MLBが投手がルールに違反して投手が使用しているとされる粘着物質の規制を強化するという問題がシーズン中の今持ち上がってます。ノーヒットノーランが続発する今季。投高打低傾向はもうここ何年ものMLBの傾向なので、もしこれがシーズンオフに持ち上がった話題ならゲームバランスの改変努力として理解可能なのですが、シーズン中に問題提起され、実際にMLBが取締強化に乗り出すというのは異常事態と言えるはずです。

グラブや帽子になんらかの粘着物質を塗っておいてそれを指先に付けて投球するというケースは過去のシーズンにも何度か相手チームからのクレームがついたり、審判から咎められたりという形で報道されてきました。規則上はマウンド後ろに置かれているロジンのみOKというルールですが、実際には多くの投手(ひょっとしたら全員)がなんらかの違反物質を塗布しているのではとされます。そういえば投球間にあのロジンバッグを触っている投手という絵を最近あまり見たことがないような。

シーズン中に取締強化を言い出すというのはよほど今季2ヶ月に目に余るケースが増えているということなんでしょう。一番言われているのがNew York YankeesのGerrit ColeとLos Angeles DodgersのTrevor Bauerのケース。Coleは記者会見で問われてのらりくらりな返事をして、言外に使用を認めているかのよう。業界内では公然の秘密という状態であることが伺われます。

一方打者側からもこの時点での取締強化に反対する声が出ている。New York Metsの強打者Pete Alonsoが投手の粘着物質使用に異議がないと発言していたりもします。急に使用をやめられてコントロール能力が低下して打者の頭に向かって100マイルの速球が投じられるより良いとか。
Metsの場合、現役最強投手Jacob deGromが所属。チームメイトでMetsの大黒柱であるdeGromもそれを使用しているとしたら、擁護するためにこういう発言になるかもなあと疑えば疑えます。

MLBがこの問題をまったく知らなかったということはないという評判で、もしそうならばなぜシーズン中に言い出すのかという点で強く批判されるべきな気がします。