MLB Los Angeles Angelsが疑いに拍車がかかるような補強に出てます。外野手のRandal Grichuk、一塁手のC.J. CronをColorado Rockiesから獲得。いずれも今季後に契約の切れる選手ですから今季の補強ではありますが来季以降のチーム編成になんらのダメージの可能性がないAngelsのオーナーにとっては安全な補強です。やってる感じを出すには好都合な補強です。
Max Scherzerを補強したTexas Rangersの気合の入りっぷりと比較するとやってる感じを出したいだけな様子に見えてしまいます。

Angelsは日曜日の試合が正午開始、MLB Sunday Leadoffで放送の早番の試合。Angelsの補強は試合後に発表されています。
ALワイルドカード枠争いでAngelsが追い抜かなくてはいけない直接の相手だったToronto Blue Jaysとの三連戦の第3戦。プレーオフ戦線の趨勢に大きく影響するこの三連戦前の段階で両軍は3ゲーム差。3連勝なら一気に追いつけるという機会だったのに第1戦第2戦と連敗で第3戦前で5ゲーム差。もしこの第3戦も敗戦していると6ゲーム差となって大ダメージだった試合でした。接戦の末10回に決着。10回裏のJaysの攻撃に迫られながらもなんとかAngelsが逃げ切ってます。もしあそこで逆転食っていたらこの日の補強トレードもなかったのかもとも思ったり。

それにしてもものの見事に来季に影響のない選手ばかりの補強です。こんなで勝てるようになるんでしょうか。RangersがMax Scherzerを獲得した本気度とは比べるのも恥ずかしい意欲の差でしょう。

Scherzerは今季のサラリーも高いですが来季も選手オプションで$43 millionのサラリーが発生します。今季の成績と39歳の年齢からして選手オプション行使は確実と見て良い。そうなればRangersは来季贅沢税ラインを超えることになりそうでそちらの出費も覚悟での今季来季の贅沢税の支払もあわせて$50 millionを楽々超えてのギャンブル。
Rangersは翌日になってさらにSt. Louis Cardinalsから左の先発投手のJordan Montgomeryと救援のChris Strattonも今日になって獲得。Montgomeryは所属だったSt. Louisが不振のため勝ち星は6勝9敗とあがってないですが防御率3.42 WAR2.1。なかなか良さそうな補強に見えます。左というのも良い。ポストシーズンは長い延長戦もつきものなのでこういう先発投手の補強で効いてくる場面のありそうです。Rangersの本気度を感じさせる追加補強に見えます。
Rangersはここまで好成績ながら打線に頼って勝ってきた面が強い。エースのNathan Eovaldiが休養なのかこのタイミングでIL入り。移籍してくるScherzerとMontgomeryの新天地デビューにいきなり期待がかかる展開になります。

AL西地区首位でここからもし同地区のHouston Astrosにひっくり返されたとしてもポストシーズン進出は有望な立場のRangersと、ワイルドカードの最終枠が決定的に遠ざかりそうだった週末の戦いとなったAngelsでは補強の気合が異なるのは仕方ない面もありますが、太鼓持ちのようなマスコミがAngelsのさらなる補強で本気だの来季のOhtaniのFAの動向に云々書いているのを見るとそれは違うだろという気になります。Ohtaniと再契約できてもできなくても今週補強した選手たちは誰一人来季のチーム編成には関わりありません。来季はOhtaniと再契約できなければまた贅沢税回避のいつものAngelsに戻るだけというスタンスを崩さないでやってる風を装った補強に終始しているように見えます。