4月14日付けで米サッカー協会のテクニカル・ディレクターだったMatt Crockerが突然辞任。サウジアラビアのサッカー協会の要職に就くそうです。サウジでの2034年のFIFA W杯の指揮を執るために引き抜かれたという意味合いにはなるんですけど、なんでまた自国開催まで2ヶ月を切ったこのタイミングで退任する理由があるのか、と米国代表サッカーファンの間がざわついてます。

アメリカは転職してキャリアアップをしていく国ですから転職すること自体は不思議ではない。サウジはお金はありますから米サッカー協会に残るよりもずっと良い契約の提示があったのであろうというところまでは了解できます。

しかしながらなぜ今なの、というのは驚きを持って受け止められている。サウジの大会は8年後の話であって喫緊の課題とは言えない。今でなくても数カ月後、北米三カ国W杯が終わったあとなら引き抜きでも誰も驚かない。でも開催直前の今行くというのは、Crockerから見て今が最高値で自身を売れるタイミングだと判断したように見えます。

言い換えると北米三カ国W杯開催後だと自身の価値が下がる可能性を米協会の幹部が感じているから今の今、転職しちゃうってことのように聞こえてしまう。Crockerは早逃げしたけれど、他の協会幹部も自国開催に不安を持っていて、それがCrockerの転職で顕在化したのではないかというわけです。
そしてそこまで考える熱心な代表サッカーファンたちは、なにがそんなに不安なのだろうと疑心暗鬼となってるというのがここ一両日の話です。

米男子代表が5年前には黄金世代と銘打っていた若手選手たちが伸びず、アメリカのサッカーマスコミは黄金世代と呼ぶこと自体をもうやめてしまってます。自国開催で組分けも恵まれているし、3位でも通過できる今大会の仕組みなので、さすがに米代表がグループ敗退すると予想されるほどには弱くはない。ノックアウトラウンドになればその先はどうなるかわからないですが、それはそれ。一回戦二回戦と勝ち進んで米代表、自国開催で24年ぶりのベスト8進出、となればテクニカル・ディレクターも株が上がって今のこんな時期に職を投げ出すよりも高値で自身を売れた可能性はある。
でも今辞めた。外に出ていない内部事情を知る立場の人なだけに、何か知られざる不安材料が彼の判断に影響したとしたら、それはなにか、というところまで不安感にかられたファンや関係者がさざめいている。

先日の対ポルトガル、対ベルギーとの親善試合の時期にケガで不参加となった主力メンバー、例えば元主将のTyler Adamsや、Sergiño Dest辺りが実は間に合わなさそうとかか。前回大会でモメたGio Reyna絡みか。それともさらに悪く中心選手のChristian PulisicがAC Milanで発表されている「軽度の筋肉の問題」が実はもっと深刻なのか。

そこまで言われてしまうぐらいにテクニカル・ディレクターの転出がファンや関係者を不安にさせてしまっています。