さてBig XIIの崩壊が起こった場合の次になにが起こりうるかというと、それはACCの崩壊・メジャーからの陥落ではないでしょうか。

その前になぜSECがBig XIIからTexas/Oklahomaの両校を引き抜きにかかったかを考えてみます。SECにとってこの両校を陣営に引き入れることにどのようなメリットがあるか。ここからは完全に私の憶測ですが、SECはカレッジフットボールの唯一のメジャーカンファレンスとなることを目指しているのではないでしょうか。プレーオフが現行の4校制から12校制へ変わる可能性が昨シーズン終盤から語られているこのタイミングで拡張政策にはしるというのなら12校制になったときに5枠6枠を毎年占めるような圧倒的な地位を得ることを目指しているとすれば、それはとても大きなメリットです。

現行4校制のときもその半数の2枠をSECが占めることがありましたし、最終的には1校のみ進出のシーズンでも毎年のように2枠を占める可能性はささやかれていたと思います。4校という狭い枠だといくらSECが強そうに見えたとしても、多くの場合SECの当該最強2校はシーズン中に対戦済みとなるため、他カンファレンスのトップチームに機会を与えるべきだという意見は説得力を持ちがちです。

ところがこれが12校制となると話がまったく変わってきます。強豪カンファレンスから複数の学校が出場するのは当たり前とされるようになるでしょう。小カンファレンスで全勝で駆け抜けたチームや、遠く西のPac-12で優勝した学校にも出場権を与えた上で、さらに10枠近い出場校を選ぶことになる。4校中2校の50%を占めるのは反対論が強くて難しくても、12校中の6校を占める50%なら可能に見えます。SEC4校は当たり前、5校6校と増えるのも十分可能という状況になるならSECにとってはメンバー校の増加は意味があるはずです。

前項で私がカレッジフットボール界の未来を、SECとBig Tenの2大カンファレンス化、それに次ぐACCやPac-12は地方カンファレンスとして生き残りという形を考えていたわけです。Big XIIなどは食い荒らしてマイナーカンファレンス化してもSECは痛くも痒くもないという行き方です。
でもよく考えてみるとSECはもっとすごい未来を目指しているのではないか。2大カンファレンスではなく、SECが唯一のメジャーカンファレンスとして君臨するカレッジフットボール界を目指しているのではないか。SECが5校6校とプレーオフに進出し、Big Ten、ACC、Pac-12、Notre Dame各1で4枠。あとの2枠は他カンファレンスの2校目やBig XIIの残党なりAmericanやらMountain Westでその年全勝したところを入れてやっても良いという未来を見ていたらどうでしょうか。それがTexas/Oklahomaを引き込む今回の動きのSEC側の根本の動機だとしたら。

それで表題の件になります。もしSECが唯一のメジャーカンファレンスとなることを目指しているとすればTexas/Oklahomaを引き込んだ後に何をするか。ACCからのClemson引き抜き。コレ。考えてみると、ありそうな気がしてくるのです。

Clemsonはサウスカロライナ州の学校です。同州はディープサウスと呼ばれる南部コテコテの州です。地元の気質的にはACCよりもSECに向いた土地柄です。そしてClemsonは近年ACCフットボールの圧倒的な一強状態。ここがACCからSECに鞍替えしたらACCフットボールは一気に弱体化して、12校と大きく拡大されたプレーオフ枠争いでSECに大きく寄与するはずです。

ACCからすればClemsonが離脱したら現在でも既に足元の怪しいACCフットボールの弱体化が進行する。その場合ACCに残るのは伝統のFlorida StateやMiami-FLぐらい。
Miami-FLはユダヤ教の学校で、学長も米クリントン政権時の元閣僚だったりの学校でもあり、ディープサウスの学校の多いSECとは肌合いが合わないはずなのでACCが崩壊過程に入ってもMiami-FLはSECには行けないのではないか。

これがFlorida StateだとACCが崩壊過程に入りそうだとなれば落ち行く先を考えると、Clemsonと一緒にSEC移籍に乗る可能性がある。ClemsonとFlorida StateがACCからSECに移籍?Texas、Oklahoma、Clemson、Florida Stateが全部SECに行く?もしそんなことが起これば確かにSECの一強化は達成されそうに見えます。この4校を現行のSECの14校と合わせてみると、2020年シーズンも2019年シーズンもCFPランキングの上位12校中6校を占めます。2018年だと7校を占めます。


で、もしClemson、またはClemson & Flroida StateがSEC行きとなればACCは草刈場と化します。SECの一強の野望を阻止できる存在はBig Tenしかないでしょうが、Big TenにはAAU校しか招待しないという自身で自身を縛った非公式のルールがあります。そのルールを維持したままでもACCからNorth CarolinaとVirginiaを取り込むことが可能となります。さらに元AAU校までOKとすればSyracuseまで可能かもです。が、そんな自縛のルールなど持たないSECとの戦いは不利になりそうです。

SECとBig Tenの侵攻がこの憶測のように進むと、ACCに残る有力校はフットボールでMiami-FLとVirginia Tech、バスケでDukeという具合になってしまいます。DukeとNorth Carolinaは特殊な関係でつながれているのがどうACC崩壊で効くのかが読みきれませんが、Dukeブランドの特殊性がBig Tenに非AAU校のDuke加入を認めさせる可能性はないとは言えないかもしれません。

Dukeもいなくなるとどうなるかというと、ACCの残りのメンバー校は残り滓。SECの都合の良い未来予想図でACCは1校だけプレーオフ出場というところに落ちていくことになりそうです。カンファレンス優勝校の出場も確保できないマイナーカンファレンス化だってありえます。
ACCがNorth Carolina /Dukeを繋ぎ止めて、さらにBig XIIで行き場のなくなったWest Virginiaやら、Cincinnatiやらを加えてなんとか準メジャーカンファレンスにとどまれる可能性はありますが、最善はClemsonやFlorida Stateの流出をなんとか回避することになります。
しかしTexas/Oklahomaですら流出してしまう状況下で、Clemsonを繋ぎ止める魅力がACCにあるのか。現行の4校制プレーオフならClemsonはACCにいた方が毎年プレーオフに当選できて良かったですが、12校制となればACCにいるメリットは相当に減じます。

Pac-12はあまりにも地理的に遠いのでSECの侵食は受けないのではないかと想像しますからある意味安泰。しかしSECが5枠6枠とプレーオフに進出するのに対して1校か2校が割当になってしまいこちらも準メジャーに甘んずる可能性は高いです。ACCのようにメンバー移籍阻止で汲々としなくて良いだけマシではありますが。

Big XII崩壊、ACC草刈場、Pac-12は遠隔地ゆえ僻地モードで安泰と見てきて、あとはBig Tenです。SECの一強への野望にBig Tenはどう対応するのか。

ありうるのはTexasを逆転でBig Tenに加入させるという手ですかね。TexasはAAU校ですし。