NFLコミッショナーRoger Goodellが過去に選手の国歌演奏時の抗議行動を制限したことを謝罪しています。いまのNFLのナンバーワン若手スターであるPatrick Mahomesを含む多数の選手たちが共同で抗議コマーシャルを作成公開してNFLの態度に不満を表明したあとのタイミングでした。
コミッショナーは明言はしてませんが秋に開幕するときにはその制限を撤廃するってことなんでしょうか。また今回の謝罪コメントの中では事実上抗議行動のせいで選手キャリアが終了に追い込まれたColin Kaepernickには言及してません。KaepernickとNFLは法律上は手打ちをしているようなのでいまさら持ち出したくないのかもしれません。

というような感じでGoodellのコメントはガス抜きっぽいかなあという気もします。元々Goodellは選手にもファンにもあまり慕われていないという先入観があるので何を言っても悪い方に解釈されるのはお気の毒ではあるんですが、内容が少々中途半端なのは否めないように感じます。まだシーズン開幕まではかなり時間があるわけですから今はこんなものか。

NFLの膝つき抗議は広がりを見せたあとトランプ大統領とその支持者から強い批判を受けて、その後NFLが禁止まで踏み込んだという経過がありました。このタイミングでGoodellが態度を変えたのは選手やファンのガス抜きもそうですが、この11月のトランプの再選の可能性が大きく減ったことも影響しているんでしょうね。まだあと4年もトランプ政権が続くならとてもこの時点で政府とことを構えたくないはずですから。同時に膝つき抗議を解禁するとまでは言ってないところが風見鶏だなあという印象を強めます。


Breesの方は国旗への敬意を強調したコメントを出した翌日にあっさり陥落、謝罪コメントを出してます。4年前にこの問題が議論を呼んだ時期にも散々言われた「膝つき抗議は国旗および米国兵士への侮辱である」という理屈をBreesは今回も当初持ち出したんですが、翌日の謝罪で「抗議と国旗は別ものだ」という方向へ意見を修正しています。
この部分でBreesが後退したのは今後のこの問題での障害が大きく減ったことを意味するはずです。抗議を抑え込みたい側からすれば痛手でしょう。