MLB Los Angeles AngelsのShohei Ohtaniの今季後のトレードの噂が高まりつつあります。今季後に現行契約が切れ、年俸調停権を得る予定になってます。さらに1年後の2023年シーズン後に完全FA。

今季中のトレード期限前の可能性もゼロではないのかもとも言われますが、たぶんそれはない。対価が極端に高くなるためトレードの相手方のシーズン中の戦力に及ぼす影響が大きすぎるからですね。トレード期限でのトレードは今季の優勝を狙うチームの補強がテーマなので、そういうチームが大きな選手移動を望む可能性は低いと見積もれるからです。
シーズン序盤にはNew YorkとLos Angelesの2大都市の4チームがトップを快走などと言われたのが嘘のようにAngelsのみは既に脱落モードなのでAngelsの方は好条件ならOhtaniの放出に応じられる状況ではありますが、Ohtaniの契約の状況から言っても慌てる理由は少ないでしょう。

一部のスポーツメディアではOhtaniかMike Troutのどちらかを放出せよという論調もあるようですが、さすがにTroutを出してOhtaniを長期契約でキープというのは難しそうな気がします。


来オフのトレードとなるとOhtaniを欲しいチームはそれぞれのチームのほとんどすべての可能な交換条件を検討して取りに来ることが予想され、ストーブリーグの最大の話題となることは確実。現在予想されている参加チームはNew York Mets、Los Angeles Dodgers、New York Yankees、San Francisco Giants、San Diego Padresそして大穴Tampa Bay Rays。現時点では噂のレベルなので他にも参加者はあるかもしれません。

資産家のSteve CohenがMetsを買収成功したのが2020年。参入後は即FA市場を荒らしまくるのではと予想されたのに反してここまで比較的おとなしかったCohenが来オフ以降のOhtani獲りで遂にその資産パワーを炸裂させる可能性はありそうです。それはそれでおもしろい。
ニューヨーク行きなら辛辣なニューヨークメディアに晒されるのは避けられない。それもMets入りということなら同市内のYankeesをソデにしてのMets入りなわけで、Yankees派からは嫉妬でより以上の批判的な目で見られることは確実。渡米時にもYankeesはOhtani獲りで退けられており強力なアンチOhtaniに傾く可能性は低くない。それも込みでおもしろいとは言えますが、長期契約を結ぶ当事者のOhtaniとしてはおもしろいとは言っていられない。それがイコール自身のこれから5年10年の生活環境そのものになるわけですから。

私の個人的な好みではTampa Bay RaysでのOhtaniなんていうのは見てみたいなあと思います。RaysならOhtaniを含めた革新的な投手ローテを組むことにも積極的でしょうから。それこそ従来の投手ローテという概念すら壊す場面すらあるかもしれません。ホームがドームスタジアムなので手のこんだ登板計画設計に向いているというのもある。野球にオープナーという新概念も生み出したTampa Bayがトレード交渉の中でOhtaniにどんなプランを提案できるのかなんていうのを想像するとワクワクします。

ご本人はそうは明言していないのだと思いますが西海岸の方が日本に近く便利だからというのが過去のOhtaniの球団選びで優先事項になっていたようにも思えます。そうなるとAngels残留も含めてDodgers、Giantsが有利か。ただ西海岸というだけでなく東京からの直行便の多数あるLAやサンフランシスコの方が同じ西海岸でもSan Diegoより有利という読みもあって良い。それが球団選びの条件ならTampa Bayなんて論外だなとも思えます。

この先結婚して米国に腰を落ち着け、日本との行き来の便は要素にならなくなるならニューヨークを含めた東のチームにもチャンスが広がるかも、ですかね。居住地としてのプライバシーを重視するなら日本人が少なそうなTampaがアリというのも可能性はゼロではないのか。
またOhtaniはそういう点は気にしなさそうですがTampa Bayのあるフロリダ州は州の所得税がないので同じ契約金額なら手取りは増えることになります。ただその程度の差はMetsのオーナーの一存でMetsが上回る金額をオファーしてくるでしょうからRaysに有利とは言い難い。あれこれ考えると遠隔地Raysはないと思った方が良いのでしょう。残念。


パークファクターの面でいうと候補先の中ではPadresとRaysが投手有利とされます。Mets、YankeesはMLB全体では中位。Yankeesの場合は短いライトスタンドブリーチャーがあるのでイメージとしては打者有利、特に左打者に有利な気もしますが、データ上はそうはなっていないようです。
但しパークファクターでもホームランに限るとYankee Stadiumは打者有利トップ10内になるようです。左打者に限ったパークファクターというのもデータ上は出せるはずですが私の探した限りでは見つけられませんでした。

過去のデータからするとAngelsとDodgersのホームスタジアムはホームランに関してはYankee Stadium以上に打者有利な球場ということになっているようです。但し今年から導入になった保湿機で管理されたボールを使うことでどうなっているのか。過去のデータと違いが出てるんでしょうか。いままさに進行中の事態なので公表されいないのですが、各球団は保湿機の影響を読んでいる最中のはず。
保湿機が導入されたときはずいぶん話題になりましたが、その後さっぱり話を聞かなくなりましたね。

日本人投手だとYu DarvishがSan Diego Padresをキャリア最後の行き先に選んでいます。Padresの資金の使い方と戦力もPadresを選んだ要素でしょうが、投手有利なパークファクターも判断に影響した可能性があります。

Ohtaniの場合は打者でもあり投手でもあるので(少なくとも次の長期契約の前半部分では)パークファクターは最重要な要素ではないかもしれません。キャリア終盤にかかっても二刀流を続けるのかどうかは存じませんが、Ohtaniの代理人が有能であるならばチーム側から二刀流をやめろとは言いにくい条件で契約はなされるはずではあります。