アメスポ最大のモータースポーツジャンルであるNASCARの第2カテゴリであるXfinityシリーズが2025年から地上波のマイナー系列The CW(以下CW)で放送されると発表になっています。大いに意外ではありますがケーブルTVの緩やかな死という大きな流れのひとつの動きと考え合わせるとこれもアリなのか。
CWというのは地上波の全国放送網。全米192局でカバー米国内の100大都市圏は網羅。しかしいわゆる四大ネットワーク=ABC、CBS、NBC、FOXからは番組内容視聴者数その他で大きく離されている存在です。私もめったに見たことがないです。幼稚な内容のホラーともオカルトともつかないB級ドラマを延々流してるイメージのマイナー局です。それが下位カテゴリとはいえNASCARの放映権に食い込んでくるというのは意外な展開です。
ただこうなってみるとこの動きの呼び水になったかなという事件はありました。今年から始まったLIV Golfの中継です。LIV Golfがアメスポ市場への侵略者とみなされて守る側のPGAに予防線を張られたのか地上波の四大ネットワークもケーブルの大手系列もLIV Golfの放送をしようとはしなかった。それでLIV Golfは窮余の策でCWにダダ同然ともされる形で放映権を提供して放送を開始。年数が確認できませんが複数年の放映権契約を結んだと報じられています。
想像するにLIV Golfの放送がCWで始まったことでCWの基礎視聴者数が大きくアップしたんじゃないでしょうか。だってCWなんて何年もチャンネルをあわせたことがなかったような私ですらLIV Golfの放送はどんな具合になっているのか気になってCWでの放送を見ましたから、そんなことが全米各地で起こったことは想像に難くないです。そして地上波放送なので面倒な手続きもなくチラっと見ることができた。ケーブル局やストリーミングサービスだったらご家庭ごとに視聴契約事情が異なるのがここで手続き不要な地上波であることの強みが生きた可能性があります。
LIV Golfのアメスポ市場侵略問題はLIV GolfとPGAと合弁会社を組むという急展開で終結。もう大手TV局もPGAの顔色を気にしてLIV Golfの放映を避ける必要がなくなったので現行のCWとLIV Golfの契約が終了次第LIV Golfはもっとまともな系列に移るのでしょう。
しかしCWはこの一連の顛末でスポーツ番組の引きの強さを目の当たりにしたことになったのでは。それがCW側が次のスポーツ番組としてNASCARとの契約を結ぼうと考えた理由かなと想像しておきます。いままでの万年マイナーから第5の英語地上波ネットワークに育てようという野望と意欲が経営者側に湧いている可能性がありそうです。(英語の とことわったのはスペイン語放送のUnivisonがあるため)
ではNASCAR側から見てこの契約はどうなのか。現行Xfinityシリーズは最上位カテゴリのCup戦を放映するFOX系列とNBC系列のケーブル局で放映。シーズン前半の放映権を持つFOXならFS1、NBCならUSA Networkが放送します。ざっとの話Cup戦は日曜日に本戦レース、Xfinityは土曜日にレース。Cup戦は地上波とケーブルが半々。Xfinityシリーズは大半がケーブルで放送。
Xfinityシリーズの視聴者数は年間を通じてF1やIndyCarと三つ巴。NASCARの第2カテゴリではあってもモータースポーツ全体で第2位集団クラスの視聴者を集める番組と言って良いです。F1は世界を転戦するので放映時間帯が不利な場合も多いので単純に視聴者数の数字で人気の実力は云々できませんが。
このXfinityシリーズがCWに移籍する。Xfinityシリーズ単体が売物となるという意味で放映権収入が増えるはず。Cup戦の次期放映権交渉はまだまとまっていませんがそうなるはずです。
そしてまがいなりにもXfinityシリーズが地上波で全戦放送できるようになるのもこれからのTV業界の構造変革の流れからすれば正しいのかもしれません。ケーブルTVの緩慢な死という流れからしてCup戦のオマケ的に放映権販売されていたXfinityシリーズが視聴者がこの先減るばかりの可能性のあるケーブル局にこれから10年近くも縛りつけられるのを避けられたという評価が可能です。その上CWは生き残りをかけてスポーツ番組の充実に力を入れている最中でXfinityシリーズをプッシュしてくれるのは確実です。
