連邦最高裁判所から判決が出て米国内でのスポーツ賭博の全面解禁への道が開けました。この判決はスポーツだけでなく他の係争にも類が及ぶ画期的なものとなりそうです。今回はスポーツ賭博についてだけ少し触れます。
根本的な争いはニュージャージー州が合法としたスポーツ賭博を連邦法が禁じるのは連邦憲法違反ではないかという点で、連邦最高裁判所は州の意見を支持して連邦法を無効としたということですね。連邦法と州法の優位性は、日本に於ける国の法律と地方条例との関係とは根本的に異なるということで、なぜそうなのか解説しても良いんですが長くなるのでそれは他のサイトに譲ります。

これで既にニュージャージー州で合法に営業許可を得ていた同州内の賭博業者は州法・連邦法でのいずれでも完全に合法に営業ができるようになりました。同州内では既に事業準備は整っている業者も多く、早ければ今月中のNBA Finalsにグレーゾーンなしでスポーツ賭博が可能になったことになります。他州でも様々な形でカジノや競馬場などが存在してきたわけですが、そういう場所でスポーツ賭博の販売が急ピッチで準備されると想像され、秋のフットボールシーズン前に各地で新たなビジネスが芽吹くことに。
それだけではなく将来的にNBAやNFLがスタジアム内に賭けの窓口を設置することだってありうる。外部のギャンブル施設に儲けさせるのではなくメジャースポーツ自身が胴元になろうというわけです。スポーツ賭博への取り組みではNBAが最も先行しておりコミッショナーも公的な場で研究を進めていると数年前から発言してます。アメスポメジャーの中ではNFLが一番出遅れているとされていますがそちらも近く行われるオーナー会議で遅れを取り戻すべく大きな決議を下すかもしれません。今回の決定を受けて一番最初にシーズン開幕を迎えるのがNFLですから、その動向は気になるところ。間に合うのか。下準備をずっと重ねてきていたNBAは来秋のシーズン前に自前の賭けサイトをオープンできるのか。

他には試合数が圧倒的に多いMLBが実は大きな利を得るのではないかということも想像できますね。賭ける機会が圧倒的に多いわけですし、夏場はほぼMLBがスポーツ賭博市場を独占する可能性も否定できません。