激しかった大統領選挙戦もついにあと一週間。私の周りでは期日前投票を利用した人が多く投票済み、ムードはもう開票を待つばかりという感じになってます。2ヶ月ほど前に「なぜそんなにBig Tenが重要なのか」と題して大統領選の激戦州がBig Tenの地盤と大きく重なるという話を書きました。あれから2ヶ月。状況はさらに絞られてきてBig Ten勢力圏内ペンシルベニア州が最後の決戦場となっています。
各種の調査が連日アップデートされていて、調査により若干のばらつきはあるもののコンセンサスは、もし激戦州(フロリダ・オハイオ・ノースカロライナ・ジョージア・アイオワ)をトランプ大統領が全勝してもまだ当選圏には届かない。対立候補が優勢とされる水色州を少なくとも2つひっくり返さないと当選できない見込みとなってます。それでいまぎりぎりになってトランプが張り付いているのが水色ペンシルベニア州となってます。同州は選挙人の数が多いのでもしここをひっくり返せると極僅差でまだ足らないのですが、とにかくひっくり返せそうなのはここだと狙いを定めているようです。
ペンシルベニア州というのは東海岸にも面しPhiladelphia市が州内最大都市。州中央にアパラチア山脈をいただき、西にはかつての鉄鋼業の中心都市だったPittsburghも含む、地図で見ると横長の長方形状のかなり大きな州で住む人も多様です。東部気質住民と、山間部の田舎と、ブルーカラー住民の都市と州内各部で相当に色合いが違います。
アメスポだとNHLでPhilladelphia FlyersとPittsburgh Penguinsのライバル関係がまず思い浮かぶし、深い山間部にはカレッジフットボールの名門Penn Stateのキャンパスがあり、Little League World Seriesの開催地も同じく山間部の小都市にあります。
二大都市のPittsburghとPhilladelphiaのライバル関係は前述のNHLではかなり熱いのですが、MLBのPiratesとPhilliesがライバルとして目立つかというとそうでもなく、またNFLではSteelersとEaglesがカンファレンス違いということもあり絡みが少ない。NBAはPittsburghにチームが現存しません。なぜかNHLだけライバル関係が際立つ感じです。
Penn Stateは今季Big TenではOhio Stateに次ぐ二番手校として期待された学校なのですが、先週末の開幕戦でいきなりIndianaに延長戦で敗戦スタートして意気消沈となってます。以前の記事を書いたときに激戦州のオハイオ州できっとトランプが「Ohio Stateフットボールを復活させたのは自分のおかげだ。そうだろ!?」と遊説先で吹きまくるのではないかということを書きました。オハイオ州も今も激戦(微弱トランプ優勢)なのですが今のトランプにはオハイオ州よりもお隣のペンシルベニア州の水色をひっくり返すことの方が戦略上重要なのでそちらへ注力しているのだと理解しています。オハイオ州では州全体でOhio Stateの人気がとても高い。Ohio Stateの所在するColumbus市は州の中央の大都市。州全体も他州と比較して均質です。
しかし上述した通りでペンシルベニア州というのはオハイオ州と違って人心がPenn State一色っていう感じじゃないんですよね。鉄鋼労働者の街である州西側のPittsburghはインテリな主張を拒否する傾向が強く、東海岸Philladelphiaは他の東海岸の大都市と同じく先進的な気質であると自負する。PittsburghにとってはNFL Steelersこそが古き良き時代の鉄鋼都市のプライドを継承する存在で、お隣のオハイオ州のようにカレッジフットボールのOhio Stateが州全体で人気という感じではない。Penn Stateの所在地は隔絶した山の中の小さなキャンパスタウンです。そういう状況なのでトランプが遊説してもオハイオ州でやったであろう「Penn Stateフットボールをみんなのために取り戻したのは私だ!」的な演説にはあまりならないと思うんですよね。よしんばやったとしても大してウケないかと。その上Penn State、初戦で伝統的に弱いはずのIndianaにアップセット食ってしまってネタとしては萎んじゃったなという感じです。
Big Ten圏内には前回選挙で1%以下の得票差でトランプが獲ったウィスコンシン州もあります。現時点では水色に色分けされてトランプ劣勢州と認識されています。ここの旗艦校Wisconsin大はBig Tenの西地区の最有力校で、ここもPenn Stateと並んで最強Ohio Stateの対抗校のはずでした。Wisconsinは開幕戦に大勝してその存在感をアピールしていたのですが、こちらはなんと開幕戦後に主戦QBがコロナ感染となって第2戦の出場が危ぶまれることに。その上、今朝起きて見た追加ニュースではバックアップQBも感染と報じられています。QB同士で練習その他濃厚接触になりがちなのでこれはありうることなんでしょうが、これで戦う前からWisconsinは次戦ピンチ。Ohio Stateの対抗校がBig Ten開幕早々に脱落していく展開のようです。それもコロナの影響で脱落(と決まったわけではないですが)となったら選挙戦への心理的な影響はどう出るんですかね。
ウィスコンシン州は州内最大都市のMilwaukeeが全米でも珍しい社会主義の伝統を持つ都市。州の他の部分は農業の州でかなり二極分化がはっきりした州です。前回2016年ではタッチの差でトランプに振れた州ですが、今回は都市住民の投票率が上がりそうでトランプ劣勢のところへ、最終局面でWisconsinの選手たちがコロナ感染で脱落となってやっぱり防疫は大事だよということになるのか。
