英語ではSovereign Wealth Fund(SWF)。主に産油国が獲得した巨額の資金を国家が運用管理する組織を指します。
SWFが絡んだアメスポへの投資・侵攻の例といえばサウジのSWFがバックとなったLIV Golfのそれでしょう。PGAとの電撃和解でPGA全体を傘下に収めた形でSWFの資金を受け入れて現時点では争いが終息しています。
他にもプロレスWWEの買収にもサウジのSWFが$10 Billionを突っ込むという話が今年ありました。
そういった直近の例を目の当たりにして他のアメスポ経営者もSWFによる資金投入という可能性を考えておくべき段階に入ったということでしょう。
今週になってNBAのコミッショナーのAdam SilverがSWFがNBA Washington Wizardsの買収を目指していることを念頭において顔の見えないオーナーによるNBAチームの買収には否定的な見解を表明しています。主たる個人オーナーが存在することはNBAにとって重要だとしました。ただし現時点の見解と将来のポリシー変更に含みを残しました。
アメスポメジャースポーツのチームの値段が高騰して既に個人ではいくらお金持ちでも買いにくい額まで上がっています。それで国内でも共同オーナーグループが投資するケースは増えています。そういう場合でも主たる個人オーナーが存在してオーナー同士の個人の横の関係やオーナー会議での直接の交渉でリーグの方向性については話し合われていると理解しています。また優勝したときにオーナー氏が選手や監督より先に優勝インタビューを受けるのは習慣化してます。アメスポには現場に口を出したりマスコミに登場するのが好きな名物オーナーもかなりいて、ファンから嫌われたり好かれたりアメスポの色合いの一部となっているところもあります。
そこへカタールのSWFがWashington Wizardsの買収に興味を持っているという報道があったわけです。Wizardsは長年成功から遠いままのNBA最下位を争う失敗フランチャイズ。資金の潤沢なSWFが買ってくれるならWizardsの現オーナーとしては売るのにやぶさかでない可能性がありました。しかし今回コミッショナーが公的に否定コメントを出したのでとりあえずは沙汰止みになるのであろうと思います。
アメスポメジャーのうちNFLとMLBは欧州方面でアピールが弱い。欧州志向が強いこれまでの中東産油国のSWFの動向からして欧州視点でも認知されやすいアメスポメジャーフランチャイズとしてNBAチームの買収に向かうというのは理解できる話であると思います。
またこれってSWFに限りませんが外国人オーナーにとってはアメリカの聞いたことのない都市名のチームではなくNew York、Los Angeles、Miami、Las Vegasといった世界的によく知られた都市名に惹かれる傾向が強い。その傾向からするとアメリカの首都Washington DCのNBAチームというのは外国人オーナーにはアピールする物件かもなというのはわかります。
少なくとも現時点ではNBAはSWFによる買収を拒否するとしたことでWizardsのカタールSWFの買収はないことになりました。NBAは拒否。MLBやNFLは中東向けにアピールする物件ではないとして、では次にSWFが投資先としてアメスポのどこにカネを突っ込む可能性があるかということを考えるとアメスポ第4位のホッケーNHLではなく、第5位サッカーMLSかもなあと思えます。結局のところ欧州志向の強い人達にとってはサッカーが一番馴染みが深いし、前項でも議論したのと関係するんですけど欧州のサッカー国の基準からするとアメスポ市場でサッカーがプロ球技5位(カレッジを含めれば7位)ジャンルというのは不当に低いように見えるのはわかる気がします。そんなに低いならこれから伸びるはずと読みたくなる気持ちもわかる。
実際には1970年代からずっと「アメリカの次のビッグスポーツ候補」のままで半世紀以上経っても地位が上がっていかない現実があってもサッカー国の人にはそれがどうしても受け入れられないようです。
NBAから参入をはじかれたことになってそういうSWFのお金がアメスポ市場での次のターゲットにMLSへの投資を考える可能性はなくはないなあということを考えました。そしてMLSならNBAのようにSWFの資本投下を拒否しない可能性を感じたからでもあります。
