ノックアウトラウンドの初戦でレッドカードを貰って、16強戦の対ベルギー戦に出場できないはずだったFolarin Balogunが、レッドカードの保留(suspended)により逆転で出場ができるようになったというニュース。

そのニュースが出回った後にベルギーサッカー協会がブチギレのコメントを発表。主催国による横暴だ、将来にも禍根を残すと言ってます。
時系列的にどうなってるのか私には確認しかねますが、私が知った順番では、まずBalogunのレッドカードが保留、それからベルギー協会のブチギレコメント、そしてトランプ米大統領がこの逆転出場について口利きしたと本人がSNSで言っていたという話です。私はトランプさんの専用SNSに加入してないので普段から何を言ったかはニュースで間接的に知ることになっていて、よってタイミングがよくわからないことがあります。

それにしても忙しいと思えるトランプ大統領がわざわざサッカーに介入。彼がサッカーファンだという話は聞いたこともなく、観戦しているかどうかも疑わしいというか、そんなに暇であるはずはないと思えます。それなのにレッドカードを消すべく口利きしたというのは、そもそもの動機がよくわからない。サッカー協会なりなんなりから大統領側に影響力の行使を依頼したという風に考えた方が良いのか。

FIFAは今大会用のアメリカ本部をニューヨークの特等地にあるTrump Towerに構えていて、家賃もトランプさんに払ってますけど、それ以外にもわざわざ創設して平和賞を贈呈するなどFIFA側の媚びへつらい具合は目立つ。
そのトランプ大統領にレッドカード消せと要求され消した、という理解で良いんでしょうね。

FOXの放送のスタジオ司会によればW杯の予選段階で似たようなレッドカード保留の実例はある、ということは言っていました。それがどれほど状況が似ているのかはつまびらかではないですけど、FOXによれば過去に例がないわけではないと今回の措置を擁護した発言だった。

とは言えトランプ大統領自身が自身の影響力の強さを誇示するためかわざわざ口外してしまうんですからFIFAが折れまくりというのは明白になってしまった。

私の個人的な知った順の時系列だと、Balogun出場可となるニュース→ベルギーがブチギレコメント発表→メキシコとイングランドの死闘で堪能→トランプ大統領が介入を公言、だった。昨日のカナダ今夜のメキシコと共同主催国が16強で力尽きたところで、米代表は大統領の介入パワーで唯一の8強入りを目指すということでもあります。
これで米代表が今後好成績を残しても他国から見ればケチがついてしまうように見えるんですが、それよりも「私のおかげだよ」と言えてしまうことの方を好む方なんですね。ケチがついてしまうことを理解できないわけではないでしょうから。

ところでこの力の源泉はどこか、というと米国の警察組織がFIFAの不正に切り込んだことが10年ほど前にありました。あれのときのトラウマがFIFA側に残ってるということなんだと私は個人的には納得してます。当時当ブログでは「FIFA乗っ取り計画 第一段階開始か」という記事など数回にわたってこの話を書いてる。当時のFIFA会長は2015年にカナダで行われた女子のW杯に逮捕されかねないと恐れて来なかった。米国の最大の友好国の一つのカナダでは米国が強要すれば協力すると予想すべきでしたから。
あの頃はCONCACAFの理事たちが米国での脱税を理由に複数名が逮捕されていたし、そのフィニッシュ段階で、欧州ではグレーなことをやろうがアンタッチャブルでもアメリカではそうはいかないとイメージ的にはアメリカの方がクリーンな側だった。

上で書いたFIFA乗っ取り計画というのは実際には起こらなかったですけれど、アメリカが本気でやろうとしたらFIFAでもまったく敵わないということはわかったはず。だからと言って各国の理事やFIFAの上層部がおいしい後ろ暗いことを完全にやめているわけもないと思えるんで、今回もトランプ大統領に「こんなこともあんなこともやってるらしいな」とにこやかに恫喝されたらなんでも通すという状態なのかなと。

上でリンクを張った記事で「そして終着点はアメリカの意を受けた人物がFIFA会長になって大改革を断行するところまで行くのだろう」って書いたのですが、今になってみれば現会長のGianni Infantinoがアメリカの意を受けまくってますから当たってると言っても良いと自己称賛したい気持ちも出ますね。この11年前の予想とは全然違うタイプのアメリカの意を受けた会長ですが、ルール改革も今大会ずいぶん進みましたから。

2015年の米大統領はオバマ大統領の二期目。二期目というのはもう再選がない(普通の方法では。今トランプの三期目の可能性が憲法学者を巻き込んでその筋では議論沸騰。ものすごくおもしろいです)ので自らのレガシー作りに励むことになる。オバマ政権2期8年の7年目の話なのでまさにそのレガシー作りの時期。それで欧州の胡散臭い連中をアメリカが正すというのをレガシーのうちに含めようとしたかもなという風にも私には受け取れます。

それが巡り巡って11年後にトランプ氏個人の力の誇示のようなBalogunのレッドカード取消につながってしまうとは。

さあこんなボーナスを貰った米代表。勝ったらトランプ大統領のおかげになってしまうベルギー戦。どんな試合になるんでしょうか。