SECとBig TenがCFPからの離脱をちらつかせた件。当時の記事ではSECとBig Tenによる対抗戦をポストシーズンに行うことでCFPプレーオフが瓦解する可能性について書きました。しかし可能性はより低いのではないかと書いたSECとBig Tenがプレーオフに残りながらCFPの意思決定を蹂躙するというのが実際の正解でした。
あの記事のあとにCFPとESPNが$7.8 Billionで6シーズン分の契約の延長に合意。12校による新拡張プレーオフという形式でのポストシーズンが維持されることになったわけです。すごいお値段です。6シーズン x 11試合で計66試合の放映が$7.8 Billion。単純平均で1試合当たりの放映権料が$118 million。拡張されて重要でない試合もかなり含まれてのこの平均額です。

その契約での合意内容ではSEC所属校とBig Ten所属校には各校に毎年$21 millionが渡る。それに次ぐ規模のカンファレンスであるACC校には年間$13 millionが支払われることになっている。つまりどんなに弱くてもBig Ten所属(MarylandとかRutgersとか)やSEC所属(Vandarbiltとか)でありさえすれば準メジャーのACC校のフットボールのトップ校のClemsonよりも毎年毎年$8 million多くの収入があることになります。毎年ですからこれは効きます。

SEC/Big Tenにプレーオフから離脱されるよりはこれでもACC校にとっては良いのですが、こんなに差があるのではこのまま続けてもSEC/Big Ten以外は中長期的な弱体化が避けられない。
SEC校やBig Ten校が最新の設備導入を繰り返す間に他のカンファレンスの学校はどんどん施設で差をつけられる。リクルートに使えるNILのカネを学校の収入から迂回させればトップクラスの高校リクルートはSEC/Big Tenしか手がでないということも起こりえます。

そういう契約が確定した。そうなるともともとディープサウスの地域性でSEC校と親和性の高いClemsonからするとSEC移籍を目指したい。先行してACC離脱を目指してFlorida Stateが法廷闘争を2023年末に開始していましたが、それにClemsonも追従することに。法廷闘争でACCの離脱防止ルールの数々を無効だと裁判所に持ち込みました。Florida Stateに追従するとしたらまずClemsonということは過去記事でも指摘済み。そのACC離脱見込みの2校の足並みがここで揃ったという段階です。

以前にも指摘してますが「この2校に追従しそうで新パートナーシップ側から見てもそれなりに魅力があるのというとMiami-FL辺りまでか。Miami-FLまで含めると過去30年ほどの全米制覇校がすべて新パートナーシップ側所属となります。」
Miami-FLはどうですかね。微妙ですね。21世紀初頭の頃のピークから20年以上経って若い人にはMiami-FLが強豪だった記憶はないはずです。ClemsonのようなSECとの文化的親和性だとかFlorida StateのAAU校に加われる学業の方での実力といったフィールド外でのアドバンテージはMiami-FLには乏しい。ユダヤ教系の私学です。学生数も少なめ。以前は野球で強かったのですがそれもいつの間にか弱くなってる。代わりに昨季バスケで初のFinal Fourに行ってますがMiami-FLのバスケは動員がACC最弱。