7人制ラグビーのWorld Cup Sevensが米国内で初開催。場所はMLB San Francisco GiantsのホームスタジアムであるAT&T Stadium。メインテナントであるGiantsはこの週末は湾を隔てた近郊ライバル@Oakland Athleticsとのインターリーグ3連戦でホームスタジアムをラグビーに提供しています。Oakland A'sの野球ファンが予想しなかった夏に入ってからの頑張りでAmerican Leagueのプレーオフ進出5チームが確定しそうだった無風状態を引っ掻き回し始めた健闘ぶりはまた別途書いてみたいです。

金曜日から日曜日までの三日間で男子24カ国女子16カ国が覇を競い、結果は男女ともにニュージーランドが優勝、ともに二連覇。男子の決勝戦後のメダル・トロフィーセレモニー後にはお約束ニュージーランドがハカを上半身裸で披露して大会を締めくくりました。連日35,000人の観客を集めて盛況。スタジアムのキャパは野球の試合で約40,000人、上部席までかなりのファンがつめかけて興行的には成功大会になりました。開催日時がかぶったサンフランシスコ湾の対岸で行われていたMLBの地元同士の試合も連日満員の大盛況で、サンフランシスコ程度の規模の街でもスポーツファンをしっかり集められるのだなあとあいかわらずのアメリカのスポーツ動員力に感心。

米代表は男子は準々決勝でイングランドに延長戦の末敗退。勝ったイングランドはその後準決勝で第1シードの南アフリカに完勝で決勝進出を果たしており、米代表から見ると僅かの差で地元大会での大躍進を逃したようにも見えます。もったいない。その後は米代表は敗者ブラケットにまわりスコットランドに勝利、アルゼンチンに完敗で大会を6位でフィニッシュ。
米代表女子の方もまた惜しかった。優勝した第1シードのニュージーランドを相手にした準決勝戦でハーフタイムでリードするなど大健闘。最終的には21−26で屈して逆転金星逃し。3位決定戦で敗れて4位で大会を終えています。男女ともにあと一歩を掴みきれなかったものの、地元大会を盛り上げホスト国として恥ずかしくない成績であったと評価したいと思います。

AT&Tスタジアムはレフトスタンド後方のコカ・コーラの瓶状、野球のグローブを模したオブジェが印象的なスタジアムですが、そのコーラの瓶を背景にしてコンバージョンを蹴るラグビー。フィールドとの距離も近いのが良く絵的にもなかなかユニークで良かったです。良い会場でした。

放送はNBC系列、NBCSNで。解説にNFL New England PatriotsのNate Ebnerが。Ebnerは現在はNFLで職を得ていますが、元々はラグビー少年として育ったアメリカでは異色の存在。マイナースポーツである他の一般ラグビー関係者とは違って服や髪にカネがかかってそうなのが目立って、ああメジャースポーツで成功するってこういうことなんだな、と思わせるものはありました。ご本人はラグビーが大好きなので楽しそうに今大会に関わっている感じはよく出ていてよかったです。

いつもながらラグビーは欧州産のスポーツですがサッカーとは違って審判がしっかりしていてサッカーのアンチテーゼになっているのを感じます。エンドゾーン裏にも審判を配置、ひょっとしたら選手の数より審判の数の方が多かったのではなんて思わせるほど。誤審らしい誤審は目立たず良い運営がなされたと思います。こういうスッキリ感は見る側にとっても親切。つい昨日ラクロスでひどい審判で試合が壊されるのを見たばかりで鬱々していたのを晴らしてくれました。