なんでもやってみるのがアメリカ流ですがクリケットまでやってみることに。マイナースポーツ好きの心にさざなみをたてる新マイナープロスポーツリーグが今年から発足。クリケットのT20ルールでのプロリーグMajor League Cricket(MLC)。
T20ルールというのはTwenty20(トゥエンティトゥエンティと発音)、ものすごく大雑把に言えば野球に例えると1回の表裏だけで勝負をつけるルールの短縮簡略型のクリケットです。投球数の制限も伝統的なクリケットより少ない。伝統的なクリケットのルールでは数日に渡って試合が続きますが、3時間以内で終わる簡略版としてT20が普及して現在はT20が主流となってきているというのが私の理解です。インドで人気を博しているというプロリーグIndian Premier League(IPL)もT20。T20の世界選手権も大きな大会になってきており伝統ルールでの方のクリケットが本流から外れそうな勢いです。
MLCは6チーム構成。チームの配置は都市名でいうとLos Angeles 、New York、San Francisco、Seattle、Texas、Washington。
しかしながらチーム名には都市名が入っていても試合はその各都市で開催されているわけでもないという変な状態です。初年度の今季はノースカロライナ州とテキサス州で全試合を集中開催。TexasにはTexas Super Kingsというチームがあるのでそこがテキサス開催分ではホームチーム扱いだったんでしょうが、ノースカロライナはなんなんでしょうか。他の5チームは名前に都市名はあってもホームの実態はない。
つまりこれはPremier Lacrosse League(PLL)の前例からチームに都市名がついていないとアメスポの観客にはウケが悪いという反省か。
PLLがそもそもマイナーなのでおわかりいただけないでしょうから極簡単に説明します。PLLはラクロスのツアー型のプロリーグで所属8チームには都市名がついていません。別組織のMLLの所属チームだったBoston CannonsがPLLに加入するときに都市名を外されてCannonsに改名してたりもします。ツアー型興行で都市固定のフランチャイズを持たないのでチーム名に都市名が付いていないのは正直ではあるんですが、見る側としてはとりあえずのとっかかりとして応援してみようというチームが決められないということになってます。その様子を見ていて後発のMLCはとりあえず名前だけ大都市名をつけとけという経営判断ってことなのかと。実態はないがとっつきはこの方が良いという判断はたぶん正しい。支持しておきます。
マイナープロスポーツができては消えるのはアメスポではよくあることです。しかし驚いたのはESPN.comの画面上部のスコア速報のメニュー欄にMajor League Cricketが含まれていたこと。さすがにこれってMajor League CricketがESPN.comにお金を払っていれてもらっているのだろうと推測します。実需があってのことではないであろうと。同欄にはラクロスのPLLも含まれています。PLLはESPN系で放映があるからその繋がりでの優遇かなと思っていたのですがMajor League Cricketの放映はCBS Sportsやクリケット専門局なのでESPNには掲載メリットがない。女子W杯よりも上の位置。発注だと考えた方が自然な気がします。
クリケットは特定の層に根強い人気がありストリーミングが盛んになる前の時代にも世界大会ごとにPPVが設定されていたジャンルです。一般人はそんなPPVが存在することすら知らなくても固い需要はあった。ファン層の広がりはほとんどないように見受けますがそれでもまずやってみるという起業家精神はアメリカという国の活力の源です。アメリカ国内ではMLCはこっそりやってる感じですが情報記事を読むと英国やオーストラリアなどクリケットの人気がある国ではこのMLCの試合は放送はされているようです。
これでクリケットもプロリーグがとにもかくにも発進、他国に安定したプロがあってアメリカでまったく手つかずのスポーツというとラグビーリーグ(13人制)五輪競技だとハンドボールぐらいでしょうか。日本ではかなりパブリシティがあるように見える卓球とカーリングもないですね。
なお細かい話としてはこのMLCのWashington DCのチーム名がWashington Freedomになってるのが目を引きます。
これでクリケットもプロリーグがとにもかくにも発進、他国に安定したプロがあってアメリカでまったく手つかずのスポーツというとラグビーリーグ(13人制)五輪競技だとハンドボールぐらいでしょうか。日本ではかなりパブリシティがあるように見える卓球とカーリングもないですね。
なお細かい話としてはこのMLCのWashington DCのチーム名がWashington Freedomになってるのが目を引きます。
Washington Freedomという女子サッカーの老舗名門が過去に存在していたのですがWPS時代に途中で外部オーナーに買い取られてチーム名が変更になり移転、買収の翌年にWPSは破綻解散。その後はその名称は使われていなかった。商標登録がされていなかったか、商標の不使用期間が継続して法的な権利が消滅したかなのでしょうMajor League Cricketのチーム名として使われてます。Washington Freedomの名称が使えることに気づいた人は賢いです。女子サッカーのNWSLにこれに気づいた人がいたのなら女子プロスポーツの草分けだったWUSAの創設メンバー名門のチーム名なので先にそれを使い始めるべきだったのですがそこまで気が利かなかったかも。Washignton Freedomは当時絶大な人気だったMia Hammが所属していたチームでした。
野球がわかるならクリケット分かるんですが
drbcs
がしました