大統領選挙とBig Ten圏はこんな感じで最終局面でもリンクしています。
各種の調査が連日アップデートされていて、調査により若干のばらつきはあるもののコンセンサスは、もし激戦州(フロリダ・オハイオ・ノースカロライナ・ジョージア・アイオワ)をトランプ大統領が全勝してもまだ当選圏には届かない。対立候補が優勢とされる水色州を少なくとも2つひっくり返さないと当選できない見込みとなってます。それでいまぎりぎりになってトランプが張り付いているのが水色ペンシルベニア州となってます。同州は選挙人の数が多いのでもしここをひっくり返せると極僅差でまだ足らないのですが、とにかくひっくり返せそうなのはここだと狙いを定めているようです。
ペンシルベニア州というのは東海岸にも面しPhiladelphia市が州内最大都市。州中央にアパラチア山脈をいただき、西にはかつての鉄鋼業の中心都市だったPittsburghも含む、地図で見ると横長の長方形状のかなり大きな州で住む人も多様です。東部気質住民と、山間部の田舎と、ブルーカラー住民の都市と州内各部で相当に色合いが違います。
アメスポだとNHLでPhilladelphia FlyersとPittsburgh Penguinsのライバル関係がまず思い浮かぶし、深い山間部にはカレッジフットボールの名門Penn Stateのキャンパスがあり、Little League World Seriesの開催地も同じく山間部の小都市にあります。
二大都市のPittsburghとPhilladelphiaのライバル関係は前述のNHLではかなり熱いのですが、MLBのPiratesとPhilliesがライバルとして目立つかというとそうでもなく、またNFLではSteelersとEaglesがカンファレンス違いということもあり絡みが少ない。NBAはPittsburghにチームが現存しません。なぜかNHLだけライバル関係が際立つ感じです。
Penn Stateは今季Big TenではOhio Stateに次ぐ二番手校として期待された学校なのですが、先週末の開幕戦でいきなりIndianaに延長戦で敗戦スタートして意気消沈となってます。以前の記事を書いたときに激戦州のオハイオ州できっとトランプが「Ohio Stateフットボールを復活させたのは自分のおかげだ。そうだろ!?」と遊説先で吹きまくるのではないかということを書きました。オハイオ州も今も激戦(微弱トランプ優勢)なのですが今のトランプにはオハイオ州よりもお隣のペンシルベニア州の水色をひっくり返すことの方が戦略上重要なのでそちらへ注力しているのだと理解しています。オハイオ州では州全体でOhio Stateの人気がとても高い。Ohio Stateの所在するColumbus市は州の中央の大都市。州全体も他州と比較して均質です。
しかし上述した通りでペンシルベニア州というのはオハイオ州と違って人心がPenn State一色っていう感じじゃないんですよね。鉄鋼労働者の街である州西側のPittsburghはインテリな主張を拒否する傾向が強く、東海岸Philladelphiaは他の東海岸の大都市と同じく先進的な気質であると自負する。PittsburghにとってはNFL Steelersこそが古き良き時代の鉄鋼都市のプライドを継承する存在で、お隣のオハイオ州のようにカレッジフットボールのOhio Stateが州全体で人気という感じではない。Penn Stateの所在地は隔絶した山の中の小さなキャンパスタウンです。そういう状況なのでトランプが遊説してもオハイオ州でやったであろう「Penn Stateフットボールをみんなのために取り戻したのは私だ!」的な演説にはあまりならないと思うんですよね。よしんばやったとしても大してウケないかと。その上Penn State、初戦で伝統的に弱いはずのIndianaにアップセット食ってしまってネタとしては萎んじゃったなという感じです。
Big Ten圏内には前回選挙で1%以下の得票差でトランプが獲ったウィスコンシン州もあります。現時点では水色に色分けされてトランプ劣勢州と認識されています。ここの旗艦校Wisconsin大はBig Tenの西地区の最有力校で、ここもPenn Stateと並んで最強Ohio Stateの対抗校のはずでした。Wisconsinは開幕戦に大勝してその存在感をアピールしていたのですが、こちらはなんと開幕戦後に主戦QBがコロナ感染となって第2戦の出場が危ぶまれることに。その上、今朝起きて見た追加ニュースではバックアップQBも感染と報じられています。QB同士で練習その他濃厚接触になりがちなのでこれはありうることなんでしょうが、これで戦う前からWisconsinは次戦ピンチ。Ohio Stateの対抗校がBig Ten開幕早々に脱落していく展開のようです。それもコロナの影響で脱落(と決まったわけではないですが)となったら選挙戦への心理的な影響はどう出るんですかね。
ウィスコンシン州は州内最大都市のMilwaukeeが全米でも珍しい社会主義の伝統を持つ都市。州の他の部分は農業の州でかなり二極分化がはっきりした州です。前回2016年ではタッチの差でトランプに振れた州ですが、今回は都市住民の投票率が上がりそうでトランプ劣勢のところへ、最終局面でWisconsinの選手たちがコロナ感染で脱落となってやっぱり防疫は大事だよということになるのか。
大統領選挙とBig Ten圏はこんな感じで最終局面でもリンクしています。