よくわからないニュースだったのですが、今年からスタートしたフットボールのマイナープロリーグであるAAFが、NFL所属選手の参加をNFL選手会が認めないなら来季のAAFのシーズンを開催しない、とコメントを出しています。悲鳴なのか恫喝なのかよくわからないところです。

AAFのシーズンはいまも進行中。先日はお騒がせマンのJohnny Manzielも合流したところ。MazielはCFLをクビになった後の合流なのでNFLの選手会会員ではないはずです。

例えば既に解散したNFL Europeの場合ですと、AAFと同じくNFLのオフシーズンに開催されていて、そこへは若手のNFL所属選手なども派遣されてプレーしていた。現在のAAFには参加していない。今回のコメントが出るまでそれがNFL選手会の意向であるというのは知りませんでした。ということは逆に言えばNFL本体は選手のAAF参加を邪魔してはいないということでもあるのでしょう。
AAFの試合はNFLの手持ちTV局 NFL Networkでも放送されており、AAFとNFLの関係は悪くないのであろうことが想像できます。

それで試合の質を高めたいとかネームバリューのある選手を参加させたいとかの理由でしょう、AAFがNFL選手の参加を促したい、というところまでは理解できるのですが、参加させないならAAFが来季のシーズンを開催しない、という部分がよくわからないです。
来季は新生XFLのリーグ再開初年度になる予定です。それはプロフットボール関係者は皆知っている。そのXFLを迎え撃つべく手早くAAFを1年早く立ち上げたはずですが、その組織が自らの解散を脅し文句にしてNFL選手会に選手の供給を迫る?よく意味がわかりません。

NFLから見ればXFLは脅威とまではいかなくても、敵対組織であるとは認識しているでしょう。そのXFLにシーズンをかぶせる直接の刺客としてAAFをNFLの味方として確保した、というのも理解可能です。
ところがAAFはそれだけでは不満なようで、選手をよこせという。それもNFLに対してではなく、NFL選手会に対して。なんか筋がおかしいような。

マイナーリーグフットボールがビジネスとして成立すれば選手たちにとってはNFL以外でも働ける職場ができるわけで基本的には歓迎のはずです。いままでだとアリーナフットボールか、あとは隣国カナダのCFLに行くしかなかった。米国内のフル規格のオフシーズンフットボール組織は何度となく立ち上げられては潰れるの繰り返しでした。今回のAAFは過去のリーグよりも大手スポーツメディアの後援を受けているので各チームのHCに有名監督が就くなど以前のものよりは見栄えの良いスタートを切っているように見えますが、それでは足りないとAAFの中の人は思うようです。
来季を開催しないぞ、というのは、NFLの都合の良いXFL避けの道具にするつもりならもっとAAFのビジネスに協力しろという脅しなんでしょうが、それはNFL本体に対しては有効な言い分でしょうが、NFL選手会からしたらどうでも良いような話です。AAFが消滅してもXFLができるわけだし、AAFであろうとXFLであろうとこの先何年もつのかわかりゃしないわけですから。