先週から流れ始めたこのコマーシャルがツボにハマってしまったのでご紹介してみます。日本ではほとんど人気がないと思われるDr. Pepperというルートビア系の味の炭酸飲料のコマーシャルで、熱狂的なカレッジフットボールファン兼Dr. Pepper愛飲家しかいない架空の田舎街Fansvilleを舞台にしたシリーズもののコマーシャルの一部です。

カレッジフットボールファンのはずの息子のベッドの下にサッカー雑誌があったのを親が見つけてしまい、両親が息子を説教するという設定がウケてしまいました。母は「あなたの年頃はいろんなスポーツに興味を持つのは自然なことだから」となぐさめ、父「最初はサッカーかもしれないが、その次にはラクロスを見たりするようになるんだ」と嘆く。おわかりのことかと思いますが年頃の息子がポルノ雑誌を隠し持っていたのがバレたという、まあ世界のどこででも昔はあったであろうシチュエーションのパロディです。
これ、最初は笑って普通に見ていたんですけど、いまの時代は紙媒体のポルノ雑誌って入手困難なんじゃないんですかね?このシチュエーション自体が若い世代には意味不明なのかもしれません。

それはともかくカレッジフットボールの対極にされるのはサッカーやラクロスなんだなあというところがおもしろいです。サッカーはいまでこそ観戦スポーツとして市民権を得ましたが、それはほんのここ10年強のこと。現在のアメリカ人成人にとってはまだサッカーはあとから出てきた、伝統的なアメスポ価値観とは別モノなんでしょうね。だからこういうCMが成立する。それがラクロスとなるとさらに新しく違和感が高いと。
裏を返せばこういうふうに言及されてジョークとして成立するほどには存在感を獲得しつつあるという証明でもあるのでしょう。両ジャンルとも当ブログではサッカーはMLSが零細マイナーな頃から、ラクロスもほとんど日本では報道がないであろうMajor League Lacrosseなどを何度もご紹介してきた競技でありますから、ちょっとした感慨があります。いまさらMLSを紹介する必要はなくなったし、MLLもまだまだ利益体質という意味では課題は多いですが「次」があるとすれば今ならラクロスだと認知されるようになってきたのはDr. PepperのCM担当者にも認めていただいたレベルまで来てるわけですね。