第4Qだけで4度のリードが入れ替わる大激戦を経てNo. 10 Miami-FL 31-27 No. 6 Ole Miss、Miami-FLが準決勝@Fiesta Bowlを制して全米優勝戦へ進出。優勝戦の舞台はMiami-FLのホームスタジアムであるHard Rock Stadiumで。
カレッジフットボールで現実的に全米優勝戦をホストできるスタジアムをホームとしているのはMiami-FLだけと言って良いので、ホームでの全米優勝戦はたぶん今年が最初で最後になる可能性があります。

試合最後のプレーはOle Missのヘイルメリーパスがエンドゾーンへ。今度はフラッグは飛ばず。

今度は、というのはMiami-FLが最後に全米優勝戦に進んだ2002年シーズン、2003年1月のFiesta BowlではOhio Stateの4thダウンのエンドゾーンへのパスがインコンプリート、Miami-FLが連覇を遂げたと思われた後にPIがコールされてOhio Stateが生き残り、その後Ohio Stateが勝った過去があるからです。あのときはフラッグが遅かったためMiami-FL側の選手や報道陣がフィールド上に出てきてTVも試合終了という理解で進行しかかってから、いや実はフラッグが投げられていた、試合続行となる混乱の全米優勝戦になったのでした。最後は2度目の延長戦で後攻のMiami-FLがエンドゾーン前からのショートヤードを決めきれず敗退。
なのであの時の試合を覚えているファンならMiami-FLとFiesta Bowlと言えばあの場面を思い出さざるをえない。それの再現かもの際どいプレーでしたが今夜はフラッグは飛ばずそのまま試合終了となってます。

あの当時のMiami-FLは34連勝中で同校の絶頂期。前年の全勝優勝もBCS優勝戦でNebraskaを一方的に下しており、Ohio Stateも全勝で優勝戦に来ていたのですがMiami-FLが圧倒的有利という評判だった。Ohio Stateは全勝だったけれどレギュラーシーズン中苦戦の連続だったのもありました。全米優勝戦も勝って35連勝して、翌年も全勝ならカレッジフットボールの史上最長連勝記録を持つ1950年代のOklahomaの47連勝に届くというところまで先走るぐらいの勢いでの絶頂期だったんですが、あのPIで結果的に敗戦して連勝ストップ。その後は全米優勝に絡むことができない長期低迷期に入っていた。
元々が他の強豪校と違って私学で生徒数も少ない学校なのであんな絶頂期があったこと事態がある種の奇跡だったのでしょうが、それがなんとカネで勝負のNIL時代に23年ぶりにMiami-FLが全米優勝戦に戻ってくることに。それも因縁のFiesta Bowlを経て。

両軍ともケガ人が発生してかなりきつい試合となりました。Ole Missの方は前半一方的に押されまくりながらほぼRB Kewan Lacyの1発の73ヤードTDだけで追従、ハーフタイムでMiami-FL 17-13 Ole Miss。そのロングTDの場面でLacyは足に負傷を負った。接触プレーでない部分でケガをしたようなので試合中はよくわからなかったのですが、その長駆TD以降前半は出場せず。後半は少し使われていましたけど、明らかにパワーダウン。QBのTrinidad Chamblissに頼るしかない、攻め手が狭くなる展開に。サックは食わないまでもChamblissのランはMiami-FLのディフェンスがうまく守ってゲインにはほとんどつながりませんでした。サックを狙うとすれ違いでのQBスクランブルを食う可能性が高まるのでMiami-FL側がサックよりもChamblissを囲い込む方に集中した成果という表現でも良いでしょう。

先週のOhio State戦では猛威を発揮したMiami-FLの2枚エッジのRueben Bain Jr.とAkheem Mesidorはほとんど試合中に名前を呼ばれる場面すらなく、Ole Missのオフェンスラインはうまくこの2人をコントロールしていたと思います。

Chamblissは苦しいチーム事情の中、素晴らしい試合をしたと思います。コーチ陣は半分離散状態で片手間、頼りのRB Lacyがケガでほぼ無力化、自分のランにも頼れない。動きながらのパスの精度は良いのは先週のGeorgiaとの準々決勝でも見せていてそれが今夜もほぼ唯一のオフェンスの命綱状態の中、苦しい態勢からのパスプレーで猛追、逆転に持っていった健闘は称えられて良い。Chamblissは野球もやっていたそうで、Patrick MahomesがNFLでニュースターとして出てきたときの頃の、とまで言うと言い過ぎですが、野球出身選手らしい態勢が崩れていても強い球を投げられる様はMahomes的ではありました。

Chamblissは最上級生。FBSではこれがたぶん唯一のシーズン。Ole MissにDiv-IIの優勝校から転校してきたものの、Ole Missではバックアップのつもりで来ているのでNILでも大したお金は貰っていないはず。サイズが小さすぎるのでプロでお金を稼げる可能性はあまり高いとは言えず、できることならあともう1年スターQBとしてOle Missでプレーして、という気持ちもあるでしょうが、どうなるか。可能性としてはキャリア最後の試合に、そしてあのヘイルメリーがキャリア最後のプレーになったか。
Div-IIで優勝してFBSに転校。そしてもしFBSでも優勝戦に進めたらアンダードッグストーリーで映画になりそうなキャリアになったのですが、全米準決勝で力尽きました。コーチ陣に棄てられてもここまでやったのだから、夢舞台ではあったでしょうが。

そして例のLane Kiffinの目のつけどころは良かったということにもなるんでしょう。トランスファーポータルには数千人規模で選手がいる中、Div-IIのQBのプレーのビデオを眺めて、うん、獲ろうという判断をしたのはKiffinでしょうから。Kiffinは仕事をさせたら優秀なのは否定しがたいのでアレだけどこへ行っても問題を起こすのに高額サラリーのお仕事が回ってくるんですよね。