神を維持してMLSを創設させ、苦しい時期を支えて今の地位まで続けさせてます。
その名誉を称えてアメリカのカップ戦はLamar Hunt U.S. Open Cupという名になってます。


アメリカには悪いところも多々あると批判も受ける国なわけですが、一方こんな具合に無謀とも先が見えないのにとも思えることをやってしまえるアメリカというお国柄に起業家精神は美徳として組み込まれていると私には見えます。古すぎて当時がどうだったかはわかりませんが、LLWSの国際部門が過去から今に続くのもその一部のはずです。