今日ESPNの毎日のNBA情報番組The Jumpでこの情報をやっていました。なんでも20代のNBA選手のテスタストロンの数値がシーズンが始まって3ヶ月ほどすると50代一般男性のレベルまで下がってしまうのだとか。その原因として旅から旅へのシーズンと睡眠の質の低下が関連しているのではないかという話をしてました。

NBAの20代現役選手というのは世界的に見てもこれ以上健康な人はいないという母集団といえるでしょう。栄養管理や疲労回復に最新の科学的な手法が取り入れられているという面でもほぼ世界でベストの環境下にいるであろう人たちです。その人たちのシーズン前には異常のなかったテスタストロン数値が僅か数ヶ月でガタガタに減ってしまっているというのはかなりマズイのではないかという問題提起ということになります。

NBAのレギュラーシーズンは10月開幕4月終了のおよそ6ヶ月間。プレーオフを勝ち抜くとさらに1ヶ月半ですが、ここではレギュラーシーズンに焦点を当てて考えます。6ヶ月間に82試合をこなします。
アメスポで試合数が抜群に多いMLBは6ヶ月間に倍の162試合を消化しますが、こと遠征旅行という意味だと実はNBAの方がしんどいのかもしれません。MLBは年間81試合のアウェイの試合をこなしますが3連戦が基本ですから旅は3日に一度以上にはほとんどなりません。なのでたぶん各チーム27都市前後を毎シーズン訪れているのでしょう。NBAではアウェイの同都市での連戦はほとんどないので試合をしてはそのまま飛行機に乗って次の都市へということになります。それが41試合。MLBよりもかなり多い移動負担といえそう。さすがに移動しながらの連戦はキツイということになって昨年になってアウェイのスケジュールの緩和がなされて4日間に3試合というのはなくなりました。


アメリカのTVコマーシャルでテスタストロン増強サプリの宣伝は多いです。有名なところでは元MLB Chicago White Soxの強打者だったFrank ThomasがCM出演している商品のCMはとてもよく目にするところ。他にも同様の商品は多いです。いわくアメリカの現世代のテスタストロンのレベルはアメリカ史上最低、世代ごとに減少の一途をたどっているんだとかで一世代前の男性と比較して半減、二世代前からは1/4になっていると言います。テスタストロンはやる気・筋肉の維持・精力・性欲に強く関わるとされ、そのレベルが低いと言われては男がすたると思うのかこの手のテスタストロン補強サプリはものすごくよく売れるようです。これとは別に以前にもご紹介したことがありますがED薬のTVCMもスポーツ放送では大量に流されていますから男性としての力の低下に危機感を持ってるひとたちがどちらも買ってるんだろうなあと思われます。

今回問題提起されたNBA選手たちもこういったテスタストロン増強サプリを飲んでるんですかね?それともそれはドーピングにあたるんでしょうか?ちょっとまた調べてみますが、それを飲んでいてもシーズン中にはテスタストロン値がガタ落ちになるのだとしたら、それは「治療」すべきことなんでしょうか。この件は2012年に「
ドーピングの未来 または新人類の開発
」というタイトルでこういう記事も書きました。治療と言えばOK、そうでないとドーピングと言われるというあやふやな基準がそこにはあります。
医学が進歩して、過去だったら自然な老化だとか、疲労は当たり前とされていたものが治療対象になっていくと、ドーピングと治療の境目もますますあやふやになっていくとも言えます。