ニューヨークのスポーツ事情という特殊環境を考えるとわざとこのタイミングを狙った面もあるのかなと思いますが金曜日の夜になってNBA New York KnicksがKarl-Anthony Townsを獲得、対価としてJulius RandleとDonte DiVincenzoをMinnesota Timberwolvesへ送るとか。少々バランスが取れてない気もするので正式決定時には他の選手やドラフト権も移動するかもしれません。

NBAのキャンプ開始2日前、MLBのポストシーズン関連の報道の狭間となるタイミングでという印象を受けます。Knicksとしては東カンファレンスで本命Boston Celticsに挑戦するための最後の補強ということになるんでしょう。昨季の後半ケガで貢献できなかったJulius Randleと、逆にポストシーズンで額面以上の価値を発揮したDonte DiVincenzo。特にDiVincenzoの方はもったいない気もしますがなんらかの付加価値を付けないとMinnesotaの方が納得しないので仕方ない。

Knicksは陣容は充実するもケガがちの選手が多く力が出しきれなかったがポテンシャルはあるように見えた昨季。そこへKnicks HC Tom ThibodeauがWolves時代に指導もしたTownsを獲得する。お互い知ってる同士なので合う合わないという面では初顔合わせよりは良いでしょう。またThibodeauがWolvesでHCをしていた時期からはTownsは完全に一皮むけてオールスタークラスの選手にはなっているし、昨季Wolvesで西カンファレンス決勝進出という階段を一つあがったところ。それを新たにニューヨークという大マーケットで発揮してもらおうということなんでしょう。
Townsはボール占有率は高くなくその意味でKnicksのエースのJalen Brunsonの稼働率を下げないという想像も容易です。

Minnesotaの方は長く続いた(そして成功が遠かった)Towns時代を終わらせてAnthony Edwardsの時代へ移行という意味なんでしょう。Townsの巨額契約を放出でチャラにしてEdwardsによりフィットしたチームづくりを目指す。Townsの契約を持ったままでは補強がままならなかったところからの自由の獲得という意味ではありますが、昨季のカンファレンス決勝進出からさらに上を目指すトレードかと問われたら、そうは言えないような。その辺がチーム編成の一投足がメディアに監視あげつらわれるニューヨークメディアとは違って余裕はあるとは言えそうです。今年勝てなくても昨年の躍進でとりあえず来季分のチケットはさばけた後でのTowns放出ですよね。

Anthony Edwardsについては昨季の活躍からパリ五輪でも米代表のエース格のようなすごい活躍して全国区に顔を売るんじゃないかと期待したのですが、そうならず。ガツガツしたところがもっと欲しいような。それでもそのEdwardsで行くしかないとWolvesの経営陣は腹をくくったということではあるんでしょう。