過去何度か書いてますがアメリカではcable cuttingが進行中。ケーブルTVの視聴契約家庭数が減り続けているとされます。特に若い世代が加入してくれない。昔からケーブル契約している家庭がそのまま視聴し続けていることで命脈を保ってる様子です。
同時進行で四大ネットワーク(FOXは遅れをとってますが)や新興大手(AppleTV、Prime Video)が有料ストリーミングで覇を競っている真っ最中。大雑把に言ってストリーミングがケーブルTVを置き換えている構図です。ただしまだその途上で決着はついていない。
ストリーミングでのメジャースポーツコンテンツに関しては今はまだ既存の各種放映権契約がケーブル局にも残っているのでストリーミングサービスへの移行のスピードは緩いですがここから各メジャースポーツの放映権が更新されていく中で今ケーブル局が持っている番組は次々とストリーミングに移っていくことが予想されます。TV業界の構造が変わっている中、地合いが一番悪いのがケーブル局だとすればそこに縛られる放映権契約は各スポーツとも避けたいんじゃないでしょうか。カネの入りよりも変に囲い込まれて露出が低下することの弊害が大きい。
一方ケーブルの地盤沈下と相対的に地上波TVが地位が見直されてくる可能性があるわけです。そのさきがけとなるのが今回のCWのXfinityシリーズとの放映権契約という具合にも見えます。地上波大手と違って放映枠に自由度が高いのもCWの強みになります。
でやっと表題の件にたどり着きました。ケーブル局しても地上波にしてもそして新興の有料ストリーミングにしても結局はアンカー命綱になるのはスポーツ中継になっているっていうことになってるんですよね。メジャースポーツだけでなくその周辺の準メジャーやマイナースポーツもここの機会を狙っていきたいところでしょう。
CWというのは地上波の全国放送網。全米192局でカバー米国内の100大都市圏は網羅。しかしいわゆる四大ネットワーク=ABC、CBS、NBC、FOXからは番組内容視聴者数その他で大きく離されている存在です。私もめったに見たことがないです。幼稚な内容のホラーともオカルトともつかないB級ドラマを延々流してるイメージのマイナー局です。それが下位カテゴリとはいえNASCARの放映権に食い込んでくるというのは意外な展開です。
ただこうなってみるとこの動きの呼び水になったかなという事件はありました。今年から始まったLIV Golfの中継です。LIV Golfがアメスポ市場への侵略者とみなされて守る側のPGAに予防線を張られたのか地上波の四大ネットワークもケーブルの大手系列もLIV Golfの放送をしようとはしなかった。それでLIV Golfは窮余の策でCWにダダ同然ともされる形で放映権を提供して放送を開始。年数が確認できませんが複数年の放映権契約を結んだと報じられています。
想像するにLIV Golfの放送がCWで始まったことでCWの基礎視聴者数が大きくアップしたんじゃないでしょうか。だってCWなんて何年もチャンネルをあわせたことがなかったような私ですらLIV Golfの放送はどんな具合になっているのか気になってCWでの放送を見ましたから、そんなことが全米各地で起こったことは想像に難くないです。そして地上波放送なので面倒な手続きもなくチラっと見ることができた。ケーブル局やストリーミングサービスだったらご家庭ごとに視聴契約事情が異なるのがここで手続き不要な地上波であることの強みが生きた可能性があります。
LIV Golfのアメスポ市場侵略問題はLIV GolfとPGAと合弁会社を組むという急展開で終結。もう大手TV局もPGAの顔色を気にしてLIV Golfの放映を避ける必要がなくなったので現行のCWとLIV Golfの契約が終了次第LIV Golfはもっとまともな系列に移るのでしょう。
しかしCWはこの一連の顛末でスポーツ番組の引きの強さを目の当たりにしたことになったのでは。それがCW側が次のスポーツ番組としてNASCARとの契約を結ぼうと考えた理由かなと想像しておきます。いままでの万年マイナーから第5の英語地上波ネットワークに育てようという野望と意欲が経営者側に湧いている可能性がありそうです。(英語の とことわったのはスペイン語放送のUnivisonがあるため)
