日本でもアメリカの関税政策に振り回されてどうなるのかと思われているかと思います。関税はアメリカ国内にいると株式市場のダウンがいきなり効いてます。現在アメリカの住人の60%以上が退職後資金運用その他何らかの形で株式市場に個人資産を預けているとされます。貧困層(統計によりますが10-15%前後)を除けば大多数がなんらかの運用を行っているわけで、よって市場の大幅下落は多数の有権者にとっては人ごとではない。
私個人ではこの秋のiPhoneを買おうと思っていたのがこの騒ぎで発売される頃にどんなすごい価格になるかも気になります。

さて当ブログのテーマであるアメスポへの影響ですが、基本的にはアメスポには関税は関係ないからそれはどうでも良いかと思ってましたが、それとは別アングルで新政権の政策に注意すべきことがあるようです。各リーグからチームへカナダに遠征に行った場合、遠征先から米国に再入国できない外国籍の選手が出る可能性を指摘して注意を促しているようです。特にトランプ政権が敵性国家とみなした国籍の選手はまずい可能性が高い。具体的にはMLBのベネズエラ人選手やコロンビアの選手があぶないはずです。

アメスポメジャーではNFLはカナダのチームはないし、カレッジスポーツ各種も無関係でしょう。NBAはカナダToronto Raptorsがありますがいわゆる敵性国家からの選手が少ない。NHLも外国人選手は多いですが主に欧州の選手。ロシアとベラルーシを敵性国家とすると人数はかなりいます。NHLは在カナダのチームが多いので国境を行き来する機会が多いのが他と異なります。

女子プロスポーツでは2026年から女子バスケWNBAに初のカナダのチームToronto Tempoが参入予定でその後は米加国境を超えることが発生します。WNBAはトランプ支持層とはまったくそりが合わない。2026年もトランプ政権下なので外国人選手は国境を超えるときは確実に帰ってこれる保証はありません。

敵性国家国籍選手が多いのはどのプロスポーツよりMLBでしょう。今のスケジュールでは全30チームがすべての相手と戦うことになっています。ホームかアウェイだけになる場合もありますが、その翌年は反対側のホームでプレーするので2年に一度は全MLB球団がカナダに行くことになります。なのでシーズン途中での移籍などイレギュラーな場合を除きMLB所属のベネズエラ人やコロンビア人選手は少なくとも2年に一度は仕事でカナダ国境を超えます。トランプ政権下4年間では各チーム少なくとも2度はカナダ遠征となります。
バスケNBAならToronto遠征で1試合してすぐにアメリカに戻る予定になるでしょうからもし再入国に不安があればその選手の1試合の遠征とりやめ欠場という手があります。今どきはシーズン中にケガでもないのに休みを取る選手も多いしカナダ遠征試合は休む前提でその日を休養にしてカナダ行きを避けたほうが良い。しかしMLBは行ったら3連戦。その選手が中心選手であれば3試合全部を休ませるのはチームの負担になります。

具体的に誰がそうかというとJose Altuve (Houston Astros)、Luis Arraez (San Diego Padres)、 Ronald Acuña Jr. (Atlanta Braves)、 Gleyber Torres (Detroit Tigers)などがベネズエラ人の有名選手たち。この辺の選手があぶない。日本の疑似ホームチームのLos Angeles DodgersだとMiguel Rojas がベネズエラ人。今季はDodgersはカナダ遠征は予定されてません。
AcunaのBravesは来週Toronto遠征ですが現在Acunaは欠場中なので米国外に出なくてよい。その後は5月中旬にTigersが、AltuveのAstrosのカナダ遠征は9月。
ただトランプ政権はMLBとはさほど仲は悪くない。目の敵にされるとしたらNBAやWNBAの方が可能性は高そうにも思います。

ところでMLB Toronto Blue JaysはVladimir Guerrero Jr.との大型契約延長を決めたばかり。曰くGuerreroはカナダ国籍(父親のVladシニアがMotreal Expos在籍時に誕生)なので地元カナダ人の看板選手を維持したいという意向がBlue Jaysに強かったとされます。
それは良いんですがトランプ政権はカナダに「51番目の州になるべき」と就任当初から言っていて、カナダ側の対米感情は悪化している。自動車関連の関税と報復関税が発動されたところ。NHLの試合前の米国国歌にブーイングが出る試合もある。わざとカナダの気に障る口撃をしかけているトランプ政権は今後の展開次第ではどこかのタイミングでカナダ国籍の選手に足止めしてニュースづくりをする可能性も否定できません。つまり敵性国家でなくてもカナダ人選手でも絶対安全はないという意味です。