なるほど頭の良い人がいるもんだなと感心するタイミングでこの話題が急浮上しています。2つのニュースが別々にほぼ同時に発表になってます。まずNBAで今月開幕する2020−21シーズンで選手の大麻使用のランダム検査を取りやめるというニュースが出ています。それとはまったく別の話題としてアメリカ連邦下院で急に連邦法レベルで大麻の合法化を議決をしています。これ、リンクしているのかしていないのかは現時点ではわかりません。
ただこの話題が今の時期に急浮上したというところには意図があるだろうなあと感じるわけです。
連邦下院は民主党が多数で、アメリカの議員には党議拘束というような(たぶんアメリカ的思想では憲法違反行為でしょう)ものはなく、単純に党の勢力図で決まるようなことではないですが、とにかく急にいま持ち出してきて議決した。
しかし二院制のもう一方の連邦上院は現時点では共和党が多数を維持しており上院が現実的に同法案を可決する可能性はほとんどありません。当面上院で議論することすらまずない。上院下院がともに可決しないと法案として通過しませんので、下院が前のめりになって議決してもそれ自体では事態は変わりません。
ではなぜ下院が上院で成立の見通しのない大麻の合法化を急に言いだしたのか。こっからは完全に私の個人的な読みですのでそのように読んでください。
先月11月に大統領選と同日で各地で投票された連邦上院議員選の結果、現時点では連邦上院は定員100名のうち50議席が共和党、48議席が民主党(及び無所属)、2議席が欠員となってます。この欠員の2議席は1月に再投票が行われるのですが、どちらも南部のジョージア州の議席です。この2議席は11月にも投票されたのですがいずれの候補者も過半数を制することができず再選挙になってます。
もし民主党がこの2議席を獲れれば50対50。もし上院が賛否同票となった場合、副大統領が最後の1票を投ずるルールになっており、既に大統領選は民主党勝利となっているためタイブレーカーは民主党側。よって1月のジョージアの結果はアメリカという国のこれから数年の行き先を大きく変える可能性がある大事な選挙なわけです。
しかしながら場所は南部ジョージア州。共和党の有利は動かないのではというのが一般の読みでした。大統領選ではジョージア州は民主党のバイデン候補が勝利してますが、それは僅かな差。11月の激しい選挙の疲れもあり1月の再選挙の投票率は下がるのはほぼ確実。投票率が下がれば元々の地盤の共和党の勝ちだろうなというのが私の観測でした。
そこへ今回の連邦レベルでの急な大麻解禁への下院の動きです。これ、私には、「もしジョージア州で民主党が2議席とも獲れたら全米規模で大麻解禁になりますよ!」というキャンペーンに聞こえるんですよね。
つまりですね11月の段階では存在しなかった別の投票に出向く動機を作って、ジョージア州での投票率をあげようとしてるんじゃないかなと。今回の下院の議決では将来の大麻の娯楽使用・医薬品としての利用を非犯罪化するだけではなく、過去に大麻関連で有罪判決を受けた人たちの犯罪歴も全部消去しようというもので、過去大麻で有罪となったことのある人たちにとってはメリットのあるものとなってます。政治的な右左に関わらず大麻愛好家や犯罪履歴を持つ人はかなりいると考えられ、固い南部の地盤を割りにかかるにはこの法案は意外と効くかもなとは思えます。民主党の選挙戦略としてはかなりひねった変化球ですが、これを考えついた人はなかなかの策士で頭が良いなと思えます。
以上すべて私の解釈で、こういうことを今の時点で言ってるマスコミはないと思います。
そこで最初のNBAの話に戻ります。同日に急に連邦下院とNBAが大麻解禁方向の動きを起こしたのは本当に偶然なんだろうか、という疑問を感じるわけです。連邦下院の民主党の動きと、NBAは示し合わせている可能性があるのかもしれない。NBAがこの話題を持ち出すことで政治ニュースに疎い層へも連邦下院の動きの宣伝になるのではないかということを感じます。大統領選のときもトランプ大統領が「NBAは政治団体みたいだ」と非難していたのですが、確かにそういう面はあるのかもなーというところです。
現状、全米の既に半数以上の州で医療大麻がどういう形でか合法、およそ1/3の州が娯楽大麻を合法化の方向。但し連邦レベルではいまも違法なため医療目的で用いられても医療保険の対象になりえず、また購入する際もほぼ現金のみ。クレジットカードは連邦法で違法のものを購入することができないからです。キャッシュレス化が進んでいる中、これは不便ではありましょう。また合法州から合法州に大麻を持って移動する場合でも連邦法では違法という微妙な状態です。これらの問題が全部消失するってことです。大麻好きが嵩じてNFLを追われていったRicky Williamsが懐かしいですね。