ではNASCAR側から見てこの契約はどうなのか。現行Xfinityシリーズは最上位カテゴリのCup戦を放映するFOX系列とNBC系列のケーブル局で放映。シーズン前半の放映権を持つFOXならFS1、NBCならUSA Networkが放送します。ざっとの話Cup戦は日曜日に本戦レース、Xfinityは土曜日にレース。Cup戦は地上波とケーブルが半々。Xfinityシリーズは大半がケーブルで放送。
Xfinityシリーズの視聴者数は年間を通じてF1やIndyCarと三つ巴。NASCARの第2カテゴリではあってもモータースポーツ全体で第2位集団クラスの視聴者を集める番組と言って良いです。F1は世界を転戦するので放映時間帯が不利な場合も多いので単純に視聴者数の数字で人気の実力は云々できませんが。
このXfinityシリーズがCWに移籍する。Xfinityシリーズ単体が売物となるという意味で放映権収入が増えるはず。Cup戦の次期放映権交渉はまだまとまっていませんがそうなるはずです。
そしてまがいなりにもXfinityシリーズが地上波で全戦放送できるようになるのもこれからのTV業界の構造変革の流れからすれば正しいのかもしれません。ケーブルTVの緩慢な死という流れからしてCup戦のオマケ的に放映権販売されていたXfinityシリーズが視聴者がこの先減るばかりの可能性のあるケーブル局にこれから10年近くも縛りつけられるのを避けられたという評価が可能です。その上CWは生き残りをかけてスポーツ番組の充実に力を入れている最中でXfinityシリーズをプッシュしてくれるのは確実です。
過去何度か書いてますがアメリカではcable cuttingが進行中。ケーブルTVの視聴契約家庭数が減り続けているとされます。特に若い世代が加入してくれない。昔からケーブル契約している家庭がそのまま視聴し続けていることで命脈を保ってる様子です。
同時進行で四大ネットワーク(FOXは遅れをとってますが)や新興大手(AppleTV、Prime Video)が有料ストリーミングで覇を競っている真っ最中。大雑把に言ってストリーミングがケーブルTVを置き換えている構図です。ただしまだその途上で決着はついていない。
ストリーミングでのメジャースポーツコンテンツに関しては今はまだ既存の各種放映権契約がケーブル局にも残っているのでストリーミングサービスへの移行のスピードは緩いですがここから各メジャースポーツの放映権が更新されていく中で今ケーブル局が持っている番組は次々とストリーミングに移っていくことが予想されます。TV業界の構造が変わっている中、地合いが一番悪いのがケーブル局だとすればそこに縛られる放映権契約は各スポーツとも避けたいんじゃないでしょうか。カネの入りよりも変に囲い込まれて露出が低下することの弊害が大きい。
一方ケーブルの地盤沈下と相対的に地上波TVが地位が見直されてくる可能性があるわけです。そのさきがけとなるのが今回のCWのXfinityシリーズとの放映権契約という具合にも見えます。地上波大手と違って放映枠に自由度が高いのもCWの強みになります。
でやっと表題の件にたどり着きました。ケーブル局しても地上波にしてもそして新興の有料ストリーミングにしても結局はアンカー命綱になるのはスポーツ中継になっているっていうことになってるんですよね。メジャースポーツだけでなくその周辺の準メジャーやマイナースポーツもここの機会を狙っていきたいところでしょう。
特にサッカーにおいて、放映権料が高騰しすぎてもはや地上波テレビ局では払えなくなっているのが日本では話題に上がることが多くなっています。アメスポもそうなってくるのだとすると、これまで一顧だにしてこなかったマイナースポーツの中から良さそうなものを見つけてくるというのが地上波テレビ局側の戦略になってくるかもしれませんね。
メジャースポーツがストリーミングサービスと独占契約を結び我が世の春を謳歌している間に静かにファンのすそ野が狭まっている一方、マイナースポーツは地上波テレビを通じてファンが雑草のように広がるということはありうるのかも。
まあ、そうは言ってもメジャー強しだとは思いますが。
drbcs
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