Major League Rugbyのプレーオフ準決勝が開催、FS1で放送。MLRの試合を観るのは久しぶりです。割とラグビーらしいこなれたプレーが多くなっていて大いに意外。どうなってんのかなと思ってメンバーを調べると今ってラグビー強国からの外国人選手がずっと増えてるんですね。
試合自体もキックも織り交ぜた攻めっぷり、接戦の中でのボールの出し入れの機微、難しい角度からのコンバージョンが決まって逆転なんていう場面があって、アレっと思うぐらい質も向上している。こんなのが蹴れる選手がいまはいるんだ?という意外性。
細かく見ていくと過去10年ニュージーランド代表選出から遠ざかっている元All Blacksの38歳スクラムハーフであるとか、州レベルの代表に8試合出場した34歳スタンドオフ(今は英語ではfly halfっていうんですが日本風のままで)だとか、彼の地では既にプロとして用済みっぽい感じの経歴の方が要所のポジションを占めていたようです。
あーそういうことかと納得。過去のアメリカ人アマチュア選手たちによるラグビーのマネごとのような試合だったのがすっかり変わったのは中身の人が変わってるからか。試合中の細かいところの流れが実にラグビーらしくなってます。細かく全員をチェックしきれませんでしたが(ラグビーの慣例で個人と背番号が固定でリンクしていないので)ロースター表を見ているとチームによってはSANZAR出身者とアイランダーで出場15人全員を揃えることすらできそうなぐらいの外国人選手を抱えています。アメリカに来る前は各国の二部リーグ所属だった選手など。強い国の二部リーグなら間違いなくMLRより強いはずです。
こういう人選で外国人選手をたくさんMLRに連れてきているということは現在のMLRはプロリーグという体裁の中でアメリカ人選手たちに本場のラグビーを体感させる機会になろうとしているのかなと思えます。
以前にも指摘したとおりMLRの予算は少額で、1チーム当たり$50万。これでチーム全員です。この額ではラグビー界のスター選手を呼ぶような力もないわけですし、よしんばその手の選手を無理に呼んだところで現在のアメリカでのラグビーというスポーツの認知度ではそれが露出増加になったりファン動員やらになって利益につながるわけでもないと判断できます。経済的なメリットはないと断言して良い。そんな一点豪華主義な選手を呼ぶよりも、強国で引退にほど近いような選手を実質選手兼インストラクターとして呼んで本場のラグビーの片鱗に触れるような形は今のラグビー三流国のアメリカラグビーには合っているという判断だとしたら、私は支持したいと思います。
15人制ラグビーっていうのは実に難しいスポーツで、競技の流れを感触を感じられるほどに見たこともないアメリカ人にとっては、コーチにああしろこうしろ言われてもできないと思うんですよね。両軍の選手の大半がラグビーの流れをわかっている本場風の流れ中に放り込まれて初めてアメリカ人選手にもそれを感じる機会になるというか。そういう実験というか未開地を開墾するようなステージが今のMLRなのかなというのを今回試合観戦して思いました。それには変にレベルの高い現役外国人選手よりも、引退間近の選手やら、向こうの二流選手が合ってるし、予算的にもそれならやれるってことでしょう。
過去のMLRや前身のPRO Rugbyなどはまったくの草ラグビーで、ここからどう良くなるのか見当もつかなかったのに、今の様子は進歩の可能性や将来へのロードマップ意識が感じられます。
2031年にアメリカでラグビーW杯の開催が決まっており、それまでに米代表ラグビーEaglesの底上げは至上命題です。アメリカラグビーに与えられたアメスポ市場での一度きりのチャンスとすら言える。そこへ焦点を当ててMLRも協力しているということなのかとも思えます。
他方、World Rugbyが容認している外国籍選手をプロ所属先国の代表に入れてW杯に出場できるという意味では、今いる年齢の上の選手たちは将来の代表の戦力としては見込みがないのでしょう。
W杯自国開催へ向けて今のMLRの環境の中でアメリカ人選手でチームを育てられれば最良ですが、そうでなければ日本とは違って元々が移民国家のアメリカなので、外国籍選手が混じっても大して目立たないから、2031年の一つ前になる2027年にも外国籍選手をかなり混ぜてでも成績は残そうとするんじゃないでしょうか。2027年大会のための外国籍の現役バリバリの選手をMLRが受け入れるようになるのはもう少し先か。全体として正しい判断だと思えます。
今週末に行われたMLRプレーオフ準決勝の結果、東3位Rugby New Yorkと西4位Seattle Seawolvesが勝ち進み次週の決勝へ。
尚、レギュラーシーズンで西1位だったAustin Gilgronisと西2位のLA Giltinisがサラリーキャップルール違反を問われてポストシーズンに出場できなかったという事件なんかもあったようです。てことはサラリーキャップルールの厳格運用が行われてるんですね。その上で外国人選手を多く採用できているって、どんな安い金額でリクルートしてきているのか。
試合自体もキックも織り交ぜた攻めっぷり、接戦の中でのボールの出し入れの機微、難しい角度からのコンバージョンが決まって逆転なんていう場面があって、アレっと思うぐらい質も向上している。こんなのが蹴れる選手がいまはいるんだ?という意外性。
