ESPNUとESPN3.comでラクロスの世界選手権が今週から放送されています。米国対日本、イロコイ対カナダを観戦。前者は米国の圧勝でしたが、後者は最後19秒で決勝ゴールが決まる熱戦でこれはとても楽しめました。TV放映にはなっていない(ESPN3.comのみ)ですが日本代表はイングランドに延長戦の末勝利、オーストラリアを相手に二度の延長戦の末13-14で敗れると奮戦している模様です。オーストラリア対イングランドも接戦で勝負が決まっており、今回は日豪英三カ国は力が拮抗しているようです。
ラクロスの世界選手権については四年前には決勝のみ見ています。歴史的にはアメリカとカナダが頭抜けているという構図で米国が優勝9回カナダが2回でこの両国からしか優勝国はなく、その下にオーストラリアが3位常連で、この三カ国で常に上位を占めます。そういうオーストラリアを相手に日本代表が延長戦を戦い抜くだけ力が接近したというのはラクロスの世界では大きな変動と言えるんだろうと思います。日本は四年前は4位と過去最高の成績を残しています(イロコイ代表の入国トラブルからの不参加という理由もありましたが)。
今大会のここまでの最大のニュースはイロコイ代表が若い好選手を擁して一気に3位常連のオーストラリアを押しのけて米加二大勢力の次の位置に入ってきたことでしょう。イロコイというのはアメリカ先住民の部族連合であるイロコイ連邦(連邦という訳が適切かどうか自信ナシ)のチームです。ラクロスはその起源を欧州人入植前のアメリカ先住民の競技に持つというルーツがあり、その関係から先住民部族連合に独立した代表チームを組織することを認めているのです。地域としてはカナダ・オンタリオ州とアメリカ側ニューヨーク州に跨る地域。
今回のイロコイ代表の中心選手はAlbany大を今季ラクロスのNCAAトーナメントで大躍進させ、1シーズンの得点記録を塗り替えたThompson兄弟。特にLyle Thompsonの方はNCAAトーナメントでも変幻自在のショットの連続で盛り上げてくれた選手です。イロコイ代表はカナダ戦で最終クォーターまで5点差をつけられていたのを一気に盛り返して8-8。その後も攻め続けたのですが、最後にとられた反則が痛く、カナダの逆襲を許して試合終了19秒前に決勝ゴールが決まってイロコイ代表は対カナダの史上初勝利を逃しています。私も、そして現場の観衆もアップセット期待でイロコイ応援(たぶん日本代表の選手もユニフォーム姿で応援していたような)が大いに盛り上がり、うーん国際試合+ジャイアントキリングは盛り上がるなあ、見て良かったと思いました。上に述べたようにイロコイ代表は若手を中心に選手を組んでおり、そのスタミナの差がこの試合の後半の猛烈な追い上げにつながった可能性があります。トーナメントの仕組みが上位2チームに一日休みが与えられる有利な仕組みなのですが、それでも若さとスタミナに勝るイロコイ、そして空気の薄い高地であるDenverでの大会。イロコイ対カナダの準決勝での再戦が楽しみです。
画像検索してみましたが、やはりというか結構白人ぽいですね…先祖にひとりでもイロコイがいれば、という感じの縛りでしょうか