サッカー女子W杯でカナダがホスト国のオーストラリアに0-4で完敗、グループリーグでの敗退となってます。長年のカナダ女子の大エースだったChristine Sinclair40歳はさすがにここまでか。2003年の米国開催のW杯での3ゴールから連続5大会続けてきたW杯でのゴールを今大会では決められずW杯6大会連続ゴールの偉業は達成ならず。6大会はさすがにすごい、今後も破られない可能性のある快挙だったと思うので惜しかった。第2戦の対アイルランド戦で惜しい場面がいくつかありましたがもしあの試合でゴールを決めていてもカナダのグループでの敗退は変わらなかったことになります。

Sinclairとカナダ女子代表というと2012年の五輪準決勝を思い出さざるをえない。Sinclairが3ゴールして3度までリードしたカナダが米国有利の判定の連続となった試合終盤の連続反則(ほとんどお目にかかれないGKの6秒ルール→米国FKを含む)で米女子代表に逆転負けした試合を思い出さざるをえないのですが、そんなのは歴史の底に埋まってしまい勝者の名だけが残る。
Sinclairと同程度の実績をアメリカ人選手が残したらマーケティング価値は大変なものになったはずですけどカナダ人だってことで米国内では地味な扱いまたは無視に近い扱いになってます。これってスポーツに限らずですがカナダ人の有名人って米国内での扱いが雑になる面が強いしピークを過ぎるとフォローがほとんどないように思います。

今大会の敗退が決まってからの取材に応じてSinclairはカナダでの女子サッカーの改革について語ってました。女子のプロリーグの不在にも言及。どうですかね。今カナダは男子が急速にCONCACAF内での地位を向上させているタイミングで2026年の北米3カ国共催W杯もある。対して女子の方にはSinclairのような突出したスター選手が後に続く様子もないようです。カナダ側のリソースは限られており今は男子の方に思い切ってリソースは振り向けているタイミングでもありSinclairの引退(と決まったわけではないですが)とセットでカナダ女子は一区切りになってしまいかねない。

いまは米女子代表と互角の勝負のできる国が増えましたが参加国のレベルが低かった時代にはカナダ代表は米女子代表にとっては大事な国際試合の相手だったものです。低予算で女子代表の運営をしなきゃいけなかった時代には近場のカナダに腕試しになるチームがあることは米女子代表にとっても有益だったはず。
それが予算も上がり世界のどこからでも対戦相手は選んで呼べるし公式戦でも日欧豪と難敵のバラエティが増えたんでネタには困らずカナダ女子が没落してもアメリカはもうあまり困らない様になっちゃってるとは言えます。