NBAシーズン開幕2日目にして早くもコロナ感染による試合中止が発生しています。Oklahoma City Thunder@Houston Rocketsの試合で、Houston側が最低試合挙行人数の8名の選手を揃えることができず試合は延期となってます。感染が確認された選手および濃厚接触者を除くと選手が足りなくなったわけです。感染者と検査結果未確定者は3名とされます。

NBAは昨シーズンのコロナ疫禍勃発後にバブル施設内で再開、感染拡大を完全に抑え込んで無事シーズンを終えることに成功したわけです。しかしバブルから外に出た新シーズンはまったく別物なのだと再確認させられるRockets戦のいきなりの延期。

Rockets側で出場できなくなった選手のひとりが元MVP James Harden。今オフはRocketsにトレードでの放出を要求して、シーズン前のキャンプにも遅参。トレードが成立しないままシーズンが始まってしまい、その去就とともにRocketsでのプレーぶりにも負の注目を集めていたところ。

ウィルス感染自体を悪であるとすることはできませんからそれは問わないとして、問題はHardenがマスクを着用せずクラブでパーティをしていたというビデオが拡散したところ。NBAはそのビデオを精査した後、HardenがNBAの防疫ルール違反を犯したとして罰金を課しています。出場停止には踏み込まず。

マスクを着用せずクラブで遊んでいたのが発覚というとほぼ同じタイミングでNFL Washington Football TeamのQB Dwayne Haskinsも同様のビデオが拡散。Hardenはクラブにいたところだけのビデオだったようですが、Haskinsの方は膝にストリッパーをのせて濃厚接触していた場面のビデオだったそう。
Haskinsのケースはリーグからではなく、所属チームから罰金を与えられ、チームキャプテンの肩書も剥奪という処分を受けています。リーグからはお咎めなしということでしょうか。この辺のNFLとNBAの処分の差もまた興味深いところです。
Washington Football Teamは6勝8敗ながらまだプレーオフ進出の望みが残り、主戦QB Alex Smithがケガで欠場になったためHaskinsが今季残り2試合も先発出場が見込まれる状態での夜遊び+マスク非着用で、一体こいつはやる気があるのかなにかさっぱりわからないな、プロ2年目のこんなチャンスにこんなではこの先も大成することもなさそうだなという感じであります。いずれのビデオも見てません。

HaskinsにしてもHardenにしても、それ以外の選手たちの夜遊びもコロナ疲れの中、メンタルヘルスも考えれば一概に家にいろとは言えないのも理解できますが、チームの中心選手(Hardenの場合はリーグの中心選手)がこれかという。特にHardenの場合、Hardenが出場可ならRocketsは人数ぎりぎりながら試合可能であったという話もあり、いかがなものかという情況です。

トレード要求に見る通り既にHardenの心はRocketsから離れているという面もあり、チームのために云々というのがHardenにとっては無意味なのかもしれませんし、もっと深読みすればRocketsが自身を早く放出するように仕向けたという面もあるのかも。

RocketsはHardenを高く売ろうとして他のチームに多くの見返りを要求しているとされます。リーグ有数のスコアラーですから意図はわかる。しかしトレードの相手先として名前の挙がっていたMiami HeatはRocketsの要求の高さから交渉から離脱したというニュースが出たのが昨日の午前のことでしたし、同日の午後には同じくトレード先候補と言われていたPhiladelphia 76ersがトレードの対価と噂されていたBen Simmonsが移籍の可能性は考えていないと発言。どうもHardenのトレードの近い将来の見通しは暗そうなムードです。出ていきたいHardenからすればおもしろくない情況です。

トレード期限(2021年3月25日)までにはHardenのトレードは決まる可能性は十分とは思いますが、まだ丸三ヶ月ある。フルに出場しての丸三ヶ月は長い期間です。どこのチームの誰がそれまでにケガをするかわからない。どこがその時期までコンテンダーとして残ってるかもわからない。Harden自身がケガをする可能性だってあります。
HardenとRocketsの契約は最短で2021−22年シーズン終了時の丸2シーズン残っており(2022-23シーズンは選手オプション)、トレードをめぐる短期戦でのRocketsとHardenの攻防としては地合いはRocketsにやや有利。Rocketsにいますぐ大きな損切をしてまでトレードするインセンティブは薄い。2021年のトレード期限までにおいしい案件が他チームから提案されなければリスクを覚悟で最長2022年のトレード期限までHardenを保有し続けても良いのです。
その点をHardenの関係者が理解しているならRocketsが事態を長引かせるのが損なように振る舞うべきで、コート外での合法不良行為だとか、チーム内で若手選手に悪影響を与えるような行為なんていうのは効果的なサボタージュかもなという気はします。さすがにそれは疑い過ぎかな。どうでしょう。