NHLのシーズンがスタートしたばかりですが、開幕戦のESPNでの放送(3試合)の視聴率が前年比で39%減と出だし躓いています。裏番組となっていたMLBポストシーズンの視聴率が好調でそれに負けたのは相手が上位ジャンルだから仕方ないとしても、女子バスケのWNBAのポストシーズンの試合にも遅れを取ったというところが痛い。

NHLのESPNでの開幕戦3試合の平均は55.9万人が視聴。同夜にサブ局のESPN2で放送されていたWNBAのプレーオフ準決勝第5戦Connecticut Sun@Minnesota Lynx戦が98.4万人と大きく差を開けられています。一年前にサブ局でやってるWNBAの試合がNHL開幕戦に視聴率でダブルスコア近い快勝というのは想像できなかったのでは。

昨年から一人で女子バスケの地位向上を達成したCaitlin Clarkの所属するIndiana Feverはプレーオフ一回戦で消えておりCaitlin Clarkが見たいからというブーム的理由でこの試合を見ているわけではない人が100万人近くいたと。Caitlin Clark効果で女子バスケおよびWNBAの露出が爆上げ、その過程で女子バスケって結構おもしろいじゃないかと知った人が多くてこれだけの結果を出したというふうに考えられるように思います。

別の記事でこの春の男子サッカーのMLSの視聴率低迷の原因として当時Caitlin Clarkがカレッジで次々と個人記録を更新して、その余勢をかって女子のMarch Madnessでも試合をするごとに視聴率記録を書き換える一大ブームとなっていたのにサッカーは食われたのではないかと書きました。
それと同じことがNHLの開幕戦でも起こって、NHLもMLSに続いてCaitlin Clark効果の被害者になったという可能性があります。

もちろんアメスポ第4位のNHL開幕戦とは言えただのレギュラーシーズンの1試合であり、WNBAの方はプレーオフ準決勝シリーズ決着戦の第5戦というバリューは高めの試合ではあります。それでも過去だったらWNBAのプレーオフ動向を理解しているスポーツファンの数がそもそも低かったのではないか。露出がアップした今年だから決着戦だから見てみようかということになったのではないか。レギュラーシーズンで視聴率が今季突如3倍増という、創設後20年以上を経過しているリーグではまず起こり得ないような爆発的な人気上昇で、アメスポ中位・準メジャーの他のジャンルのファンを食ってる様子がうかがえます。

WNBAは現在Finalsが進行中ですが第1戦が114万人視聴、21年ぶりのFinalsの高視聴者数だそうです。21年前っていうとWNBAがNBAとセット販売みたいな形でNBAのスター選手と並んで盛んに露出をはかっていた時期でもあり、まだTVが視聴者を集めることができた時代の数字。それにTVの視聴率が出ない今のご時世で追いついたということです。