他局が古い試合をビデオで放送する中、NASCARの放映権を持つFOXはNASCARのesportsに舵をきってます。これがどういう数字を出すかちょっと気になります。

通常この時期の日曜日の午後にNHLホッケーを放送するNBCは平昌五輪での女子ホッケー米国対カナダ戦を放送。アメリカ的視点では2年前の冬季五輪での最大のイベントだった試合です。

March Madnessの放映局であるCBSは1985年のNCAAトーナメント決勝Georgetown x Villanova戦。これはGeorgetownがPatrick Ewingを擁して全米制覇を遂げた試合ですね。これ、私は日本で子供のころに見てます。当時ってアメスポイベントが脈絡なく日本の地上波でしばしば放映になっていたのです。試合内容はまったく覚えてないですがEwingという名前とあの迫力ある風貌はそのときに知って、すごいのがいるなあと。その前年がたしかIsiah Thomasのインディアナでそれも見たんですよね。ちょっと今日見ていたらGeorgetownは試合開始からフルコートプレス、Ewingも走り回ってました。あー、あのEwingも若いときはこんなふうにコートをがんがん走っていたんだなあと感心。まったく覚えてませんでした。会場はKentuckyのホームアリーナRupp Arena。フロアに細線で3ポイントラインぽいものが引かれているのが気になりました。この試合では使われていないのになぜこの3ポイントラインは引かれているのか。同所ではABAの試合がときに行われていたんでしょうか。

そういう他局の放送の向こうを張ってFOXが投入しているのがeNASCAR Coca-Cola iRacing SeriesまたはNASCAR Pro Invitational iRacing Series。どちらが正式名称なのかよくわかりませんがFOXの放送上では後者が使われていました。レースの実況と解説は通常のNASCAR放送のMike JoyさんとJeff Gordon。ゲームの絵面が遠影だとぱっと見本物との差が少なく、実況の声がおなじみのこの2人の声なので、知らずにチャンネルを合わせた視聴者にアレ?と思わせるのでは。
このiRacingシリーズは年間シリーズで既に存在していたものを地上波番組に昇格させたもの。参加選手はそれぞれの自宅に備えたインタフェイスから参加。すごいのがあるんですねえ。ゲーマーだけではなく現役NASCARドライバーのJimmie Johnsonも参加、真剣な顔してやってました。Clint Bowyerは色物として下手だけど参加という役どころで参加。なかなかおもしろいです。

これ、ゲームに馴染みのないNASCARファンやら、その家族が見ていまの全米引き篭もり令のご時世、このゲームインタフェイス(なんと呼ぶのか、コクピット?)を一発買ってみようと思うご家庭もあるのでは。参加者の機材はかなりお金かかってそうな選手もいます。安い選手は$250ほどの既製品をデスクに備えたもの、お金かかってる選手はカスタムメイドの$30,000級の機材のひともいます。どちらもちゃんと戦えているので$250で戦えないわけでもないようです。どのレベルにせよこの番組がリアル需要喚起になっているし。これは良いのではないでしょうか。

過去の試合を流す他局との差はどうなんですかね。個人的にはどうも古い試合は見づらい。特に結果を知ってるのはずっと座っていられないんですが。