ただこの話題が今の時期に急浮上したというところには意図があるだろうなあと感じるわけです。
連邦下院は民主党が多数で、アメリカの議員には党議拘束というような(たぶんアメリカ的思想では憲法違反行為でしょう)ものはなく、単純に党の勢力図で決まるようなことではないですが、とにかく急にいま持ち出してきて議決した。
しかし二院制のもう一方の連邦上院は現時点では共和党が多数を維持しており上院が現実的に同法案を可決する可能性はほとんどありません。当面上院で議論することすらまずない。上院下院がともに可決しないと法案として通過しませんので、下院が前のめりになって議決してもそれ自体では事態は変わりません。
ではなぜ下院が上院で成立の見通しのない大麻の合法化を急に言いだしたのか。こっからは完全に私の個人的な読みですのでそのように読んでください。
先月11月に大統領選と同日で各地で投票された連邦上院議員選の結果、現時点では連邦上院は定員100名のうち50議席が共和党、48議席が民主党(及び無所属)、2議席が欠員となってます。この欠員の2議席は1月に再投票が行われるのですが、どちらも南部のジョージア州の議席です。この2議席は11月にも投票されたのですがいずれの候補者も過半数を制することができず再選挙になってます。
もし民主党がこの2議席を獲れれば50対50。もし上院が賛否同票となった場合、副大統領が最後の1票を投ずるルールになっており、既に大統領選は民主党勝利となっているためタイブレーカーは民主党側。よって1月のジョージアの結果はアメリカという国のこれから数年の行き先を大きく変える可能性がある大事な選挙なわけです。
しかしながら場所は南部ジョージア州。共和党の有利は動かないのではというのが一般の読みでした。大統領選ではジョージア州は民主党のバイデン候補が勝利してますが、それは僅かな差。11月の激しい選挙の疲れもあり1月の再選挙の投票率は下がるのはほぼ確実。投票率が下がれば元々の地盤の共和党の勝ちだろうなというのが私の観測でした。
そこへ今回の連邦レベルでの急な大麻解禁への下院の動きです。これ、私には、「もしジョージア州で民主党が2議席とも獲れたら全米規模で大麻解禁になりますよ!」というキャンペーンに聞こえるんですよね。
つまりですね11月の段階では存在しなかった別の投票に出向く動機を作って、ジョージア州での投票率をあげようとしてるんじゃないかなと。今回の下院の議決では将来の大麻の娯楽使用・医薬品としての利用を非犯罪化するだけではなく、過去に大麻関連で有罪判決を受けた人たちの犯罪歴も全部消去しようというもので、過去大麻で有罪となったことのある人たちにとってはメリットのあるものとなってます。政治的な右左に関わらず大麻愛好家や犯罪履歴を持つ人はかなりいると考えられ、固い南部の地盤を割りにかかるにはこの法案は意外と効くかもなとは思えます。民主党の選挙戦略としてはかなりひねった変化球ですが、これを考えついた人はなかなかの策士で頭が良いなと思えます。
以上すべて私の解釈で、こういうことを今の時点で言ってるマスコミはないと思います。
そこで最初のNBAの話に戻ります。同日に急に連邦下院とNBAが大麻解禁方向の動きを起こしたのは本当に偶然なんだろうか、という疑問を感じるわけです。連邦下院の民主党の動きと、NBAは示し合わせている可能性があるのかもしれない。NBAがこの話題を持ち出すことで政治ニュースに疎い層へも連邦下院の動きの宣伝になるのではないかということを感じます。大統領選のときもトランプ大統領が「NBAは政治団体みたいだ」と非難していたのですが、確かにそういう面はあるのかもなーというところです。
現状、全米の既に半数以上の州で医療大麻がどういう形でか合法、およそ1/3の州が娯楽大麻を合法化の方向。但し連邦レベルではいまも違法なため医療目的で用いられても医療保険の対象になりえず、また購入する際もほぼ現金のみ。クレジットカードは連邦法で違法のものを購入することができないからです。キャッシュレス化が進んでいる中、これは不便ではありましょう。また合法州から合法州に大麻を持って移動する場合でも連邦法では違法という微妙な状態です。これらの問題が全部消失するってことです。大麻好きが嵩じてNFLを追われていったRicky Williamsが懐かしいですね。