以前に近年ではスポーツトークショーでMLBの話題はほとんど語られないという話を書きました。無視されていたと言ってもいいほど語られなかったです。その流れが変わってしまったのが今季。MLBの話題が各人気トークショーで頻繁に語られます。しかしながらほぼすべてがShohei Ohtani関連。異常な量です。それも連日。

YouTubeだったりスポーツサイトの記事だとユーザーの嗜好に合わせて同傾向のネタが上にあがってくるので自分がぱっと見れるものが世の中の傾向を反映してるとは限りませんが、TVやラジオのスポーツトークショーにはそれはない。スポーツファン全体のOhtani需要が異常に高いとしか解釈のしようがないわけです。あそこまでMLBの話題が少なかったところからの逆転は快挙かと。

おもしろいなと思うのは2年前も今季並にOhtaniの打撃は良かった。オールスターまでのホームランのペースなら今年と変わらない。昨年はAaron JudgeのALホームラン記録更新に霞んだ面はあっても二刀流の活躍は続いていた。でも昨年まではこんな報道量はなかった。なぜ今年に限ってなのかという。

Ohtaniネタの切り口というのはざっと言って3つあります。1つはOhtaniはMLB史上最高の選手なのかどうか的な議論です。もうひとつは今月末のトレード期限に向けての動きの話。そして来季以降の超大型契約ネタ。それぞれの敷衍ネタというのもある。

2つ目と3つ目があるので今が話題の旬という面もあり昨年までと話題の厚みが違うのもあるのですが、最初の史上最高の選手議論も過去2シーズンを経ての3年目、もうOhtaniの二刀流の可否については決着が付いたというコンセンサスができたということなんでしょう。次の段階のOhtaniはMLB史上最高かとか、アメスポ史上最高かとか話がどんどん飛躍してきてます。Ohtaniの渡米時に二刀流に否定的な意見を述べた有名コメンテーターたちが皆一様にコメントを求められて降伏のコメントを出して褒め称えてるという状況にもなっています。
さらには複合的に100年に一度の最高の選手をトレードに出すのかどうか、その場合の価値は700億円でも安いだのなんだの話を目にするのも日常の状態。

他にもこれから二刀流選手は出てくるのかとか、逆にいまどきの少年野球は過去よりも早い段階、早いと9歳10歳ぐらいから投手として英才教育に進むような指導方針があるという話題を話していて、Ohtaniの出現でその流れは変わるか云々。そんな具合ですべての話題がOhtaniネタにつなげて語られる始末。MLB移籍6年目で大騒ぎです。

こうなったのはWorld Baseball ClassicでのTrout斬りでの優勝という名場面を作ったところでアメスポ内の潮目が変わったということなんでしょう。あそこでいきなりスポーツトークショーで語られる量が変わった
そしてWorld Baseball Classicのあの話題が一過性にならずそのままOhtaniの活躍が逐一のように語られて3ヶ月経過。3ヶ月も話し続けてまだ今もネタがあるというのはすごいと思います。ひょっとするとWorld Baseball ClassicもきっかけでMLBを見る人が増えたか。2年前のOhtaniのホームラン量産のときはMLBから離れて見ていなかった人たちがかなりいるということなのかもしれません。ESPNでの今季のMLB放映の視聴者は平均で昨年比7%増とか。


そういえば明日はスポーツ大賞イベントのESPYの日だけど、World Baseball Classicって表彰対象になるのかな?とちょっと気になったのでノミネートリストを見てみました。主要表彰部門で野球関連は最高男性アスリート部門にAaron JudgeだけなのでMLBは選考対象が2022年シーズンってことなのでしょう。まさか3月にMLB関連の2023年を代表する名場面があるとは想像できなかったでしょうから対象が2022年シーズンなのは妥当ではあるんでしょう。