MLSにとってはそういう巨大資本が参入してくれたらアメスポ内での地位が大々的に改善するような大きな変化が起こせるかもしれないと考えるかもしれないからです。MLSがアメスポ内での地位は既に5位7位で落ち着いてしまっている。ことサッカー内に限っても米国内での人気でEPLやLiga MXに劣る形で固定化してしまってきている。
以前から浮かんでは消えるMLSとLiga MXの2位3位合併という奇策でサッカー第2位(国内人気2位のLiga MXが消滅しますから)に浮上できる道は見えてますが、それでもたぶん経済規模でアメスポ第4位のNHLを抜くことはできない。そこまでやっても地位が固着化していて次のステップへの道筋が見えていない。
サッカーの世界では資本が充実していないと買い手の側に回ることはできません。選手の売り手側でいる限りはその上には行けない。そこで外国資本であっても巨大投資をしてくれてMLSを今の二流国の国内リーグかつアメスポ内5位固定の状態から抜け出させてくれるかもしれない投資ならMLSは受け入れるのではないかと思うわけです。既にメジャースポーツ側で世界最大最強のバスケリーグの地位を確立しているNBAとは異なる動機がMLSには存在するように見えるのです。
巨大資本がMLSに付けば欧州の五大リーグに劣らずに現役バリバリの選手の獲得市場に参入できるようになるのかもしれない。MLSが一発逆転で世界のサッカーリーグ序列を壊して買い手側にのし上がる千載一遇のチャンスだとMLSの現存のオーナーが考える可能性があるのではないか。これならMLSがNHLを超えてアメスポ内での序列も変えられる。
他方SWF側から見れば個々のチームにオーナーがいる形ではなくMLS本体自体が一個の企業という形は一発の投資でリーグ全体を掌握しやすい形態でもあります。MLSとSWF側の思惑は一致しうるように見えます。
SWFが絡んだアメスポへの投資・侵攻の例といえばサウジのSWFがバックとなったLIV Golfのそれでしょう。PGAとの電撃和解でPGA全体を傘下に収めた形でSWFの資金を受け入れて現時点では争いが終息しています。
他にもプロレスWWEの買収にもサウジのSWFが$10 Billionを突っ込むという話が今年ありました。
そういった直近の例を目の当たりにして他のアメスポ経営者もSWFによる資金投入という可能性を考えておくべき段階に入ったということでしょう。
今週になってNBAのコミッショナーのAdam SilverがSWFがNBA Washington Wizardsの買収を目指していることを念頭において顔の見えないオーナーによるNBAチームの買収には否定的な見解を表明しています。主たる個人オーナーが存在することはNBAにとって重要だとしました。ただし現時点の見解と将来のポリシー変更に含みを残しました。
アメスポメジャースポーツのチームの値段が高騰して既に個人ではいくらお金持ちでも買いにくい額まで上がっています。それで国内でも共同オーナーグループが投資するケースは増えています。そういう場合でも主たる個人オーナーが存在してオーナー同士の個人の横の関係やオーナー会議での直接の交渉でリーグの方向性については話し合われていると理解しています。また優勝したときにオーナー氏が選手や監督より先に優勝インタビューを受けるのは習慣化してます。アメスポには現場に口を出したりマスコミに登場するのが好きな名物オーナーもかなりいて、ファンから嫌われたり好かれたりアメスポの色合いの一部となっているところもあります。
そこへカタールのSWFがWashington Wizardsの買収に興味を持っているという報道があったわけです。Wizardsは長年成功から遠いままのNBA最下位を争う失敗フランチャイズ。資金の潤沢なSWFが買ってくれるならWizardsの現オーナーとしては売るのにやぶさかでない可能性がありました。しかし今回コミッショナーが公的に否定コメントを出したのでとりあえずは沙汰止みになるのであろうと思います。
アメスポメジャーのうちNFLとMLBは欧州方面でアピールが弱い。欧州志向が強いこれまでの中東産油国のSWFの動向からして欧州視点でも認知されやすいアメスポメジャーフランチャイズとしてNBAチームの買収に向かうというのは理解できる話であると思います。
