ここ最近、コメント欄で何度か触れたのですが米ラグビー協会は2020年に破産しています。Chapter 11と呼ばれる日本の会社更生法に類する管理下に置かれ、裁判所の承認を経て債権者に対して向こう5年間に渡って債務を返済していく計画になっています。返済計画が承認を受けたことで法律的には破産状態からは脱したことになりますが、2025年の負債完済までの期間内はビジネス上の積極的な動きは厳しく外部からチェックされることになります。
その意味するところのひとつは、一時期期待感を持って語られていたRugby World Cupの北米誘致に動けないことになるのでしょう。
Rugby World Cupは4年に一度開催。大会の歴史は短いですが概ね欧州での大会の次は欧州外での大会というローテーションになっている。
2019年大会は日本で開催。2023年はフランス開催が決まっています。そのローテが続くと仮定すると2027年大会は欧州以外。2019年が日本だったので一回開催権を飛ばされたラグビーの一方の雄を自負するSANZARまたはSANZAAR各国が2027年の開催を目指すのは自然ななりゆきでした。
実際に2027年のホスト国に立候補しているのはオーストラリア。SANZAARのアルゼンチンも一時立候補したものの撤退済み。そしてロシアが正式に立候補済み。2020年以前にはアメリカも2027年の開催を狙っていたと報道がありましたが正式立候補まで至らず断念。それからまもなくして米ラグビー協会は破産してます。今から考えれば2027年のラグビーW杯北米誘致案は米ラグビー協会にとっては財政破綻間近の窮状からの一発逆転を狙う賭けだったのかもしれません。
将来のラグビーW杯のホストにロシアというのは斬新ではあります。サッカーのW杯を開催したときに各地に建てた新しめのスタジアムがあるのでハードインフラは大丈夫としても、ロシアラグビー代表チームは世界ランク20位前後。サッカーと違って番狂わせの極少ないラグビーの競技性で世界ランク20位だとTier 1国相手ではほぼ確実に敗戦します。それも惨敗の可能性が高い。
ロシアはTier 2国に分類されますが、Tier 2内でも下位。旧ソビエト連邦の国ではジョージアがラグビーでは長年Tier 2内の上位国として歴史を刻んでいるのと比較しても遅れをとっている印象です。北の国の荒くれ者はたくさんいるのでしょうからうまく人材を揃えられると一気に強くなる可能性はあるとは言えるのでしょうが。
世界統括団体のWorld Rugbyから見ると、経済力のある日本でのラグビー人気を復活させたのはおいしかったはずで、それに続いてさらに経済規模の大きいアメリカ市場も開拓できれば上がりは大きいと皮算用をしていたであろうことは容易に想像できます。が、米協会が破綻。近い将来の自助でのアメリカ市場の(少なくとも男子15人制での)ブレイクは見込みにくい。破綻前の時点ではWorld Rugbyは南アの有名選手をコーチとしてアメリカに派遣するなどして援護していたと理解してますが、それでも成績向上とはならず2019年の日本W杯でも全敗。
フィールドでも冴えず、ビジネス上も破綻。World Rugbyが北米市場を狙いたくても中期以上のスパンで狙うしかない状態と言えそうです。そのタイミングでロシアがW杯開催に意欲を示しているのなら新規の市場を順次開拓ということを考えればアメリカよりも先にロシアを優遇する可能性は確かにありそうです。アメリカと比較してWorld Rugbyに対して裏金を流すことがやりやすい国であるとも想像できます。
もし2027年大会がロシア開催になったとすると、その次の2031年にはSANZAARが絶対に黙っていないと思えます。ロシアは欧州のラグビー伝統国ではないですが一応欧州なのでフランス大会と2大会連続での欧州開催と南からは見えるはず。SANZAARでのW杯開催は2011年のニュージーランド大会以来、20年ぶりのSANZAAR国での開催を目指すことになりそうです。
逆に2027年がオーストラリア開催だと、2031年は欧州での開催が有力になるということになります。ここにアメリカが誘致で割って入れるか。
前述したとおり米ラグビー協会は2025年までは破産裁判所の強い監視の下での活動にならざるを得ず、活発な誘致活動(それはたぶん裏金の出入りも含みそう)が2025年以降となって2031年の誘致に間に合うのか。2025年以降も急に金回りが良くなると想像するのも難しいように思えます。
