そもそもの話としてなぜShohei OhtaniがLos Angeles Angelsから移籍する可能性が取りざたされるかというとAngels側が年$40-50 millionほどとも言われるOhtaniの次期長期契約を嫌がるからという点があります。
Mike TroutとShohei Ohtaniと2人ものMLB最強クラスの宝の選手の全盛期をプレーオフにも出場できないチームで腐らせているという批判はMLBファン一般や関係者からありますが、批判は批判としてそんな批判は馬耳東風でOhtaniとしれっと契約延長したってかまわないわけです。払えるならば。
ここで変数となるのはOhtaniがアメスポ常識から見て変人レベルでカネを求めない場合です。Angelsの居心地の良さをとって他がオファーする金額よりも格段に低い金額で決着する場合ですね。再契約のお値段がぐっと下がるのであればAngelsはOhtaniと再契約をしても良いと思うはず。単年の金額だけでなく期間も極長期を求めない可能性だってありそうです。逆にその場合譲らないのは起用法の方でしょう。
日本のスポーツビジネス関連でしばしば耳にする「金儲け主義」という言葉があります。常に否定的に使われる。ある条件下ではそれは確かに正しいのかなと思うときもあります。奥さんと選手自身、子供もいない家庭の選手が年収35億円をもらうのと50億円の契約の差にどれほどの意味があるのか、と問われると良くわからないという回答も(繰り返しますがアメスポ的には非常識でも)成立しそうです。足るを知る、ということですね。伝聞するところではOhtaniはカネを使うことに淡白だとも。
私がアメリカの学校で極初期に教えられてはっとした言葉の一つに「人々がそれにカネを払うのは(強制される場合を除き)そのカネを払うことで得られるものにその金額以上の価値を認めているからだ。」という原則についてでした。だからカネが入ってくることはそれだけの価値を人々に与えていることに等しく、よって善行であるという経済の原則についてです。
但し強制的に払わせるようなケースは事態を歪めるので強く排除すべきだということも同時に叩き込まれます。
日本生まれの日本育ちだった私にとってはなかなかに目から鱗が落ちる教えで、これをビジネスの基本の授業の初っ端に語るというカリキュラムに感銘を受けました。そうかそういうふうに考えるのかと。同時に日本ではなぜそう考えないのかについても後日黙考することになりましたが。
この基本的な概念があるかないかで世の中、経済・ビジネス全般を見る目は変わります。様々な報道を見てるとOhtaniにその感覚があるとは思えない。そう考える必要もない。個人の願望を叶えることができることが一番なので自分の価値を金額換算にする必要はないですね。
しかしながら昨季末にOhtaniがメディアに語ったところによればOhtaniが望んでいるのは9月10月にヒリヒリするような野球ができることとか。もしAngelsが強くならないのならその願望は叶えられません。Angelsにその可能性があるのか。
その可能性はAngelsにいたままでは薄いと考えるべき理由がいくつかあります。
まずAngelsのファームには期待できるプロスペクトがいないことです。MLBのファームに在籍する将来のスター選手たちを評価したチームごとのランキングが存在しますが、Los Angeles Angelsは下位の常連です。どこのランクを使うかによりますがMLB30球団中28位29位といった評価が多いです。例えばMLB.com上に載っているこのランクだと現在28位。周りには29位にHouston Astros、30位にChicago White Sox。ひとつ上の27位にはAtlanta Bravesといった具合になってます。
例えばAstrosはサイン盗みスキャンダルの影響もあってプロスペクトの蓄積という面では将来に不安がありますがなにせ今も過去数年も勝ち続けているので悩むのは先のことで良い。一軍が弱くなるまでにまたファーム内で良い選手を育てられるかもしれない。Atlantaは昨年World Seriesを制したばかり。White Soxは現状ちとキツいですがほんの1-2年前までは手持ちに好プロスペクトを抱えていた。一軍が強くもないのにファームにも将来を嘱望できる選手をずっと抱えていないという難儀な位置にいるのがAngelsというわけです。
内部からチームが強くなる期待が薄いとなるとAngelsが強くなるには外部からの補強が必要ですが、Angelsのオーナーは贅沢税を払う気がないように見えます。球場の観客の入り具合を見ると同都市のDodgersのようなカネの使い方はしたくてもできないというのはわからないでもない。
