勢いに乗って女子バスケのWNBAが新規に3チームの追加を発表してます。今回の追加拡張先は2028年にClevelandが参入、Detroitが翌2029年、Philadelphiaが2030年。既に決まっていた拡張先としてPortlandとTorontoが2026年から参入予定で、現行の13チームから18チームへ増加することに。

Caitalin Clark効果で視聴率・動員とも爆上げ状態でアメスポプロチーム競技で男子サッカーのMLSを抜いて四大スポーツに次ぐ第5位に上ったかもというのは書きました。今回の拡張先となった3チームはそれぞれ参入金として$250 millionを支払うんだとか。景気の良い話です。
Portlandが参入したときの参入金は$125 millionなのでその倍額。その前の現存するWNBAで最も新しいGolden State Valkyriesと、Portlandと同時期参加予定のToronto Tempoの参入金は$50 millionだったのですから5年で五倍増。爆上げとなってます。

恐ろしいのはこれだけバタバタと参入が決まってもまだWNBAは18チームでしかないことです。全30チーム構成のNBAチームのあるところが全部WNBAチームを姉妹チームとして持つところまでWNBAチームが拡張できるならまだ13チーム分も空きがある(WNBA Connnecticut Sunの本拠にはNBAチームがないので)。

比較としてアメスポ第5位争いの相手となる男子サッカーMLSの参入金を書くと、最も最近参入となったSan Diego FCは$500 million、その一つ前のCharlotteは$325 millionです。だったらMLSの方が価値が高く見積もられているじゃないかということになりますが、しかしながらSan DiegoはMLSの30番目のチームなんですよ。これ以上のリーグ拡張の余地が少ない。あとWNBAは運営コストが低い。

アメスポに造詣の深い読者の皆さんはよくご存知の通りアメスポメジャー四大リーグはNFLが32チーム。NBAとMLBが30チーム、NHLが32チームです。NHLはカナダ内にチームが多い(7)のでことアメリカだけに限るとNHLにはまだ拡張の余地があるかもしれませんが、それでもざっとの話で30チーム辺りからは拡張が鈍る。それは人口規模・経済圏の規模を考えると30チームを超えてくるとかなり都市圏のサイズが劣るところを含まざるを得ないので投資収益率ROIが急速に悪化するからです。

MLSはカナダに2チームを構える。拡張ビジネスはおいしいので広げられるだけ広げたいでしょうがそれでもあと10チームも増やすというわけにはいかないのではないか。表向きは32チームまで増やして打ち止めと言ってますが、その上限の話は過去何度も打ち止めだと言って参入金で希望都市の間で競争させて参入金を高くして、その後でやっぱりもっと増やすわ、と打ち止めやるやるをして儲けてきたので本当に32で終わるかどうかはわかりませんが、参入金で儲けられる余地は減ってきてるのは確か。
対して今回発表分を含めても18チーム構成のWNBAの方はまだまだリーグ拡張ビジネスを伸ばせる余地が大きいはずです。後発になれば今回の$250 millionをどんどん超えていかざるを得ないでしょう。
拡張先の各リーグの発展史的なあれこれについては過去に書いてます。

WNBAというのは春夏をシーズンとしてほぼ男子NBAのオフの時期に裏作で4ヶ月の短いシーズン(プラス約1ヶ月のプレーオフ)でビジネスをしている。そんな短期間でそんなすごい参入金を払って回収できるのか?と驚きの金額でリーグ拡張してるんですよね。MLSは2月から10月まで(プレーオフは12月まで)試合をしているので試合数はかなり確保しています。バスケの方が人数も少なく運営コストは低いにしてもです。

他の面で比較するとWNBAバスケの方は女子バスケでは世界最高と称して差し支えない選手層を持ってる。米国外の方がサッカーの人気がはるかに高いのでMLSではそうはならない。
San Diego FCのオーナーがMLS30番目のチームに$500 millionをぶっこもうと思った時点では2026年の自国開催W杯でサッカーの米国内での大きな地位向上があるかもという思惑もあったはずです。2026年W杯後にアメスポ内での地位がはっきり上がってないとその先に中都市への拡張での参入金の伸びはそれほど見込めないかもしれないです。
MLSとWNBAのアメスポ第5位争いはかなりおもしろいことになってきていて今後も楽しみです。