細かく見ていくと過去10年ニュージーランド代表選出から遠ざかっている元All Blacksの38歳スクラムハーフであるとか、州レベルの代表に8試合出場した34歳スタンドオフ(今は英語ではfly halfっていうんですが日本風のままで)だとか、彼の地では既にプロとして用済みっぽい感じの経歴の方が要所のポジションを占めていたようです。
あーそういうことかと納得。過去のアメリカ人アマチュア選手たちによるラグビーのマネごとのような試合だったのがすっかり変わったのは中身の人が変わってるからか。試合中の細かいところの流れが実にラグビーらしくなってます。細かく全員をチェックしきれませんでしたが(ラグビーの慣例で個人と背番号が固定でリンクしていないので)ロースター表を見ているとチームによってはSANZAR出身者とアイランダーで出場15人全員を揃えることすらできそうなぐらいの外国人選手を抱えています。アメリカに来る前は各国の二部リーグ所属だった選手など。強い国の二部リーグなら間違いなくMLRより強いはずです。
こういう人選で外国人選手をたくさんMLRに連れてきているということは現在のMLRはプロリーグという体裁の中でアメリカ人選手たちに本場のラグビーを体感させる機会になろうとしているのかなと思えます。
以前にも指摘したとおりMLRの予算は少額で、1チーム当たり$50万。これでチーム全員です。この額ではラグビー界のスター選手を呼ぶような力もないわけですし、よしんばその手の選手を無理に呼んだところで現在のアメリカでのラグビーというスポーツの認知度ではそれが露出増加になったりファン動員やらになって利益につながるわけでもないと判断できます。経済的なメリットはないと断言して良い。そんな一点豪華主義な選手を呼ぶよりも、強国で引退にほど近いような選手を実質選手兼インストラクターとして呼んで本場のラグビーの片鱗に触れるような形は今のラグビー三流国のアメリカラグビーには合っているという判断だとしたら、私は支持したいと思います。
15人制ラグビーっていうのは実に難しいスポーツで、競技の流れを感触を感じられるほどに見たこともないアメリカ人にとっては、コーチにああしろこうしろ言われてもできないと思うんですよね。両軍の選手の大半がラグビーの流れをわかっている本場風の流れ中に放り込まれて初めてアメリカ人選手にもそれを感じる機会になるというか。そういう実験というか未開地を開墾するようなステージが今のMLRなのかなというのを今回試合観戦して思いました。それには変にレベルの高い現役外国人選手よりも、引退間近の選手やら、向こうの二流選手が合ってるし、予算的にもそれならやれるってことでしょう。
過去のMLRや前身のPRO Rugbyなどはまったくの草ラグビーで、ここからどう良くなるのか見当もつかなかったのに、今の様子は進歩の可能性や将来へのロードマップ意識が感じられます。
2031年にアメリカでラグビーW杯の開催が決まっており、それまでに米代表ラグビーEaglesの底上げは至上命題です。アメリカラグビーに与えられたアメスポ市場での一度きりのチャンスとすら言える。そこへ焦点を当ててMLRも協力しているということなのかとも思えます。
他方、World Rugbyが容認している外国籍選手をプロ所属先国の代表に入れてW杯に出場できるという意味では、今いる年齢の上の選手たちは将来の代表の戦力としては見込みがないのでしょう。
W杯自国開催へ向けて今のMLRの環境の中でアメリカ人選手でチームを育てられれば最良ですが、そうでなければ日本とは違って元々が移民国家のアメリカなので、外国籍選手が混じっても大して目立たないから、2031年の一つ前になる2027年にも外国籍選手をかなり混ぜてでも成績は残そうとするんじゃないでしょうか。2027年大会のための外国籍の現役バリバリの選手をMLRが受け入れるようになるのはもう少し先か。全体として正しい判断だと思えます。
今週末に行われたMLRプレーオフ準決勝の結果、東3位Rugby New Yorkと西4位Seattle Seawolvesが勝ち進み次週の決勝へ。
尚、レギュラーシーズンで西1位だったAustin Gilgronisと西2位のLA Giltinisがサラリーキャップルール違反を問われてポストシーズンに出場できなかったという事件なんかもあったようです。てことはサラリーキャップルールの厳格運用が行われてるんですね。その上で外国人選手を多く採用できているって、どんな安い金額でリクルートしてきているのか。
外国出身の選手扱いの人数って12人と割と多い方なんですよね。
イングランド・プレミアラグビー所属の選手も数名居たりするので、ちょっと意外に思えました。
海外出身選手を一気に増やすというのは強化策としては有りなのでしょうが
2011W杯の日本代表みたいに、単純に海外出身者一気に増やして失敗した例もあるので難しいところかと。
当時のHCだったJohn Kirwan氏が一部を除いて基本的に日本人選手をあまり信用せずに海外出身選手を重用した結果
その海外出身選手があまり機能しなかったというのが大きかったかもしれませんが(それ以外にも要因は多々ありますが省略します)。
Eddie Jones氏みたいにまずは自国の選手を徹底的に鍛えて、そこに補強として有力な海外出身選手を入れるみたいなのがベストかもしれませんが、今のアメリカラグビーの環境下でそれが出来るのかどうかが鍵だと思ったりはします。
記事にもあるようにアメリカラグビーを強くしたいという意志は感じられるので、そこから2031年に向けてどうなるかですね。
drbcs
がしました