珍しく補強にカネを使ったAnthony Rendonの大型契約は現状バストと言って良い。Rendonが36歳となる2026年まで年俸$38 millionを支払い続けることになりそうです。現在の負傷欠場から戻ってきてもRendonが契約以前のような活躍ができるかはわからない。
Mike Troutの契約は2028年まで。Trout並の金額の長期契約をOhtaniが得た場合、Trout/Ohtani/Rendonの3人でざっと贅沢税以内に収まるサラリー額の半分を使ってしまう。それが2026年まで続く。FAで投手力整備にカネを注ぎ込む余力は乏しいです。
外から獲れず、内部からも育ってこない。これではOhtaniの望むヒリヒリしたシーズンはAngelsでは望めそうにないです。この状況はOhtaniが多少契約金額を下げてもあまり変わらないように見えます。下げると言ってもRendon以下の金額になると選手会辺りからも苦情が飛んできますし。
その辺の諸事情をOhtani陣営がどう見ているのかが良くわからない。Ohtani陣営のこの春のコメントでは残りの契約を満了してから次の契約を考えたいというのもありましたが、それはビジネスセンスがない。日本のNPBでの契約交渉習慣と同じように考えているフシがあり、それはさすがに通らない。
Angels側からすればFAでタダでOhtaniを失うのは損失が大きすぎるため契約切れの時点まで去就が決まらないまま放置というのはありえません。契約延長をするにしても、トレードに出すにしても今季後でしょう。トレード価値という意味では今季後がピークでしょうし。その辺のAngelsの事情を無視してOhtani側が現行契約満了まで新契約の交渉をしないと突っぱねればもうトレード以外の結末はないように私には見えます。
Mike TroutとShohei Ohtaniと2人ものMLB最強クラスの宝の選手の全盛期をプレーオフにも出場できないチームで腐らせているという批判はMLBファン一般や関係者からありますが、批判は批判としてそんな批判は馬耳東風でOhtaniとしれっと契約延長したってかまわないわけです。払えるならば。
ここで変数となるのはOhtaniがアメスポ常識から見て変人レベルでカネを求めない場合です。Angelsの居心地の良さをとって他がオファーする金額よりも格段に低い金額で決着する場合ですね。再契約のお値段がぐっと下がるのであればAngelsはOhtaniと再契約をしても良いと思うはず。単年の金額だけでなく期間も極長期を求めない可能性だってありそうです。逆にその場合譲らないのは起用法の方でしょう。
日本のスポーツビジネス関連でしばしば耳にする「金儲け主義」という言葉があります。常に否定的に使われる。ある条件下ではそれは確かに正しいのかなと思うときもあります。奥さんと選手自身、子供もいない家庭の選手が年収35億円をもらうのと50億円の契約の差にどれほどの意味があるのか、と問われると良くわからないという回答も(繰り返しますがアメスポ的には非常識でも)成立しそうです。足るを知る、ということですね。伝聞するところではOhtaniはカネを使うことに淡白だとも。
私がアメリカの学校で極初期に教えられてはっとした言葉の一つに「人々がそれにカネを払うのは(強制される場合を除き)そのカネを払うことで得られるものにその金額以上の価値を認めているからだ。」という原則についてでした。だからカネが入ってくることはそれだけの価値を人々に与えていることに等しく、よって善行であるという経済の原則についてです。
但し強制的に払わせるようなケースは事態を歪めるので強く排除すべきだということも同時に叩き込まれます。
日本生まれの日本育ちだった私にとってはなかなかに目から鱗が落ちる教えで、これをビジネスの基本の授業の初っ端に語るというカリキュラムに感銘を受けました。そうかそういうふうに考えるのかと。同時に日本ではなぜそう考えないのかについても後日黙考することになりましたが。
この基本的な概念があるかないかで世の中、経済・ビジネス全般を見る目は変わります。様々な報道を見てるとOhtaniにその感覚があるとは思えない。そう考える必要もない。個人の願望を叶えることができることが一番なので自分の価値を金額換算にする必要はないですね。
しかしながら昨季末にOhtaniがメディアに語ったところによればOhtaniが望んでいるのは9月10月にヒリヒリするような野球ができることとか。もしAngelsが強くならないのならその願望は叶えられません。Angelsにその可能性があるのか。
その可能性はAngelsにいたままでは薄いと考えるべき理由がいくつかあります。