もし2031年の誘致に間に合わないとすると次は2035年。もう遥か未来の話でその時期までにアメリカラグビーがどうなっているかは想像もつかないです。
その意味するところのひとつは、一時期期待感を持って語られていたRugby World Cupの北米誘致に動けないことになるのでしょう。
Rugby World Cupは4年に一度開催。大会の歴史は短いですが概ね欧州での大会の次は欧州外での大会というローテーションになっている。
2019年大会は日本で開催。2023年はフランス開催が決まっています。そのローテが続くと仮定すると2027年大会は欧州以外。2019年が日本だったので一回開催権を飛ばされたラグビーの一方の雄を自負するSANZARまたはSANZAAR各国が2027年の開催を目指すのは自然ななりゆきでした。
実際に2027年のホスト国に立候補しているのはオーストラリア。SANZAARのアルゼンチンも一時立候補したものの撤退済み。そしてロシアが正式に立候補済み。2020年以前にはアメリカも2027年の開催を狙っていたと報道がありましたが正式立候補まで至らず断念。それからまもなくして米ラグビー協会は破産してます。今から考えれば2027年のラグビーW杯北米誘致案は米ラグビー協会にとっては財政破綻間近の窮状からの一発逆転を狙う賭けだったのかもしれません。
将来のラグビーW杯のホストにロシアというのは斬新ではあります。サッカーのW杯を開催したときに各地に建てた新しめのスタジアムがあるのでハードインフラは大丈夫としても、ロシアラグビー代表チームは世界ランク20位前後。サッカーと違って番狂わせの極少ないラグビーの競技性で世界ランク20位だとTier 1国相手ではほぼ確実に敗戦します。それも惨敗の可能性が高い。
ロシアはTier 2国に分類されますが、Tier 2内でも下位。旧ソビエト連邦の国ではジョージアがラグビーでは長年Tier 2内の上位国として歴史を刻んでいるのと比較しても遅れをとっている印象です。北の国の荒くれ者はたくさんいるのでしょうからうまく人材を揃えられると一気に強くなる可能性はあるとは言えるのでしょうが。
世界統括団体のWorld Rugbyから見ると、経済力のある日本でのラグビー人気を復活させたのはおいしかったはずで、それに続いてさらに経済規模の大きいアメリカ市場も開拓できれば上がりは大きいと皮算用をしていたであろうことは容易に想像できます。が、米協会が破綻。近い将来の自助でのアメリカ市場の(少なくとも男子15人制での)ブレイクは見込みにくい。破綻前の時点ではWorld Rugbyは南アの有名選手をコーチとしてアメリカに派遣するなどして援護していたと理解してますが、それでも成績向上とはならず2019年の日本W杯でも全敗。
フィールドでも冴えず、ビジネス上も破綻。World Rugbyが北米市場を狙いたくても中期以上のスパンで狙うしかない状態と言えそうです。そのタイミングでロシアがW杯開催に意欲を示しているのなら新規の市場を順次開拓ということを考えればアメリカよりも先にロシアを優遇する可能性は確かにありそうです。アメリカと比較してWorld Rugbyに対して裏金を流すことがやりやすい国であるとも想像できます。
もし2027年大会がロシア開催になったとすると、その次の2031年にはSANZAARが絶対に黙っていないと思えます。ロシアは欧州のラグビー伝統国ではないですが一応欧州なのでフランス大会と2大会連続での欧州開催と南からは見えるはず。SANZAARでのW杯開催は2011年のニュージーランド大会以来、20年ぶりのSANZAAR国での開催を目指すことになりそうです。
逆に2027年がオーストラリア開催だと、2031年は欧州での開催が有力になるということになります。ここにアメリカが誘致で割って入れるか。
前述したとおり米ラグビー協会は2025年までは破産裁判所の強い監視の下での活動にならざるを得ず、活発な誘致活動(それはたぶん裏金の出入りも含みそう)が2025年以降となって2031年の誘致に間に合うのか。2025年以降も急に金回りが良くなると想像するのも難しいように思えます。
もし2031年の誘致に間に合わないとすると次は2035年。もう遥か未来の話でその時期までにアメリカラグビーがどうなっているかは想像もつかないです。