これがアメスポの範疇の話かどうかは微妙ですが、アメスポメディアの最大手ESPNの社長が薬物濫用を理由に辞任してます。使用薬物が何であるかは明らかではないですが自身の出したコメントによれば長年使用してきたということです。憶測で言うとたぶん処方箋薬の向精神薬か鎮痛剤辺りではないでしょうか。アメリカ社会における薬物というと派手な娯楽薬物であるヘロイン・コカインなどがニュースで多く取り上げられますが、実際には処方箋薬の濫用による死者の方が多いという統計になっていたと思います。日本でトヨタの米人女性役員かが数年前に逮捕されたのも鎮痛剤Hydrocodoneでしたよね。Hydrocodoneは人気濫用処方箋薬(放送禁止の曲にもしばしば出てきます)ですから、私がトヨタの件を読んだときにはああそれかとあっさり納得したんですけど、日本の方からすると鎮痛剤がなんだって?という感じだったのはないでしょうか。
アメスポの選手だとNFL Green Bay PackersのQB Brett Favreが同じく鎮痛剤の常用を告白して治療施設に入ったことがありました。あれはかなり状態が悪くなっていて滞在型の治療施設に入らないとどうしようもない段階まで行っていたのでしょう。Favreは顔が売れているから治療施設に入ったらどこからか情報が漏れるのは避けられず、自分から告白して治療に行ったということだと思います。
上級ホワイトカラーの人たちが手を出してしまうのと、アスリートが手を出してしまうのは意味合いが違うようにも思いますが、いずれにせよ薬物濫用禍はアメリカ社会の大きな問題であるのは間違いありません。向精神薬の濫用の話もすごくよく聞きます。
エリートアスリートというのは特殊な身体能力を持ち、その能力を最大限発揮することが職業。よって怪我も起こりやすく、その結果として大小の医療手術を受ける機会も多い。その際に処方される鎮痛剤使用がきっかけでハマってしまう人が多いとされます。一般人もそういう経験から処方箋薬の娯楽使用に興味を持ち、興味を持ったらいまはインターネットでいくらでも情報はありますから。
Favreは自己申告とその後の治療成果が良かったせいか、引退後の今もTVコマーシャルなどで顔を見るしパージされている感じじゃないですね。NFL番組ではまったく見かけないですが。