バスケ男子米代表がフランス代表を最後3分で振り切って金メダルを獲得。最終スコアは米代表 98-87 フランス。3年前の東京での試合(5点差)よりも緊迫感は高くこういう最高のメンバーが揃って覇を競う世界大会は大歓迎です。

勝ち負けはともかくとしてフランス代表のGuerschon Yabusele。前半すごかったですね。LeBron James相手のポスターダンクを五輪決勝でかましたのを含めて前半だけで15得点。キング相手のポスターダンクだけで普通の人間の一生分の果報を使い果たしていそう。
and-1でのフリースローでフランスの地元の観客は「in your face! In your face!」とキングを煽る。LeBronさんには油を注ぐような。そんな言われて黙って引き下がるようなキングではありますまい。

Yabuseleという名前は前に聞いたことはある名前だけどいまどこにいるのと調べたらとっくにNBAから去って中国リーグも経由していまはスペインReal Madridでプレーしているようです。既に一度2016年にBoston Celticsからドラフト指名を受けてプレーもしている。ということはつまりNBAのルール上はフリーエージェント?

フランス代表監督のことを存じませんがビッグネームのRudy Gobertを先発から外しプレータイムも大きく減らし、過去フランス代表で中心だったEvan Fournierも中心ローテから外すなど大会中に思い切ってチームを改造してここまで来た。ホスト国として立派な成績と中身だったのではないでしょうか。


試合そのものと関係ない話ですが、最大17点差のビハインドとなり点差が縮まらず苦しかった準決勝のセルビア戦の最中にStephen CurryやDevin Bookerがチームに対して「毎回ホームランを狙うんじゃないんだ、ヒットを積み重ねて」云々とチームを鼓舞していたというのが紹介されていました。へー野球の言葉で表現するんだというのがちょっとおもしろいなと。野球の比喩表現が通じくなってきた世代が日本でもアメリカでもいると思うんですがBooker27歳辺りではまだイケるようです。

第3Q終了時で米代表が6点リード。迎えた最終第4Q4分ほど入った頃の10点差ぐらいのときにVictor Wembanyamaが深い3ポインターを打ったときがこのStephのホームランを狙うなというアドバイスが飛ぶべきところなんだなと。その後も華麗なバックドアカットバックを狙って失敗、米代表のターンオーバーからのファストブレイクでボールを先に投げすぎてアウトバウンドとホームラン狙いが続出。差を詰めるチャンスをいくつも逃してます。

それでも3点差=1ポゼション差まで盛り返して会場を沸かせましたが、続くポゼションでStephの3が決まって6点差。もう二度と点差が近づくことはありませんでした。そこからStephの4連打。4発目とか相手に囲まれて隙も時間もなくて打った高い弧を描いたのが入ってしまう。スーパースターがゾーンに入ると大変なことが起こるわけですね。Stephが神がかりでNBAで入れまくっていたピークの頃ってもう10年近く前になるんじゃないかと思いますが、年齢を加えてもスーパースターはスーパースターなのですね。

主役はStephですがセカンドチームの短時間で出てくるAnthony Davisはとてつもなく強力で、これは強いわという試合。LeBronも試合前から「もうこの先どれだけヒリヒリする試合ができるかわからない。だからこの機会にやる」と言っていた気合もそこここに感じられる試合でした。その強い米代表を相手に好試合をしてくれたフランス代表にも感謝。

そうですよね、39歳LeBronのLos Angeles Lakersも36歳StephのWarriorsも来季は優勝コンテンダーとは言えないわけで2人とも現役最後のヒリヒリした試合をやったことになったか。黄金期から分離したきりだったKevin DurantとStephが同じチームで肩を寄せ合ってるのを見るのもノスタルジックでした。