まずAngelsのファームには期待できるプロスペクトがいないことです。MLBのファームに在籍する将来のスター選手たちを評価したチームごとのランキングが存在しますが、Los Angeles Angelsは下位の常連です。どこのランクを使うかによりますがMLB30球団中28位29位といった評価が多いです。例えばMLB.com上に載っているこのランクだと現在28位。周りには29位にHouston Astros、30位にChicago White Sox。ひとつ上の27位にはAtlanta Bravesといった具合になってます。
例えばAstrosはサイン盗みスキャンダルの影響もあってプロスペクトの蓄積という面では将来に不安がありますがなにせ今も過去数年も勝ち続けているので悩むのは先のことで良い。一軍が弱くなるまでにまたファーム内で良い選手を育てられるかもしれない。Atlantaは昨年World Seriesを制したばかり。White Soxは現状ちとキツいですがほんの1-2年前までは手持ちに好プロスペクトを抱えていた。一軍が強くもないのにファームにも将来を嘱望できる選手をずっと抱えていないという難儀な位置にいるのがAngelsというわけです。
内部からチームが強くなる期待が薄いとなるとAngelsが強くなるには外部からの補強が必要ですが、Angelsのオーナーは贅沢税を払う気がないように見えます。球場の観客の入り具合を見ると同都市のDodgersのようなカネの使い方はしたくてもできないというのはわからないでもない。
珍しく補強にカネを使ったAnthony Rendonの大型契約は現状バストと言って良い。Rendonが36歳となる2026年まで年俸$38 millionを支払い続けることになりそうです。現在の負傷欠場から戻ってきてもRendonが契約以前のような活躍ができるかはわからない。
Mike Troutの契約は2028年まで。Trout並の金額の長期契約をOhtaniが得た場合、Trout/Ohtani/Rendonの3人でざっと贅沢税以内に収まるサラリー額の半分を使ってしまう。それが2026年まで続く。FAで投手力整備にカネを注ぎ込む余力は乏しいです。
外から獲れず、内部からも育ってこない。これではOhtaniの望むヒリヒリしたシーズンはAngelsでは望めそうにないです。この状況はOhtaniが多少契約金額を下げてもあまり変わらないように見えます。下げると言ってもRendon以下の金額になると選手会辺りからも苦情が飛んできますし。
その辺の諸事情をOhtani陣営がどう見ているのかが良くわからない。Ohtani陣営のこの春のコメントでは残りの契約を満了してから次の契約を考えたいというのもありましたが、それはビジネスセンスがない。日本のNPBでの契約交渉習慣と同じように考えているフシがあり、それはさすがに通らない。
Angels側からすればFAでタダでOhtaniを失うのは損失が大きすぎるため契約切れの時点まで去就が決まらないまま放置というのはありえません。契約延長をするにしても、トレードに出すにしても今季後でしょう。トレード価値という意味では今季後がピークでしょうし。その辺のAngelsの事情を無視してOhtani側が現行契約満了まで新契約の交渉をしないと突っぱねればもうトレード以外の結末はないように私には見えます。
振り返ってみても、エンゼルスがドラフトで指名して一本立ちした選手はこの10年でマイク・トラウトだけかもしれません。野手では昨年あたりからウォルシュ、フレッチャー、ウォードらがようやく出てきましたがまだまだ実力的には不安定。一方で投手で最後に育ったのは2006年デビューのジェレッド・ウィーバーくらいでしょうか?もうとっくに引退してます。どれだけ育成下手なん?ケタ違いの選手育てられなさぶりです。
エンゼルスで若手で上がってくる投手はパッと見た感じ大成しそうな雰囲気がないんですよ。100マイル前後のフォーシームが投げられる投手も大谷くらいしかいない。せいぜい95-96マイルくらいでかといって変化球にも見るべきものがない。一体何が売りなんだろうと思う投手ばかり。あれでは出ると打たれるのも納得。
あくまで個人的な印象ですが、オールスターに出そうなDominantな投手って白人の長身選手が多い。シャーザー、バーランダー、カーショウ、デグローム、セール、最近の売り出し中の選手ではバーンズ、ヘイダー、ギルバート・・・ところがエンゼルスの選手ってあまり背も高くなく、どちらかというとずんぐりむっくりの体型。しかもドミニカだのコロンビアだの中南米系が多い。もしかして自らもメキシコ系で中南米系選手が大好きなモレノ・オーナーの顔色見てドラフトしてんじゃないかと思うほど。
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