アメスポ4大プロスポーツがひしめく中、準メジャーのNASCARのプレーオフも残り5戦と生き残りに差し掛かっています。週末のレースではNASCAR史上台数で最大の28台を巻き込むビッグワンが終盤に発生する混迷のレースだったりしました。高速コースのSuper Speedwayはこれが怖い。ドライバーの腕よりも運任せの面のあるSuper Speedwayをプレーオフに組み込むことの是非はプレーオフの押し詰まった時期でないので許容範囲でしょうか。
レースの放送中にもさらっと触れられていましたがMichael Jordanが共同オーナーを務める23XI Racingと Front Row Motorsportsの2チームがNASCARを違法な強権的行為その他で訴えて法廷闘争に臨むことになっています。
以前にもチーム側とNASCARがモメていることは何度か書きました。その後NASCAR側が最後通牒をチーム側に突きつけて上記の2チーム以外はしぶしぶなのかどうなのかわからないですが契約を更新、来季の出走権を確保しています。原告となった2チームは契約更新を拒否。NASCARの独占による優位な立場を濫用していると訴えているのとともに、法廷闘争をしている間の暫定措置として来季の参戦を認めるように裁判所に申し立てています。
NASCARの御用マスコミからはこの訴訟について猛烈な拒否反応が出ていたり、過去に原告側弁護士を取材したNASCAR所有のラジオ局は一旦そのインタビューを放送した後に局のアーカイブから削除して視聴者がオンデマンドで聞けなくしたりと強い嫌悪感を隠していません。オンデマンドについては削除したことがSNSで拡散した後にまずいと思ったのか再び聞けるようになっています。
その原告側の弁護士というのはJeffrey Kessler。この方はNFL、NBA、MLBの各選手会をクライアントとして持っており、また米女子サッカー選手の対米サッカー協会の闘争でも強い役割を果たし例の男女間の賃金格差闘争で選手側の勝利を勝ち取った法曹チームの方です。
つまりはMichael Jordanが連れてきたスポーツ争議での選手側を弁護する最上のスペシャリストということになります。JordanがNASCARオーナーとして参戦したのは2020年、レースに参加し始めたのは2021年冒頭から。当時は
と思っていたのですがこうなってみるとNASCARを家族で所有するCEO Jim Franceから見ればメジャースポーツ他ジャンルの契約習慣までNASCARに流れ込んでしまい70年以上家族経営してきたNASCARに法的なメスが入ることになったとも言える事態でもあります。
NASCARの御用マスコミは「たった4年半前に参入した新参が70年以上の歴史を持つ体制を捻じ曲げようとしている」と口を極めて批判してます。ただし御用マスコミは法的な争点については一切議論しておらず、たぶん意図的に避けている。そういう意味で逆にNASCAR本体の強い危機感も感じられます。
アメリカの大物弁護士の料金というのはやたら高い(1時間当たり$2000とか)ので中規模チームの23XIやFront Row(それぞれCup戦2台態勢)だけでそのコストを負うのはリスクが高い。Jordan個人はお金持ちですがそれでもこの闘争費用は安くない。Jeffrey Kesslerが出しているコメントによれば勝算はごく高いかのように言ってますから弁護士費用は後払いでごっそりNASCARから取る目算でこの訴訟を引き受けた可能性もありそうです。訴訟に勝った場合のみクライアントの支払い義務が生ずるという弁護契約は訴訟の相手が大きな企業だとしばしば行われます。
NASCARは訴訟に応えるために60日間の猶予があるためたぶん今季シーズン中にはこの件は進展しないと思われますが、それまでは原告2チームの来季の出走権が確定しないという不安定な立場となる可能性もあります。そうなれば両チームのスポンサーも困るわけで原告側としてもギャンブルになる。暫定出走措置だけでも早く決まって欲しいところでしょう。
レースの放送中にもさらっと触れられていましたがMichael Jordanが共同オーナーを務める23XI Racingと Front Row Motorsportsの2チームがNASCARを違法な強権的行為その他で訴えて法廷闘争に臨むことになっています。
以前にもチーム側とNASCARがモメていることは何度か書きました。その後NASCAR側が最後通牒をチーム側に突きつけて上記の2チーム以外はしぶしぶなのかどうなのかわからないですが契約を更新、来季の出走権を確保しています。原告となった2チームは契約更新を拒否。NASCARの独占による優位な立場を濫用していると訴えているのとともに、法廷闘争をしている間の暫定措置として来季の参戦を認めるように裁判所に申し立てています。
NASCARの御用マスコミからはこの訴訟について猛烈な拒否反応が出ていたり、過去に原告側弁護士を取材したNASCAR所有のラジオ局は一旦そのインタビューを放送した後に局のアーカイブから削除して視聴者がオンデマンドで聞けなくしたりと強い嫌悪感を隠していません。オンデマンドについては削除したことがSNSで拡散した後にまずいと思ったのか再び聞けるようになっています。
その原告側の弁護士というのはJeffrey Kessler。この方はNFL、NBA、MLBの各選手会をクライアントとして持っており、また米女子サッカー選手の対米サッカー協会の闘争でも強い役割を果たし例の男女間の賃金格差闘争で選手側の勝利を勝ち取った法曹チームの方です。
つまりはMichael Jordanが連れてきたスポーツ争議での選手側を弁護する最上のスペシャリストということになります。JordanがNASCARオーナーとして参戦したのは2020年、レースに参加し始めたのは2021年冒頭から。当時は
「知名度抜群のMichael Jordanの参入はNASCARにとっても大歓迎のようです。NASCARは既にアメリカのモータースポーツで最大の組織ではあるもののマーケットはほぼアメリカ国内限定で、かつ米国内でも人気のある地域が偏っています。アメスポ全体のジャンル別順列だと7−9位程度。そこに正真正銘のアメスポのスーパースターが参入することでのアメスポメディア内でいままでなかった形の露出アップが期待できる」
と思っていたのですがこうなってみるとNASCARを家族で所有するCEO Jim Franceから見ればメジャースポーツ他ジャンルの契約習慣までNASCARに流れ込んでしまい70年以上家族経営してきたNASCARに法的なメスが入ることになったとも言える事態でもあります。
NASCARの御用マスコミは「たった4年半前に参入した新参が70年以上の歴史を持つ体制を捻じ曲げようとしている」と口を極めて批判してます。ただし御用マスコミは法的な争点については一切議論しておらず、たぶん意図的に避けている。そういう意味で逆にNASCAR本体の強い危機感も感じられます。
アメリカの大物弁護士の料金というのはやたら高い(1時間当たり$2000とか)ので中規模チームの23XIやFront Row(それぞれCup戦2台態勢)だけでそのコストを負うのはリスクが高い。Jordan個人はお金持ちですがそれでもこの闘争費用は安くない。Jeffrey Kesslerが出しているコメントによれば勝算はごく高いかのように言ってますから弁護士費用は後払いでごっそりNASCARから取る目算でこの訴訟を引き受けた可能性もありそうです。訴訟に勝った場合のみクライアントの支払い義務が生ずるという弁護契約は訴訟の相手が大きな企業だとしばしば行われます。
NASCARは訴訟に応えるために60日間の猶予があるためたぶん今季シーズン中にはこの件は進展しないと思われますが、それまでは原告2チームの来季の出走権が確定しないという不安定な立場となる可能性もあります。そうなれば両チームのスポンサーも困るわけで原告側としてもギャンブルになる。暫定出走措置だけでも早く決まって欲しいところでしょう。