またこれってSWFに限りませんが外国人オーナーにとってはアメリカの聞いたことのない都市名のチームではなくNew York、Los Angeles、Miami、Las Vegasといった世界的によく知られた都市名に惹かれる傾向が強い。その傾向からするとアメリカの首都Washington DCのNBAチームというのは外国人オーナーにはアピールする物件かもなというのはわかります。
少なくとも現時点ではNBAはSWFによる買収を拒否するとしたことでWizardsのカタールSWFの買収はないことになりました。NBAは拒否。MLBやNFLは中東向けにアピールする物件ではないとして、では次にSWFが投資先としてアメスポのどこにカネを突っ込む可能性があるかということを考えるとアメスポ第4位のホッケーNHLではなく、第5位サッカーMLSかもなあと思えます。結局のところ欧州志向の強い人達にとってはサッカーが一番馴染みが深いし、前項でも議論したのと関係するんですけど欧州のサッカー国の基準からするとアメスポ市場でサッカーがプロ球技5位(カレッジを含めれば7位)ジャンルというのは不当に低いように見えるのはわかる気がします。そんなに低いならこれから伸びるはずと読みたくなる気持ちもわかる。
実際には1970年代からずっと「アメリカの次のビッグスポーツ候補」のままで半世紀以上経っても地位が上がっていかない現実があってもサッカー国の人にはそれがどうしても受け入れられないようです。
NBAから参入をはじかれたことになってそういうSWFのお金がアメスポ市場での次のターゲットにMLSへの投資を考える可能性はなくはないなあということを考えました。そしてMLSならNBAのようにSWFの資本投下を拒否しない可能性を感じたからでもあります。
MLSにとってはそういう巨大資本が参入してくれたらアメスポ内での地位が大々的に改善するような大きな変化が起こせるかもしれないと考えるかもしれないからです。MLSがアメスポ内での地位は既に5位7位で落ち着いてしまっている。ことサッカー内に限っても米国内での人気でEPLやLiga MXに劣る形で固定化してしまってきている。
以前から浮かんでは消えるMLSとLiga MXの2位3位合併という奇策でサッカー第2位(国内人気2位のLiga MXが消滅しますから)に浮上できる道は見えてますが、それでもたぶん経済規模でアメスポ第4位のNHLを抜くことはできない。そこまでやっても地位が固着化していて次のステップへの道筋が見えていない。
サッカーの世界では資本が充実していないと買い手の側に回ることはできません。選手の売り手側でいる限りはその上には行けない。そこで外国資本であっても巨大投資をしてくれてMLSを今の二流国の国内リーグかつアメスポ内5位固定の状態から抜け出させてくれるかもしれない投資ならMLSは受け入れるのではないかと思うわけです。既にメジャースポーツ側で世界最大最強のバスケリーグの地位を確立しているNBAとは異なる動機がMLSには存在するように見えるのです。
巨大資本がMLSに付けば欧州の五大リーグに劣らずに現役バリバリの選手の獲得市場に参入できるようになるのかもしれない。MLSが一発逆転で世界のサッカーリーグ序列を壊して買い手側にのし上がる千載一遇のチャンスだとMLSの現存のオーナーが考える可能性があるのではないか。これならMLSがNHLを超えてアメスポ内での序列も変えられる。
他方SWF側から見れば個々のチームにオーナーがいる形ではなくMLS本体自体が一個の企業という形は一発の投資でリーグ全体を掌握しやすい形態でもあります。MLSとSWF側の思惑は一致しうるように見えます。
これを加味するとMLBでもNHLでも比較的安価に今風に言うとコスパ良く買えるなら四大アメスポならどこでも狙われそうな気がします。
ただもう一点懸念事項として最近の中東資本は海外に投資するのではなく自国にコンテンツを生み出そうとしているように感じます、サッカーでは大物選手の移籍が相次いでますしその傾向を強く感じます、なので無暗にアメスポチームを高値掴みするよりかは自国でスポーツコンテンツを発掘する可能性も高いと感じます。
drbcs
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